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GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

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    耳が生えた 実戦訓練を終えて訓練生たちは校舎に向かった。飛行場では機体に乗り込むときも戻るときも歩く順路は決まっているので一列になって決まった道を行く。その日、グースは私用のために急いでロッカールームに向かっていたため、マーヴェリックはひとりで粛々と歩を進めた。
     アイスマンがマーヴェリックの肩口をつかんで振り向かせたのは、飛行場の端、屋内に入る扉の前だった。
    「おい、おまえなにしたんだ」
     無理に身体の向きを変えられてマーヴェリックは反射的に手を振り払った。きつい口調で咎められる心当たりもないのにご挨拶なことだ。普段なら多少の接触など気にならないが、腹がすいていたのと訓練で疲れていたせいか、苛ついた態度になった。
    「なんだよ」
     マーヴェリックが睨むとアイスマンは一度口をつぐみ、疑うように顔を覗き込んだ。眉をひそめて口を開きかけては閉じ、視線を頭の上に彷徨わせる。
     口さがないアイスマンが言い淀んでいる。マーヴェリックはようやく不審を感じた。そうするうちにもアイスマンの視線は頭の上に注がれる。さっきヘルメットを取ったところだ。髪がセットされていないのは当たり前だが、それとは別になにか乗ってでもいるのだろうか。かといって気にして触るのもしゃくだ。動かずにいると、アイスマンはようやく口を開いた。
    「……おまえのそれはなんなんだ」
     アイスマンは指をゆるく折りたたんで円を描くように動かしながら頭の上部を指差した。自信なさげな言動や指差されること自体に居心地が悪くなる。頭を振ってやめろと示しても言う通りにしない。仕方がなく、マーヴェリックも自身の頭頂部に手を伸ばした。
     薄くて弾力のあるやわらかなものが触れた。これは毛か? 髪の毛より短くて毛羽立った感触がする。驚いて手を離し、手そのものの感触があったことに気づく。触った感覚と触られた感覚とが自分の中にあった。目を見開き、アイスマンを凝視して訊く。
    「なにがあるんだ?」
    「落ち着けミッチェル、下手に動くな」
     アイスマンは腰を落として重心を下げ、マーヴェリックの頭で暖を取るかのように手をかざして動きを止めた。
    「いいか、おまえの頭の上におかしなものが載ってる」
    「待て、なにか生き物みたいな感じがした。動いてるのか」
     恐る恐る身体を傾けて頭の上から「なにか」を落とそうとするマーヴェリックの背をアイスマンが支えて引き起こす。
    「マーヴェリック落ち着け、生き物はいない。その、そうだな、動いてはいる」
     なんだと! と背筋をびくりと動かすと、マーヴェリックはもう我慢ならないとばかりに頭の上を両手で掻きむしった。
    「下手に触るな、取れたらどうする!」
     アイスマンの叫びが遠くから聞こえた。
     頭をもみくちゃにするとなぜか音がハウリングするようにくぐもって二重に響く。頭から振り落とせないようなのでギュッと上から押さえつけてみると耳栓で耳を塞いだときと似た圧迫感がした。
    「うわっ」
     マーヴェリックは手を離した。目の前にいるアイスマンは顔をこわばらせて息を呑み、自分に劣らず緊張して見える。ふと、彼の鼓動が聞こえるのに気づいた。心臓を見つめて集中すると、ドッドッドッと彼の命を刻む音が聞こえる。
     間違えようもなくしっかりと「耳」が捉えた。
    「は? なんだこれ」
     マーヴェリックは自分の元ある耳の付け根から頭頂部までゆっくりと両手の指を進めた。頭の上部に来ると、頭皮がぐっと盛り上がっている。「それ」の表面に生えた短い毛はツルツルとなめらかな触り心地だ。一番上でぐっと前に力をかけると「それ」はぺたりと頭に伏せて音が遠のいた。弾力があり、指を離すとすぐに元通り上向きに立つ。自前の耳を塞いだときと同じだった。なぜか突然、髪の毛をかき分けるようにして頭のてっぺんといえる場所に新しい器官が伸びただけ。
     どう考えてもぞっとしない状況のはずなのに、毛の生えた器官を確認するうちにマーヴェリックは落ち着きを取り戻していった。
     これは耳だ。
     自分の身体に最初からついていたものと同じく音を拾うただの器官の一部にすぎない。
    「おまえ、大丈夫なのか」
     氷の男などと呼ばれるアイスマンが青ざめた表情でこちらを見る。その不安気な姿は、自分が常に一番でなければならないという普段の不遜な態度とはまったく違い、マーヴェリックをまごつかせた。
     自分に新しい耳ができたことよりもライバルが心配する様子のほうに驚くとはナンセンスだ。マーヴェリックが口角を上げて自分を笑うとアイスマンは眉をひそめて聞いた。
    「なに笑ってるんだ、大丈夫か? それはなんなんだ」
     アイスマンの心臓の音はさっきに比べれば少しだけ落ち着いている。
     この機能はなかなか面白い。他人事のように思い、少し遊んでみることにする。
    「これは耳だ。触ったら温かいし、感覚もあるし音も聞こえる」
     わかりやすく顔をしかめて──けれど身体はその場から動かさずに──アイスマンは頭の上に手を伸ばそうか引っ込めようか迷うように彷徨わせた。その両手をマーヴェリックがつかみ、新たな耳の上に載せた。
    「触ってみろよ。なんか動物の耳みたいだけどどう見えてんだ?」
     アイスマンは凍りついたように固まった。突然生えた器官に興味はないのだろうか。仕方がないのでマーヴェリックが彼の手を取り、新たな耳の上を移動させる。やはり、手の下に入ると耳はぺたりと塞がれ、手が離れると立ち上がる。犬の耳みたいなものかなとなんとなく思った。
    「なあ、肌色なのか? それとも髪の毛みたいに黒い? どんなふうに見える?」
     彼の顔を下から窺うと、ギョッとしたように身体を離そうとする。同時に、心音がそれまでよりも高まったのがわかった。
    「なんだよ、なにをそんなにドキドキしてんだ」
     いたずら心がムクムクと湧いてくる。もしかしたら、アイスマンはこれがひとからひとへ移るのだと思っているのかもしれない。そうではないと言い切れるものではないが、移ったところで害はないのではないか。現に、自分はこの変化を受け入れつつある。
     マーヴェリックはつかんでいた両手を離してアイスマンの胸元に抱きしめられるような塩梅で滑り込んだ。額を顎にこすりつけるようにして顔を上向かせて青い目をじっと見る。
    「おまえの音、全部聞こえてるぞ」
     アイスマンは再び固まった。マーヴェリックの頭があった場所に両腕を掲げたままの姿でしっかりと凍りついた。マーヴェリックが新たな耳で顎や口元をくすぐろうが、おーいと呼びかけようが、微動だにしない。ただ、彼の心音はずっと早く力強くしっかりと音を刻んでいた。自分の鼓動よりも存在感がある音に、マーヴェリックは耳を澄ませた。
     凍った男、アイスマンの腕の中で彼をからかうのにも飽きてきた頃──なにせ少しも動かないのだから面白くない──背後で扉が開く音がした。
     サービスカーキに着替えたスライダーがこちらを見て目と口をあんぐりと開く。
    「な、おまえ、アイス、なにを……、耳!?」
     スライダーはアイスマンと違って行動が早かった。ズンズンと音が鳴るようにふたりに近づくとマーヴェリックの肩をつかんでアイスマンから引き剥がし、力強く自分の後ろに放った。
    「なんだよ、いってえな」
     つかまれた肩をさすって不満をあらわにするものの、スライダーの注意は自分ではなく、最初からアイスマンに向かっている。
    「アイス、それ、大丈夫なのか? マーヴェリックに変なもの移されたんじゃねえよな?」
     アイスマンはやっと緊張を解いてスライダーに向き合った。そこで、マーヴェリックも彼の異変に気づく。
     スライダーはマーヴェリックとアイスマンを交互に見てから自分の服の上を探るように触り、胸ポケットからサングラスを取り出してアイスマンに向けた。
    「驚くなよ」
    サングラスを覗き込んだアイスマンが再び凍りつく。それもそのはず、彼の頭の上には犬だかなんだか、金色の毛に覆われた耳がピンと立っていたのだから。
     マーヴェリックもスライダーに倣って自分のサングラスを鏡にして耳を確認した。こちらはやはり髪と同じく黒色の耳だった。指でなぞるように触ってみるとくすぐったくて勝手にぷるぷると動く。面白い、アイスマンにもしてみよう。
     スライダーになだめられるように肩をさすられているアイスマンに向かい合い、さっき自分がしたのと同じように金色の耳をなぞるようにして逆撫でした。耳だけではなく彼の身体全体が震えた。
    「アイス、おまえ感じやすいのか」
     ドッという音とともに頭に衝撃が走った。これは拳じゃないか、とスライダーを睨みつける。
    「こんの、石頭が!」
     殴った当人が逆恨みするようになじった。マーヴェリックは肩をすくめてから仕返しにスライダーの足を踏みつけて後ずさる。
    「なんだよ、ちょっと触っただけだろ」
    「アホか! アイスが嫌がるだろ! おまえは出禁だ出禁!」
     なんだよ出禁って、ここは飛行場だぞ。マーヴェリックは不本意だと唇を尖らせてぶうたれる。
    「アイスアイスって過保護な親かよ」
    「おまえがいるとややこしい。グースはどこに行ったんだ」
    「用があるからって先に行った。なあ、これなんだと思う?」
    「おれにわかるもんかよ。こっちこそ聞きたい」
     スライダーとマーヴェリックがやり合っているさなか、アイスマンは頭に生えた耳と思しき器官を両手で確認した。つまんだり後ろに手のひらをかざして音を拾うようにしたりする。
    「たしかに、音が聞こえるな」
     アイスマンの声をきっかけに、ふたりとも黙って顔を向ける。マーヴェリックが、だろ? と同意を求めるように首を傾げるのに対してアイスマンはうなずいた。そして自分に近づくようにと顎をしゃくる。
     おまえがこっちに来いよと思うものの、スライダーの悔しそうな顔を見ると溜飲が下がったので素直に近づいた。アイスマンが、触っていいかと尋ねる。
    「さっき触らせたろ、別に構わない。なんかすぐに慣れるよな」
     軽くうなずくと彼は耳に触った。マーヴェリックがしたように逆撫でなどせず、毛の流れに沿って頭皮から耳の先にかけてゆったりと指を動かす。身体を近づけると鼓動の音のほかに耳の中に吐息が流れ込んできて思わず耳がピクピクと動いた。
    「すまない。それにしても、これは動物の耳だな」
     自分の顎に指を添えて、どうしたものかと悩むアイスマンに聞いてみる。
    「おまえのも触っていいか」
     ああ、と言って頭を少し下げるので喜んで耳に伸ばした手を、スライダーが空手チョップではたき落としてきた。
    「いってえな、なんだよさっきから。アイスマンがいいっつってんだろうが」
     スライダーは厳しい顔つきを崩さずに腕を組んでマーヴェリックの前に立ちはだかる。
    「おまえが触るのは許さん」
    「ボディーガードかよ、アイスマンは触ってほしいかもしんねえだろ」
     期待を込めて覗き込むと、いや、別に、と短く言われる。むっと口を引き結ぶのをスライダーが得意げに見返してきた。腹に据えかねる。だが、アイスマンの耳を触りたいというより、さっきからかったように彼の反応を見たいというのが一番大きな欲求だったので提案する。
    「じゃあ、おまえがアイスの耳を触れよ」
    「じゃあってなんだよ、意味が繋がってねえだろうが」
     スライダーは顔を赤くして反論した。
     アイスマンは、別に構わないが、と頭を預けるようにする。突然現れたなぞの器官だ、好奇心を抑えられるはずがない。マーヴェリックは確信していた。
     案の定、何度も同意を取った上でスライダーはアイスマンの耳に恐る恐る指を伸ばした。触られた瞬間だけ耳はピクリと動いたが、外側を撫でられても軽くつままれてもアイスマンは冷静だった。
     なんだ、さっきのは不意打ちだったからかとつまらなくなる。それにしても、スライダーの鼓動の音が強すぎてアイスマンの音が聞こえにくい。馬鹿みたいにドキドキいってるじゃないか。さては犬派だな。マーヴェリックはひとりうなずいた。
    「終わったか? 今度はおれな」
     両手を頭上に掲げて、えらいこっちゃと魂を飛ばしているスライダーの横をすり抜けてアイスマンの前に回り込むと、問答無用で両耳の付け根を軽く立てた爪で掻いた。
    「んなっ……、ちょ……っとおまえ……っ」
     いままで聞いたことのない高い声を上げてアイスマンはマーヴェリックの肩を両手でつかんで足を踏みしめた。目を閉じて心地よさに身体を震わせるのに逃げようとはしない。健気だった。
     スライダーが彼を触っている間に自分の耳を検分したのだった。なぜだかわからないが、付け根のあたりを掻くとやたらと気持ちがいいのに気づき、これをやらねばならんと思いたったのだ。
     カリカリとくすぐるように弱い力で掻くとそれに応じて耳と肩が震える。
    「アイス、気持ちいいよな」
     ピクピク動く耳に吹き込むようにささやくとアイスマンは首を振った。
    「馬鹿、変なことするな」
    「気持ちいいくせに」
     眉を下げ、息をひそめるようにしてアイスマンが訴えるのを軽くいなして毛を逆撫でする。
     あっ、と声が上がってゾクゾクした。これは癖になるかもしれない。
     夢中になっていたマーヴェリックはスライダーの存在を失念していた。首の後ろに衝撃が走り、次の瞬間に気を失ってしまったのも仕方がなかった。
     マーヴェリックは自分の部屋で目を覚ました。きちんとシーツをかけてベッドの中で寝ていたので、すべては夢だったのかとまたたく。それにしても、おかしな夢だった。
    「あ、起きたね」
     朝ならばこの場所にはいないはずのグースの声がする。身体を起こそうとすると首の後ろが痛んで唸り声が出た。起き上がると頭も痛むような気がする。これは地面にぶつけた痛みか? 目を閉じて痛みをいなす。
    「アイスマンにちょっかいかけたんだって? マーヴはやりすぎるとこがあるからねえ」
     横からコーラの瓶を差し出してくれるのをありがたく受け取り、一気に飲み干してから違和感について訊いた。
    「変な夢を見たんだ……」
     首と頭の後ろ側をさすってからグースに話しかけようとしたマーヴェリックは驚いてゲップを出した。
     グースの頭の上に大きな耳が生えている。髪と同じく茶色い耳は機嫌良さそうにこちらの音を聞いていた。自分の頭に手を伸ばす。耳が二本、ピンと立っていた。
    「……もしかして、これ、みんな?」
     グースはうなずいて耳のつけ根を掻いた。そこ、気持ちいいよな、と言おうとして口を閉ざす。
    「じゃあ、スライダーにも?」
    「み〜んなに生えてるよ。というか、たぶんおれが一番最初だったと思う。ヘルメットを外す前から違和感があってさ、急いで戻って鏡で確かめてみたらこれよ。マーヴ以外の誰かが来たらヤバいからってきみが来るまでトイレに引きこもろうと思ってたらなんか外が騒がしくなって、みんな口々に『耳が!』って言ってたから出てみたら──」
    「全員に耳が生えてたのか……」
     言葉の最後を引き受けてマーヴェリックは頬杖をついた。それにしてもグースの心音は静かでこちらまで落ち着いてくる。さすがだった。
    「これってなにが原因かわかったのか?」
    「いんにゃ、さっぱり。ただ、この場所でだけ起きてるみたいだからいまは戒厳令が出てて校舎の外には出られないよ」
     それもそうだとマーヴェリックは納得した。原因不明の奇病──病気なのかこれは?──に蝕まれたNFWSというのはなんというか、映画の世界のようにも思える。映画だったら主人公はアイスマンなんだろうな、と想像して口元が緩んだ。
    「こんなときになにを笑ってるんだ、のんきなマーヴめ」
     グースが呆れたように目をくるりとさせた。マーヴェリックも目を回して真似をする。
    「おれの頭を見たときのアイスマンの顔が面白くて。それに、あいつの耳を触ったときの反応がさ、なんでかやけに色っぽかったんだよな」
     グースは腕を組むと目を細めてマーヴェリックを見た。
     なんだよ、というような目を向けると、ふむふむとうなずいて部屋を見渡す。ドアの近くに据え付けられている鏡に目を留めるとこっちに来るようにと促された。
     マーヴェリックの後ろから肩を抱くようにしてグースが一緒に鏡を覗き込む。
    「耳を見ときなよ」
     グースはそう言い、自分の耳をぺたんと後ろ側に倒してみせた。
    「すごいな、それどうやるんだ?」
     グースはニヤリと笑って元通りに耳を立たせて訊く。
    「さっき笑ってた理由、もういっぺん思い出してくれる?」
     なんでここでアイスマンの話が出るんだ、そう思いながらも面白かった出来事はすぐに頭の中に浮かんだ。
    「帰るところを無理やり振り向かされたと思ったら、あいつ、おれの耳を見てそれはなんだってやたらとビビってた。で、ちょっとおちょくったらすごい反応してさ、面白くって……、え?」
     自分の耳も先のグース同様、後ろにぺたりと倒れていた。すごい、いつの間にか技を習得していたようだ。
    「見ろよグース、おれもできたぞ!」
     得意になって振り向いて笑いかけるとグースはなぜかしらニヤニヤと口元を緩ませていた。
    「なんだよ、これくらいで喜ぶなってか?」
    「いやー、違うのよマーヴェリックちゃん! さっきおれが考えてたのはワイフとカワイイカワイイブラッドリー坊やのこと。いやね、昔犬を飼ってたんだけど、犬って嬉しいことがあったり好きなことをするときに耳が倒れるのよ。で、おれ自身も愛してるひとについて考えたら耳が倒れるわけ」
     この意味わかる? と言う言葉は二つの耳から遠のいた。顔が熱くなっていく。いや、待て、そうと決まったわけではないだろう。
     マーヴェリックは鏡に張り付くようにしてスライダーのことを考えてみた。耳は動かない。チッパーは? サンダウンやウルフマン、ハリウッドや教官のジェスターについても考えた。微動だにしない。後ろで見守るグースを思おうとしても、いまはちょっと恥ずかしさが勝ってしまって動かない。よし、この調子でアイスマンについて考えてみてもきっと動かないはずだ。
     触っていいかと訊いたら素直に頭を差し出す姿、耳のつけ根を掻いたときにつかまれた両肩の感覚、毛を逆撫でしたときの高い声……
     耳は後ろに倒れていた。
    「この姿だと、好意がすぐにバレちゃうのは厄介だねえ」
     グースがコーラの瓶を傾けながらのたまうのを聞きながら、マーヴェリックは唇を歪ませて声にならない声を上げた。
     暫くの間、グース以外の人間に会える気がしなかった。
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    2023/05/03 16:51:56

    耳が生えた

    人気作品アーカイブ入り (2023/05/04)

    #マヴェアイ

    マーヴェリックに耳が生えた話。(7439文字)

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