恋を夢想する
生臭い現実は切り離して屑籠に投げ入れて書物のような恋がしたい
蝶のような古風で耽美な青年が良い
刃先に蜜を塗った小刀を唇にあてがって
反応を観察したい
動揺しても無感情でも興味深いことに変わりない
理性に従えば蜜を渇望しながらも生きていくことができる
欲求に陥落して舌先を出せば
じきに蜜は赤黒く汚れて死んでしまう
欲と理性の間で振れる人を見るのはとても面白い
自分の抱えるカビの生えた鬱憤さえもその刹那だけは小さなシミのように些細なことのように思えてしまう
蝶の羽で花占いをしているような気分 高揚 愉悦 快感
傲慢だと後ろ指差したこは次の蝶