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    しおり
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    しおり
    二人の夢見た街 東京から引っ越してきたという男の子の名前は、小学四年生からすると小難しい漢字で構成されている。その字の一つ一つがルビ付きで、新しい担任こと猿渡先生の柔らかな筆跡によって、丁寧に黒板に書き出される。
    「狗凱剣獅。宜しく」
     クラスに溶け込む気など更々無いと言いたげな、つっけんどんな自己紹介。「転入早々だから緊張しているかもしれないが、ゆっくり慣れていこう」という担任の心配りも、狗凱には全然響かなかった。父親の仕事の都合で引っ越しせざるを得なかった。慣れ親しんだ東京から、こんな遠く離れた聞いたことも無い名前の町の小学校へと通う羽目になった。小学生として当然の不満でいっぱいで、その感情は態度に分かりやすく不貞腐れて表れている。
     物珍しい転校生の面白い名前と態度、そして赤いマフラーという奇抜な出で立ち。クラスメイトの大半が好奇の目で見ていた。狗凱はその視線にも苛立ち、小さく舌打ちをして、指定された席に就く為に机と机の間を大股で進み――何となく、その一人が視界の端に映った。ずっと俯きがちの女の子。横を通り過ぎる転校生の存在にも全く関心を向けない。妙な視線を向けられると嫌な気分になるが、逆にここまで無関心な姿でいられるのは新鮮だから、何となく気になったのかもしれない。
     だが、その日話しかけるということはせず、どうでもいいクラスメイトの一人に過ぎなかった。

     狗凱は慣れない通学路を通って帰るうちに、道を間違えたのか河川敷沿いへと出た。そこはぼさぼさに茂る草むらが広がっており、その草むらに隠すつもりすら無いのか、たくさんの空き缶や穴の空いたタイヤ、鉄骨、土管、三角コーン、赤いドラム缶、つまり不法投棄のゴミが散乱している。
     しかし狗凱の目には、それらは「資材」として映った。並べたり、繋げたり、壊してくっつけたりすれば、映画のセットとして使える。将来の夢はヒーロー映画を撮ること。これだけの資材があれば、ヒーローと怪獣が戦うに相応しい街並み――故郷の東京を再現出来ると自負し、愛造町に引っ越してきてから初めて胸が躍った。嬉々として土手を滑り降り、早速資材のあれやこれやを物色することにした。
     そして、その数日後。ゴミやガラクタを積み上げる、一人の女の子の後ろ姿。一見すると物静かで地味な、あの女の子――狗凱は、羊田と出会いを果たした。
     子供達は幼いながらに工夫し、模索し、あーでもないこーでもないと言い合い、大人達が見捨てた数々の資材を使い、そこに立派な東京の街並みを再現した。飾りつけた赤いドラム缶を東京タワーに見立て、それはまさしくガラクタの街のランドマークとなった。
     東京から突然やって来た余所者の男の子と、クラスで妙に浮いている女の子。そんな二人の交流は日常と化した。ヒーローごっこではしゃぎ回り、形だけの映画が出来上がった後、一息吐こうと二人はドラム缶にもたれかかり、他愛も無い話をする。
    「剣獅君って東京から来たんだよね」
    「おう」
    「どんな所なの?」
    「そりゃ人がいっぱいいて、店とか建物もいっぱいあって、めっちゃくちゃ賑やかだな!」
     得意げに言い切られるものの、羊田は小首を傾げた。
    「それだと、こことあんまり変わらない気がする……」
     愛造町は、世界を股にかける大企業、ゴーグル会社の日本支社が本拠地とするくらいだ。十分発展している。テレビなどで紹介される「都会の喧騒から離れた、緑豊かな古き良き田舎」という景色なんかは、自身の住む愛造町のものとは全く異なっており、つまりこちら側を「都会」と羊田は認識している。すると狗凱の大雑把すぎる説明だけでは東京も愛造町も同じに思えるし、しっくりこない。
     納得していない様子の羊田に狗凱はと口を尖らせつつ、それでも何とか誇らしさを伝えたくて続ける。
    「でもさ、日本のシュトだぜ? 日本一高い東京タワーだってあるんだぜ? そんなのサイキョーだろ? スゲーじゃん? 大体さ、ドラマとかアニメとか特撮の舞台になってんのも東京だし」
    「それは……確かにそうだね」
     思えば、二人で感想を語り合う、現在朝から放送中の特撮番組も東京が舞台だ。ヒーローというヒーローが日本の首都に固まっているのなら、他の都道府県で緊急事態が発生した時、すぐに駆けつけてくれるのだろうか……。そんな疑問を羊田は今更抱いた。けれど――自分の隣にはスターヒーローがいる。それなら、いつか愛造町に怪獣が現れても必ず平和を取り戻すから、安心だ。
     羊田の同感に後押しされ、狗凱は再び得意になって語り出す。
    「それにさ、俺の好きな特撮映画のモデルになったとこもあるからな! ずっと前、一回だけ見に行ったこともあるし!」
     すると、羊田の黒い瞳が、きらきらと光った。
    「面白そう。モデルって、どんな場所?」
    「そこな、丘になってんだよ。だから町全体を見下ろせるんだ。建物とか走ってる車とか、人なんか蟻みてーに小さく見えるんだぜ。ジオラマみたいな。でさ、しかもさ、そこから見る夕日がスゲー綺麗だったんだ。上手く言えねーけど……なんか、俺、あの場所がずっと頭から離れねーんだ。こっち引っ越して来て残念なのは、あそこに行けなくなったことだな。まあ、ここの夕日も綺麗だけど。でも、またあの丘まで行きてーなぁ」
     いつものように喋りたいだけ喋る勢いの中、しかし雰囲気は何となく違った。楽しい思い出に浸りながらも、どこか寂しい目付きを茜色が迫る空の向こうへと向ける。愛造町よりもずっと遠く離れた所の出身地、日本一高いタワーがそびえ立つ大都会。
     そこは、この町で生まれて今に至る羊田にとって未知の世界であり、彼とは共有出来ない、思い描けない、本物の光景なのだろう。
     それでも、分かることはある。 
    「剣獅君にとっての、思い入れのある場所なんだね」
     狗凱は、ぽつりとこぼす羊田の方を見た。先程まで瞳をきらきらさせていたのに、切ない顔色だった。
    「メリーはさ、愛造町生まれなんだよな?」
    「うん」
    「もしかして、他のとこ行ったことねーの?」
    「無いよ」
    「旅行は? 遠足は?」
    「旅行……覚えてない。遠足は、三年生までは近くの公園とかだった。今年は隣町まで行ったらしいけど……具合が悪くて休んだから、知らない」
     愛造小学校四年生の遠足は春に行われる。つまり転入前だった狗凱は詳細を知らない。狗凱にとっての羊田は、一緒にヒーローごっこで暴れ回る姿が当たり前だが、以前は体調不良ばかりで体育なんかは休みがちだったらしく、クラスメイトの誰かが「あれはずる休みだったんだ」どうのこうのと言うのを聞いたことがある。そんな陰口を聞いても、狗凱はフンと鼻を鳴らすだけだった。自分と同じくらいにヒーローの素質がある羊田が、ずる休みなんて卑怯な真似をするはずがないのだ。
     羊田が切なそうなのは、自分があまりにも誇らしく東京について語るものだから、きっと羨ましくなったに違いない――そんな風に思い至ったから、狗凱は「いーこと考えた!」と飛び上がった。
     狗凱に強く手を引かれ、羊田もまた立ち上がることになる。二人は向かい合う。
    「大人になったら二人で東京行こーぜ。映画撮るならやっぱ東京だろ。んで、メリーにもいつか見せてやるよ。本物の東京タワーも、夕日の見える丘も!」
     「な?」と繰り返し念押しする狗凱に、羊田は曖昧な笑みを浮かべた。……それは叶わない。神に縛られ、朗読会に縛られ、何も知らない純粋無垢な彼に自分の願いを託し、それが叶った時には、きっと自分は死ぬだろう。
     そんなエンディングを想像していながら、やがて羊田は緩やかに頷いてしまった。
    「よし、約束な!」
    「……約束」
     小さくて細い小指同士を絡める、指切りげんまん。
     羊田は、いくつもの偽りを生み出す自分に凄まじい嫌悪感を覚える。同時に、それ以上の幸福感で身も心も包まれる。眼前にある満面の笑みが眩しすぎて、目を細めた。



     (大量の宿題を除いては)学校生活から解放される素晴らしい日々、夏休み。二人も例外ではなく、当然ながら夏休みのほとんどを河川敷で過ごしている。
     蝉の大合唱が響き渡る真夏の日差しの下、大汗を掻きながらヒーローごっこに耽り、時には木陰で休み、水筒に口をつけてごくごくと喉を鳴らす。休憩の間に新しい映画のシナリオを練り、必殺技だとか武器だとかの話になり、どちらのアイデアがカッコイイかと言い合いになり、自然とヒーローごっこは再開する。
     そんな夏休みを一日ずつ、一日ずつと過ごすうちに、段々と羊田は狗凱の様子が気掛かりになった。隣の様子がおかしい。休憩中、べらべらと続くはずの雑談に沈黙が生まれたり、足元の建物に気付かないで踏んでしまったり、使い慣れた工具を手から滑らせてしまったり、普段の彼からは想像もつかない姿を晒す。
    「なあ、メリー」
     今日も不思議な呼びかけをされる。そこから話を続けたいような、続けたくないような、微妙な口調。
    「どうしたの?」
    「俺、さ」
    「うん」
    「や……やっぱ何でもない! あー! そろそろ休憩終わり! ほらやるぞ、メリー!」
     やはり彼らしくない、歯切れの悪い言い方だ。怪訝に思った羊田が、そろそろ追及しようかしまいかと躊躇ううちに、狗凱は無理矢理の勢いで立ち上がった。
    「よし、今日も武器作るか! もうすぐ夏休み終わっちまうしな。そーだそーだ、昨日の二人のさ、まだ作りかけのやつあるじゃん。もうペンキ乾いただろ。俺、持つとこにギザギザの線みたいなの入れたいなーって思って……ジャーン! 彫刻刀セット持ってきたんだ。メリーも使うだろ?」
     刃先が危ないので加減はしつつ、狗凱は彫刻刀の一本を羊田の手元へと差し出す。
     差し出されたからには、羊田は受け取らざるを得ない。先程の歯切れの悪さを無かったことにしたいが為の強引な仕草だと、読み取ることは出来たのだけれど。
    「ほら、さっさと始めようぜ、メリー」
     いつもの笑顔で促されてしまい、羊田は頷くしかなかった。
     ――それに、一抹の予感もあった。



     彫刻刀で柄にそれぞれの装飾を施し、ヒーローの剣を完成させてから数日後には夏休みが終わった。長い長い休みを堪能した子供達にとっては余計に気怠さを感じさせる、いつもの学校生活の再開だ。
     しかし、そのクラスでは違う雰囲気が漂った。下校前の帰りの会、さっさと学校を飛び出したい子供達を担任が制し、担任は狗凱を教壇へと招く。そして、「親御さんのお仕事の都合の為、彼はまた転校することになる」と伝えた。気弱そうだが真面目な背の低い男子は礼儀として会釈し、お調子者の男子は特に興味が無いのか、隣の席の優等生にちょっかいをかけている。クラスの大半の反応はそのどちらかに近いものだった。短い間だったけれど愛造小学校の仲間になってくれてありがとう云々と担任は語り続けるが、狗凱自身は別に担任の思いやりの言葉も、クラスメイトの様子も気にせず、それっぽい別れの挨拶を簡潔にした。
     ただ、席に就いて硬直する羊田からの射抜くような視線に、気付かないふりをした。

     下校時間になり、平静を装う二人は、いつも通りの言葉を交わす。
    「河川敷行こうぜ」
    「うん」
     校門を出て見慣れた通学路を進み、やがて道を逸れる。その歩みはぎこちなく、やけに二人はゆっくりと進むことになる。しかし道中、やり取りは無かった。
     ようやく河川敷に辿り着いてからも、当然ヒーローごっこを始めようという空気にはならず、どちらからともなくドラム缶の元に腰を下ろし、しばらく二人は黙り込んでいた。
     だが、黙ったままでは時間が無駄になる。着々と期限が迫っている。それならせめて話をするべきだと、二人は同じことを考える。
     そもそも、本当はもっと早くに、真っ先に羊田へと引っ越しの件を狗凱は伝えるつもりだった。なのに出来なかった。ずるずると引き延ばしたところで変わるはずのない、確定している未来を恐れたせいだ。そして結局は夏休みも終わり、担任によって発表されてしまった。
     もう、逃げられない。だから狗凱が切り出した。
    「聞いたろ、さっき」
    「聞いてたよ」
    「こっち来たのもそうだったけどさ、父ちゃんのテンキンってやつ。また引っ越すんだ」
    「東京に帰っちゃうの?」
    「おう」
    「そっか……」
     改めて本人の口から言われても、現実味が無い。いや、多分、現実を受け入れたくなかった。混乱する本心を取り繕う為に、羊田は短く応えるしかなかったのだ。
    「お別れだね」
     あまりにも淡々とした口調を聞いた瞬間、狗凱の中で火花が散り始めた。
    「メリーは……俺がいなくなったら寂しいとか、思わないんだな」
     その心外な言葉に、羊田は目を見開いた。咄嗟に隣へと視線を向けると、これまで一度も見たことの無い、思い切り眉間に皺を寄せ、頬を真っ赤にしている、泣くとも怒るともつかない、ぐちゃぐちゃに顔を歪ませる狗凱がいた。
     狗凱の表情を見た途端、崩壊しそうな心を堪えなければならない羊田は、おずおずと口を開く。
    「寂しいに決まってる。それに、凄く辛いよ……」
     彼が側にいなければ、脳裏では延々と神の声が響き渡るから――それは事実だ。しかし、それ以外の気持ちもいつしか芽生えていた。彼に教えられてから始まった、共に紡いだヒーローの物語。彼が引っ越しするということは、その日々が失われるということだ。そんな現実は、この上なく嫌だった。
    「だったら!」
     大爆発した狗凱は叫び、立ち上がり、羊田の手を掴んで引っ張った。二人は向かい合う。向かい合っているはずなのに、すれ違う。
    「メリーも東京来たらいいだろ! 俺と一緒に!」
     無茶苦茶なことを口走っている、その自覚は狗凱にもある。自分が親の都合で引っ越さなければいけないように、羊田には羊田の家があり、親がおり、所詮他人でしかない相手の家庭事情に何の権限も無い子供が踏み込めるわけがない。スターヒーローを自称する、小学四年生の幼い頭でも、それくらいの分別はつく。
     ただ、言いたかった。言いたくて堪らなかった。離れ離れになるのは嫌だと、せめてお互いの気持ちは同じだと、言葉にして確かめたかっただけだ。
     それなのに、自分と違って羊田は妙に落ち着いて立ち尽くしているように見えた。そんな羊田の態度が悔しくて、苛立たしくて、握るその手を無意識に強く締める。
    「私は……駄目なの」
    「何でだよ!」
    「それは……」
     羊田は、目を伏せる。視線を合わせたまま続ける勇気は流石に無い。
     そして心にも無いことを言う。
    「愛造町が、好きだから」
     狗凱は息を飲んだ。それから、羊田の手をずっと握っていたことに気付き、握り返されないことに気付き、込み上げてくる悲しみと共に全力で振り払った。
    「あーあーそうかよ! じゃあ俺はこんな町、だいっきらいだな! やっぱ日本一高い東京タワーのある東京の方がカッコイイし! ここだって、河川敷だって嫌いだ! ゴミばっかで汚ねーしさ! サイアク!」
     一歩、二歩と下がり、大袈裟に言い放ち、二人で地道に地面に並べた東京の街並みを蹴ってみせる。蹴飛ばされた空き缶はカランカランとやけに快音を響かせ、それが辺りの空気を余計に重々しくさせる。
     しかし、羊田は場違いなほどに静かだった。その内心では悲しい怒りを、ぐっと我慢しているだけだ。どうしてそんな酷い嘘を吐くの――と、当たり前のように自分の偽りを差し置いて、口の中で狗凱を非難する。
    「俺、引っ越しなんて最初からしたくなかった。愛造町とか聞いたことねーし。ずっと東京で暮らせてたら良かった。こんなとこ来るんじゃなかった。そしたらお前と会わ――」
     勢いのまま言いかけ、しかし喉が詰まる。それだけは有り得ないと、自分の中の本心が拒絶反応を起こす。
     それなのに、羊田の態度は変わらない。下げられたままの視線こそが自分に対しての拒絶に見えた狗凱は、下手糞な深呼吸をした後、はっきりと告げる。
    「もう話しかけたりしない。もうここにも来ない。ヒーローごっこなんて、遊びなんて、終わりだ。……絶交だからなっ!」
     腹の底からの叫び。そして心の底では、最後の最後まで期待していた。羊田が首を横に振ってくれることを。
     しかし、叶わない。
    「分かった」
     短く、小さく、彼の決別を受け入れる。
     狗凱は、もう何も言えなかった。言える言葉が何一つ無かった。目頭が熱くなっていく。誤魔化したはずの悲しみが溢れ出そうになる。だから強く地面を蹴立てて、一緒に作ったヒーローの武器を踏み潰して、その場から逃げ出した。
     赤いマフラーをなびかせながら走り去る背中を見届け、独り残され、心にぽっかり穴が空いた羊田は、告げる。
    「ごめんね、剣獅君」
     やがて別れの現実を理解していく。空いた穴はどんどん大きくなり、命の灯火が消えていくように萎んだ心。手が震える。足が震える。声が震える。頭の天辺から足の爪先まで、巡る血液が冷や水へと急激に変化していく、おぞましい錯覚に陥る。
     氷のように冷たくなった体から絞り出される、最後の熱い熱い涙が流れ出す。
    「でも……私、ずっと待ってるから。いつか帰ってくるって、分かってるから。きっと神様が、そういう風に、仕組んで……て……」
     ひっく、ひっくと引きつる声で、回らない思考で、神が定めるシナリオを思い浮かべる。だが、空気の抜けた風船のような心では受け止めることが出来ない。
     もう彼には届かない、せめてもの祈りを、地面に転がるぽっきり折れた剣へと捧げる。
    「約束、叶えてくれるって、信じてるからね」
     彼が走り去った方向とは真逆へと、羊田もまた歩み出す。ふらふらと不安定な足取りで、びしょ濡れの目元を腕で何度も拭う。始まる神の声すらも、今はどうでもいいと思った。

     宣言通り、その日以来、二人が口を利くことは無かった。
     意地っ張りな狗凱が前言撤回出来るはずもなく、羊田もまた神の定めとして諦め、引っ越しを機に二人の交流は途絶えた。



     それから、十数年の月日が流れた。



     一つの用を済ませ、建物の自動ドアから出てきた狗凱は辺りを見渡すと、軽く溜め息を吐き、スマホを取り出す。メッセージを送りつけてやらなければならない。その一覧の一番上に表示されているアイコンはもふもふの羊のイラストで、登録名は勿論あだ名だ。
    『話終わった。今どこ?』
     そう投げかけながらも、大方あそこだろうと見当はついているので道を進む。
     相変わらず背丈の高さと目立つ服装のせいですれ違いざまに一瞬の好奇の目が向けられるが、慣れている当人は気にしない。それに、凄惨な怪事件が起こった地よりもその視線はすぐに逸らされ、どうせ他人事として切り離す。あの怪事件の地――愛造町から遠く離れた東京の群衆は、自分を、自分達を、無闇に詮索しないものだ。
     一分も経たないうちにスマホから通知音が鳴った。
    『東京タワーがよく見える場所』
     と、それだけの返信が来た。
     迎えに行く、とも返さず、狗凱は目的地へと足早に向かった。

     そしてすぐに見つける。ベンチに座り込む、ショートボブの後ろ姿。顔を少し上向きにして、一つの光景に夢中なのがよく分かる。
     狗凱は、その後頭部を軽く小突きながら呼びかけた。
    「おいメリー、またここかよ」
    「あ、剣獅君」
     応えて振り向いた羊田は、自分が突然姿を消したと言っても過言ではない状況に関して何とも思っていなさそうな、自然な顔色をしている。
     狗凱は一瞬眉根を寄せたが、とやかく言っても無駄なのは分かり切っていることなので、会話を続けることにした。
    「もう見飽きただろ、東京タワーなんて」
    「うん……。でもね、やっぱり好き。この真っ赤な東京タワーを見てると、神様を呼ぶ為の白い柱とは全然違うんだって、もうあんなの無いんだって、そう思えて、安心する。だから好きなの」
     その心からの穏やかな言い様に、むしろ狗凱は口篭もってしまう。穏やかさとは裏腹に、羊田の言う「好き」は、恐らく純粋な意味ではないと感じるからだ。
     羊田が背負ってきた、背負わされてきた神の依り代という役目。今は解放されたが、人生のほとんどをそれに費やす羽目になってしまい、その呪縛は未だに心の片隅に根付いているのだろう。彼女の望んでいた通りの贖罪を自らの手で果たしてやっていれば、今頃本当の安らぎを得ていたかもしれない。しかし、狗凱は、己の理想の為にそれを許すことなど出来なかった。
     狗凱に後悔は無い。恥晒しばかりの過去だったが、今は人生が楽しくて堪らない。それは子供の頃に羊田と交わした、二人でヒーロー映画を作るという夢が叶ったからだ。
     だが、時々不安がちらつく。羊田は……自分と同じ気持ちでいてくれているのだろうか。それを率直に問いかける勇気は、自分の人生を楽しいものとしてようやく認められた狗凱には、無い。
    「……アレ、いつの間にか、日本一高いタワーじゃなくなっちまったなァ」
     過る不安を誤魔化す為に狗凱は話題を逸らし、羊田の隣にどっかり座る。羊田は「時代が変わったんだね」と相槌を打つ。
     東京タワー――東京生まれの幼い狗凱にとっては誇らしい頂点だった建築物。しかし二人が離れ離れになっていた間に、東京タワーよりも高くそびえる設計の電波塔はとっくに完成した。子供の頃ならともかく、別に躍起になってそれを不満に思うわけではないが、何だか少し寂しいものだ。
     隣から漏れる嘆きに近い呟きを聞いた羊田は、悪戯っぽい目付きで覗き込む。
    「ねえ、また登らない? 最上階まで」
    「勘弁してくれよ……。あんな馬鹿みたいに高い所、一回きりで充分だろ」
     あまりにも広々とした晴天が近いトップデッキまで登り詰め、そこから眺めた肝を冷やす光景を思い出し、いつにも増してしかめっ面になる狗凱。その彼とは対照的に、羊田はくすくすと笑みをこぼす。
    「そのタワーで怪獣をぶっ刺す、なんて言ってたのはどこの男の子だっけ」
    「ぶっ刺すのと登るのとでは全然違うだろ! あれはでっかい怪獣をでっかいヒーローが剣の代わりとしてだな――」
     子供の頃の思い出を蒸し返され、妙に熱くなってしまった自分に気付いた狗凱は、ばつの悪そうな顔をした。
    「……もう、あの頃のスターヒーローはいねえよ」
    「そうだね。元スターヒーローは、今は夕日の見える丘での映画制作で忙しいから」
     今、二人は自主制作映画の撮影に励んでいる。そして、幼い頃の狗凱にとっての思い入れのある場所での撮影許可を得ようと、その土地を管轄する区役所に何度か通っていた。
     先程狗凱と済ませた用事も、撮影期間の僅かな延長が許されたというお達しを聞きに行くというものだった。それくらいの簡単な用事だから羊田が同席しなくても構わなかったし、「外で待ってるね」と一声かけられたから了承したものの、担当者と個室での話が終わってから区役所内を探しても、そして外に出てから辺りを見渡しても羊田の姿が見当たらなかった為、文面で連絡することにしたのだ。
     とはいえ、こんな風に羊田がふらりと姿を消すのは珍しくない。勿論最初のうちは狗凱も慌てたし、とにかく声が聞きたくて通話で安否を確認した。しかし当人は「そんなに心配しないで」と苦笑交じりに返すばかり。神に縛られていた反動なのか、一人で自由に出かけるのを好むようだった。狗凱からしてみれば、境遇からして羊田は世間知らずだろうし、気遣いとして引き留めるか、同行を心掛けた。
     が、同じやり取りを何度か繰り返すうちに少し慣れてしまい、心配には変わらないが今では短い文面で済ませる。その上、買い物中にせよ、散歩中にせよ、突然いなくなる羊田の行き先は大体決まっている。最近は区役所をよく行き来しているから、この辺りで急にどこかに向かうとなれば、そびえ立つ東京タワーを下から上まで眺めるのに丁度良い位置にあるベンチだった。
     ふと、羊田が口を開いた。
    「剣獅君」
    「何だ」
    「約束、叶えてくれてありがとう」
     向けられるものは昔と変わらない眼差し。その黒い瞳に映る人影は、ただの身勝手な一人の男に過ぎず、視線を交わす度に狗凱は安堵する。きっと羊田は自分と同じように今を楽しんでいるはずだと、そう信じられる。
     だから、信じて告げる。
    「それは……こっちの台詞だ」
     格好つけた台詞に、羊田は小さく笑って頷いてみせる。
     しばらく二人して何となく東京タワーを眺めていた。それから、今更のことではあるが、狗凱は一応苦言を呈する。
    「つーか毎回言ってっけど、一人でふらふらどっか行くなって。外で待ってるっつっても、外すぎるだろ。……心配になんだよ」
    「じゃあ、それはこっちの台詞」
     冗談っぽく返しながらも、羊田の横顔には僅かな憂いが帯びる。喧嘩別れのまま愛造町から去ってしまった自分に、級友の訃報から始まった怪事件まで愛造町に戻らなかった自分に、投げかけるにしてはあまりにも生温い皮肉だと狗凱は思う。
     二人にとって、もはや愛造町は過去のものだ。河川敷での出会い、そして共に築いたガラガラの街だけは宝物に変わりなく、しかしそれ以外は忌まわしい土地でしかない。邪悪な神を崇める朗読会、それを開いた男によって人生を狂わされた小学生達――羊田はその一人であり、大人になり、解放されたからには留まる意味など無かった。そのまま居着いていれば、お互いに罪の意識に苛まれるだけだろう。
     だから二人は愛造町を捨て去り、逃げるようにして東京へと来た。狗凱の出身地。実家のある、全くの生まれ育った故郷というわけではないが、狗凱が何とか残していたツテを使って住居の確保も出来た。そして僅かな人材と機材で好きな映画を撮り、細々とだが生きたいように生きているつもりだ。
     羊田の表情に帯びる憂いは、別のものへと変わり、狗凱をそっと窺う。
    「分かってる。私がそうだったように、剣獅君にも色々あったんでしょ」
    「……まあ、な」
     無垢な彼女に何とか言えることも、酷すぎて言えないことも、確かに色々あった。すれ違ってからの十数年間について、羊田は掘り下げようとしてこない。その距離感が心地良く、甘えている。甘えを信頼に差し替えて狗凱もそれに倣い、羊田から話し出す限りは聞かないように努める。
    「言っても仕方のないことだよね、過去なんて。私も、剣獅君も。……あの町は好きじゃない。でも、大切な思い出もあるから」
     そう強く言い切り、多くを語らない羊田に、狗凱も頷いてみせた。
     不意に、長袖に包まれた腕を摩る羊田の仕草から、涼しいを通り越した季節の風が吹いていると狗凱は察し、先に立ち上がる。
    「そろそろ冷えてきたんじゃねえの。もう帰るぞ」
    「うん。今夜はお鍋が食べたいな」
    「何鍋?」
    「辛味噌」
    「渋いな……」
    「センスあるでしょ」
     ふふ、と軽く笑った後、羊田は何か聞き覚えのあるメロディを口ずさむ。狗凱にとっても馴染み深い、多分子供の頃の自分達が観ていた、あの特撮番組の挿入歌だ。……辛味噌から連想したのだろうか。
     ベンチから離れ、鍋の具材を買い込む為に最寄りのスーパーへの道のりを二人は選ぶ。
    「映画、完成するの楽しみだね」
    「ああ。七割まで来たってところか。俺のインスピレーションが炸裂しまくる作品がな」
    「デザイン案とか、事務作業とか、交渉事とか、私だって頑張ったつもりなんだけど?」
    「つもりなんかじゃねえよ、頑張ってるに決まってんだろ。俺とメリー、二人のヒーロー映画だ」
    「そう、私達の作品だよね。明日からの予定、どうする?」
    「まず追加シーンの撮影だろ。動画編集して、それから……」
     歩幅を気にしなければ置いていってしまう、あるいは――置いていかれてしまう、隣の存在を視界の端で捉えながら、狗凱の唇から自然と漏れた。
    「なあ、完成したら、さ」
    「うん」
    「やっぱ……また登ってみるか、東京タワー。てっぺんまで。今度は夜にでも」
    「本当? 夜景が見られるの?」
    「ああ」

     子供の頃に交わした、叶わなかったはずの二人の約束。その非現実的な現実を、二人は二人の夢見た街で生きている。
     人が人を見ない雑踏の中、もう二度と離れ離れにはならないと信じて、二人が手を握り締め合うことは無かった。




        完
    猛者 Link Message Mute
    2025/10/15 22:38:51

    二人の夢見た街

    #きてどち #れじの04 #らじの04 #カンメリ

    カントク東京都出身で考察空想が止まらなくなりました。色々考えた結果、小4でカントクが東京から愛造町に引っ越してきてメリーちゃんと出会い、夏休みの後にまたカントクが引っ越してしまって…というシンプルなものとして書きました。
    れじ後日談の時点でカンメリは東京にいたのでは?

    れじ後イッツGは東京砂漠に戻ったと思われるし、ヤットも要人警護の為に東京にいたかもしれないし、そうすると探索者3人ともが実は同じ東京のどこかで過ごしていたりして。

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    • 2「理想郷ではないけれど」タイトル無し表紙と挿絵 #きてどち #らじの04 #カンメリ

      ガチ絵描きに描いて頂いた「理想郷ではないけれど」の表紙と挿絵。
      何度見ても胸がぎゅわぎゅわする美しい絵です。
      描いて下さって本当にありがとうございました。

      無断転載は絶対に許さんぞ。
      猛者
    • 美味しい時間 #きてどち #れじの04 #カンメリ

      メリーちゃんの作るホットケーキが食べたい一心で書いた話。
      カントクが面倒臭い男になってしまった。甘い物が苦手そうなのはJBから引っ張ってきた。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 二人でなら生きていける #きてどち #れじの04 #カンメリ

      きてどちのセッションで初めて泣いてカンメリに堪らず書いた第1作目。事件後、カンメリが河川敷を眺めて物思いに耽る話。
      JBがカントクとして、メリーちゃんを同じ立場に並べてくれて本当に良かった。

      シナリオブックが届く前に書いたことも一因ですが、やはり月日が経つと自分の中で自分と解釈違いを起こして何だかなあという描写もしています。
      ただ、らじの04後だとタイトルについては説得力があります。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 太陽と月とスターヒーロー #きてどち #れじの04 #カンメリ

      学校でお泊り会を過ごす子供時代カンメリの話。
      メリーちゃんを月の女神として仕立て上げると対にするなら太陽神なのに、カントクはスターヒーローを名乗っているから面白いなあみたいな。

      れじ前の締めに書いたれじカンメリでした。素敵な結末を迎える予感があったので、その通りになったので良かったです。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • れじの04小話ぷらいべったーまとめ #きてどち #れじの04 #カンメリ

      カンメリだったりカンメリじゃなかったりする内容が全部で5本。本文前には長ったらしい注釈や所感が記述。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 愛憎の町で求めた理想郷 #きてどち #れじの04 #イツ猫 #カンメリ

      男性愛者の猫山がイッツGと笑い合える理想郷を望んだ話。猫山の行動原理は案外単純だからこそ複雑に追い詰められてしまったのではなかろうか。
      猫山はメリーちゃんに同族嫌悪してミソジニーを拗らせて、メリーちゃんは猫山を哀れんでいたイメージ。この2人がどんな不毛なやり取りをしてきたのか、考え出したら止まらない。
      イッツGは言動からして女性愛者だし、恋愛関係として猫山を受け入れるのは難しいにしても、学ぶ意思くらいは持ってほしい。

      話の題材上、セクシュアリティ関係の差別表現を取り入れています。読んで辛くなったらすぐ閉じて下さい。書いた私も辛いです。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 偽りとの戯れ #きてどち #れじの04 #カンメリ

      鼠谷の死=探索者3人を帰郷させたのはメリーちゃん説。神がカントクの姿で降り立つ夢を見ては苦しめられていたら可愛い。
      メリーちゃんと鼠谷と馬場の関係性は未だに考察の余地がありすぎる。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 理想郷ではないけれど #きてどち #らじの04 #カンメリ

      らじカンメリ1作目。セッション直後の興奮だけで書いたのでシナリオブックと噛み合わない部分が多々あります。特に工場内の描写が。でも最高でした、本当に最高でした。
      らじ前に色々あってメリーちゃん死亡説を前提としている為、カントクのメリーちゃんに対する想いがそれを匂わせています。

      手塚治虫の「火の鳥 復活編」と某18禁純愛肉塊ゲーに影響されまくっています。

      ご厚意により、ガチ絵描きに表紙と挿絵を描いて頂きました。本当にありがとうございます。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 夢と影 #きてどち #れじの04 #カンメリ

      カントクがやさぐれているだけの話。通夜ぶるまいでの「羊田?羊田?」と、カントクが夢を見た後にどんな心境になったのかが気になりすぎて書きました。
      イッツGと違ってカントクは月日をかけてメリーちゃんのことを無理矢理封じたイメージ。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 僕と友達になって #きてどち #らじの04 #カンメリ

      凄く久しぶりにれじらじ小説を書きました。
      無性にカン馬場を書いてみたくなりました。
      やっぱりカンメリでした。
      猛者
    • 呼んで、呼ぶな #きてどち #れじの04 #カンメリ

      自分のあだ名が好きじゃないと言ったカントクの真意を考察空想して書いた第2作目のカンメリ。
      メリーちゃんは「メリー」という幼きカントクにつけられた変哲も無いあだ名に救われたことでしょう。

      カンメリは同じ中学に入り、しかし神の采配や思春期によってすれ違いが始まったのではと今は思います。流石に小4だけの交流であんな大層な執着と依存を抱き合うのはヤバい気がします。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 不完全な物語 #きてどち #らじの04 #カンメリ

      カンメリ大好きな馬場がヒーローという存在について問いかけるだけの話。
      らじの04は、カントクをヒーロー視し、メリーちゃんをヒロイン視した人々への報いの物語だと思う。
      「火の鳥 復活編」へのオマージュ要素有り。というかカンメリロビタ化して。

      ピクシブより再掲。
      猛者
    • れじらじカンメリSSまとめ その1 #きてどち #れじの04 #らじの04 #ヤト鼠 #カンメリ #イツ猫

      旧Twitterにて狂気のように毎日投稿していた、色んな詰め合わせ。
      大人時代から子供時代、ギャグからシリアス、ヘテロから非ヘテロ、生から死まで何でもござれ。

      大体ピクシブから再掲しつつ、読み返してSSにしては長すぎるものや封印したくなったものや過去の自分と解釈違いを起こしたものはくるっぷに移します。
      猛者
    • 生まれる前からやり直せたら #きてどち #れじの04 #カンメリ

      土管の中で母胎回帰に思いを馳せる子供時代カンメリ。

      ピクシブより再掲。
      猛者
    • 夏の約束 #きてどち #れじの04 #カンメリ

      子供時代カンメリと大人時代カンメリが、ただ平穏に夏祭りに行くだけの話。

      ピクシブより再掲。
      猛者
    • れじらじカンメリSSまとめ その2 #きてどち #れじの04 #らじの04 #ヤト鼠 #カンメリ #イツ猫

      その1よりは少ない、旧Twitterにて投稿していた色んな詰め合わせ。
      大人時代から子供時代、ギャグからシリアス、ヘテロから非ヘテロ、生から死まで何でもござれ。

      大体ピクシブから再掲しつつ、読み返してSSにしては長すぎるものや封印したくなったものや過去の自分と解釈違いを起こしたものはくるっぷに移します。
      猛者
    • 記録と記憶 #きてどち #らじの04 #カンメリ

      別名「1週間後に死ぬメリーちゃん」。
      当時どんな熱量で書いたのか、自分でもよく覚えていません。物凄く楽しかったんだろうなあとは思います。
      ただ、らじ本編前カンメリ死別説(メリーちゃん死亡説)を推すことになった全ての始まりは、カントクの棺桶発言のせいです。

      ピクシブより再掲。
      猛者
    • 舞台裏 #きてどち #れじの04 #らじの04 #ヤト鼠 #カンメリ #イツ猫

      らじの04五周年をお祝いします。
      れじらじのシナリオはカンメリが主導するお芝居でしたみたいな、ひたすら明るいギャグ小説です。

      犬飼刑事に幸あれ。
      猛者
    • 彼は彼らの為に懸念する #きてどち #らじの04

      れじかららじまでに一番精神的に成長したであろう、作中随一の気遣いの出来るイッツGの素晴らしさと、頑張り続けたヤットの切なさを称えたくて書きました。
      最初の頃は、れじに比べて後退してしまったようならじヤットの立ち回りに歯痒さがありましたが、あの妙な幼さはヤットのギリギリな精神状態を表すペレ夫のRPの賜なのではとわりと近年になって気付きました。
      カンメリは不在ですがカンメリです。カントクは停滞のイメージ。進むことも戻ることも出来ない人。

      いつぞやに書いた小話を加筆修正して本文に入れたり、「記録と記憶」との繋がりもちょっとだけ含ませました。
      猛者
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