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    ミラプトとローバ APEXゲームの周年記念だとかで、レジェンド全員での写真撮影が行われることとなった。
     集められたレジェンドたちは新しく用意された真っ赤な衣装を纏って、思い思いの場所に並ぶ。真っ先にレイスの隣に並んだワットソンの前を通って、私も親友の隣に収まることにした。せっかくの記念写真だもの、自分が一番素敵な顔をする場所で写らないと。

     けれど大半のレジェンドたちはあまりそういったことには興味がないようで、カメラマンの女性に言われるまま適当な位置に立っている。自分の魅せ方に興味があったのは私と、それから真ん中を陣取った目立ちたがり屋さんだけのようだった。
     自身の友人であるレイスの肩にもたれるようにしてポーズを決めるその目立ちたがり屋さんを眺めていると、チラチラと離れた場所を伺っていることに気がつく。視線の先を辿ってみれば、その先に居たのはなるほど、彼が懇意にしている相手だった。そしてその彼もまた、黙って自分の恋人の方へと視線を向けている。
     お互い、隣に居たいと思っていることは明らかなのに、それを口にするのは癪なのかどちらも行動に移す気配はない。そうこうしている間に、カメラマンから撮影の合図が飛んできた。

     一枚目、二枚目と撮ったところでカメラマンは再度細かな位置調整の指示を出してくる。とは言え少し右に、後ろにという程度で配置を変える気はなさそうだ。その間も、坊やたちは互いに視線を送り合っていた。じれったこと、そんなことをしてもどちらも折れて隣に移動するような性格ではないとお互いが一番わかっているでしょうに。

     結局、四枚目を撮り終えカメラマンが満足そうな表情でカメラの画面を確認するのを見て、とうとう誰よりも先に私がしびれを切らして口を開くこととなった。

    「ねぇ、ちょっと。配置を変えてもう一枚撮っていただける?」

     私の言葉に、カメラマンは笑顔で頷く。気の良いお嬢さんで助かったわね、坊やたち。
     私が場所を変えたいのだと思ったのだろう何人かが私へと視線を向ける中、相変わらず恋人の方を熱心に見ている男へと声をかける。まったく、シャイなんだか大胆なんだか。

    「貴方、こっちに来なさいよ」

     指先で軽く手招きながら声をかけた相手はぱちりと一度ゆっくりと瞬いて、「俺か?」と言うように自身を指差してみせた。それに頷いて言葉を続ける。

    「そうよ、貴方。ねぇレイス、彼と場所を変わってもらえないかしら」

     次に呼ばれたレイスは黙って私の顔を見て、次に隣のミラージュへと視線を移した。それから何かに気がついたようにあぁ、と呟いて小さく笑う。
     横にいたワットソンは不思議そうな顔をしていたけれど、レイスが移動したことで空いたミラージュの隣を見ると同時に友人がしたのと同じように短く声を上げた。それからレイスに促されて気恥ずかしそうに移動してきた人物を見て、両手を口元に添えて軽やかにいたずらっ子のような笑い声を響かせる。
     ころころとした少女の笑声を受けながら、色男は隣へとやってきた恋人の肩へと腕を置いて、それから私へとぎこちない笑顔を向けてくる。

    「な、なんか悪いなぁ」

     その言葉に貸しにしておくわと告げると、色男はハハハと乾いた笑い声を上げた。

    「待たせたわね、撮ってちょうだい」

     嫌な顔ひとつせず待っていたカメラマンへ合図を送る。彼女は了承の言葉と共にニッと口端を持ち上げてカメラを構えた。
     いきますよ、という明るい声に合わせて私も少しだけ口角を上げる。これが私の一番素敵な顔。

     追加で二枚ほど撮ったあと、カメラマンがこちらへ駆け寄ってきて先程撮ったばかりの写真を見せてくる。美しい私と、それからとても素敵な表情で並ぶ坊やたちを確認して、よく撮れてるわと伝えておいた。そのあとに写真を覗き込んだ二人もまた、満足そうに微笑んで頷いていた。
     そうしてカメラマンが他の面子にも確認をとる中、クリプトがおずおずと歩み寄ってくる。歳の割に幼い顔を恥ずかしそうに少し歪めたかと思えば、ありがとうとお礼を言われた。

    「あら、いいのよ。せっかくの記念写真だもの。一番素敵な顔ができる場所で写らないと」

     含みのある言葉も正しく拾ったらしい賢い坊やは、僅かに赤くなった顔を隠すように俯く。それを心配したのかすぐに彼の恋人が駆け寄ってきた。かと思えば、隠した顔を無遠慮に覗き込んで怒られる。
     たちまち騒がしくなる二人に肩を竦めてすぐにその場を立ち去ることにした。まったく、世話のかかるベイビーたちだこと。
    白崎 Link Message Mute
    2021/02/19 22:19:29

    ミラプトとローバ

    ※付き合ってる
    #腐向け #ミラプト

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