用語その五-伝説旧文明
現代のエポスから見ればオーバーテクノロジーと言えるほど魔導機械が発達し、人類やドラゴンを支えていた1000年以上前の時代。文明末期に世界的な戦争が起き、その際に生まれた悪神タロットが魔力を介して魔道機械を暴走させて人々やドラゴンを滅ぼしていった。
最終的には『第一神災』の終結をもって消滅したが、『勇ある者』の内の『法王』の導きの元に新たなる文明を築き始め、今に至る。
『勇ある者』
かつてアルカナと共にタロットを封印した『正義』『銃士』『弓精』『獣爪』『鬼盾』『杖翼』『魔槍』『法王』の8人。
うち『法王』のみ未だに存命しており、他の7人は子孫が世界のどこかに暮らしているという。
勇ある者の中でも『正義』の名を持つ者の由来は現存する神龍【正義】スペルビアで、特定の血族ではなく歴代のスペルビアを継いだ者たちと言われている。
『第一神災』
旧文明の終焉にして、全ての始まり。人々の負の感情が募って誕生した悪神タロットを善神龍アルカナが喰らって封印し、直後に誕生した神龍たちによって世界中を跋扈していた魔物が駆逐されたところで終わりを迎えた。この神龍たちが誕生したのが天への丘と呼ばれており、そこで神災が終わりを告げたという言い伝えから「神と龍の祭壇」が建てられた。
当時の神龍たちはまだ世界の防衛本能に従って動いていたが、次第に自我が芽生え世界の何処かへと姿を消した。
『第二神災』
およそ800年前、元は【皇帝】ディクタトゥーラの国「ディアマンテ帝国」と【戦車】グローリアのペローラ連邦の前身となる国「ペローラ共和国」の間で起きた戦争だった。
しかし、そこへ乱入した【力】フォルティスによって戦乱は滅茶苦茶になり、更なる戦乱を求めて世界中を暴れまわったフォルティスを止めるべく、当時の【正義】スペルビアと『勇ある者』たちによって【力】フォルティスを打ち破り終結した。
その後、第Ⅷの書【力】へと戻ったフォルティスは、神災の犠牲となった人を弔う為に建てられた「継と蛮を鎮める塔」へと封印された。旧エスメラルダ遺跡はこの神災の名残。現在フォルティスの封印はフォルティス自身によって打ち破られ、何処かへと姿を消した。
『第三神災』
およそ550年前、価値観のすれ違いによって【女帝】フォディーナと【塔】ナートゥーラの間で激しい闘争がヴェーヌス地方によって行われた闘争を指す神災。最終的には【塔】ナートゥーラが【女帝】フォディーナに敗れたことで第ⅩⅥの書【塔】へと戻り、ヴェーヌス地方から追いやられることで終わりを迎えた。
この際、【女帝】フォディーナは自らも引き起こした神災であることを恥じ、炎の神「クレマツィオーネ」にこの地の支配権を託して何処かへと去って行った。「地と幻を鎮める塔」は、この際に建てられた慰霊碑。
『第四神災』
およそ200年前、自身の欲望を抑えきれず暴走した【死神】トルトゥーラによって引き起こされた神災。ネプトゥノ地方のほぼ全域において屍が跋扈し人々に襲い掛かる被害が発生した。次第に屍が支配し始めようとしたそのとき【悪魔】フェブリスが【死神】トルトゥーラを不意に仕留めたことで、突如としてこの『第四神災』は終結した。
その後の屍にまみれたこの地方は樹の神「トランブテール」と水の神「マナンティアル」が浄化し、そして腐食した地域を自身の能力で喰らいつくした【悪魔】フェブリスによって元の美しい情景へと戻った。「屍を鎮める塔」はその際に亡くなった人々の慰霊碑であり、同時に第ⅩⅢの書【死神】を封印する塔だが、現在も第ⅩⅢの書【死神】が封じられているかは不明。
「エメラルドの逆鱗」
およそ600年前、【星】ガラクシアスによって引き起こされた災害。元々ネプトゥノ地方にはミカ諸島の南西の島があった場所に王国があり【星】ガラクシアスはそこで人間「ステラ・グランシャリオ」として宝石商をしていた。
しかし、国王が【星】ガラクシアスとしての存在を知るや否や「無限の富と偉大な栄光」を目的にステラを捕らえることを決行するも、災害とも呼ばれた神龍の前に敵うはずもなく失敗。国民さえ彼女に富を求めたことでついに【星】ガラクシアスの逆鱗に触れ、彼女の力によって王国は島ごと消滅した。遺跡が存在しないのもこれが理由である。
この災害をきっかけに「欲に溺れれば滅びは必定」という戒めがエポスに生まれた。