キネマ・マネキン幼い頃から体温が低くて
湯につけても息を吐いても珈琲の入ったマグカップを持っても指先のほうがいつも冷たい
少し前に読んだ本のヒロインは直ぐに「人生とは〜」と例え話をしていたけれど
本当に、人生とは映画のようなもの
自分が主人公だなんて言いたいわけではない
甘いものがあればくだらないストーリーも暇つぶしと割り切って俯瞰していけるでしょ
人生は死ぬまでの暇つぶし
指先から少しづつ死んでいくような感覚で笑顔を作って
表情はまだ凍ってないはずだから
セーラー服のスカートを履くときも
髪を梳かしているときも
花を世話しているときも
自分の冷たさに頭の芯も冷めている
気晴らしに咥内に押し込んだチョコレートを噛み砕いて
エンドロールを待っている