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    ほのぼのな日常 第9話 むにむにタイム先に記しとく設定、
     今出川一司(いまでがわ かずし):男性
     田辺京志(たなべ けいし):女性
     一司の家はワンルームマンション
     と言うことで。


     俺は一司。
     今、大学生。
     大学生活は毎日が充実してて、毎日が楽しい。
     楽しいのは、次々と新しいことを知れるから。
     それに、京志、俺のいちばん大事な人がいるから。
     ……どっちかって言うと、京志の方が理由として大きい。
     俺と京志、初めはもちろん『友達』だった。
     そこから、ちょっとずつ、ちょっとずつ距離が短くなって、いつの間にか、彼氏、彼女、の仲になった。
     そう言えば「付き合って欲しい」なんて告白は俺も京志もしてない。
     けど、二人でいるのが当たり前になってる。

     ゲーム機を買った。
     俺がゲームをしたい、ってのはもちろんあったけど、正直なところは京志のため。
     京志はゲームが好きだ。
     家にいるときはゲームで時間がすぎる、そう言ってた。
     でも、俺の部屋に転がり込むことが多くなって、いつだったか、家に帰ったらゲーム機は両親のものになってた、そうだ。
     それから、それなりの時間になったけど、俺はゲーム機を買った。
     案の定、と言うか、京志はゲーム機に喜びまくった。
     ゲーム。
     初めのうちは京志と俺とで対戦するのがほとんどだった。
     だったけど、京志はとにかくゲームが上手い。
     俺はぜんぜんかなわない。
     京志の勝ちが続く。
     結果、対戦はつまらなくなった。
     今は京志のソロプレイを俺が見る。そんなスタイルがいつものことになってる。
     今夜もそう。

     晩ごはんを済ませて、
     後片付けを済ませて、
     京志が風呂に入って、
     俺が風呂に入った。
     風呂から上がると、今夜も京志はゲームに興じてる。
     最近のよくある風景。
     床にぺたん、ととんび座りでテレビの画面を見てる。
     俺はそんな京志の後ろに座る。
     両脚を開いて、脚の間に京志。
     京志のお腹に腕をまわして軽く抱っこ。
     今夜の京志はアクションゲームの気分。
    「どこまで来てる?」
    「ん?
     もうすぐ半分」
     画面から目を離さずに俺の言葉に答える。
     このゲーム、京志は何回もクリアしてる。
     余裕でクリアしてるみたいだけど、京志が言うには「いつもぎりぎり」だそうだ。
    「クリアできそう?」
    「んっと、ぎりぎりかな……。
     今日はちょっとキツい」
     ゲーム、後半に入った。
     京志の言葉がなくなる。画面に集中してる。
     話しかけない方が良いだろうから、俺も画面を見るしかない。
     ゲームの画面、何回も見たシーン。
     自分でプレイしてないからか、見飽きてる。
     退屈。
     退屈のちょっと後。
     むに
     むにむに
     あ、始まった。
     ゲームをしてる京志を抱っこ。
     退屈がちょっと続くと無意識に京志の胸を揉んでしまう。
     京志のソロプレイが始まって2週間くらいの頃から、理由は分からないけど揉むようになった。
     むにむにむに
     むにむにむにむに
     この「むにむに」、京志は何とも思わないらしい。
     胸を揉まれてるとしか思わない、と言ってる。
     そう言われると俺もだ。揉んでるだけ。それ以上でも以下でもない。
     京志の胸、ストレートに魅力的。
     まず、おっきい。いわゆる巨乳。
     もちろんおっきいだけじゃない。形とか、柔らかさとか、もみごこちとか、他にもいろいろ、とか。
     すべてにおいて魅力的。
     ついつい揉んでしまっても仕方ないと思う。
     もちろん揉んで良いのは俺だから。
     京志は画面を凝視。コントローラーをせわしなくあやつる。
     俺は「むにむに」を続ける。
     少しして……。
     京志、ゲームクリア!
    「くりあーっ!」
     そう言って、ゆたーっ、とばんざいをした。
     そこからゆるーっ、と腕を下ろす。
     次に俺を振り返った。
     俺の言葉。
    「京志、やっぱすごいな」
    「んふふー、ありがと」
     京志の表情、満足してる。
    「でさ、この手は何かな?」
     「むにむに」が止まって、京志の胸を軽く押さえてる俺の手、その上に京志が手を重ねた。
    「……前に言った通り、
     なんとなく、つい」
    「そっか……」
     京志のあきらめたような? 声。
     「まったく一司は……」と言う感じ。
     俺なりの考えを言ってみる。
    「何てのか、魅力的?
     ついつい揉んでしまう」
     これは理由になるのか?
     京志の答えは、
    「魅力的か……
     ……良いね」
     何か納得してくれた。
    「んー、でも、
     ゲームの邪魔しよう、とかは?」
    「ぜんぜんない、
     本当になんとなく」
     京志の問いに答える。
    「だね、
     いくら揉まれてもぜんぜんどきどきしないもん。
     一司は?」
    「……俺も、かな、
     どきどきしない」
     俺と京志、同じ感覚らしい。
     京志の言葉が続く。
    「んと、もう一回、揉んでみて」
    「うん」
     京志の要望は魅力的、もちろん応える。
     胸に添えてる手をわずかに動かす。
     むに
    「ひゃぅっ!」
     京志の体がびくんっ、と跳ねた。
    「かずしーっ、
     さっきのとぜんぜんちがうーっ!」
    「えっ?!
     一緒のつもり、マジで」
     京志の声、ちょっと怒ってる。
    「もう一回っ!」
     結果はもう分かってるけど、京志の言う通りに。
     むに
    「んきゅっ!」
     やっぱり京志の体が跳ねた。
    「かーずーしーっ!」
    「ごめんっ、ホントごめん」
     あわてて謝りながら気づいた。
     俺、どきどきしてる?
     うん、どきどきして、何か落ち着かない。
    「あのさ、京志、
     これ、さっきとぜんぜん違う」
    「それは分かってるーっ!」
     京志も同じか?
    「だから、俺もどきどきしてる」
    「……、
     ふぇっ、一司も?!」
     当たり、京志も一緒。
    「たぶん……、
     意識してなかったから、
     何とも思わなかった。
     けど、意識したから……」
     俺の言葉に、京志はこくこくとうなずいてくれた。
     うなずいてから言葉を紡ぐ。
    「……なるほど、
     つまり、ゲームの時間はもう終わり……、と」
     京志は手早くゲーム機を片付けた。
     ゲームの時間「は」、
     じゃあ「次の時間」は?
     言うまでもない。
     片付けを終えた京志が俺を向いた。
     俺はベッドに上がる。
     京志は照明のスイッチをぱちっと切った。
     かすかな光の中、京志もベッドの上に。
     俺の手をとって胸に導く。
    「意識して、……揉んで、……欲しいな」
    「うん」
     言うことは何もない。
     今夜の特別な時間が始まった。


     了
    混沌野郎 Link Message Mute
    2022/10/19 19:15:11

    ほのぼのな日常 第9話 むにむにタイム

    京志さんのためにゲーム機を買った一司くん。
    ゲームは二人の新しい楽しみなんだけど、ゲームのせいで? 一司くんに「変な癖」が付いちゃいました。
    でも、そこはそれ、「変な癖」も二人にとっては楽しみなことになっちゃうわけで……。そんなお話。

    #オリジナル #創作 #日常 #ほのぼの #恋愛 #ラブラブ

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