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    ほのぼのな日常 第3話 アタシだってすごいんだぞっ先に記しとく設定。
     美衣那(みいな):女性
     克晶(かつあき):男性
     命(みこと):女性、美衣那と克晶の父方の祖母
     律(りつ):男性、美衣那と克晶の父方の祖父
     京ちゃん(けいちゃん):女性、美衣那と克晶の母方の祖母
     家族構成は、美衣那、克晶、母親、父親、命、律、の6人
     家は、二階建ての一戸建て
     と言うことで。


     アタシはミナ。
     えっと、『美衣那』なんだけど、『ミナ』って呼ばれることが多い。
     だから『ミナ』。
     現在絶賛高校1年生。
     いよいよこれから青春がインフレする。
     アタシには弟がいる。って言っても双子の弟。
     克晶、『かーくん』って呼んでる。
     かーくんはときどきアタシを妹扱いする。
     間違ってる。かーくんはアタシの弟だ。

     ふいーっ、やっぱりママと命ちゃんの料理は最っ高。
     今夜の晩ごはんもめいっぱい食べちゃった。
     ごはんを食べ終わって、ママと命ちゃんはごはんの後片付け。
     パパと律じーちゃんはまだテーブルで何か話してる。
     んっと、そうそう、ごはんの後に大事なのはデザートよね。
     かーくんがソファに座ってミカンをむき始めた。ちょっともらっちゃお。
    「かーくんっ、アタシにもちょうだいっ」
     むにっ
     アタシはいつもと一緒、かーくんに後ろから抱きつく。
     お年頃の女の子なりの胸をかーくんの背中に押し付ける。
     これはいつものじゃれあい。
     アタシとかーくんの関係、って気楽で良い。
     女だから、とか、男だから、とか、そんな厄介なこと、考える必要なんかない。
     アタシとかーくん、ってだけの飾らない関係。
    「ミナ、いいかげん、ない胸押し付けるのやめろ」
     ミカンから目を離さずにかーくんが言う。
    「なによ、その言い方。
     いいじゃない、かーくんだってホントは嬉しいんでしょ」
     これもいつもの通り。
     こんな風に話せる姉弟って良いと思う。
    「……、
     肋骨が当たって痛い」
     !
     って、かーくん、今、何とおっしゃいましたか?
    「ちょっと、かーくん、何よ、今のは酷いんじゃないっ!」
     『ひんにゅー』とか『ないちち』とか『胸ぺったん』とか、いつも大概な言われようだけど、今のは酷い、酷すぎる。
     だから、かーくんの背中にもっと胸を押し付けてやる。
     むにむにむにむに
     どーだ、やーらかいだろっ。
    「だから、痛いって」
    「もーっ、かーくん言いすぎっ、
     ママ、かーくんに何か言ってやってよーっ」
     アタシとかーくんがこんななのはいつものこと。
     だから、ママもパパも、命ちゃんも律じーちゃんも放ったらかし。
     でも、やっぱり言って良いことと言っちゃダメなことがある。
     今のは言っちゃダメなことだ。
     パパはアタシたちをあきれ顔で見てる。
     ママもあきれ返った表情だけど、こっちに来てくれた。
    「こらっ、二人ともいいかげんにしなさいっ、
     ほら、かーくん、お風呂もうすぐ沸くから、入っちゃいなさい」
     えっと、それだけ……?
     もーっ、ママも酷いよーっ。
     残る希望は命ちゃんと律じーちゃん。
     でも、命ちゃんと律じーちゃんはアタシたちを見てにこにこしてる。
     何て言うの、その、元気な孫を見守ってる、って感じ。
     みんな酷いよーっ。
     かーくんはミカンをぱくぱくって食べちゃって、ソファから立ち上がって階段に向かう。
     もちろん、アタシには何も言わない。
     二階の自分の部屋にパジャマ取りに行ったんだ。
     ちょっとしたら、パジャマ持って戻ってきた。
     そのままお風呂に向かう。
     今度もアタシに謝るとかはなし。
     さっさとお風呂に入っちゃおう、ってつもりだ。
     でもそれじゃ、アタシの気が済まない、済むわけがない。
     だから、かーくんに見せつけてやることにしたの。
     アタシのカ・ラ・ダ。
     確かにアタシの胸は平均よりもちょっとだけ小さめ、ホントよ、ちょっとだけ。
     ママの娘で京ちゃんの孫なのに。
     でもでも、京ちゃんは「ミナは美乳」って言ってくれるし、命ちゃんだって「まだまだ成長するわ」って言ってくれてる。
     アタシは胸の大きさにコンプレックス、って言うのかな、がちょっとある。
     でも、自分で言うのも何だけど、形はきれーなお椀型だし、乳首だってカワイイ。
     かーくんはじゃれあいの延長で言ってる。
     それはいつだって分かってる。
     でも、言われるとやっぱり腹が立つ。
     だから、アタシのおっぱいだって捨てたものじゃないんだぞーっ、てかーくんに思い知らせてやるっ。

     かーくんがお風呂に入ったのを確認。
     アタシは自分の部屋に戻る。パジャマを取りにね。
     それから、作戦を考える。
     アタシがいきなりお風呂に入る。
     かーくんは絶対びっくりして、あわててお風呂から上がろうとする。
     お風呂場から出られたらおしまい。
     だからタイミングが大事。
     うん、よし。
     一階に下りてお風呂に向かう。
     脱衣場に到着。
     かーくんはのんびり湯船に浸かってる感じ。
     んふふー、いちばん良いタイミング。
     じゃあ、かーくんを驚かせてやろう、っと。
     服を手早く脱いで洗濯かごに投げ込む。
     お風呂場の引き戸に向かって。
     よし、勝負だっ!
     戸をガラガラッ、と開けた。
     かーくんは「ん?」て感じでこっちを見た。
     アタシがお風呂場に入る。
     かーくんは、ぼーっとアタシを見てる。
     何が起こってるのか分からない、って言うか、たぶんあれね、目の前のできごとが信じられない、ってやつ。
     アタシはすぐにガラガラッ、と戸を閉める。
     閉まった戸、その前にアタシ、かーくんは逃げられない。
     よし!
     戸がしっかり閉まってから、かーくんはやっと「うわーっ」て大きな声で叫んだ。
     んー、アタシが想像してたよりももっと、びっくりしちゃったみたい。
    「な、ミナ、なんだよっ!
     何で入ってきてるんだよっ!」
     かーくんは湯船の中でわたわたと大騒ぎ!
     でも、どうしたら良いか分からないみたい。
     大事なのはアタシがいること。だからかーくんはアタシを見てる。
     えへへっ、大成功!
    「何でって……、
     だって、かーくん、酷いんだもん。
     ほら、アタシだって女の子なんだよ?
     ちゃーんとおっぱいだってあるんだから」
     拗ねるようなトーンの声で言いながら、おっぱいに手を添えてかーくんに見せつけてやる。
     どうだ、まいったか!
     それでかーくんはやっと正気に戻ったみたい。
     はっとして、あわててアタシに背を向けた。
     かーくん、顔が真っ赤になってる。
     かーわいー。
    「ば、馬鹿、何でハダカなんだよ」
    「お風呂なんだから、ハダカで当たり前じゃない」
     かーくんは顔を伏せて、一生懸命アタシから目を逸らして、困惑いっぱいのうわずった声。
     アタシは当然じゃない、って感じで答えてあげる。
    「馬鹿、ミ、ミナ、
     その、隠せよ」
     かーくんの消え入りそうな声。
     完全に恥ずかしがってるみたい。
     変なの、別に恥ずかしがることなんかないのに。
     アタシはぜんぜん平気。
     かーくんはもちろんハダカ。
     でも、アタシはかーくんを見ても何とも思わない。
     それって当たり前じゃない。
     だって、かーくんなんだから。
     かーくんはどうしようもなくなってる。
     このチャンスは逃せない。
     アタシはかーくんに徹底的に仕返ししてやることにした。
     って言うか、困りきってるかーくん、って何だかカワイイ。
     そんなかーくんを見てると、もっともーっと困らせたくなっちゃった。
    「エッチな気分になっちゃう?」
    「ば、馬鹿、
     そんなわけねーだろっ!
     ミナなんか見ても何とも思わねーよ!」
     かーくん、必死になってアタシに言い返すんだけど、ぜんぜん迫力がない。
     なんか、空回りしてるって言うか、力を入れてるつもりなんだけど力が入ってない感じ。
     そんな感じでアタシとかーくんがお風呂で大騒ぎしてるのは、リビングまで筒抜けだったみたい。
     いきなりお風呂場の戸がガラッ、と開いた。
     戸を開けたのはママ。
    「こらーっ、
     なに大騒ぎしてるのっ、
     お風呂くらい静かに入りなさいっ」
     ……叱られちゃった。
     ちょっとピンチ? かーくんにはチャンス?
    「母さん、ミナがいきなり風呂に入ってきたんだよ。
     何とか言ってやってよ」
     かーくんは身を乗り出してママに言った。
     けど、ママの答えは、
    「いいじゃない、
     たまには二人でお風呂、入りなさい」
     だって。
     ママはそれだけ言って戸を閉めた。
     さすがママ、話がわっかるーっ。
     その後は、諦めきって覚悟を決めるしかなくなったかーくんと一緒にお風呂に入った。
     いつもの仕返しだーっ、てアタシは決めてるから、かーくんに散々、女の子のカラダを意識してもらう。
     二人で湯船に浸かって。
     かーくんはもう必死になってアタシから目をそらす。
     アタシを見ないように、って背中を向ける。
     それって大チャンス。
     かーくんの背中に胸を押し付けてやる。
     見えなくても意識させるのは簡単。
     かーくん、困りきってた。
     そんなことの末に、かーくんはどうだか分からないけど、アタシは何事もなくお風呂から上がった。
     二人で二階に上がってちょっとのところ。
     かーくんがアタシのパジャマの袖を引っ張った。
    「ん? なあに?」
     アタシはかーくんを振り返った。
     かーくんはまだアタシをまっすぐ見られないみたい。
     できる限りのめいっぱい真剣な表情でかーくんが言った。
    「その……、ミナ……、
     ……安売り、するんじゃねーぞ」
     そっか、かーくん、アタシのこと心配してくれてるんだ。
     それって、……嬉しい。
     『嬉しい』って言いたい。
     でも、今夜は素直になっちゃだめ。
     かーくんを困らせないと。
     だから、かーくんに言ってやった。
     息が感じられるくらいまで顔を近づけて、ちょっとばかり上目遣いで。
    「かーくんだけだよっ、
     アタシが安心してハダカ、見せられるの」
    「ば、馬鹿言うなよっ、
     ミナのハダカなんか、見たくねーよっ!」
     だって。
     でも、耳まで真っ赤になってたんじゃ、説得力、ないよねっ。


     了
    混沌野郎 Link Message Mute
    2022/08/14 7:07:09

    ほのぼのな日常 第3話 アタシだってすごいんだぞっ

    胸にコンプレックスがある美衣那さん。
    双子の弟、克晶くんに胸をからかわれました。
    常日頃からからかわれてますが、もちろん嬉しくなんかないわけで。
    克晶くんに「思い知らせてやる」ために美衣那さんが取った行動は……。そんなお話。

    #オリジナル #創作 #ほのぼの #日常 #青春 #ハッピーエンド #高校生

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