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    しおり
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    しおり
    たった一人の墓守のはなし一人目は形にならなかった。
    二人目はかけらだけが残っていた。
    三人目は人の形になったなにかだった。
    四人目は、産声をあげなかった。

    何度も何度も繰り返して、これは生命への冒涜なのではないのかとか
    倫理 ってやつが頭をかすめていたのは初めだけの話で
    繰り返せば繰り返すほど、創る側 というやつは
    生き物を生み出している感覚なんか薄れてなくなっていく
    そこにあるのは、生か死か ではなく 成功か失敗か
    なれてはいけない 慣れてはいけないと 何度も自分に言い聞かせた。

    失敗作は死んだのだ と心に刻んで  土へ返した。

    何人も何人も何人も何人も何人も何人も
    中には人の形すらとれなかったものまで
    土を掘り 掘っては埋め  また掘り 埋めた。
    神様なんかは信じていなかったが、形だけは十字架を切る。

    いつになったら、この地獄が終わるのかと 正気になってはいけない気がした

    丘はいつしか、何百もの墓で埋まり その中を徘徊する者のことを気味悪く言う者も現れた
    この 所業は きっと 何年経っても赦される日は来ないだろう
    それだけの業を負ってさえ 産まなければならないものがある

    シルバー・ザ・ヘッジホッグ
    未来のたった一つの希望

    世界の大半が焼かれていくこの世界で 対抗しうる力の持ち主のもう一人を生み出すために
    天才と謳われたメカニックの少年と
    天才と謳われた科学者の老人が
    その生命が尽きてさえも、膨大なデータベースとAIによって管理されたシステムによって
    新たなシャドウプロジェクトを動かしている。

    そしてそれを管理する
    世界を救うことができなかった 英雄のなりそこないが一人 
    かつて彼を讃えて、人々が叫んだ名前は捨て 
    ただの針鼠に成り下がった 墓守がたった一人。そこに生きている

    いつか生まれ来る たった一つの希望を守り育てるために。




    popoco_623 Link Message Mute
    2018/08/30 20:08:47

    たった一人の墓守のはなし

    Innocent World 舞台背景説明 その1
    http://popoco.blog.shinobi.jp/Entry/662/
    その2
    http://popoco.blog.shinobi.jp/Entry/663/

    Innocent World(同人誌名)のBB(ブルーブラー・ソニック)が小さいシルバーを育てる話を以前書いたのですが(後日PDFを配布・公開予定です)

    新ソニの崩壊ENDから、シルバーが生まれるまでの間のお話。具体的な漫画を描く予定はないので、小説というか詩的文章での公開です。
    これを踏まえてから、BBの話を読んでいただけたら幸いです。

    #sonic #ソニック・ザ・ヘッジホッグ

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