【ここ】起きたら知らない場所にいたんだけど【どこー?】3【注意】
一応この話は【
伝令さんのweb日記】の続編になります。
前回のお話はこちらからどうぞ↓
【ここ】起きたら知らない場所にいたんだけど【どこー?】1
【ここ】起きたら知らない場所にいたんだけど【どこー?】2
でも伝令さんのweb日記は読んでも読まなくてもどちらでも大丈夫です。
なんちゃってホラーですが許して下さい_(:3ゝ∠)_
2chは見てみましたがそこまで怖くなかったのでちょっと安心してます。。
なんちゃってな2ch風+一人称視点でお話が進みますので耐えられないお方は見ないことをお勧めします。
あくまでpixiv上の2ch的な感じで。
あと場合によっては不快になったり気持ち悪くなったりする表現もあるかもしれませんがご了承ください。
安定の捏造有り。オリジナルキャラが出たりパーシーが普通に携帯持ってたりします。
(私の中では声で会話したら駄目だけど文字でなら問題ないと思ったので)
腐向け要素も(多分)有りますのでそこもお気を付けて。
以上の事が大丈夫な方はどうぞ~。
ヘルメスに言われ掲示板への書き込みを変わる。
普段このような物を少し覗いたりすることはあっても自身が書き込むというのはなんだか不思議な感じがする。
けれども今は彼のためにできる事をしなければ。
.
.
.
.
.
.
634 迷子の名無し
お
635 迷子の名無し
あ
636 迷子の名無し
キ…?
637 迷子の名無し
キタ?キタ?
638 クリス
早かったな。
月の女神アルテミスであっているか?
639 アルテミス
あっていますよ。
けれどあまり気安く話しかけないで頂戴。
本当は私は家族以外の男とはあまり話したくないの。
640 迷子の名無し
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
まだPJ戻ってきてないけどいらっしゃいませー!!!
641 クリス
…分かりました、女神アルテミス様。
それで、吐かせるとおっしゃってましたけど、どうやって言わせるんです?
642 迷子の名無し
PJまだぐったりしてるのかな…大丈夫なの?
やっぱり向こうでの時間の経過が遅いから
体力が回復するまで時間かかるのかな…(´・ω・`)っ
643 アルテミス
イザナミがどういった者かは分かりませんが、彼女が話の通じるものであれば話を。
そうでなければ彼女の意図を読み取れないか探ってみるつもりです。
まあ、使者があれだけ話していたのですから、主人もちゃんと話せるでしょう。
…話を聞かないようなものでないことを祈りますが。
644 迷子の名無し
神様でも祈るのか……。
645 迷子の名無し
それはそうと、PJ遅いね。
もうこっちでは30分立つけど全然書き込みがない……。
646 イザナミの使者
お兄ちゃん、体が勝手に線路のほうに向かって歩いてた
私が準備してなかったのに祭囃子がなってて、止めたのに言うこと聞かなかった
また祭囃子が聞こえてきた…
イザナミ様が来てるかもしれない。
…私が役に立たなかったから?
お兄ちゃんを助けて
647 迷子の名無し
え?
.
.
.
.
.
.
お兄ちゃんが隠れ鬼が終わった後、駅で倒れこんでから起きるまで掲示板を覗き、話題を振られたら返事をしていた。
人間とこんな風に話す日が来るなんて考えたこともなかったからとても楽しい。
今まで死者や暗い黄泉の中に住む神以外の者達と接触することなど、この『きさらぎ駅』に連れ込んだ時以外にはありえなかった。
だからちょっとおふざけを交えつつ書き込まれていく掲示板は私にとって素晴らしい発見だった。
異国の言葉だろうけど、イザナミ様の使者である私には問題なく読めてるし、相手もちゃんと反応をくれるからきっと私の書き込みも読めているだろう。
そんなことを考えながら携帯電話の液晶画面を見ていた私の視界の端で何かが動いた。
そちらへ視線を向けると、お兄ちゃんが起き上がっていた。
「お兄ちゃん、やっと起きたんだね。私お兄ちゃんが起きてくるまで暇で――」
言葉の途中でふと違和感に気付く。
お兄ちゃんが起きてるなら、私はすぐに気付けるはずなのに、さっきはお兄ちゃんが動く姿が視界に入ったから気付いた。
変に思い、お兄ちゃんが立っていたはずの所に視線を向けると……いない。
辺りを見回し、お兄ちゃんが駅の線路へ向かって歩いてると気付いた。
「だめ! お兄ちゃん、そっちにいったら帰れなくなっちゃうよ!」
そう声をかけても、お兄ちゃんはふらふらとしたおぼつかない足取りのまま線路へと歩き続けている。
「お兄ちゃん、クリスって人に線路に沿って歩くなって言われたんじゃないの? ねえ、降りたら危ないから早くこっちに戻ってきて。ちゃんと約束守るから、お兄ちゃんをおうちに帰してあげるから」
なだめるように言っても、お兄ちゃんの足が止まらない。
ふと気付いた、さっき気付かなかった理由。
もしかして、魂がここにない?誰かが体だけでも引きずっていこうとしてる?
お兄ちゃんが寝転んでいた場所に視線を向けるとそこにはお兄ちゃんが少し透き通った様子で眠り続けている。
やっぱり体を持っていかれそうになってる。
そのことに気付いた私は腕を引っ張りホームへ連れ戻そうとしてみるがびくともしない。
「なんで? お兄ちゃん、こんな力持ってる訳ない……! このままじゃイザナミ様に――」
途端に鈴の音が聞こえてきた。
「祭囃子……なんで……。今回は、準備してなかったのに、なんで、」
次第に賑やかな音がこちらへ近づいてくる。
祭囃子はきさらぎ駅に連れ込んだ人間達をイザナミ様の元へ連れて行くために使っていた手段の一つ。
でも今回はお兄ちゃんは人間じゃないから無意味だと思い、使うための準備などしていなかった。
楽しげな音は、人間からすれば恐怖を覚える不気味なものでそれはお兄ちゃんの方へと向かっていっている。
「だめだよ、そのお兄ちゃんは必要なの! そんなことしたら協力してもらえなくなっちゃう、やめて!」
いつもだったら私がやめてといえばすぐに止む祭囃子は、止まることなく鳴り続けている。
止めるための手段をそれしか知らなかった私は、ふと過去にここへ来た人間達の行動を思い出し、置いてあった新聞紙に火をつけた。
古びた紙とインクの燃える臭い、燃えた所からくゆる煙に不快感を覚えながらもそれを祭囃子のする方へ投げる。
するとぴたりと祭囃子の音が消え、お兄ちゃんの体も急に力が抜けたように、私が引っ張っている方へと倒れこんできた。
お兄ちゃんの体を持ち上げ、眠り続けている魂の上に重ねるように置く。
「……、ぁ」
止め続けていた息を吐き出すように小さな声を漏らし、お兄ちゃんが目を開けた。
「良かった……! お兄ちゃん、死んじゃうかと思ったんだよ?」
「ぇ……?」
事情を飲み込めていないお兄ちゃんに何があったかを説明した。
最初は疑ってたみたいだけど、自分の近くに新聞紙の燃えカスが落ちているのを見て本当の事だと信じてくれたのか、少し警戒しながらもお兄ちゃんは「ありがとう」といってくれた。
「大丈夫? かなり長い間眠ってたみたいだけど……」
「ああ……なんか、倒れた後、体の疲労感以上にひどい眠気が襲ってきて……気付けば寝てて、急に体が重く感じるから目を覚ましたら、君にさっきあったことを説明された」
まだ気だるそうにしながらそう言うお兄ちゃんにお水を渡す。
…でも受け取られなかった。
「こっちではどうなのか知らないけど、俺の知ってる冥府では冥府の食べ物を口にすると出られなくなるってルールがあるから、遠慮しとく」
「黄泉竈食ひ、知ってたんだ」
私がそう呟くとお兄ちゃんは「油断も隙もないな」とじとっと睨みつけてきた。
最後の手段だったんだけどな。
「でも約束は約束だから、お兄ちゃんをちゃんと帰してあげる。でもすぐにまたーー」
そこまで言ってふいにシャンッ!という鈴の音がすぐ近くでなった。
祭囃子が静まり返っていた駅に響き渡る。
なんで、どうして?
太鼓の力強い音が次第に早まっていく。
「お、お兄ちゃん、ごめんなさい…帰してあげたかったけど無理かもしれない…」
「え?」
くらい線路の上に視線を向けると黒い霧が雨雲のようにもくもくと動きながら私たちの方へ近づいてくる。
私は今までにないほどの恐怖を感じ、震え上がった。
けれどせめて、お兄ちゃんの帰りを待つ人たちに知らせないと。
イザナミ様には怒られるかもしれないけど、お兄ちゃんはきっと無理に連れて行ったところで協力してくれるような人じゃないと思うから。
きっと誠意を持った対応をしないと協力してくれないと思うから。
遠回りな方法になるけれど、私なりの忠誠でイザナミ様に報いたい。
だから今は不敬だと怒られるかもしれないけれど、何としてでもお兄ちゃんを帰さなきゃ。
掲示板に直接的ではないけれど危険な状況になっていることを書き記す。
もしかしたら今日が私の最期になってしまうかもしれないけれど、大好きなイザナミ様に葬られるのならそれもいいかな、なんて。
.
.
.
.
.
.
648 迷子の名無し
お、おい、どうしたんだよイザナミの使者?
助けてってどういうことだ?
649 アルテミス
胸騒ぎがします。
私たちは急ぐのでもしイザナミの使者が書き込んできたら詳しく状況を聞いてもらえませんか。
650 クリス
了解。
大丈夫だとは思いますがお気をつけて。
651 迷子の名無し
PJたん、無事に帰れるはずじゃなかったのか…?
おいたん、いつまでも信じて待ってるから早くまた無事な姿を見せておくれえええ。・゜・(ノД`)・゜・。
652 イザナミの使者
おにいちゃんがよみにつれさられそうになってる
いちどおいかえしたはずなのにまたまつりばやしがきこえてきた
おにいちゃんをたすけたいならはやくきて
いざなみさまにつれていかれちゃう
どうしたらとめられるの?
653 迷子の名無し
待て待て待て連れ去られそうになってるって!
イザナミが来てるのか?!
PJ大丈夫なのか!?
654 迷子の名無し
どうしたら止められるって……
ど、どうしたらとめられるの?(・д・`;)
今まで、帰って来た人たちって……その、いないんじゃなかったっけ……
655 迷子の名無し
馬鹿野郎ーーーー!!!
PJたんを助ける為に神々が動いてんだろうがァ!!
おれたちが弱気になってる場合じゃないだろう?!
きっと大丈夫だ!!!
656 イザナミの使者
わたしこんなしかたでおにいちゃんがきょうりょくしてくれるとはおもえない
いざなみさまをとめたい
おにいちゃんをにがすためにがんばってみるね
おにいちゃんはきっとちゃんとたのめばいざなみさまをたすけてくれるはずだから
657 クリス
おい待て、それは大丈夫なのか?
本当にイザナミなのか?
なんで使者であるお前に危害を加えるんだ?
658 イザナミの使者
わたしはいざなみさまにたすけてもらったけんぞくだから
いざなみさまのけはいはすぐにわかるの
あのかたはやさしいけどやくたたずはそばにおいてもらえないの
これがさいごになるかもしれないからつたえておくね
ひさしぶりにだれかとこんなふうにおはなしできてたのしかったよ
みんなありがとう
もしわたしがきえてもだれかにおぼえておいてほしいな
ばいばい
659 迷子の名無し
待って、展開が早すぎて頭が追いつかない。
隠れ鬼が終わって駅で休憩してたら急にPJの身体が連れていかれそうになって?
一度阻止したのにまた祭囃子?が聞こえてきてイザナミがPJを黄泉へ連れて行こうとしてて
イザナミの使者はそれを止めるために消える覚悟でなにかしようとしてるのか?
今まであんなにPJの事黄泉へ連れて行こうとしてたのに?
訳わかんねぇよ……!
戻ってこいよ!
660 アルテミス
イザナミの使者よ、あと少しでキサラギ駅に到着します。
それまで持ちこたえなさい。
661 迷子の名無し
アルテミス様!
ご武運を!
662 迷子の名無し
イザナミの使者、もう少し頑張ってくれ!
そしたらお前も助かるかもしれない!
663 迷子の名無し
この子供は妾が貰い受ける
人の領地に土足で踏み込んで来るでない、異国の神よ
664 迷子の名無し
えっ
665 クリス
まさかこの異国の神よっていってるやつ…
イザナミだっていうのか……?
お前はPJに何をするつもりなんだ。
666 迷子の名無し
いかにも。
妾がお前たちがイザナミと呼ぶ黄泉に住まう女神だ。
何をするつもり、か。
妾は興味はなかったが、あの僕が豪く執着していたのだ。
少し興が湧いたので遊んでやろうと思ってな。
667 迷子の名無し
ひぇ……
遊んでやろうがどう考えても「弄んで殺してやろう」としか読めない件について…(震え声)
668 迷子の名無し
>>667
それな(失禁)
PJとイザナミの使者大丈夫なのかよ…!
669 迷子の名無し
今までお前たちへ危害を加えていた妾の使者まで心配するとは、面白いものよ。
妾の僕を妾がどう扱おうがお前たち人間には関係のない事。
放っておけ。
670 迷子の名無し
放っておけって……
少なくともPJの事があるから放っておける訳ないだろ!
……画面越しに見てるだけで何も出来ないけど……;ω;ウッ
671 迷子の名無し
そうだそうだ!
なにも出来ないけど、怖い思いしてるPJたんを少しでも和ませる為におれたちは居るんだ!
怖くたって、最後まで見届けるぞ!
672 クリス
あんたにとってはただのちょっとした暇つぶしかもしれないが
PJにはまだしなくちゃいけない事があるんだよ。
頼むから連れていかないでくれ。家に帰してやってくれよ。
673 アルテミス
到着しました。
イザナミの使者とパーシーの傍に腐敗して爛れた皮膚から蛆が湧いている
女と思しきものが居ますね…なんとおぞましい。
私はアポロンと共に出入り口を開いておかなければいけないので
誠に不本意ですが実況役を続けましょう。
パーシーの事はヘルメスとポセイドンがなんとかするでしょう。
あの二人は彼の事となると特に過保護になるので。
まあそれは私の兄弟もそうですけれど。
674 迷子の名無し
うおおおおおおおおおお!!!
間に合った!!!
675 迷子の名無し
ヘルメスさまー!
ポセイドンー!
頑張ってPJを助けてあげてー!!(;д;)
676 迷子の名無し
ここから神々によるPJ奪還戦が始まるんだな……!!
胸熱……!!
677 迷子の名無し
妾は無駄な事に自身の力を使うつもりはない。
678 迷子の名無し
え?
679 アルテミス
今……パーシーとイザナミの使者ともども…
イザナミと共に消えてしまいました…。
680 迷子の名無し
消えたって……
681 迷子の名無し
そんな…結局間に合わなかったのか…?
682 クリス
アルテミス様たちはこれからどうするんですか。
683 ヘルメス
ちょっとちょっと君たち、何勝手に暗くなってるのさ。
684 迷子の名無し
……へ?
685 迷子の名無し
だってPJ連れていかれちゃったんだぞ!
PJを助けられなかったんだ……。
暗くもなるだろ……。
686 ヘルメス
君たち僕の言った言葉を忘れたのかい?
僕を何の神だと思ってるのさ。
687 迷子の名無し
えっと神々の伝令神……
688 迷子の名無し
泥棒の神様かインターネット作った神様って事しか思い出せない…
689 クリス
死出の旅路の案内者だから冥界までの道ならまかせろと言っていただろう。
イザナミの行く先は黄泉しかない。
それならばヘルメスが道を探せるはずだからな。
大丈夫だ。PJは必ず助かる。おれたちが暗くなってる場合じゃないぞ。
おれたちは何もできないけど671の言ったように
PJがこのスレに帰って来た時に怖さを少しでも紛らわせられるように明るく行こう。
諦めてる場合じゃないぞ。
690 迷子の名無し
クリス、お前……!
691 迷子の名無し
そうだね……。
まだおれたちにも出来る事が残ってるんだからしっかりしないとな!
692 ヘルメス
相変わらず僕の事を呼び捨てにするのは腹が立つけど
クリスの云う通り、諦める必要はないよ。
パーシーは必ず連れ戻してくるから君たちはなるべくここのスレッドを消費し過ぎないようにして
あの子を待っていてほしい。
きっとパーシーは君たちと話したい事がまだあるだろうからね。
693 迷子の名無し
了解です!(`・ω・)ゞ
694 迷子の名無し
イエッサー!
695 ヘルメス
それじゃあ、一旦書き込みは途絶えるけど
次に僕が書き込む時は全てが終わった時だと思うからそれまで君たちも休んでおくといい。
またアルテミスかアポロンに変わるよ。
696 迷子の名無し
いってらっしゃいませ!
PJとの帰還をお待ちしております!
697 迷子の名無し
PJをお願いします!!
698 迷子の名無し
またPJたんとお話させてください!
お願いします!(`;ω;)ゞ
699 迷子の名無し
お気をつけて!
700 クリス
必ずPJを連れ戻せると信じてるからな。
……それと、イザナミの使者がもし消されそうになってたら、よければ助けてやってほしい。
頼む。
701 ヘルメス
イザナミの使者については余裕があってなおかつ大丈夫だと判断したら、ね。
それじゃ今度こそ落ちるよ。
702 迷子の名無し
おっし、それじゃ…
30分ごとに保守上げてく?
ついでにしりとりでもしよっか。
えーと……それじゃあ
ヘルメスさまの「ス」から。
・
・
・
私とアポロンの元へ連絡があったのは少し前。
ヘルメスから緊急で手伝ってほしいことがある、という電話を受けて私たちは彼の元へ行った。
私は掲示板を私の副官であるタレイア・グレイスから教えられて見ていた為事情は聞かずともわかっていたので快諾した。
アポロンはどうやら寝ていたようでヘルメスの説明を聞いて協力することになった。
窮地に陥った私たちを何度も救ってきたペルセウス・ジャクソンを見捨てる事は出来ない。
彼の行方が分からないかとアポロンが調べているうちに元々合流する予定だったポセイドンが来た。
「キサラギ駅とやらへの行き方はわかったのか?」
ポセイドンは睨みつけるだけで相手を射殺せそうな形相で訪ねてきた。
伯父がここまで不機嫌になっているのは久しぶりに見た。
父と喧嘩をしている時でさえこんなに怒ったりしない。
「待ってね、ポセイドン伯父さん。もうちょっとで掴めそう……」
アポロンは必死に気配を辿ろうとしている。
少し離れた所でヘルメスが掲示板に書き込んでいる。
パーシーとの唯一の連絡手段の為、私たち全員携帯電話にその掲示板を表示している状態だった。
掲示板のパーシーの書き込みを眺めながら、待つしかできないポセイドンは溜息を漏らした。
「しかし、なぜパーシーがイザナミとやらの為に必要なのかがわからない。このイザナミの使者とやらはパーシーを生贄にする為に引きずり込もうとしてるのか?それともパーシーを依り代として使おうと思ってるのか……?」
私も掲示板に書き込まれた数々の状況を読み返すけれど何もわからない。
ただ、このイザナミの使者というものはパーシーを生贄や依り代に使おうとは思っていない、と思った。
なぜかはわからないけれど、それだけは確信していた。
そう言ってポセイドンに変に希望を持たせてもし本当にそうだった時は問題しか生まれない為、この不確実な考えを話す事はしなかったけれど。
キサラギ駅へと続く道をアポロンが見つけたというので皆でそこへ行き、辺りを見回したがそれらしいものは見当たらない。
「アポロン、その道は本当にこの付近にあるのですか?」
「うん。間違いないよ。ただ、道はミストっていうか……闇に隠されてる感じなんだ。こういう時ハデス伯父さんなら多分すぐ気付けるんだろうけど。ちょっと探しづらいと思うけど皆も周りを探してみて」
周囲は暗く街灯の明かりと駅の明かりしかついてない状態で人間の姿が見当たらない。
おかしい。普段なら少なくともホームレスがいたりするのに。
それに辺りがじめじめとした気持ちの悪い空気に包まれている。
早く見つけなければ。
手分けして付近を捜しているとアポロンが声を上げた。
「あった! 皆、入口見つけたよ!」
声に反応して私たちが集まるとそこにはうっすらとまったくここには不釣り合いな家が建っている風景が映っていた。
「これがキサラギ駅?」
「いや、どちらかといえばキサラギ駅がある空間にいける場所、かな。おそらくパーシーが隠れ鬼をしなければいけなくなった時に隠れてやり過ごしていた民家があるあたりなんだと思う。……さて、一番に行きたい人は?」
ポセイドンが躊躇わず映像が映っている場所へ足を踏み入れた。
続いてヘルメスが歩いていく。
私とアポロンも二人の後を続いた。
ヘルメスは携帯電話を少しいじった後、私に声を掛けてきた。
「アルテミス、ちょっとここから先もしかしたらやっかいな状態になるかもしれないから、君に掲示板の方に現状についての実況を頼んでもいいかな?」
意見を聞く形をとっているが実質しろと押し付けるような言い方だったがパーシーの為なら仕方ない。
「ええ、まかされましょう」
「助かるよ。さて、急いで駅を探そうか」
こうして私は掲示板への書き込み係を担当する事になった。
そこからはイザナミの使者からの書き込みがあり、急いで駅の方へと向かった。
祭囃子とやらの聞こえる方へ走っていくと駅があった。
中へ入ろうとすると結界のようなものが張ってあるのか、それ以上先へ進めない。
「この程度のもので妨げられると思うなよ!」
ポセイドンがトライデントをとりだし結界を切り裂くように振り下ろすと中へはいれるようになった。
それと同時に駅構内には今までくぐもって聞こえていた祭囃子が、耳が痛いほどの大音量で響き渡っている。
耳を押さえて辺りを見渡すとイザナミの使者と呼ばれている少女とパーシー、そして──
「あれがイザナミ、か……。噂には聞いていたけど……かなりグロテスクな容姿してるねぇ」
ヘルメスがそう呟く言葉がかろうじて聞こえた。
確かに身体の皮膚はでろりとはがれおち、中の骨やぐずぐずの肉が至る所から覗いている。
そこもかしこも蛆虫が蠢いていて、少しイザナミが身体を傾けるだけでボトボトと地面に落ちていく。
腐敗した人の姿をした女神──イザナミについてはそういう噂は聞いていたが実際に目にすると耐えられず、気持ち悪さに思わず視線をそらしてしまった。
ポセイドンはそれ以上にパーシーが疲れきって意識も朦朧としたような状態で居る事が気が気でなかったのかパーシーとイザナミのあいだに割って入ろうとしたが、それよりも早くイザナミはパーシーの腕を掴んだ。
「イザナミ様! やめて、そのお兄ちゃんを殺しちゃだめだよ……! 約束したの、ちゃんと逃げきれたら帰してあげるって……だから殺さないで……」
イザナミの使者がパーシーを掴んでいる腕にすがりつきイザナミを説得している。
今まで彼を苦しめていたくせに今更その程度の事をして許されるのか、と腹立たしさがこみ上げてきたがその場は抑え、パーシーの救出を優先する為動こうとした時にアポロンに呼び止められた。
「アルテミス、待って!」
「どうしたのです?」
「ここの道……どうやら僕たちが離れたら消えてしまうみたいだ。見てごらん」
アポロンが指差した方へ視線をやると先ほどまで道として残っていた民家の小さな明かりが全く見えず、そこには暗闇だけ。
「ではどうするの? 彼を見殺しにしろと?」
この空間の影響もあって、自身でも抑えきれないほどの負の感情を受けているのだと自覚する。
私が口調を荒げた理由を理解しているのかアポロンはいつものように彼の明るい笑顔でウィンクして見せた。
「落ち着いて、アルテミス。きっと大丈夫。彼にはヘルメスとポセイドンがいる。絶対に助けるという気持ちの神がここに少なくとも四人もいるんだ。何も心配ないさ」
最後の一言はアポロンにしては弱々しく、まるで自分に言い聞かせるような言葉だった。
ここで私が気を乱している場合ではないと正気を保つために両頬を軽く手で叩く。
「アポロン、私はもう一度彼と話がしたいのです。その為には……」
「そう、ここで彼らが不利な状況にならないようにする事も大切な事だ。僕とアルテミスでここに居続ければ、これ以上闇がこちら側へ入り込む事はないはず」
アポロンの言葉にもう一度、後ろの暗闇を見やった。
やはりその中に何かが浮かびだしてくる事などなく、ただ真っ暗な空間が広がっているだけだった。
仕方ない、と溜息を吐き、駅の入口に私とアポロンで佇む。
「ポセイドン、ヘルメス! 私とアポロンで道を留めておきます。早く彼を連れ戻して下さい!」
騒々しい鈴や太鼓の音で私の声が彼らに正確に聞こえたかは不安だけれど、二人は頷いて再度パーシーを助ける為に手を伸ばした。
刹那、それまで鳴り響いていた祭囃子は静まり返りイザナミの周りが闇に覆われていく。
パーシーは腕で後ずさり、その前にイザナミの使者が立ちふさがるように立っている。
ポセイドンがパーシーの傍に膝をつき立ち上がるのを手助けしようとしている最中、ヘルメスがイザナミの使者と並んでイザナミの方をにらみつけている。
闇が次第に薄くなっていき、その中にはしっかりとした、私たちと変わらない綺麗な状態の人の姿を保ったイザナミがいた。
彼女はあんな状態でなければこんなにも美しかったのかと思わず見惚れてしまうほど。
「その子供を貰い受ける。邪魔はさせぬ」
一言云うなりパーシーの後ろに現れ彼を躊躇なく連れ去ってしまった。
「イザナミ様! だめ──」
使者も止めようと声を掛けたがそのまま彼女も闇に呑まれる。
残された私たちはしばらくパーシーがいたはずのそこを眺めたまま、立ち尽くしていた。
「くそっ、あと少しだったのに……! あと少しでパーシーが助けられたのに! 僕には愛する者を助ける資格がないっていうのか?!」
先に気を取り直したヘルメスが自責の念に駆られ過去まで蒸し返してしまったのか、さっきの私のように気が立っている。
「落ち着けヘルメス、君のせいじゃない」
「ヘルメス、自分を責めたくなる気持ちはわかりますがここでただ立っている場合ではないですよ。黄泉への道がわかるとしたらこの中であなただけでしょう。まだ今からならパーシーを助けられるはずです」
彼は私とアポロンの言葉を聞くと、一つ深呼吸をしてうなずいた。
辺りを見回し、線路の続く先を指差した。
「多分、こっちだと思う。イザナミの気配がする」
ヘルメスの言った方向は看板にヤミ駅と書かれている。
以前スレッドの始めの方でクリスという人物が書いていた内容では黄泉につながる、という事だったはず。
「いくぞ」
今まで無言だったポセイドンがようやく話し始めた。
一気にヤミ駅の方へ行けば一瞬だろうがそれもせず自身の足で移動している所を見ると相当動揺しているらしい。
見知らぬ土地で瞬間移動──もとい高速で移動するのは危ないから普通に走った方が安心できるから黙っておくことにした。
私たちも遅れないようにポセイドンの後に続いた。
すると少し進んだ所で背後から声を掛けられた。
「おーい、危ないから線路の上歩いちゃ駄目だよ」
振り返ると片足の無い年老いた男がこちらを向いて立っていた。
「私たちは神なので人間の云う所の危険は少なくともすぐに回避できます。ご忠告どうも」
私はそれだけ言い残し三人の後を追った。
・
・
・
708 迷子の名無し
えーと、それじゃあキマイラの「ラ」。
なぁ、そろそろ3時間たつけど大丈夫かな……。
コテハン組から何も連絡来ないぞ……。
709 アポロン
これでちゃんと書き込めてるかな?
やぁ、人間諸君。おまたせ!
君たちもご存じだろうが輝かしい太陽と音楽と医療とその他諸々の神、アポロンだよ!
これからは僕が彼らの代わりに実況していくよ。よろしくね!
いま僕たちはヘルメスの先導でヤミ駅の中を進んでるんだけどどんどん空気が淀んできてる。
まったく、暗くて空気のじめじめした所は本当に嫌だねぇ。
僕は明るくて気持ちのいい風が吹いてる所の方が好きだ。
710 迷子の名無し
うおおおおおおお!!!
遂にコテハン組が帰ってきたぞーーーー!
よろしくお願いします!!
711 迷子の名無し
アポロン様よろしくお願いします―!
今こちらでは3時間くらいたってますが
そちらではどうでしょうか?
712 迷子の名無し
確かPJが隠れ鬼してる時は時間が二倍くらいに伸びていたよな。
ってことは向こうでは6時間もすぎてるのか?
713 アポロン
いや、それがね~。
今こっちでは30分くらいしか経ってないんだよね。
714 クリス
どういう事だ…?
715 迷子の名無し
もしかして隠れ鬼の時はイザナミの使者が時間を弄ってたのか?
そして今度は向こうでは時間が一瞬で過ぎてるのか?
716 迷子の名無し
もしかしたら場所が影響してたりするのかも……?
キサラギ駅は一分一秒が倍の遅さで流れてて、ヤミ駅とか黄泉とかに
近づいていくにつれ時間の流れが速くなっていっててそれで時間にずれが出るとか?
わっかんねぇよ…。
717 アポロン
どちらにせよ、現実にあまり影響がない範囲ならそれだけでいいんだ。
パーシーに何かあったらアメリカがかなり荒れると思うから君たちも覚悟しておいて。
718 迷子の名無し
ポセイドン様ですねわかります(ガクブル)
719 迷子の名無し
イザナミ頼むから本当PJを帰してやってくれお願いします(震え声)
720 迷子の名無し
断る。
721 迷子の名無し
だーっ!
やっぱあんたも見てんのかよ!
722 迷子の名無し
妾の使者が見ていた掲示板とやらを見ている訳ではない。
お前たちの書き込みとやらが亡者たちの声で直接妾の脳内に聞こえてくるのだ。
それに応えているまで。
723 迷子の名無し
それって、亡者がスピーカー代わりにおれたちの書き込みをイザナミに教えてるのか?
逆にイザナミの返事は亡者がここに書きこんでるのか???
どうでもいいことだけど気になる……。
724 迷子の名無し
なんかこうして人外と普通に掲示板で会話してる時点で
俺達ってだいぶ感覚が麻痺してるよな……(白目)
725 迷子の名無し
本当にな……。
726 迷子の名無し
お前たちに一つ尋ねたい事がある。
727 迷子の名無し
俺達に訪ねたいことって言われても……
俺達じゃ何もしらないと思うけど。
728 クリス
内容による。
729 アポロン
答えたら彼のこと、帰してくれるのかい?
それなら俺たちも知っている限りのことを教えよう。
730 迷子の名無し
妾の使者がなぜこの者に執着していたのかわかるまで
この子供を帰すつもりは今の所ない。
731 迷子の名無し
……場合によっては、帰してもらえるってこと?
732 迷子の名無し
いや、まだ希望的観測は出来ないぞ。
実際にPJたんが帰ったって報告してくるまでおれは警戒してるぞ……!<○><○>
733 クリス
早く尋ねたいこととやらを答えろ、イザナミ。
734 迷子の名無し
愚かなる人の子よ。
神に対するその態度を改めろ。
しかし先に切り出したのはこの妾。
なればそなたらに問おう。
相手を大切にするにはどうすればよいのだ。
735 迷子の名無し
は?
736 迷子の名無し
えっ……?なに……?
もっと小難しい事聞かれると思って身構えてたけど……
相手を大切にする方法……???;
737 クリス
相手を思いやり、相手の為に行動することが一つの方法としてあげられるとは思うが……
方法はいくらでもあるからこれが絶対とは断言できない。
738 アポロン
……大切にしたい者がいるのかい?
あなたの使者であるあの子かな?
俺は、身勝手に気持ちを押し付けず相手の言葉に耳を傾けることが
相手を大切にすることに繋がると思うよ。
739 迷子の名無し
えーっと……あくまで個人的な意見なんだけど、
おれは相手の気持ちを尊重することが大切にすることだと思うぞd(・ω・´)
740 迷子の名無し
俺も皆とだいたい被るかな……。
大切な人たちを傷つけないようにいつも気をつけてる。
言葉なんかは特に軽い気持ちで言ったものでも相手を傷つけやすいから、
慎重に選んだりしてる。
会話は誤解を生みやすいけれど、コミュニケーションを取る為には
一番伝わりやすい方法だと思ってる。
741 迷子の名無し
俺も大体みんなと同じ。
742 迷子の名無し
俺も~。
743 迷子の名無し
そうか。
ならば妾のしていることは、相手を大切にしていないのか。
744 アポロン
あなたのいう「相手」という者があなたの使者であるのなら
彼女の意思を無視して、パーシーを黄泉へ連れ去ってしまったことが
彼女を大切にしてない事になるね。
745 迷子の名無し
そう、か。
746 迷子の名無し
……おーい?
イザナミ?
747 迷子の名無し
急に書き込みがなくなったぞ。
10分待っても全然書き込みがないな……。
748 迷子の名無し
とりあえず……また保守、か?
749 迷子の名無し
イザナミってもしかしたら使者のこと、大切に思ってたのかもな。
ま、しりとり再開するかぁ~。
前はキマイラの「ラ」だったから
次はラミアの「ア」~。
750 迷子の名無し
ギリシャ神話ってアから始まってスで終わるやつが多すぎるんだよな……(白目)
ギリシャ神話縛りそろそろ厳しいお……(震え声)
751 迷子の名無し
頑張ろうや……
・
・
・
我が使者である■■が自らの意思で連れ込んだパーシー・ジャクソンという半神半人と■■を黄泉へ連れ帰った。
黄泉の中はざわざわと騒がしく、意識を集中させると亡者たちがあちらこちらから声を発している。
すべてが電子世界の掲示板と呼ばれる場所に書きこまれた文字のようだ。
こんな事は今までなかった。
異国の神の子がもたらす異変?
けれどひとつ、ずっと気になっていた事を尋ねると様々な答えが返ってきたが
どれも、妾が取ってきた行動には当てはまる事は、……なかった。
今までしてきた事はすべて無駄だったのか。
どうすれば■■に妾の気持ちを伝える事が出来るのだ。
永遠に続くかと思われるほどトンネルの中は闇に包まれている中、僕は僕の直感を頼りにパーシーがいる黄泉へと足を進めた。
道の所々に人骨がいくつも転がっていたけれど、そんなものを気にしている余裕はなかった。
闇が深くなるにつれてイザナミの気配がわかり難くなっていく。
ポセイドンとパーシーの血の繋がりでなんとか気配を辿ってはいるが、早く黄泉に辿りつかないと気配すら追えなくなってしまい手遅れになってしまう。
視線を辺りに彷徨わせると、一部じめじめとした気持ちの悪い風が吹き出している場所があった。
一見壁のようだが、押せば腕が壁の中へと入っていく。
「見つけた! ここからイザナミたちのいる場所へ行けるはずだ!」
ポセイドンはその言葉を聞くと早々に壁の中へ入っていく。
僕たちもそれに倣い、同じように入っていった。
壁の中へ完全に入り込んだと思った途端、足場がなくなり浮遊感の直後、落下し僕は無様な着地を決めてしまった。
アルテミスはアポロンを下敷きにして事なきを得ていたがどう見てもアポロンは顔面から落ちている。彼も無様だった。
ポセイドンに至っては直立不動で降り立ったようで地面にひびが入っている。
周囲を見回すとあちこちに亡者がぼんやりと佇んでいる。
ハデスが治める冥界と違う所はあまりなく、どこも似たようなものなのかと他人事のように思いながらパーシーの気配を探る。
「やっぱり俺、冥府は苦手だなぁ……もっと明るい場所がいい」
アポロンがぼさぼさになった頭を整えながら僕の隣でそんなことをいう。
彼がぴりぴりした空気を少しでも和ませようとしてくれていることに感謝しながら僕は呟いた。
「彼を連れ戻したら皆で遊園地にでも行こうか」
きょとんと目を丸くして僕を見てくるアポロンに少し噴き出した。
「この面子で? 俺はいいけど……アルテミスは?」
「まぁ、一日くらいでしたら」
「ポセイドンおじさんは?」
「パーシーが望むのならばいくらでも」
「オーケー、パーシーを連れ帰って、完全に回復したら皆で遊園地に行こう」
アポロンは少し気が軽くなったのか、先ほどよりも姿勢を正していつものように堂々としている。
ああ、僕も早く彼を連れて星空の下に戻りたい。
俺たちは黄泉へ降りて歩き続けた。
携帯電話に表示される時間を見るとまだ45分しか経っていなかった。
時間の流れが違うという気持ち悪さに頭痛を感じながら、楽しい事を想像して滅入る気をそらした。
掲示板に書き込まれたイザナミの文が気にかかる。
彼女は相手を大切にする方法を俺たちに聞いてきた。
以降の書き込みはないけれど……もしかすると、彼女は使者である彼女を大切に思っているのではないか。
イザナミの使者は「役に立たない者は捨てられる」と書きこんでいた。
彼女はイザナミの優しさはわかっていたが、イザナミの想いが正しく伝わっていないのではないか。
もし、イザナミが使者を大切に想っている事が伝えられず、そのことで苦しんでいるのなら。
使者がイザナミの為を想って、イザナミがパーシーと会う事で変われると思い、連れていこうとしていたのなら。
双方の想いを伝えることが、今回のこの事件を解決に向かわせる為の鍵なのではないだろうか。
そんな俺の考えをスレッドに書きこむことは控え、ヘルメスの後を続く。
きっと、パーシーの体力が回復していて、自分の意思で動く事が出来る状態ならば、自身で僕と同じ結論にたどり着くんじゃないか。
ポセイドンやヘルメスには悪いと思いながら、そして買い被り過ぎかもしれないと思いながら、俺はパーシーに期待していた。
だって彼は誰よりも絆を大切にしている子だから。
・
・
・
765 迷子の名無し
じゃあ次はアキレウスの「ス」。
なぁ……もうだいぶ時間経つしコテハン組書き込みしてこないけど大丈夫なのか……?
766 迷子の名無し
いうな!
思っても絶対いうんじゃないぞ!
おれはまだPJたんたちのことあきらめてないから!!(;ω;´)
絶対帰って来るもん!!!
767 迷子の名無し
俺も信じたいけど、ここまで音沙汰なしだと流石にもしかしたら……って考えてしまう……。
768 クリス
俺たちが信じなくてどうする。
それにアポロンの書き込みを見ていて俺はある程度思い当たる節があったから
多分、大丈夫だと思っている。
769 迷子の名無し
えっ
770 迷子の名無し
うそ、ちょっと見直してくる
771 迷子の名無し
イザナミの問いに対する確認の仕方のこと?
772 クリス
>>771
そうだ。恐らく核心に迫る部分じゃないかと思っている。
きっとその鍵となるのがPJなんだ。
だからPJもまだ生きているはず。
773 迷子の名無し
はぇ~……でもクリスが言うならなんか、少し安心する。
俺もPJたちの帰還を願ってとりあえず仮眠とってくる。
774 迷子の名無し
>>773
おう。お疲れ。
一緒に頑張ってPJたちが返ってくるのを応援しような。
おやすみ。
775 迷子の名無し
>>773
ゆっくり寝てくるんだぞ~!(>д<)ノシ
776 クリス
俺も少しだけ仮眠してくる。
流石に夜通しはきついな。
777 迷子の名無し
>>776
クリスもお疲れさん。
ずっとピリピリしてるのもかなりきついと思うから
寝ておいで。
そして777げーっと!!
778 迷子の名無し
>>776
おやすみ!
>>777
おめ~!
779 PJ
>>777
おめでとう
780 迷子の名無し
>>777
おめっとさんっ!
781 迷子の名無し
>>779
782 迷子の名無し
>>779
783 迷子の名無し
>>779
784 迷子の名無し
>>779
785 PJ
ここは無言の多いいんたーねっつですね?
786 迷子の名無し
PJおまえーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!????
787 迷子の名無し
PJたんおかえりいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!???
……はっΣ('д';)
ほ、本当にPJたん……?
788 迷子の名無し
PJ生きてたあああああああああああやったああああああ!!!
クリス!!!クリスー!!!PJ帰ってきたよオオおお!!
789 PJ
>>787
【人型の白い靄が辺りに佇む中イザナミの使者とピースサインで映る黒髪の少年の画像】
本当におれだよ。
周りは亡者だらけだけど。
790 迷子の名無し
ウワアアアアアアアアアアアアアアアオロrrrrrrrr
791 迷子の名無し
PJ突然爆弾投下するの!!!やめて!!!!
792 迷子の名無し
安定の阿鼻叫喚地獄作成機オロロrrrrrr
793 イザナミの使者
お兄ちゃんのおかげで私まだ生きてる。
読み返したらみんな私のこと心配してくれてたね。
ありがとう。
794 迷子の名無し
イザナミの使者ー!!!
いきとったんかわれーーーーー!!!。・゚・(ノД`)・゚・。
795 迷子の名無し
よかったねええええーーー!!!。・゚・(ノД`)・゚・。
796 イザナミの使者
私一度死んでるけどね?
797 迷子の名無し
>>796
そこはマジレスするんだ……(スンッ)
798 迷子の名無し
>>796
イザナミの使者たん
マジレスかわいくないぞ~!(ーωー)
799 迷子の名無し
>>798
おまえとうとうイザナミの使者にまで……。
800 迷子の名無し
>>798
イザナミさんここにロリコンがいます
801 迷子の名無し
うわやめくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
802 迷子の名無し
今度はイザナミの犠牲になったか。
これに懲りるといいな……(遠い目)
803 迷子の名無し
>>802
無理では?
804 迷子の名無し
>>802
諦めよ。(死んだ目)
805 PJ
えっと、皆盛り上がってる所悪いけど
今の状況を報告させてもらってもいい、のかな?0ω0?
806 迷子の名無し代表
>>805
どうぞどうぞ!
皆お口ミッフィーだぞ!
807 PJ
それじゃあ書きためてくるから下開けておいてくれ。
俺がイザナミに連れてかれた所まではアポロンたちによって書かれてるから、
それ以降について、だな。
目を覚ました俺は──……
・
・
・
【あとがき】
2年ぶりの更新になります3話目!
忘れた頃にぶち込むぜ←
正直書いてる私自体が忘れかけてるマイレボリューション(?)
忘れた人はもう一度伝令さんのweb日記から読んでね!!!
さて、次のお話がかけるのが来年にならないことを祈りつつ、次のお話で終わらせる予定です。
そのあとオリンポスちゃんねるで1話ほどおふざけ回してからまたホラーに入りたいなぁと予定を立ててはいるものの予定は未定。
あまり期待せずにゆるゆるとやってくぜいえ~^q^
もしここまで読んで下さった方がいらっしゃいましたらありがとうございます!
ハッピーエンドがいいな~。