【歴史】【歴史】
始まりは【創世神話】の通り。
まず星は始まりの二匹、虹竜と霞竜を作り、
創世の二竜は己の血肉を土台に、四匹の竜を創り上げる。
後の四大竜王となる彼らは、寂しがりな母と父のために世界の土台を作り。
広々とした世界を見た竜王たちは、自分たち以外の多くの命を創っていく。
まず初めに各地を治める王として、竜の力を色濃く次ぐ者たちを『高等神族』。
それらを作るために試行錯誤した"失敗作"を『高等魔族』とし。
彼らを護るための配下や眷属を『下等神族』『下等魔族』と置いた。
魔族や神族は竜たちの影響を少なからず持っているため、
生まれた瞬間に世界の理を"理解する"ことも多い。
高等であれば赤子の段階で言語を理解し、大人同様に言葉を話し、
下等であっても生まれた時点で自分が何者であるかを悟る力を持っている。
これら始祖の種を始まりとし、時代の流れや環境変化への適応を繰り返して
現在の多岐に渡る種族が存在し。
そして恐らくは、その最後に生まれた生命が、『人間』という種族である。
翼もなければ牙もなく、エレメンタルを扱う術ももたない人間たち。
他のどの種よりも劣っている彼らの唯一の強みは、繁殖力にあった。
彼らは弱いがゆえに群れ、子を為し、数を増やし。
その結果、最も数の多い種族となった人間たちは、
己が支配領域を増やそうと他種族の縄張りへと手を出した。
それが亀裂の始まり。
魔族、神族、そして人間を交えて始まった争いは数百年に渡り続き。
多くのものが死んでいく世界を見た虹竜が、とうとう一粒の涙を流した。
『そんなに領土が欲しいのならば、この世界をお前たちにあげよう。
その代わり、我らの世界にはもう、関わらないでおくれ』
そうして新しく作られた世界、
虹竜の涙が映した【鏡像界―ノクス】に人間以外の生き物は移り。
人間だけが残った世界を【人間界―ガイア】と呼ぶようになる。
―― それから数千年の時が経った、今。
人が残った世界では、新たな戦が人間同士で起きてはいるものの。
魔物たちの世界では、今もなお、緩やかな時間が流れ続けている。