140文字で書くお題 まとめ貴方はバル留で『縁のない話』をお題にして140文字SSを書いてください。「もう電池がない……」
すかさず充電ケーブルが差し出された。
「えっと、そうじゃなくて」
辺りを素早く見回し、誰もいないことを確認してバルバトスさんの胸元に飛び込んだ。
「では私も」
ぎゅむっと抱きしめ返される。
このひとといる限り、きっと、電池切れとは無縁なまま。
貴方はバル留で『独り占め』をお題にして140文字SSを書いてください。 バルバトスは新作お菓子の試食にいつも留学生を呼ぶ。
完成するまで皆には秘密だからと部屋に二人きり。
「美味しい! これ全部食べていいんですか?」
「ええ、どうぞ」
出されたお菓子は留学生だけのもの。
お菓子を口にした留学生が顔を綻ばせる瞬間はバルバトスだけのもの。
貴方はバル留で『交換条件』をお題にして140文字SSを書いてください。 【交換希望】手渡しのみ
出:人間界からの留学生(不老不死ではありません)
求:優秀な執事様
勇気に戯れを塗して送ったチャットにはすぐ返信があった。
こちら交換希望です。
末永く、大切に、幸せにいたします。
受け渡しは明日の放課後などいかがでしょうか。
貴方はバル留で『名字を捨ててあげようか』をお題にして140文字SSを書いてください。「ああ、ロミオ! どうしてあなたはロミオなの?」
留学生の劇の練習に付き合うこと数時間。
「せめて私を愛していると誓って。そうすれば私はキャピュレットの名を捨てましょう」
「愛しています。誰よりも」
バルバトスの言葉に「台詞違いますよ」の指摘も忘れて俯くその顔は耳まで赤かった。
貴方はバル留で『しゃらっぷ、きすみー!』をお題にして140文字SSを書いてください。 この幼い姿になる呪いは恋人のキスで解けるらしい。
そんなわけで小さな足で遥々やってきた魔王城。
それなのに。
「おや、可愛らしいお客様ですね」
「お昼寝の時間です」
「好き嫌いすると大きくなれませんよ」
度重なる子ども扱いに耐えかねた私の叫びが城に響いた。
貴方はバル留で『足して割って、ちょうど』をお題にして140文字SSを書いてください。「砂糖入れすぎたかも」
「おや、私のものと交換しましょうか?」
「大丈夫です」
でもやっぱり甘いお菓子と甘い飲み物の組み合わせは辛い。
そんな私を見かねてか
「失礼」
触れた唇から流れて来るのは甘くない紅茶。
確かに紅茶の味はちょうどよくなった。紅茶の味だけは。