はたして悪魔は催すのか
「なぁ…悪魔に尿意とかってあるもんなのかな…」
「は?」
突然の質問に銀髪の赤い服を着た外人は素っ頓狂な声をあげた。
そんな質問をした当の本人は指して気にした様子もなく「いやさ、」と話をはじめる。
「だって今までずっと疑問に思ってきたんだけどさ、悪魔ってそういうのいらなさそうじゃん?」
「いらなさそうっていうかないだろうな。おそらく」
「だよな……でも一応俺は元人間だから途中から悪魔にされた身としては、ある意味すごく気になることだったりするわけで……」
なるほど。
どうやら少年は体のつくりの事について考えていたようだ。
「まあ、出ねぇってことは、そういうことなんじゃねぇの?」
「うっ……やっぱり体はもう悪魔として完成しちゃってんのかなぁ……」
頭を抱えたままうんうんと唸っている不思議な模様の刺青がある少年はそれきり黙ってしまった。
悪魔に尿意ねぇ……。
銀髪頭の外人は顎に手をやり考え込んだがすぐにニヤリ、と不穏な笑みを浮かべた。
「おい、少年」
なんだ、と顔をあげる少年に銀髪頭は言い放った。
「じゃあ試してみればいいだろ」
は?
今度こそ、少年は露骨に表情であらわした。
「いーーーーやーーーだーーーーーー!!」
「いいだろうがどうせ男同士なんだ!つべこべ言わずにさっさとチャックおろせよ相棒!!」
「嫌だっつってんだろなんでこんな時ばっか相棒とか呼んでんだこの変態!!」
「おれはガキに興味はねぇっつってんだろ!おい良いからおろせ!!」
「いやだね!こんなとこで下半身露出してたら明らかに俺の方が変態じゃないか馬鹿ー!!!!」
やいのやいのと騒ぎ続ける二人をよそに少年の仲魔たちがそれぞれ
「尿とは何か」ということについて話し合っていたことを二人が知るのは休憩が終わってしばらくしてからの事。