I'll die here 阿僧祇編 これはソロジャーナルTRPG『I'll die here』を阿僧祇で回したプレイ録である。
このソロジャーナルの性質上、阿僧祇は確定で死亡する。また後味は悪くなる可能性が高い。
『I'll die here』
未知のウイルスが蔓延し、ゾンビたちで溢れてしまった世界。
ある日、不運にもゾンビに噛まれ感染してしまった " あなた " は、完全に人間でなくなるまでの 5 日間、記録を遺すことにした。
■SET UP
【プロフィール】
名前:神楽坂仁(阿僧祇)
性別:男
年齢:42
【生活拠点】
♦の5 モーテル(日本はモーテルに馴染みがないのでホテルに改変) 複数人と。
仕事の関係で泊まっていたホテルに閉じ込められている。ホテルの従業員や当時そこにいた客などとそれなりに協力して取り組んでいる。
【未練】
隠し続けたいことがある。もし自身が死んでしまった時、その死に様はどうあっても知人に知られたくはない。無様なところなど、知られてなるものか。
【大切なもの】
身に着けるもの。いつからか指にはまって抜けないそれは、どうしてだか虚淵桐志とおそろいだ。それを阿僧祇は存外気に入っている。
↓覚悟はできたか……????
↓
↓
■ライティング
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【 Day.1 】
あなたはゾンビに噛まれてしまった。出血はすぐに止まったが、傷跡が膿んでおり、どこか体
調が悪いような気がする。傷がじくじくと痛む。
①出来事:「♦3」 3:武器を確保する
赤:ゾンビのせいで武器を確保することができなかった
②探索:「♠」 誰かの手記を発見する
《手記》
やらかした。まぁ、くじ運が悪かったと思っておこう。そもそもド素人ばっかりで武器を入手したところで猫に小判だろうけど。
ちょうどペアくんでた老人に噛まれたところ見られたけど、とりあえず口止めには成功した。こういう時は自分の社交性に感謝するよ。そんでもって、手記でも残せばと万年筆と手帳を貰っちゃった。素直にそれに従って書いてるのも馬鹿馬鹿しいと思うけど、エンディングノート代わりにすりゃいいんだろう。
これを知り合いの誰かが読むと考えると羞恥で死にたくなってくるけど、見知らぬ誰かならまだマシだ。まぁ、羞恥で死ぬどころかゾンビになって死ぬんだけどね。笑えない冗談だ。
桐志は、皆は大丈夫だろうか。まぁ、結構図太いし普通に腕っぷしが強いから大丈夫だろうな。少なくとも俺よりは。そうであってほしい。
手記残すって以外と悪くない手段かもしれない。いろいろ思考の整理がしやすい。
そんな考えの人が意外と多いのか、出先で誰かの手記を発見した。元の持ち主もゾンビに噛まれたらしい。つまりこの結末はオレが辿るものと一緒ってことだ。5日。まぁ、それだけあれば充分気持ちの整理もできるだろう。
この手記もオレじゃない誰かに拾われれば、もっと有効活用されたかもね。
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【 Day.2 】
体が発熱しているかのように熱い。汗をかけどもかけども熱が下がる気配がしない。また、気
がつけば昨日噛まれた傷跡は跡形もなく治っていた。
①出来事:「♦7」 7:生活拠点を移動せざるを得ない事態に陥る
赤:なんとか移動することはできたが、被害が出てしまった
②探索「♠」 誰かの手記を発見する
《手記》
クソ程体調が悪い。まぁ、手記に書かれてあったとおりだから、覚悟はできてたけど、いざ自分の身に起こると思ってる以上にしんどいな。これ。
傷跡が無くなったのはうれしいが、この体調が悪くなってるときに拠点の移動を提案されるのは普通にしんどいね。まぁ、離脱できるチャンスだから、ノるけど。いつまでも集団に居たら殺されそうだし。いや、まぁそれでもいいんだけど。
移動先は地下シェルターだった。このあたりでは一番大きい規模らしいし、そこにならみんなもいるかもしれないね。まぁ、そこまで一緒に行くつもりはないんだけど。
昨日の老人だけはオレの事情を知っているから、話して、協力してもらうことにした。と言っても食料を多少分けてもらっただけだ。3日分くらい? どうせ5日後には死ぬんだから、大したものはいらないと言ったけど、割と押し付けられてしまった。お人よしだな。
すんなり離れることができた。自分の事を影が薄いとは思ったことなかったけど、移動中にゾンビに襲われたせいで死んだと思われたかな。まぁ、そっちのが都合がいい。適当に3日くらいこもれそうな場所を探して、一つの家にお邪魔することにした。鍵開けの道具もっててよかったな。
どうやらここの家主もゾンビに噛まれたらしい。まぁ、こんな状況では特別珍しいことじゃないってだけか。風呂場にあった死体はほとんど腐っていたから、多分ゾンビになり切る前に死んだんだろう。オレもそうできればいいんだけど。ひとまずリビングだけ借りることにする。意外ときれいだ。
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【 Day.3 】
食べれども食べれども治らない空腹に苛まれる。左腕がまるで腐ったかのように緑色に変色しており、感覚がない。動かすことができなくなる。
①出来事:「♠9」 9:現在の事態から抜け出すことのできそうな希望を見つける
黒:希望は真実だが、それが提供されるまでにあなたは死ぬだろう
②探索:「♡1」 1:煙草
《手記》
腹が減った。これも手記に会った通り。この空腹感がなんだか懐かしくて笑ってしまう。流石に明日の分くらいは残しておかないといけないからそこは我慢だね。老人がたくさん渡してきたのってもしかしてコレの事知ってたんだろうか。都合よくとりすぎかな。
あぁ、あと。左腕が使い物にならなくなった。緑色って、なんかそのうち光合成ができそうだよね。右腕じゃないことを喜んでおこう。運はいいらしい。
この家の探索も終わった。ラジオと煙草を見つけた。使えそうなのはこれくらいだ。最高なことにオレが好きな銘柄の煙草。本当運がいいね。空腹が多少は紛れるってものだ。
情報を仕入れたくてラジオを付けたら、何やらワクチン? 血清? が開発されたらしい。ゾンビに噛まれた後も1日以内であれば何とかなるという代物。今は急ピッチで増産してるとか。この状況もあと少しで終わる、希望のニュースってやつだ。まぁ、オレは間に合わないけど。でもこれで桐志たちが生き残る可能性が高くなったってことだ。喜ばしいニュースには変わりないね。
はぁ、腹が減るとどうでもいいことばっかり考えていけない。
どうせなら桐志の手料理が食べたいし、レイナチャンが淹れた紅茶でも飲みたい。もっとねだっておけばよかったな。
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【 Day.4 】
ことばがうまくでてこない。あたまがみょうにぼーっとしてうまくかんがえることができない。
からだのはんぶんがうごかせなくなっている。
①出来事:「♣6」 6:あなたの未練が部分的もしくは完全に解消されるかもしれない
黒:部分的もしくは完全に解消された
②探索:「♦4」 4:電池式 CD プレイヤーと CD
《手記》
あー、ことばがおもいだせない。かんじっておもったよりむずかしいんだなって、おもった。ひらがなにはかんしゃ、しとく? どうでもいいか。
そういえば、このあたりでしんだら たぶんみつからない かな。もとのばしょからは、それなりにはなれてる、から。でもそうだな。きめた。あしたが5にちめ、だから。
でんちしきのなんだっけこれ、まぁ、おんがくきくやつ。おんがくはあんまりきかない けど、ちょうどよく、しってるきょく。すこしは ましなきぶんになった。
あぁ、からだ うごかない。けど さいごだし、がんばるか
わるい もっと、おまえと――
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■エンディング
【 Day.5 】
最期:3.ゾンビの群れの中で、ゾンビに食われる
【手記の残された場所】
場所:どこかの瓦礫の下
アイテム:いつか購入した自身のドッグタグ
その手記は一体だれが見つけるだろうか。死体すら残っていない男のドッグタグと共に、それはひっそりと隠された。
彼が最後何を思ったのか、それは誰にも、もうわからないだろう。