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    渇愛 朝寝台から出ると、既に卓には温かい朝食が用意されていた。一つ一つの量は少ないが、品数は多い。朝からこれほど用意する必要無いのではと思うほどだ。これら全てが孔明の妻の黄夫人が手づから調理したものである。使用人には作らせず、正真正銘全て彼女の手作りだ。
     彼女が朝からこれほど労力を使って朝食を作るのは、夫のために他ならない。元々食が細い孔明が、少しでも朝から食事を摂れるよう、色々な味を用意するのが彼女の日課となっている。夫たる孔明としても余りに妻の配慮に頭が下がるが、料理自体が彼女の趣味であるから止めさせようとはしなかった。
    「おはようございます旦那様」
    「おはよう、今日も美味しそうですね」
    孔明の朝はまず黄夫人と話す所から始まる。子供もおらず、使用人の数も少ない諸葛邸では孔明の話し相手は夫人以外にはまずいない。つとめて静かな邸宅だった。
    「旦那様、柴桑の義兄君から便りが届いておりました」
    「便り? 兄上が……届いたのはいつですか」
    「昨日です。旦那様の帰りが遅かったため、お目覚めになられてからお伝えしようと」
    「そう、ありがとう」
     孔明は昨日も帰りが遅かった。日常業務に加えて最近輿入れしてきた孫尚香の面倒もみなければならないため、ここの所ずっとろくに家で寛げない日々が続いている。家には眠りに帰ってくると言っても過言では無かった。当然、夫人との夫婦の交わりも疎遠になっている。孔明は元来そちらの欲に薄い方であるため、特にそれでも問題はなかった。夫人の方も、とりたてて求めてくる様な事はしない。孔明の体質も良く分かっているのだろう。未だに子が出来ないのはそのせいだと思われたが、今はそれで良いかと孔明は考えている。女だてらに見識豊かな夫人と話すのは好きなので、落ち着いて顔も合わせられない日々が続いているのは純粋に残念だとは思っているのだが、如何ともしがたい。
    「こちらへ訪ねに来るおつもりか……」
     孔明は食事をしながら兄からの書簡に目を通していた。褒められた行儀ではないが、今日も早くに出仕しなければならないため、やむを得まい。
    「まぁ、そのような用件でございましたか。私、義兄君お逢いするのは久方ぶりです。おもてなしの支度を致しませんと」
    「…………」
     夫人は純粋に兄の来訪が楽しみのようだが、孔明は浮かない表情で箸を進める。兄、諸葛瑾が決して弟夫婦と団欒のために訪ねに来るのではないと分かっていたからである。こちらへ訪ねて来れば、当然劉備や尚香に挨拶だと言って宮殿の方へも足を運ぶだろう。その時こちらの軍や、街の様子を視察するのが、訪問の主題に違いない。もしかすると尚香に色々とこちらの様子を尋ねようと考えているかもしれない。孔明は兄の訪問を、少しも喜びの感情で受けとれはしなかった。



    「孔明の兄……諸葛瑾だったか。了解、把握しておこう」
     孔明は勿論兄の訪問を主君、劉備に報告した。此度の訪問を兄弟の団欒等とは一切考えていない孔明の気持ちの表れである。
    「御正室にも、色々と詮索をなさるかもしれません……」
    「だな」
     劉備の妻、孫尚香は他でもない呉主孫権の妹である。当然、呉の者等が情報を引き出そうとするなら、尚香を使うだろう。
    「私がどうしたって?」
    「あっ、これは」
    「尚香さん……」
     孔明が入ってきた扉とは違う、部屋の向こうの扉から侍女を連れた孫尚香が姿を見せた。相変わらずの赤い髪、青い瞳は人目を惹いた。以前は男の様に褲を履いた姿しか見なかったが、今日は女らしく裙を纏っている。
    「玄徳様おはよっ」
     尚香は無邪気に笑って劉備の座っている座台に腰かけた。
    「おはよう尚香さん。今一応孔明とお話し中なんだがなー」
    「分かってたから部屋の外で待ってたんだけど、なんか私が話題に上がってるみたいだったから」
     部屋の外にまで声が漏れてていたらしい。あまり大きな声で話しているつもりはなかったが、今後は一層気をつけた方が良さそうだ。
    「いや、孔明の兄貴が今度こっちに来るってんでね。もしかしたら尚香さんから何か聞きだそうとするんじゃないかと思って」
    「あら子瑜が? 久しいわね。私がまだここに来た事を嫌がってると思ってる可能性は確かにありそう。でも大丈夫、私は玄徳様が不利になる事なんて絶対言わないから!」
     そう言うと尚香は眼前で拳を握りこんだ。最初は輿入れをたいそうを嫌がっていた尚香だが、今ではすっかり劉備の妻としての落ち着いてしまっている。劉備も劉備で、妙齢の美しい娘に気があるそぶりを見せられたなら満更でもなかったらしく、今ではすっかり仲良し夫婦だ。
    「勿論分かってるよ、尚香さん」
    「玄徳様……」
     とはいえ、臣下の前でも構わず仲睦まじい様子を見せつけるのはいかがなものか。



     孔明の兄、諸葛瑾は呉の重臣である。弟に個人的に会うだけならともかく、劉備や尚香に会うとなればそれは立派な会談だと言って良かった。正式な物ではないとはいえそれに準ずる準備は必要だった。ただでさえ多忙な孔明にまた一つ仕事が増える。
     ただ最近、元々孔明と友人関係にあった馬良やその弟の馬謖が劉備陣営に出仕を決めてくれたため、それでも幾分か仕事がしやすくなったと思っている。兄の馬良は孔明も認める秀才だったし、旧知の仲のため心情的にも仕事を頼みやすい。弟の馬謖も兄に比肩する秀才だった。おっとりした兄に比べると少し性格に険がある様に感じたが、どうも孔明の事を信奉しているらしく、孔明の言うことは良く聞いたので仕事は捗った。
    「子瑜殿かぁ……懐かしいですね」
     馬良に兄の来訪予定を告げると、しみじみとした様子で返してくる。孔明と旧知の仲である馬良は、勿論諸葛瑾を知っている。実際に会った事も一、二回あった。
    「申し訳ありませんが会談の準備を任せる事になります」
    「ええ、それは構いませんよ。子瑜殿と面識のある人間がやった方が良いでしょうしね」
    「お願いします。殿と御正室には既に話を通してありますので」
    「孔明様の兄君、会えるのが楽しみでございます」
     若い馬謖は、素直に諸葛瑾との面会を楽しみにしているようだ。
    「あまり亮兄には似ていないですよねぇ」
     孔明の事を兄と慕う馬良は、孔明を亮兄と呼んだ。
    「そうですか? 半分しか血の繋がらない割には、顔は似ていると言われたものですが」
    諸葛瑾と諸葛亮は腹違いの兄弟なので、血は半分しかつながっていない。孔明及び更にその下の弟、妹達は後妻を母としている。
    「顔は確かに似てる部類ですが、なんというかなぁ、雰囲気が似ていない気がします」
     雰囲気か……。幼い頃からそれは度々言われてきた事だ。孔明と兄、諸葛瑾では纏う空気が違うのだと。孔明自身もなんとなくそれは自覚している。諸葛瑾は穏やかな人柄でどちらかと言えば社交的だ。弟の孔明よりも馬良に性格は近いかもしれな。
    「せっかくの兄弟の再会だというのに、残念ですね。こんな面倒な事になるんだから」
    「……そうですね」
    それだけを返して、この場は二人に任せる事にして、孔明は別の場所へ向かった。



    「孔明殿ですか、何用ですか」
     劉備の自室を警備する趙雲が、驚いた様子で孔明を出迎えた。そろそろ親衛隊の様な立場から完全に武将へ格上げされても良さそうなものだが、趙雲自身が今の立場を気に入っているらしい。
    「近々私の兄、諸葛子瑜がこちらへ来る事になりました。その折りは会談の場を貴方に警護して頂く事になると思いますので、それを伝えておきます」
    「そうですか。いつ頃、どの様な段取りですか?」
    「訪問は来週の頭になりそうですが、詳しくは未定です。建前的には兄が弟夫婦を訪ねに来るという事ですので」
    「弟夫婦……」
    趙雲はああ、という表情で頷いた。この男は馬鹿ではない。こうだけ言えば、後は大体の事を勝手に自分で補完してくれる。
    「そうでしたね、諸葛瑾殿は孔明殿の兄君であらせられましたね……」
     分かりきった事を、趙雲は呟いた。孔明は目の前の男を、気付かれない程度に観察した。
     相変わらず、男がこうなりたいと想う姿そのものだなと思う。引き締まった筋肉質な身体なのに、スラリとした印象を与える。実際背も高かった。孔明も高いが、孔明よりもう少しだけ目線が高い様に思う。顔の造りも武人には不要だと思われるくらい、整っている。万人の目を惹きつける美形、というわけではない。そういう意味では今は亡き周瑜の方がずっと綺麗な顔をしていた。ただ趙雲は精悍さと柔和さを兼ね備えたような感じで、親しみやすさの意味ではより優れているといえるだろう。周瑜からはやや優男的な印象を感じたが、趙雲からはそういう物は一切感じない。そういう意味でも、趙雲は男が憧れる外見だと言えた。
     ……万人の男がそう思うかは実際は分からない。少なくとも孔明は、趙雲を見る度にそういう想いが一瞬よぎる。昔から脆弱な孔明には、趙雲の力強く男らしい体躯には無条件で憧れる。ひ弱な少年が、逞しい大人の男に憧れを抱くのに似ている。
    「嬉しいでしょう、久々にお会いできるのですから」
     趙雲はそんな孔明の気持ちなど知る由もなく、その精悍な顔をにっこりと綻ばせて笑いかけるのであった。
    「……いえ、別に」
     孔明はこの笑顔に弱い。なんというか、嘘をつくのが憚られるような気がする。故につい、本音が出てしまう。
    「嬉しく……ないのですか?」
     趙雲が意外そうに問う。
     ああ、ほら――馬兄弟の時のように、適当に流していれば良かったものを。後悔してももう遅いのだが。
    「……私は、あまり兄に親しみを持ってはいません。一緒に暮らした記憶がほとんど無いもので」
     ここまできたら、話してしまう他あるまい。ままよ、と思って孔明は続けた。趙雲は黙って聞いている。
    「徐州で一緒に暮らした頃は幼すぎて記憶がありません。それからは……兄は江南、私は荊州と別れて暮らしていましたから」
     だからこそ、此度兄が訪ねに来るなど、何か魂胆があるとしか思えない。孔明が兄を親しむ気持ちが淡いように、兄の方も孔明を弟として親しむ事はない。仲のよい兄弟だったのなら、こんな気持ちで兄を迎えなくて済んだのだろうか。
     母の事も同様に、孔明はあまり親しみを抱いていなかった。母は兄の諸葛瑾に伴って江南に行っており、動きづらい女の身でもある故兄以上に顔を合わせた回数は少ない。畢竟孔明にとって家族と呼べるのは、若い頃の苦労を共に分かち合った弟と妹。それ以外では妻の黄夫人くらいなものだった。
    「そうでしたか、これは失礼な事を申し上げました」
    「いえ、気にしておりませんので」
     実際、孔明は自分の身の上を悲観などしていなかった。これくらいの話、今の世なら掃き捨てる程存在しよう。決して自分だけが不幸だなどと思いはしない。事実目の前の男の故郷は荊州より遥か北方の常山だと聞いている。曹軍の勢力下に置かれている今、二度と故郷へ帰る事など出来はしないだろう。そしてそれは三兄弟を始め劉備軍古参の多くがそうであった。
    「ああ、そうだ。孔明殿。今夜はお暇で?」
     一拍置いて趙雲が切り出した。
    「え? 特に予定はありませんが……」
    「ならば、約束の。お聞かせ願えますか?」
     約束の――少し頭を巡らせて、ああと思い出す。琴か。そう言えば趙雲に琴を弾いて聞かせると約束していたのだった。忘れていたのは、孔明がこの約束を社交辞令的なものだと思ったからだ。
    こういった約束は、大体がその場に任せた社交辞令に過ぎない。普通ならそうなのだが、この劉備の軍には社交辞令を言う者は少なかった。やると決めた予定は、大体の場合約束通りに遂行される。ここの人間達はそういう人間性だったという事を、孔明は失念していた。
    「ええと、それは構いませんが……」
    「それは良かった! ならば場所はどうしましょうか」
     本当は、断りたかった。しかし趙雲の笑顔をみると断りづらい。
    先程は嘘を言うのが憚られたのに、今度は言いたい事を言わせてもらえない。狡い笑顔だ……と孔明は思った。この笑顔に弱いせいである。
    「私の執務室でも良いですか? そこに1台、置いております」
     根が詰めた時、孔明は気分転換に琴を爪弾く時がある。しかしそれも決して回数は多くはなかった。
    「琴をお聞かせ頂けるなら、どこでも」
     そう言って趙雲は屈託なく笑う。何でこんな笑顔でそんな言葉を吐くのだろう。孔明にとって趙雲は、良く分からない存在だった。
    「では今宵、執務室の方でお待ちしてます」
    「はい、伺わせて頂きます」
     趙雲の顔はあえて見ないようにしたまま、孔明は逃げるようにしてその場を後にした。



     当初はむしろ、自分の事を嫌っていたように思う。ただそれは趙雲に限らず他の武将達と変わらなかったため、それだからどうだという印象は無かった。趙雲の他の武将達と違う点をあげるとすると、仕事に忠実で聞き分けが良いという所だろうか。趙雲は他の者達と違い、仕事に不平不満は漏らさなかった。地味な仕事も進んでやった。私情と仕事を分けて考えられる男なのだろうと、孔明はそう趙雲を印象付けた。
     だから赤壁からの帰還に趙雲を指名したのだが、孔明は趙雲をいささか買いかぶりしていたらしいと気付かされた。趙雲もやはり劉備軍の武人だったのだ。孔明は趙雲にというより、自分の認識の甘さに腹が立った。やはり自分と武人達とではあまりに思想が異なる。それを今一度肝に命じなければ……と、孔明はグッと拳を強く握った。趙雲を過信し過ぎていた己の愚かさを呪った。
     しかし予想外だったのは、それ以降趙雲が以前よりむしろ孔明に歩み寄ろうとする姿勢を見せ始めた事だ。むしろ嫌われたのだと思ったが、趙雲は孔明に頻繁に接触を取ろうとした。もしかすると、余りに周りと同調出来ない孔明を不憫に思ったのだろうか。だとすればなんとも情けない話である。
     もっと情けないのは、その趙雲の態度に依ろうとしてしまっている事である。武人の趙雲と自分とでは根本的に違うんだと一度分からされたにも関わらず、またしても自分は趙雲を頼りにしようとしている。
    「失礼します。入ってもよろしいでしょうか?」
     扉の向こうから声がする。まだ沈みきらない太陽に照らし出された大きな影が、扉に映し出されている。大きくがっしりとした人影……趙雲だろう。孔明より背が高い人間は、劉備軍の中でも数える程度にしかいなかった。影から判断せずとも声で分かるのだが。
    「幼常、開けてあげて下さい」
    「かしこまりました」
     仕事の時間が終わっても執務室に残っていた馬謖に命じて、扉を開けさせた。扉が開かれると、案の定向こう側には趙雲が立っていた。いつもと違うのは、鎧を身に付けていない点だろうか。鎧を付けていないせいか、より逞しい身体の線が分かる。そんな所に注目している自分が恥ずかしくて、孔明は趙雲から視線を外した。
    「お待ちしておりました、将軍」
     言ったのは孔明ではなく、馬謖である。馬謖の存在に趙雲は驚いた様だった。記憶が正しければ、二人は初対面ではないはずである。会話の経験があるかは知らないが、お互い顔くらい知っているだろう。孔明付きの馬良の弟という程度の情報ならば持っていてもおかしくないはずだが。
    「えっと、君は馬謖……だったかな?」
    「色々手を貸して貰おうと、残ってもらいました」
     今度は孔明が答える。
    「孔明様のお側仕えをさせて頂いております、馬幼常です」
     馬謖は誇らしげに自己紹介をしてから趙雲を予め用意してあった円座に導き、自分は孔明の少し後ろに座った。馬謖は孔明の命なら喜んで答える。しかも今日は孔明の琴の演奏が聞けるというのだから、文句はあるまい。
     本当は、孔明の自宅に招けば馬謖を使う必要も無かった。家には諸葛家の使用人がいるし、妻の黄夫人も接待に関しては申し分ない働きをしてくれる。
     だがそれを選択しなかったのは、なんとなく趙雲を自宅に招きたくなかったからだ。というより、妻に会わせたくなかった。何故だか、猛烈に。
    「幼常」
    「はい、なんでしょう」
    「酒を外の井戸に冷やしてあります。取ってきてくれませんか?」
    「喜んで!」
     馬謖は飛ぶように部屋を出ていく。そんなに急がなくて良いのに、と思って少し苦笑する。井戸は執務室からほどない場所にあるので、焦らなくてもすぐに辿り着くのだ。
    「酒を冷やしておられるのですか?」
    「冷やした方が上手い酒だと聞いたので」
     普通はわざわざ酒を冷やす事はしないのだが、そう聞いて孔明はあえてその酒を選んだ。というのも、今日は少し気温が高かったからだ。
    「幼常が戻ってきたら、始めましょう。もう少しお待ちください」
    「……はい」
     趙雲が何か言いたげな表情で、孔明を見た。
    「何か?」
    「ふふ、いや……」
     趙雲は笑う。あの孔明の苦手な笑顔だ。
    「てっきり孔明殿と二人きりかと思っていたので」
    「――えっ?」
     なんだって?趙雲はクスクス笑っている。冗談か、それとも自分が過剰に反応し過ぎているだけだろうか。ともかく無駄に反応してしまったのが恥ずかしい。
    「兄君にも琴をお聞かせして差し上げるのですか?」
     趙雲が違う話題を振ってくれたので、助かった。
    「いいえ。本当に私の琴は、人にわざわざ聞かせる様な腕ではないので」
    「私にはお聞かせ下さるのに?」
    「それは……貴方がそう頼むから」
     なんだか少しいつもより意地が悪いなと思ったが、気のせいかもしれない。
    「聞かせて差し上げれば良いのに。下手でも良いんですよ、弟の弾く琴なら兄ならきっと聞きたいものです」
    「…………」
     つまり、これが言いたかったのか。兄とあまり親しくないと聞いて、心配してこんな事を言うのだろう。優しい人だな……と一瞬思って、慌てて打ち消した。あまり依存するのは良くないと分かっているのに、つくづく意志が弱い。
    「孔明様、戻りました」
     馬謖が濡れた酒樽を抱えて戻ってきた。よほど急いだのか肩が大げさな程に上下している。
    「ありがとう幼常。杯は用意してありますから、注いでくれますか」
    「はい、分かりました」
    挿絵梨音(あっすぅ)
     酒樽から、白濁した液体が注がれる。いかにも冷え冷えとした清洌な輝き。何から出来た酒かは忘れた。どうせ孔明はろくに口に運ぶつもりはなかったから、どうでも良かったのだ。ほどなくして室内に芳醇な香りが立ち込め始める。趙雲が何口か酒を口付けたのを確認して、孔明は切り出した。
    「曲目は『梁哺吟』で良いですか?」
    「勿論」
     孔明はぽつりぽつりと、琴を奏で始める。本当に、大した腕では無いのに……と思う。ただ手慰み程度にたまに弾くだけだ。酒の席での余興くらいにはなるだろうが、こうしてわざわざ披露する程のものではない。
     だが実際、趙雲は特に上手くなくても良いのだろう……そんな気がする。馬謖は馬謖で、聞いているのかいないのか、目を輝かせて孔明の姿を凝視している。
    「お上手です」
     弾き終わると、趙雲は拍手をくれた。気が付いた馬謖も慌てて拍手を送る。大した演奏ではないのでかえって恥ずかしい。
    「もう結構です。拍手を頂ける様なシロモノでは……」
    「いや、充分良い演奏でしたよ。……やはり、兄君にも聞かせて差し上げると良い」
    「…………」
     そんな簡単な事で今更修復する仲でも無いのに。そう分かっていても、そうするのも良いかと思えてしまう。軍師が思考を停止して誰かの考えに流されるなんて言語道断だ。それでも流されるままになるのが、何故か心地好い気がして、身を委ねてしまいたくなる。
     疲れているのだろうか……と思う。疲れているから、甘い方へ流れていきたくなるんだろうか。



     諸葛瑾は予定通りに手紙を寄越してから一週間後に荊州へやってきた。久々に会う兄は結い上げられた髪の中にちらほら白いものが散り始めていて、年をとったんだなと思った。確実に年を取っている。益々諸葛瑾は、幼い事共に暮らした短い記憶の中の兄とは変わっていく。兄だけではない、自分だって年を取っているのだ。兄弟……そんな言葉が、段々と似合わない二人になっていく。
    「久しぶりだな、孔明」
    「お久しぶりです、兄上」
     兄の諸葛瑾は、雰囲気のままに、穏やかな人だった。この人はこの人で、孔明を弟として愛そうと思っているのだろうということが分からない孔明ではない。ただそれは、諸葛瑾が「良い人」だからだ。良い人だから故に、弟を慈しまねばならないと思っている。それは純粋な兄弟愛とは違う。むしろ愛さなければならない立場だからこそ、掛け値の無い愛は与えられない。
     ただそれでも――この様な優しい人が、自分の兄である事を孔明は幸せな事なんだろうと分かっている。



    「孔明殿、ご機嫌麗しゅう」
     兄を劉備達のもとへ連れて行くと、その途中で趙雲に出会った。会見の場の警護は、趙雲が中心となって行われている。会うのは当然と言えば当然だった。諸葛瑾の存在に気付くと、趙雲はすぐに居住まいを正して諸葛瑾の方へ向き直った。
    「これは失礼いたしました。お初にお目にかかります。趙子龍と申します」
    「わざわざご丁重に申し訳ありません。諸葛子瑜と申します。将軍の勇名はかねがね聞き及んでおります」
    「趙将軍、今殿はご在室ですか?」
     あくまで諸葛瑾の来訪は弟を訪う事が目的で、劉備と会うのは付随した行動という事になっている。互いにそういう体で動いている。
    「はい、殿も御正室もいらっしゃいますよ」
    「そうですか……」
     結局劉備は尚香と一緒に諸葛瑾と会う事にしたらしい。そちらの方が失言が無くて良いかもしれない。尚香を疑うわけではないが、本人も悪気が無いままにあれやこれや話してしまう場合もある。尚香はどう見ても策略向きには見えないと孔明は思っていた。もっとも孔明は、女性が策を弄するのはあまり好きではない。
     趙雲は一度室内に入ると、すぐに戻って来た。劉備に諸葛瑾の訪問を告げたらしい。
    「殿が諸葛瑾殿をお待ちです。中へどうぞ」
    「ええ、それでは失礼いたしまして、左将軍にご挨拶をさせて頂きます」
     諸葛瑾は一礼すると、奥へ入って行った。孔明と趙雲は外で待つ事にした。趙雲が軽く身を動かす度に鎧が軽い音を立てる。戦場では槍を振るうのだと聞いたが、流石に宮中では剣を佩いているだけの事が多かった。今日もそうだ。あまり身なりの装飾に拘りのない男に見えたが、腰に佩く剣だけは妙に端正なのが孔明はいつも気になっているのだが、軽口で問えるような関係ではないと思っている。
    「どうでしたか、兄君との再会は」
     一拍置いて趙雲が切り出した。
    「……結局、琴は披露しませんでした。申し訳ありません」
     昨夜諸葛瑾は孔明の自宅に宿泊したので、披露する機会は十分にあった。しかし実行はしなかった。本人を前にするとやはり何か違うと思ったのだ。元々人に聞かせるために琴をたしなんでいたわけではないので、興も乗らないのでやめた。
    「そうでしたか。孔明殿がそうしたかったのなら、それで良いのですよ」
     趙雲は当たり前の様に受け入れた。実際孔明が弾く事はないだろうと、分かっていたのだろうか。それにしては何で少し嬉しそうなのだろう。予想が当たっておかしいのかも知れない。
    「少し……疲れました。なんだか気疲れしたような」
    「お疲れですか。諸葛瑾殿が帰られたら、美味しい酒でも用意しましょう。あ、孔明殿が良かったらですが」
     趙雲はちゃんとこういった心配りが欠かせない。正直孔明も、趙雲がこう返してくれるだろうとの予想の上で先程の発言をした。趙雲は優しい。孔明はその優しさに甘えようとしている。
     ……要は甘えたいのだ、誰かに。兄に会って虚無感を覚えた。兄と会っていると、何故か虚しい。
    「諸葛瑾殿が戻られるまで、お休みになられていたらどうですか。終わったら、人を遣って知らせましょう」
     そしとふと、孔明は気付いた。自分は誰かに護られたいのではないかと。通常親や兄弟に与えられるはずの庇護を受けられなかったためかもしれない。だから劉備という大きな器に出会った時、孔明は自然と惹かれる様にしてその器に収まった。劉備の側は居心地が良い。この温もりの様なものがきっと、劉備が人を惹き付けて止まない理由の一つだろう。親子ほど年の離れた孔明にとっては少し、父親に感じる様な愛着を感じた。
     そしてまた、趙雲にも同じ様な優しさを求めている。趙雲は元々誰かを護るのが職務であるし、実際孔明も軍師として趙雲に護られてきた。それを「諸葛孔明」を護っているのだと、錯覚しているのかもしれない。父が死に、母や兄と別れ、叔父が殺された時、もう誰かに甘えよう等という考えは棄てたと思っていたのに。人間は思った程、強くは出来ていない様だ。
    「大丈夫です。ここで待ちますから」
     本当は休みたかったが、孔明は趙雲の申し出を拒んだ。実際諸葛瑾はすぐに戻るだろうと思ったし、それに今は誰かの側にいたかった。
     いや――誰かではない、趙雲の側が良かった。仕事の邪魔かもしれないと思って、孔明はとりあえず静かにしておこうと決めた。
    「…………」
     実はもっとずっと前から、趙雲に対してこんな気持ちを抱いていたのかもしれない。
     赤壁の水面が赤く燃えた夜、孫権陣営から帰って疲れきっていた孔明は、泥の様に眠っていた。夢は深く寝付いた時は見ないと聞いていたのに、その時はいやに鮮明な夢を見た。
     夢の中の孔明は幼かった。幼いといっても、十七くらいだろうか。そして夢にはもう一人、趙雲がいた。趙雲は今のままの姿だった。当たり前だ……今以外の姿を知らないのだから。何故か孔明は趙雲の隣に座っていた。どの様な状況だったのかは分からない。周りの風景は一切覚えていない。趙雲も孔明も特に何も喋らなかったのだが、次第に孔明は眠くなってきて、耐えきれなくなって結局寝たのだと思う。その間も趙雲は何も言わなかったが、ただニコニコと孔明が寝入る姿を見守っていた気がする。
     ああ、そう言えば……誰かに見守られながら眠るなんてこと、幼少期以来暫くなかったなと、うすぼんやりした頭で考えていた。孔明は下に弟と妹がいるため、いつも見守る側だった。見守られながら寝るのはこんなに安心して寝れるんだなと思ったのが最後、それ以上の記憶は無い。その夢のせいなのか、いつも眠りが浅い孔明にしては、驚く程に気持ち良く眠れた。いつも見る悪夢も見なかった。
     翌朝起きると、趙雲が幕舎の外で立っていたのには驚いた。警護に立っていたのだと聞いて、趙雲に見守られる夢を見たのはそのせいかとも思った。迷信だとは思うが、その時は本当にそう思ったのだから仕方がない。
     それからか、趙雲に対して変な期待を抱くようになった。趙雲がいれば、心の負担が軽くなるのではないかと思うようになった。
    実際、趙雲は大体孔明の期待のままに応えてくれた。だからこそこんな増長した気持ちを抱くようになったのだろう。
    ……増長した気持ち……。
    「子龍殿、この前奥方様と話されていた事……」
    「えっ、話?」
    「あの、ええと……」
    「?」
    「ぶ、武芸の稽古がなんとか……」
    「ああ、あの話ですか。相変わらず奥方様は頼んで来ますが、受ける気はないのでご安心下さい」
    「そう、ですか。…………」
     そうではない。孔明が本当に言いたかったのは、その時の会話ではない。
     尚香と劉備が初めてちゃんと話した翌日、朝から雨が降っていたあの日。勉強を見るよう命じられていた孔明が尚香の部屋に行くと、既に趙雲が部屋にいて、尚香と真剣な風で話し合っていた。
    あの時、趙雲には会話は聞こえなかったと嘘をついたが、本当は二人の会話は孔明の耳に入っていた。
     ――好きになって良い相手ばかりをを好きになれるわけではありませんから。
    「…………」
     趙雲の言葉が何故か胸に焼き付いた。ハッとしたような、隠し事が露見した時の感覚が襲った。私は……そんな想いを抱いているんだろうか。信じられない、どうかしている。
    「……孔明殿?」
    「えっ?」
     趙雲に呼ばれていた事に気付かなかった。趙雲は心配そうな顔で、こちらを見ていた。
    「大丈夫ですか? 何だか顔色が優れないようですが。やはりお休みになられた方が」
     確かに気分が悪かった。吐き気がする。頭も割れるように痛かった。
    「……そうします」
     趙雲はやはり自分を気遣ってくれる。しかし自分は、その優しさにこれ以上甘えてはいけないと思った。
    「兄が会談を終えたら……誰かを寄越して下さい、執務室にいますから。誰でも良いです。兵士でもなんでも」
     無いとは思うが、万が一気にした趙雲が来ない様に釘を指した。しかし却ってわざとらしかっただろうか。趙雲は少し戸惑っている様に見える。
    「あの、少し休めば良くなると思います」
    「……そうですか。ではごゆっくり」
     気休めを言った。本当は今にも倒れそうなほど目眩がする。孔明は一人で己の執務室へ向かった。部屋の奥には仮眠出来るよう寝台を用意している。側には、例の琴もある。
     孔明は頭から寝台に倒れこんだ。上衣を脱いでいない。皺になるかもしれない。こんな状態で眠ったら、また悪夢を見るだろうと虚ろな頭で思った。気分が悪いまま眠ると、十中八九悪い夢を見る。
     香を炊こうと思い付いた。趙雲に貰った香が置いてある。あの香は家の寝室で炊く気にならなくて、ここに置いていたが未だ一度も使っていない。
     孔明は重い頭を起こして香を取りに行こうかと思ったが、躊躇った後、再び寝台に崩れ落ちた。あの香を炊いたら、夢に趙雲が出てくるかもしれない。今の気持ちで趙雲を夢に見る事には、罪悪感があった。罪悪感を持つこと自体、罪悪感がある。こんな私は悪夢を見れば良い、と孔明は思った。誰のためでもない、自己満足の贖罪だとしても良い。そうして孔明はだるい疲労感の中、落ちるようにして眠りについた。



    梨音(あっすぅ) Link Message Mute
    2020/11/21 21:17:09

    渇愛

    サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
    サイト掲載時ずっと「喝愛」と誤字ってたんですが、「渇愛」が正しいです。
    初の孔明視点。

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    • 2後日談(干天の慈雨)最近描けてなかったな~と思ったので小説の後日談を少し描いてみる。
      小説の続き書きたいとはずっと思ってるけど、普通に難しくて…時系列的には定軍山の戦いなんですけど、孔明多分お留守番だから…書きようが無いんだ…。
      梨音(あっすぅ)
    • 司馬懿って趣味あるのかな曹丕が物凄く美食や詩歌管弦を愛する趣味人なのに対して司馬懿って全然趣味とか無さそうだよな…と思ったので梨音(あっすぅ)
    • 干天の慈雨成都の外から始まるお話です梨音(あっすぅ)
    • 2こたつこたつは生産性下がるので我が家でも廃止しています梨音(あっすぅ)
    • 5レキソウお疲れ様でした~。表紙の不採用デザイン案もこの際なので載せます。梨音(あっすぅ)
    • 5【サンプル】「頓首再拝」2021/2/13 レキソウオンライン冬祭(ピクトスクエア内開催オンラインイベント)で頒布予定です

      「頓首再拝」
      全28P(表紙含)/A5/400円
      全年齢/オンデマンド印刷
      サークル名:あうりおん

      レキソウオンライン冬まつりで頒布します
      孔明と陸遜が文通する漫画です
      あんまり三国志してない平和なお話です
      CP要素なし
      一番最後のがサークルカットなのでよろしくお願いします
      梨音(あっすぅ)
    • 夏天の成都夏の成都の暑さに辟易する人々。
      手を変え品を変え成都の暑さにへばる劉備軍を描いてるので性癖なんだと思います。
      ラストに挿絵有。
      梨音(あっすぅ)
    • 新しき日々サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      過去1長い話です。黄夫人の存在も好きなので大切にしたい。
      梨音(あっすぅ)
    • あけましておめでとうございます~。今年もよろしくお願いします。梨音(あっすぅ)
    • 天府の地へサイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      馬超と馬岱の服装は羌族の民族衣装を参考にしてます。
      梨音(あっすぅ)
    • 3馬岱詰め以前RaiotというイラストSNSにアップしてた漫画のデータが残ってたので、改めて描き直しました。
      アップしようとしてただけかもしれない…。
      梨音(あっすぅ)
    • 別離の岸辺サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      短いですが転換点的なお話。
      梨音(あっすぅ)
    • 某月某日サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      一度やってみたかった作中作と言うべきか?作中人物の書く文章だけで進むお話が書けて楽しかったもの。
      自分的にはお気に入りの章。
      馬良と趙雲が仲良くしてるのをもっと書きたかったけど、馬良はもう趙雲と会うことはない…
      梨音(あっすぅ)
    • 陸遜の結婚陸遜と朱然のCPってなんて表記するの??(これはCPなのか?)

      陸遜の奥さんが孫策の娘だったという事は陸抗の母が孫策の娘という記述から分かるのですが、孫策の娘だと陸遜と年が結構離れてる…?
      呉主の姪にあたる女性を二番目以降の奥さんにするかな~と考えると、初婚の正室…?逆にそうなると陸遜結婚おそかったのか…?
      とまで想像して、若い頃山越討伐に忙しすぎて独身長かった陸遜良いなぁ~とか思いました。
      一人目の奥さんが子どもできなくて離縁…とかも良くある話なので、そんなんでも全然ありそうですけどね。
      夭逝した陸抗の兄は最初の奥さんが産んだ可能性もある。

      陸抗の母が孫策の娘というだけで大喬の娘か分からないけど、孫策は孫策で若くして亡くなったので、他に子供を産むような奥さんが居たのかな~と思ったので大喬であってほしい。
      しかし改めて考えて孫家に対して思う所もあったであろう陸家の陸遜が孫家のご令嬢と結婚したっていうのはエモいですよね。
      梨音(あっすぅ)
    • BOOTHに「軍師殿と私」の紙版を追加しました。安くない金額出して買うまでの事はないと思いますが、もし興味ある方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。

      https://gesusu.booth.pm/items/2589683
      梨音(あっすぅ)
    • 陽光煌々たりサイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      オリキャラがそこそこでばります。
      私の脳内の龐徳公を上手く表現できませんでした。
      梨音(あっすぅ)
    • 4他勢力の人達(現パロ)原稿の息抜きに丁度良いんです…
      なんだか人のパーソナリティをネタにした漫画が多くて良くないなぁ…と思ったのですが、載せます
      関羽と張飛が現代人やってる姿が全然想像できなくて登場させられない
      曹丕はキラキラOLだとフォロワーに思われている
      梨音(あっすぅ)
    • 繰り返し見る夢サイトよりサルベージ。適宜修正済み。
      記憶からは失われていますが、タイトルお題をもとに書いたようです。
      一部孔明の一人称で進む部分があるなど、本編とは外れた番外編の様な扱いです。
      本編中で孔明が度々言っている「悪夢」の内容が主にコレです。
      梨音(あっすぅ)
    • 居場所サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      アンジャッシュ的な奴好きなんだろな過去の自分。
      梨音(あっすぅ)
    • 4性懲りもなく現パロ原稿の息抜きに描いてるつもりが楽しくて増えた奴。
      前髪と髭は偉大だなぁと思いました。
      梨音(あっすぅ)
    • 江南の姫君サイトよりサルベージ。適宜修正済み。挿絵有。
      この章については趙孔というより劉尚です。
      梨音(あっすぅ)
    • 2お香にまつわる四コマ以前もお香ネタのこの様な漫画描いた気もします…。孔明のイメージフレグランスはパチュリーだという事は延々と言っていきます。梨音(あっすぅ)
    • 聞こゆれどサイトよりサルベージ。サイト版より適宜修正済み。挿絵有。
      「聞く」というのは耳で聞くのと、香りを味わうのと両方いうそうです。
      梨音(あっすぅ)
    • 4現パロ(自分の)誕生日にはいつもやらないような事をやりたい!と思って描いたら楽しくなって続きも描いた現パロです。三国志のさの字も無いので閲覧注意。趙孔です。

      孔明は有能だが納期の融通とか一切認めない開発課のエースとして営業の間で有名になってるのを本人は知らない。孔明は経理課も似合うなー。サンドイッチ大きく描きすぎた。
      梨音(あっすぅ)
    • 窈窕たる淑女は何処サイトよりサルベージ。サイト版より適宜修正済み。挿絵有。
      「窈窕淑女」は詩経の窈窕の章がネタ元。
      桂陽の寡婦騒動はエンタメとして最高。
      梨音(あっすぅ)
    • 夢で逢いましょうサイトよりサルベージ。サイト版より適宜修正済み。挿絵有。
      改めて読むとなんだこの話は…ってなりますね
      梨音(あっすぅ)
    • 武器と仮面とすれ違いの興奮サイトよりサルベージ。文章適宜修正しています。紙媒体用に直してるのでWEBだとやや読みづらいかもしれません。
      作者の私自身が当時正真正銘若かったせいか、作中の孔明や趙雲の言動が妙に若いと云うか、軽いと云うか、そんな感じが強いのが少々気に入らないのですが、後半より彼らも実際若いしなと思って原文の雰囲気を残してます。
      今読むともうこの時点で無自覚に惚れてません?
      梨音(あっすぅ)
    • 一個上げ忘れてた↓梨音(あっすぅ)
    • 7小説本作る際の挿絵没絵です。1枚目だけ資料として描いた孫尚香。どの場面の絵かはご自由にお考え下さい。梨音(あっすぅ)
    • 4軍師殿持ち上げチャレンジクリスタ買ったので習作として描きました梨音(あっすぅ)
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