新兵器の改良に関する記録最初のバージョンコンセプト・仕様:
・全個体を汎用型とする。
・全個体の仕様・能力は基本的に同じものとする。
・全個体で記憶・思考を共有させる。
結果:
・Dには殺した相手の能力を奪う事が出来る事が判明。
・しかも、Eの能力を奪ったDは他のDにもその能力を分け与える事が可能と判明。
・つまり、Eが一体殺された時点で全てが詰んだ。
・当該惑星は「
種」ごと破棄。
次のバージョンコンセプト・仕様:
・各個体に別の能力を付与する。
・他については前バージョンと同じとする
結果:
・概ね満足出来る結果。
・ただし、どのような能力を持つ個体を組合せるかは、今後、検討の余地有り。
想定外の事態事象:
・Eの製造工場である「ワールド・フォージ」に、最初にEを派遣した惑星の生き残りと思われるDが侵入し破壊活動を行なった。
・どうやらDがEを殺した場合、Eの能力のみならず記憶も奪う事が可能と思われる。
・当該Dは、Eの記憶から「ワールド・フォージ」の場所を割り出したものと思われる。
反省点:
・重要な情報は特定のEにのみ持たせるようにする。
更に次のバージョンコンセプト・仕様:
・各惑星に派遣するEにはチーム内に上下関係を設ける。
・重要な情報は各チームの最上位のEにのみ与える。
・各個体の通信はテレパシーを用いる。
結果:
・Eを殺したDもテレパシー能力を獲得。
・その結果、DがEのテレパシー網に流れる情報を傍受。
・早い話がEの作戦・戦術などはDに筒抜け。
・当該惑星は「
種」ごと破棄。
更に次の次のバージョンコンセプト・仕様:
・各E個体の意志疎通には、各惑星の知的生命体が用いている一般的な方法を用いる。
結果:
・当該惑星の知的生命体を捕食したDに、Eの会話内容が筒抜け。
・当該惑星は「
種」ごと破棄。
更に次の次の次のバージョンコンセプト・仕様:
・各E個体の意志疎通は複数の方法を用いる。
・各E個体の意志疎通の手段として試験的に「手話」を導入。
結果:
・概ね満足出来る結果。
・今後は、この方向で改良・微修正を続ける。
ほぼ現状のバージョン「アリシェムよ、私達の真の任務と私達が何者かについては理解しましたが……何故、この事を他のエターナルズには秘密にしておく必要が有るのですか?」
「色々と有ったんだ」
「あと、我々が兵器に過ぎないのなら、何故、各個体に個性や能力の違いを与えたのですか?」
「だから、色々と有ったんだ……」
「もう1つ質問して良いでしょうか? 何故、一部の者を除いて任務の度に記憶リセットをする必要が有るのですか」
「色々と有ったと言ってるだろ」