春を告げる鐘Schneeglöckchen グッツンターク。・・・分かってる、まだドイツ語に慣れてないんだ。・・・正確には、家の中で大人しくしてるのにもまだ慣れないが。
何か飲むか?―どうしてこうなったかなんて俺の方が聞きたい。―ハーブティーで良いか。味と話には期待するなよ。人に物事を伝えるのは苦手なんだ。
最初にここに来たのは確か秋口の頃だったと思う。と言ってもドイツの冬は早い。海流と風の関係とか昔習ったような気がするがな、もう忘れちまった。
とにかく通り魔のような寒さの中で神経がささくれ立ってた。都市部の方が荒稼ぎには向いてるが腑抜けた面で笑う親子連れとすれ違うのが大嫌いだったー酒もメシも不味くなる。寒さは酷いし催事の宣伝は喧しいしもう少し南下するつもりだったがベルリンにそこそこ名の知れた超人の本宅があった事を思い出して寄り道した。そうしたら偶然出て来たジェイドに見つかって夕食を馳走になった。
・・・その後?暖炉にあたってああ俺にもこんな故郷があったら、とかノスタルジックな気分になって空腹も満たされたもんだから寛大な気分になってジェイドがじゃれついてきたり話しかけてくるのにも一々応えてやってたら父親が客室の準備を終えていた。ジェイドは俺と一緒に寝たかったようだが(勘弁してくれ、ガキの体力はどうなってるんだ!)親父に諭されて渋々引き上げてくれた。
これでも同年代の超人の中ではそこそこ体格がいい方だと自負している、反面鏡を見る度にロンドンの暴君に似てきたことを思い知らされて苛立つが。その俺が手足を縮めずにベッドで眠れたのは何年ぶりだったろうか。
翌朝鼠がうろつくような気配に目を覚ますと数インチ開いたドアの隙間から緑のヘルムがちょろちょろこちらの様子を窺っていた。俺が起床したのに気づくとぱっと部屋に飛び込んできてベッドサイドに取り付く。
「Guten Morgen! 兄ちゃん、朝の卵料理何がいい!?ゆで卵?目玉焼き?オムレツ?オムレツおすすめだよ!」
「・・・じゃあそれを」
曙光にきらきら光る緑の目に気圧された形で答えるとジェイドは満面の笑みでオケー!と返事して駆け去っていった・・・何なんだ。朝って言うのは悪夢に呻きながら目を覚まして顔を見た相手全員への殺意に灼かれながら起き出すのが基本だろう。
手元に降りかかる陽射しさえ疎ましくベッドも直さずに階下へ向かえば香ばしい小麦の香りやオイルのかかった野菜の匂いがした。
「おう起きたか。パンはブロートとゼンメルとホルンヒェンどれがいい。飲み物はホットチョコレートを用意したが冷たいものが欲しかったら好きな物を取っていってくれ」
「兄ちゃん!アプフェルとオランジェンどっちがいい?ソーダもあるよ!」
明るいダイニングの中で、温かい朝食が並べられていって立ち働く二人が笑顔でこちらを振り仰いでそう声をかけてきて―思わず錯覚しそうになった。瞬間、がらんどうの俺の中に怒りか羞恥心か悲しみか―とにかく坐りの悪いものが押し寄せる。それを覆い隠そうと俺はちょろちょろ行き来するジェイドから顔よりでかいパン籠をもぎ取って食卓に置く。ちびでも一応超人だ、大した重さじゃないだろうがジェイドは不思議そうにぱちぱち目を瞬くとにっこり笑った。
「ダンケシェーン!」
「手伝って貰ったのか、良かったなジェイド。二人とも偉いぞ」
伝説超人が大雑把にまとめて皿を置いていく。既に食卓に並んでいたハムやチーズに加えホットココア、クリームスープ、ジェイドの言っていたオムレツは鮮やかなサンライズ・イエローの生地に威勢良くポテトやざく切り野菜が並んだスパニッシュ仕様―極めつけにパンにはバターも蜂蜜もジャムもお供している。
「・・・ドイツの朝食は軽めだって」
「夕べも言ったろう、育ち盛りの子供二人も抱えて粗食で保つか」
事も無げに返す父親にジェイドが澄んだ笑い声を上げる。出来立てのオムレツは温かくて卵の栄養が沁みて、下拵えしたキャベツやピーマンは苦みもなくて―もう俺にはどうしようもなかった。
午前中のうちにブロッケン親子が出かけてくれて本当に助かった。元々碌に荷物も無いから精一杯ベッドを直して屋敷に別れを告げた。欲しいものなんて無い、ロンドンを出た時に施されるぐらいなら奪うと決めた。
・・・それで、何でまたここにいるかって?嫌なことを聞くな。
ベルリンを出てからは元の生活に戻った、つもりだった。今日日地下プロレスや遊戯場を冷やかせば手っ取り早く稼げる手段なんて幾らでもある。繁華街に行けば朝まで時間を潰す事なんて訳ない―ただ、あの二人の言葉が頭から離れなかった。
『ドイツの冬は長いが家の中で過ごす分には悪くないぞ。スキーがしたけりゃ少し南に行った方が良いがな』
『ブンデスのイベントもあるしクーヘンも一杯作るんだよ!屋台も出るしみんなでカウントダウンしたり!一緒に行こうよ!』
―分かってる、社交辞令だ。本気で信じてた訳じゃない。俺だって気紛れに過ぎなかった。端金が余ったからハロッズでガキの喜びそうなゲームを買ったのも、冷え込みを増したドイツにわざわざ舞い戻ったのも。どうせ毎日脳天気に生きてる子供とその父親だ、一日二日顔を合わせただけの不良の事なんてすっかり忘れてサッカーやメシにうつつを抜かしている事だろう―それさえ確認できれば良かった。
「兄ちゃん!」
「おう来てたか。ベルリンに来るなら一報入れろ。迎えに行くから」
歳末市でちびが短い足で駆け寄ってきて、親父の方は俺が硬直している間にホットドリンクを三人分注文していた。その後は、当然のようにベルリンの屋敷に連れて行かれた。
「・・・くそっ」
客人を見送った後、少年は仮面に覆われた顔を押さえた。
幾ら浮き世離れした幼少期を送らざるを得なかった身でも、知ってはいたのだ。クリスマス―こちら風に言えばヴァイナッハテン―が、一般家庭にとってどのような意味を持っているか。自分の半分ぐらいしかない子供と上背は近くとも現役を離れて久しいであろう老超人だ、何故振り解く事もできず冬の休暇を共に過ごす羽目になったのか。
「・・・寒冷期だけだ。春になれば動ける」
直にアーモンドやミモザの花も咲き誇る。そうすれば野営にも障りはない。ほんの一時の邂逅だ、自分には月の光も差さぬ暗闇こそが相応しい。
「兄ちゃん、いるー?レーラァがカーニバルの買い出し行くってー」
「待て、俺も行く!」
Fastenzeit Hallo! Alles Gut? 俺の名はジェイド!ベルリンのブロッケンレーラァの所で修行中の超人レスラーの卵だよ!
うん、そうそう!知ってる?最近はもう一人超人の兄ちゃんが一緒にいるんだ!でかくて黒のロングコートとダークブロンドがすげーカッコいい!アドベントから一緒にいるんだけど俺と同じでお菓子大好きみたいでヘキセンハウスずーっと見てたよ!『今年はチョコかけて』って頼んで大正解!ヴァイナッハテンまでにレープクーヘンとかバニラキッフェルも一緒に食べたよ!
シュトーレン?そっちは一緒に作ったよ。レーラァの台所何種類も包丁とかジャムとかハーブあるからね、兄ちゃんそれ見て『・・・レンキンジュツシだ』って。良く分かんないけど難しい言葉知っててすげーよね!レーラァが変な顔して『・・・一緒にやってみるか。手を洗ってこい』って!
レーラァがアーモンドローストしてる間俺と兄ちゃんが粉ふるったり卵割ったりしてて。兄ちゃんめちゃくちゃ緊張してた、レストラン用じゃないから大丈夫だよ!
「砂遊びとか雪遊びみたいな感じだよ!卵混ざったらバター入れるからミートボールとか雪だるまみたいにおっきい固まりできるよ!」
「砂遊び、雪遊び・・・」
「うん、そう!今年はダントーだからあんまり降ってないけど真冬になったらみんなで雪だるま作ろうね!」
兄ちゃんが溜息をついた。何だかごつい肩がしょんぼりしてる。レーズンとかピール類用意してるレーラァがこっちを見てた。
「・・・年末まで邪魔するのは流石に悪いから、クリスマスまでに出て行く。ごめん」
「・・・そっか」
もう一度、俺を見て『トゥッミーライト』と言われた。ふとい腕と青い仮面がぼやける。
「それで、どこで冬越えするつもりだ」
レーラァが話に加わった。俺は慌てて目をこする。そうだよね、クーヘンとか干し肉持って行ってもらおう!
「・・・とりあえず、南下すれば寒さは避けられるかなって。ミュンヘンとかミラノとか」
兄ちゃんの言葉に俺とレーラァは顔を見合わせた。
「ちょっと待て!イメージだけで言っているだろうが南ドイツはこちらより積雪多いぞ、ミラノって冬にアルプス越えするつもりか!?悪いことは言わん、スキーや湯治ならば休暇中に連れて行ってやるから大人しくこちらに留まれ!」
「今年暖かいって言われてるけどいつまた大雪になるか分からないしたいてい夜ヒョーテンカだよ!?冬山特訓はちゃんと準備しないと超人でも死ぬってソルジャーそーたいちょー言ってたもん!俺ホットチョコレート作ってあげるから春までいなよ!」
兄ちゃんは仮面の奥でぱちぱちと目を瞬いた。やがて錆びたみたいに頷く。
「・・・分かった」
(あのあと完成したシュトーレン見て兄ちゃん『雪だるまみたい』って言ってたなー)
先程話に出たせいで思い出した粉糖をふった季節菓子は今の情景にぴったり重なる。最近はクリスマスプレゼントのゲームに夢中だったが年が明けて暫くして漸く雪が積もり、友人達と遊びに出た。公園でスケートだの橇遊びだのを満喫した子供達だが、目下の難敵は同じ雪である。
「・・・どーするジェイド、これぐらいにしとく?」
「三段だぜ、もーちょっと高くしたかったなあ」
同級生達の慨嘆を聞きながらジェイドは眉間に皺を寄せて手の届くぎりぎりまで積み上げた雪だるまを睨んでいる。
「どうしたんだ」
ずっと高い位置から声がした。ジェイドは一抱えもある雪玉を手に年上の少年を振り仰ぐ。
「雪だるま作ってたんだけど、もう届かなくなっちゃった」
「去年はもっと積めたんだよー」
「そーそー、ゼンジンミトーの二階の窓トータツ!ジェイドいるとでっかいの載せられるからさー」
「・・・でも俺、これ以上届かない」
超人の膂力で大玉を抱えたはいいものの、リーチが全く足らずジェイドは頬を膨らませる。このパウダースノーだ、バスケよろしくジャンプして載せようとすれば砕けてしまうかも知れない。去年はどうやってあの高さまで到達したのだったか。
子供達が溜息をつくと黒のロングコートを羽織った少年は思案げに下半身のみの雪だるまを眺めた。ジェイドを見下ろして問いかける。
「あれの上に、その雪玉を載せられれば良いんだな?」
「そう・・・うわっ!?」
「落とすなよ」
確認するが早いか少年はジェイドの後ろから両足を取り頭部を通した状態で立ち上がった。
「ええええええっ!!??」
身長の半分近くある雪玉を抱えたジェイドを、更に肩車して平然としている少年に子供達はおろか、逍遙を楽しんでいた他の住民達からも驚愕の眼差しが集中した。肩車されたジェイド自身呆然としている。
「丁度いい所で言えよ」
この体勢では見える訳もないのにこくこく頷くと気配で伝わったのか少年がゆっくり歩き出す。
(ヴァイナハツバウムも軽々持ってたもんなあ・・・)
背が高いって、本当に羨ましい。2m近い視点で目を丸くする友達やベルリン市街を見下ろすのは本当に爽快だ。難関のように立ちはだかっていた雪だるまさえちょこんと可愛らしく見える。
自分の身長では高すぎることに気づいたのか雪だるまの前で少年は軽く屈んだ。頬を紅潮させたジェイドがそっと雪玉を下ろす。公園が歓声に湧いた。
「ダンケシェーン兄ちゃん!」
「すげえなジェイドの兄ちゃん!あと何個か積めそうだなコレ!」
「ふだん何食ってるの!?デカくてカッコいいとかずりーな!」
ジェイド共々子供達が少年にまとわりつく。物珍しげに眺める大人達の中で顔を綻ばせる師匠と目が合い、ジェイドはすこんと納得した。
(そっか、去年はレーラァに抱え上げてもらったんだった)
春までに何度雪遊びできるか分からないが、スノードロップ以外の花も咲く時期になったらもう片方のプレゼントの双眼鏡を持って少年をいろんな所に連れて行こう。彼はデジカメを貰っていたからきっと喜んでくれるはずだ。
Osterglocken
Herzlich willkommen, mein Lieber. Lange nicht gesehen. やあ、こんな有様ですまんな。男手が増えたのはいいがまだまだ厨房の片づけは不得意なようだ。―フリューリングストルテを出そう、メランジュで良いか?もうじきレーズンクランツも焼き上がるから味見していってくれ。
さて、何から話そうか。ああ、ちび共なら卵塗ってる。・・・待てよ、チョコが足りんから買い出しに行くとも言ってたな。スプーン卵運び競争にも出るというのに羨ましい体力だな、ジェイドもケンも。
ん?・・・そうだな、その話からか。
薄暗い黄昏時に保護色よろしく溶け込んだ黒ずくめ坊主を捕獲したのは年の瀬のことだった。何、あの取り合わせに金髪はよく目立つからな。初めは些細な物音でもすぐ飛び起きるぐらい張り詰めていたがアドヴェントの後半には少し落ち着いていたかな、お節介な人間にとっつかまってこいつは逃げられんと観念した猫のようだった。確かその頃だったかな。
「伝説超人・・・」
おずおずと黒すけが小さな包みを手に声をかけてきた。我が家では日本式にプレゼントは枕元に置いている。だから誤認の可能性はないし既に開封済だったんだがそれでも確かめずにはいられなかったんだろう。
「どうした、お前さんのだぞ。気に入らなかったか?」
「そんな事は」
消え入るような声でぼそぼそと、拙いドイツ語で礼の言葉が聞こえた。逞しい肩をどしどし叩いてやり俺はふと気づいた。
「―ああ。いつまでもおい、だのお前さん、だのじゃ良くないな。―何て呼べばいい」
青い仮面越しでも黒すけが狼狽えたのが分かった。あの鉄仮面は外界から本人の表情を隠す以上に本人の意識を周囲から隔絶させる用途がデカいからな、それに甘えるなら当人が思ってる以上に表情は筒抜けだ。
影の落ちた顔がぎゅっとしかめられる。何か言おうとしては迷い、項垂れる。やれやれ、こりゃあ助け船が必要か。
「こちらが決めて良いならサフィールかオブシディアンに」
「ケネスとお呼び下さい!」
何だつまらん。が、それならそれで。
「Kenneth、か」
こう見えて英文学には親しんでいる。クイーンズ・イングリッシュ風に発音してやると黒すけ改めケネスが大きく頷いた。不安と、微かな期待を込めて。
宜しい、乗ってやろう。
「英語圏なら愛称はKenかKennyだな。―発音が悪ければ別の名前に聞こえちまうかもしれん、そこは目を瞑ってくれ」
仮面の奥で父親譲りならそれなりに男前であろう顔が嬉しそうに笑んだ。実際その辺りのあだ名で呼ばれていたとすれば、ファーストネームはおそらく―
「König!?」
いつから話を聞いていたのかケニーの後ろからジェイドがにゅっと顔を出した。足下をちょこまか走り回られて慌てたケニーが下手なタップダンスを踊る。ダメだ、笑いを堪えきれん。挙げ句の果てにジェイドが黒い袖をぎゅっと掴んだ。
「ケン兄ちゃん、ご本読んであげる!レーラァもリビング行こ?」
「あ、ああ」
「おうよ」
後から様子を見てみれば本当にジェイドがケニーに魔法学校が出てくる児童書を読んでやっていた。案外付き合いの良いタイプなのかと思いきやケニーの方はジェイド以上に真剣に聞き入っていた。・・・あれイギリス発の作品だろう、どんな幼少期を過ごしてきたんだあいつは。
ん?ケニーが最初に来た時?・・・ああ、朝飯のパンが好評だったので是非ベルリン名物のジャムドーナツを食わせてやりたいとジェイドがせがんでな。帰ってきたらもぬけの殻でぼろ泣きだった。俺もまだ練習中だったがオムレツを生クリーム加えた半熟のやつにしてやるべきだったかと後悔した。それはいい、ジェイドめ暫くは修行にも身が入らんかったぞ。
・・・そうだな、ジェイドが大抵一緒にいるな。長身で当世風の男前、しかも強いとなれば男児が憧れるのは仕方なかろう。甘ったれだとは思うがあいつだって悩むこともある。全てを俺が与えてやれるとは限らん、大目に見てやってくれ。
客人を送り届けた後ブロッケンJr.はゆっくりベルリン市街を抜けた。擦れ違った子供達は色鮮やかなチョコエッグを手にイースターマルクトの告知を覗き込んでいた。おどけた顔のウサギの広告につられた子供が親にチョコレートをせがむ。その声が心地よいのは年を取った証だろう。
(なに、ニンジャやソルジャー隊長だって後進を育てる頃合いだ。俺だってできるだけの事はしてやりたい)
風が運ぶ香りはレンギョウからライラックへ。マルクトには二人とも連れてきてやるつもりだが今年は寒くなくて良かった、雪に耐えながらでは歳末市と変わらん。
折角だからイースターラムも作ってやるか。二人の食い付きが良かったウサギのチョコとネコヤナギも補充して・・・
荷物を抱えて帰宅すると手や顔まで彩色された二人がダッシュで駆けてきた。
「レーラァレーラァ!さっきケン兄ちゃんと一緒に図鑑見て作ったんだ!見てみて、ロシアのイースターエッグ!」
「伝説超人!こっちはマイセンの磁器綺麗だったから同じ色で塗ってみたんだ!この間映画で見たカートゥーンの絵も描いてみたい!」
「おう、よしよし。二人とも頑張ってるな。こっちは俺からのチョコエッグだ」
大量の土産に子供二人が歓声を上げる。こいつらの力作はどこに飾ってやろうか。野菜グラタンや魚の香草焼きも喜んでいたがラムも焼いてやるとしよう。
(この分なら、夏になればキルシュトルテで引き留められそうだな)
老練な伝説超人がこっそり笑みを漏らした。