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    ほのぼのな日常 第11話 お昼寝しよーよ先に記しとく設定。
     衣笠晶(きぬがさ あきら):男性
     今出川乃那(いまでがわ のな):女性
     今出川京志(いまでがわ けいし):女性、乃那の母親
     今出川一司(いまでがわ かずし):男性、乃那の父親
     乃那の家はマンション
     と言うことで。


     僕は晶。
     最近、ようやく高校生活に慣れてきた。
     勉強。
     乃那さんに見てもらってどうにかなってる。
     今の調子で行けば、初めての試験もどうにかなりそう。
     でも気は抜けない。
     だから今日も、乃那さんに勉強を見てもらう。

     放課後。
     校門で待ち合わせ。
     ケータイで連絡し合えば楽だけど、何かこの方が良いと思う。
     乃那さんもそうらしい。
     だから校門で待ち合わせ。
     ちょっと早かったかな? 乃那さんはまだ来ない。
     少しして。
     乃那さんが歩いて来るのが見えた。
     乃那さんも僕に気づいた。
     ちょっと早足で僕のところへ。
    「ごめんね、遅くなっちゃった」
     乃那さんの元気な声。
     僕の答えはもちろん決まってる。
    「いえ、僕も来たところです」
     定型文だけど、だから良い。
    「じゃあ、行こっ!」
     乃那さんの言葉でスタート。
     二人ならんで歩く。
     行き先は乃那さんの家。
     学校からちょっとばかり歩いたところ。
     でも、歩いて通学できる。
     それに、僕の家と同じ方角。
     だから、こうして二人で歩ける。
     僕と乃那さん、何気ない会話が楽しい。
    「ふぁ」
     乃那さんが小さなあくびをした。
    「?
     乃那さん、寝不足ですか?」
     ちょっと気になる。
    「うん。
     なかなか寝れなくって」
     そう言って、もう一回「ふぁ」とあくびをした。
    「んーと、
     全部ママのせい」
     寝不足の理由。
    「京志さん、……ですか?」
    「うん。
     新しいゲーム、私に勝つまでやめられない、って」
     乃那さんの寝不足の理由。
     昨日発売された新しいゲーム。
     京志さんはすっごく楽しみにしてて、もちろん予約してた。
     仕事の帰りにゲームショップで手に入れて、にっこにこ笑顔で帰宅。
     晩ごはんを食べて、お風呂に入って、家族団欒タイム。
     京志さんは速攻でゲームを始めた。
     対戦が面白いゲームらしい。
     まず一司さんと対戦した。
     一司さんもゲームは好きだけど、腕は京志さんが格段に上。
     京志さんが勝ちを重ねた。
     一司さんは「俺にはむり」、そう言ってコントローラーを乃那さんの手に。
     乃那さんはどうしてなのか分からないけど、京志さんよりゲームが上手い。
     だから、勝ってしまった。
     その後、乃那さんが勝ち続けたから、京志さんは意地になってしまった。
     京志さんがようやく勝った時には、もう十分すぎるくらいに日付が変わってた。
     だそうだ。
    「手加減とかは……?」
     ちょっと聞いてみる。
    「それがママ、何でか分からないんだけど、
     私が手加減してる、って一発で分かるみたいなの」
     なるほど、京志さんだったらありそうだ。
    「だから、本気のママと本気の私で、勝つまでやめられない、って」
     乃那さんはあきれた声で言った。
    「それで寝不足ですか……」
    「うん」
     ふと思った。
    「じゃあ、京志さんも寝不足なんですか?」
    「そうだったら良いんだけど……、
     ……朝からいつもとぜんぜん一緒。
     いつも通りすっごく元気」
     乃那さんのあきれ返った声。
     そんな話をしてるうちに乃那さんの家に着いた。
     カチャッ、と鍵をあけて、ガチャリとドアを開ける。
     二人で中へ。
    「おじゃまします」
     挨拶は大切だと思う。
     乃那さんと一緒に玄関から上がって、乃那さんの部屋へ。
    「ちょっと待ってね」
     乃那さんは部屋に入ってドアを閉めた。
     着替えタイム。
     いつもの通り。
     僕は部屋の前で待つ。
     すぐにドアが開いた。
    「おまたせっ」
     乃那さんが招き入れてくれる。
    「おじゃまします」
     もう一回言って乃那さんの部屋に入る。
     乃那さんの服、制服から着替えて、乃那さんらしいアクティブな感じに。
    「飲み物とって来るから、
     晶くん、机、お願い」
    「あ、はい」
     乃那さんが出ていった部屋。
     部屋の端に置かれてた小さなテーブルを部屋の真ん中に持ってくる。
     かばんから教科書、ノート、ふでばこを取り出してテーブルに置く。
     乃那さんが戻ってきた。両手にグラスを持ってる。
     グラス2つをテーブルに。
    「オレンジジュースで良いかな?」
     乃那さんが僕に尋ねる。
    「はいっ」
     僕の声に乃那さんが笑顔になった。
    「じゃあ、
     勉強開始、ねっ!」
     乃那さんの明るい声を合図に、僕はまず宿題に取り掛かる。
     宿題を始めて少しして。
    「ふぁ」
     乃那さんがまた小さいあくびをした。
     ノートから目を上げて見ると、すごく眠たそう。
    「乃那さん、大丈夫ですか?」
    「……大丈夫じゃなさそう」
     ちょっと頼りない言葉。
    「お昼寝した方が良い感じかな……」
    「お昼寝……、ですか?」
     かなり眠たいみたい。
    「……お昼寝、良いね」
     乃那さん、自分の言葉を肯定する。
    「よし、お昼寝しよう!」
     ちょっと元気な声で言った。
     テーブルのすぐ横、ベッドに乃那さんは上がる。
     掛け布団をめくって、中に入る。
     次に、
    「早く早く、
     ほら、晶くんも一緒にお昼寝」
     僕を呼ぶ。
    「ねっ、早くっ」
     「お昼寝」の時点で何となく分かってた。
     最後は乃那さんと二人、お布団にならんで一緒にお昼寝、のパターンだって。
     すっごく魅力的で、すっごく嬉しいけど、僕は良くないと思う。
     結論は変わらないだろうけど、言ってみる。
    「乃那さん、だめですよ。
     その……、僕だって男ですよ」
     もちろん乃那さんだ、反論できない言葉が返ってくる。
    「うん、晶くんは男の子だよ。
     でも、男の子だけど晶くんだよ。
     だから早く」
     もう一回言っても……、結果は分かってる。
     だからあきらめることにした。
     ベッドに上がって、乃那さんの隣に。
     二人ならんで横になった。
     視線は天井に向ける。
    「乃那さん……」
     どう言ったら良いんだろ、思いつかない。
    「晶くん、困ってる?」
    「あ、はい……」
     乃那さんの質問、まったくもってその通りだ。
    「そうだよね、
     んっと、じゃあ、こっち見て」
     僕は体ごと、乃那さんを向く。
     乃那さんの顔がすぐ目の前にあった。
     僕を見てる。
     どきどきする。
    「あのね、
     ルール作っちゃおう」
     ルール、ってどう言うことだろ?
    「ルール? ですか?」
    「そう、ルール。
     私が寝てる間に、晶くんがしても良いことルール」
     乃那さんは僕の目をまっすぐ見てる。
     目を逸らせない。
     改めて乃那さんが口を開いた。
    「まずはキス、
     くちびるは、初めてだからもちろんだめ。
     だから……、ほっぺまではOK」
     乃那さんらしい。
    「何もしませんよ?」
     駄目元で抗ってみる。
    「ルールがあった方が晶くんも楽でしょ?」
     それは……。
    「……はい」
     次のルール。
    「おっぱいは……、
     服脱ぐのは良いけど、ブラ外すのはだめ。
     でも……、ブラの上からだったら触っても良し。
     これで良いよね?」
     良くないけど。
    「はい、良いです」
    「最後は、ショーツ……、
     これは見るだけ。触るのはアウト。
     こんな感じでどうかな?」
     どうかな? と言われても……。
    「分かりました。
     ……でも、本当に何もしませんよ」
     僕の言葉に乃那さんは何か嬉しそう。笑顔になる。
    「うん、晶くんだもんね。
     晶くんのそう言うとこ、すっごく好き」
    「そう……、ですか……」
     何か恥ずかしい。たぶん顔が赤くなってる、と思う。
     二人、布団の中でごそごそ動いて天井を向いて。 
    「じゃあ、お昼寝スタート」
     そう言って、乃那さんは目を閉じた。
     すぐに、すぅ、すぅ、と寝息が聞こえてきた。
     乃那さんがしっかりと眠ったのを確認して、僕は布団から出た。
     『ルール』だったら、ちょっとばかりのことはしても良いんだけど……。
     やっぱりだめだ。
     「眠ってるところに」なんて。
     僕はテーブルに向かって宿題の続きに取り掛かった。
     今日は宿題はそんなに多くなかった。
     だから余裕をもって終わらせることができた。
     せっかくだ、予習もしてしまおう。
     宿題を終わらせた勢いが落ちないうちに、予習を始めた。
     いくらかの時間の後、予習が終わるちょっと前。
     カチャン、と玄関の鍵が開いた。
     続けて、ガチャッ、とドアが開く音。
     僕は部屋から出て玄関へ。
     玄関にいたのはもちろん京志さんと一司さん。
    「おじゃましてます」
     僕はぺこりとおじぎする。
    「ん、ただいま」
    「ただいま」
     笑顔の二人から言葉が返ってきた。
    「?
     乃那はどうしたのかな?」
     京志さん、すぐに違いに気づく。
    「あ、お昼寝してます」
    「なるほど」
     僕の言葉を京志さんはすんなりと受け入れてくれた。
    「晶くん、晩ごはん、食べてくよね」
     一司さんのありがたい声。
    「はい、お願いします」
     僕を見て微笑んでくれた。
     京志さんと一司さんは一旦、部屋へ。
     スーツから普段着に着替えて出てきた。
     あ、そうだ、母さんにメール。
     ケータイを取り出して、
     「乃那さんの家で晩ごはん食べます」
     と、手早くメールを送った。
     その間に、一司さんはキッチンに立って晩ごはんの準備。
     京志さんはソファに座ってる。
     メールを送り終えて、僕はいつもの通り、ソファ、京志さんの隣に座った。
     京志さん、今日はいきなり本題に入った。
    「で、晶くん、
     どこまでしたのかな?」
     興味津々で尋ねられる。
    「何もしてません」
     堂々と言ってみる。
     僕の言葉に、京志さんはちょっと残念そうな表情になる。
    「残念、
     乃那のことだから『ルール』とか決めたでしょ?」
    「えっ! どうして分かるんですか?」
     正直、驚いた。
    「うん、
     乃那だから、そうするかなって。
     それに、そうでもしないと、晶くん納得しないでしょ?」
    「……はい」
     どうして僕のことまで分かるんだろ? 不思議だ。
    「それに……、
     晶くんは安心できるからね」
     京志さん、真面目な表情になって言う。
    「それって……」
     僕が言おうとしたところに京志さん。
    「晶くんだったら何の心配もない、ってこと」
     笑顔で言ってくれた。
     その後は、二人で何気ない話。
     一司さんの晩ごはんができあがって、3人でテーブルを囲んだ。
     乃那さんは、京志さんが寝かしとけ、って言ったのでそっとしておくことになった。
     3人で晩ごはん。
     一司さんのごはんはもちろん美味しい。
     けど、乃那さんがいないのがちょっと寂しかった。
     ごはんを終えて。
     京志さんと一司さんに見送ってもらって、僕は玄関を出た。
     しっかりと日が暮れた夜を、家へと歩いた。
     乃那さんは僕を信頼してくれてる。
     それってすごく嬉しい。
     乃那さんは僕のことをいっぱい知ってくれてる。
     だったら、僕ももっと乃那さんのことを知りたい、そう思いつつ家を目指した。


     了
    混沌野郎 Link Message Mute
    2022/11/16 20:04:45

    ほのぼのな日常 第11話 お昼寝しよーよ

    ようやく高校生活に慣れてきた晶くん。
    今日も乃那さんに勉強を見てもらいます。
    でも、乃那さんは睡眠不足だったりして。
    お昼寝をすることになるんだけど……。そんなお話。

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