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    心臓の囚人【心臓の囚人】


     南の風 やや強く 雲が多い一日 にわか雨 後 所により日が差す


     カーラジオから流れてくる今日の天気予報だ。今は自分が住んでいるところから車で一時間程走ったところにいるのだが、恐らくラジオから聞こえてくるのはこの周辺一帯の天気予報のはず。車窓から見える天気は雨が降ってきそうな曇り空だった。天気予報は合っている、と思って再び目を閉じた。

     古い国産車(少なくとも自分は聞いたことがない車種)の中は他人の匂いに混じってカーコロンの香りがほんのりとする。車は少し前に販売終了したとかいう車種で、古いからかエンジンの音が大きいが、乗り心地は悪くなくウトウトしてしまう。隣の運転手は一言も喋らないまま一時間以上運転を続けている。

     どこへ行くんだろう、そう思った。車で何処かへ行こうかという話になった時、俺は行きたいと言った。だが、何処に行くかは訊かなかったし、何処へ行きたいかも言わなかった。何処に行くとも決めず、ただこうして只管走るだけなのがドライブというものなのかもしれないが。

     自分は銀魂高校という学校に通う3年Z組の生徒で、隣にいる運転手はその高校の教師でその3年Z組の担任、坂田銀八だ。今は5月の大型連休の真ん中。観光地でもなんでもない市街地を外れたところを車で走っている。通る車は少なくもないし多くもない。賑わっているところとそうでもない場所の差は激しい。さっき通り過ぎたショッピングモール付近の周辺道路はかなり混んでいたし、駐車場は地上も地下も屋上さえも満車と表示されていた。

     
     大型連休を控えて浮かれた高校内である噂が流れた。
    「現国の坂田銀八と保健医が来年結婚するらしい」
     銀八が今受け持っている生徒たちが卒業したら……というもっともな理由だ。結婚の話を勧めたのは銀魂高校の理事長だという話で、噂とはいえリアリティがある。確か理事長と銀八は大家と店子という関係でもあるそうだから、そういう話を理事長がすすめてくるというのも別に不自然ではない。

     もう一人の噂の対象である保健医については実はよく知らない。入学以来保健室に顔を出したことはないので、保健医の姿を見かけるのは全校集会とか式がある時、購買くらいではないだろうか。しかもいつも遠目に見るだけだったので、気になったのは銀八と同じ白衣を着ているということぐらいではないだろうか。しかし遠目でもスタイルはスラリとしていて顔も良いのは分かった。友人の一人である武市から、サバサバした性格であるが、気遣いもできて優しいから男子生徒に密かに人気があると聞いたことがある。

     国語教師と保健医の結婚の噂が流れた校内は、それまでただ連休前の浮かれた様子だった校内を変えた。何故かザワザワして暗い雰囲気になったのだった。

     何故か…と言ったが、理由はなんとなく察せられる。保健医に憧れる男子生徒が少なくないように、銀八に憧れている女子も少なくはないのだ。憧れどころか、本気で好きな者がいてもおかしくない。銀八は外見は悪くないし、ぞんざいな態度に見えるがちゃんと生徒一人一人を見ている。気に入った生徒だけ贔屓するということもしない。銀八に好意を寄せる3年Z組の猿飛ほど分かりやすくなくとも、密かに恋い焦がれている者はいるだろう。それは生徒に限らず、女性教師陣も。

    「高杉ィ、メシどうする?」
     銀八が話かけてきた。
    「……冷たいのがいい」
     思ったより自分の声が掠れているのがなんとなく恥ずかしい。少し蒸し暑い気がしたからそう言ってみた。本当は別に食べたいものはない。なんでもいい。
    「冷たいの? 冷やし中華……この辺じゃまだやってる店なさそう。他にはざるそばとか冷麺とか……? あったかな、道路沿いに」
     この教師はカーナビもスマホアプリも使っておらず、カーナビはどうも合わないからと以前コンビニで地図を買っているのを見た。地図は定期的に買っているそうだ。銀八は地図を見たら大体ルートが頭に入るのだろう。
    「その辺で買ってホテルで食ってもいいんじゃねェか? メシ二人で食べてるの学校の連中に見られたくないし」
     そう言って車窓から教師の横顔に視線を移す。教師の表情はいつも学校で見せるものより少し冷たい無表情。それに似合った冷たい光沢のメタルフレームの眼鏡。
    「ん――……」
     狭い社内で伸びをした。十分に身体を伸ばせないが、姿勢が変わるだけでも気持ちが良い。一時間くらいでもじっと座っているだけなのは疲れる。運転している銀八は尚更なのではないだろうか。途中で事故を起こされても困るし、早めにホテルで休憩することをそれとなく奨めたつもりだった。さっき丁度「ホテル シンポシオン」という案内板が見えた。案内板には城のようなシルエットの建物が描かれているのが見えた。郊外なんかでよく見るファッションホテル、つまりはラブホだ。

     実は俺とこの坂田銀八は……ラブホに行ってセックスする関係だ。学校関係者に見られる可能性が高いので、互いの自宅には行ったことがない。一ヶ月に一回ほどではあるが、この関係は二年以上、止める理由もないからとなんとなく続いている。

     銀八は何処に寄るでもなく、無言で車を運転し続けている。段々と緑が多くなってきて、曇った空の色を映す暗い色をした川が道路と平行しているのが見える。上流の方では雨が降っているのか、水位が高く流れも速いし水が濁っている。その流れをただボーっと眺めながらラジオから聞こえてくる曲に耳を傾けた。八十年代から九十年代のリクエストを募集していたようで、聴いたことがない曲が多い。どこか気持ちが沈んでしまうような曲調と歌詞。世間ではゴールデンとも呼ばれている大型連休中に聴くのは相応しくないような、そんな曲。これはなんという曲だろう。最後に曲名を言うだろうからしっかり聞いておこうとラジオに神経を集中させる。

     これこそおあつらえ向きというような暗い歌。ラブホテルに行くよりもずっと今の気分に合っている。

    『……みかえるさんのリクエストで、アンジーの「心臓の囚人」でした。懐かしいね、私はこの曲を聴いたのが小学生の頃でね……』
     ラジオでは曲が終わってパーソナリティの女性の気怠い声のトークが続く。昼間とは思えない雰囲気で話が進んでいる。

     ふと、銀八と噂になった保健医が思い浮かんだ。もしかして彼女もこんな感じの声なのかもしれない。低めの静かな夜の雰囲気のある声なのではないだろうか。チラリとしか姿を見ていないけれど、そんな印象をもっていた。自然と銀八と保健医が並んだ姿が思い起こされた。二人はとてもよく似ている。そして並ぶ姿はそれらしく、似合っている。あの学校の中でこれほど合っている二人はいないのではないか。二人に憧れる連中には悪いけれど、やはり絵になるというものはある。しかし恋人や夫婦だと言われると少し違和感があった。途端に誰を銀八の横に並べても不自然になるのだ。それは俺が銀八が独りぼっちで最期を迎えるだろうと思っているからだ。

     銀八は友人も知人も多いけれど、心を完全に許して委ねていないように見えた。例えば、誰にも自分の死体を晒したくない、誰にも看取られたくないと考えているような。口では老後は子や孫に囲まれて天寿を全うするんだと言うけれど、いつか誰にも気付かれないうちに皆の前から姿を消す方が銀八らしい。その方が自然に見える。今時このような考え方をする者は珍しくないのではないだろうか。自分なりの銀八像を勝手に描いているが、本心は分からないけれど。

     改めて自分が銀八のことをどう思っているのか、自分が銀八とどうなりたいのかを考えてみたが、そんなことを今まで真剣に考えたことなどないことに気付くだけだった。隣に並びたいとか幸せにしたいとかされたいとかそんなことを考えても無意味だ。それは自分だけが望んだって容易に叶うものではないからだ。

     “心臓の囚人”ってどういう意味?そう銀八に訊こうとしたがやめた。国語教師なんだし、きっとそれっぽく答えるだろう。不真面目に見えるが、意外に銀八はちゃんと国語が好きな教師だからだ。教師としての返答しかしないかもしれないなら、質問しなくてもいいと思ってしまう。窓の外を流れる景色を眺めながら、心臓に囚われるという意味なんだろうかと自分なりに考えてみた。心臓というのは命そのもののことかもしれない。命に囚われている。生に囚われている。


    「保健のセンセイと結婚するのか?」
     訊きたかったことと違う囁きが口からポロリと出た。いや、本当に訊きたかったことはこっちだったのだろう。同時に車の窓にポツポツと水滴がつく。天気予報で言っていた、俄雨だ。天気予報は合っている。
    「……」
     銀八からの返事はない。聞こえなかったのだろうかと銀八の顔をチラリと見た。銀八は先程見た時の顔とほとんど変わらない表情でじっと前を見ていた。
     銀八の視線の先にはかなりゆっくり運転をする車がいた。若葉マークだった。車種は最近流行っていてよく見かけるもので、色はピンクとココア色のツートンカラー。銀八が好きで持ち歩いているイチゴとチョコレートの菓子の色。

     ホテルに行くときは現地集合がほとんどなのでほんの数回程しか銀八の運転する車に乗ったことはないが、いつもこんな風だ。渋滞だろうが煽られようが特に何も言わない。ただ真っすぐ前を見てハンドルを握っている。荒くもないし速すぎも遅すぎもしない。周囲の影響なんか全く受けない。運転する時はその人の本性が出るとはよく聞くが、本当はどうなのかは分からない。分からないけれど、だから銀八の運転する車に乗るのは好きだ。


    『午後一時のニュースです』
     ラジオからは先程までの女性の声ではない、年配男性の乾いた声が流れてきた。その声は淡々と連休中のこの地域の道路の混雑状況を伝えた。その後に事故のニュースが続く。ブレーキ痕がない状態で車が川に落下しており、車中から三十代くらいの男女の遺体が見つかったという。連休中の事故のニュースは多いが、これはひどく異質に感じた。まるでそこだけ切り貼りされた……今の俺と銀八のよう。
    「世界が違う」
     なにも考えず思わず呟いてしまう。この車内の世界と外の世界は違う。銀八と二人だけでただひたすら車で走り続けるだけの世界はまるで思考の檻のようだ。少なくとも、自分は銀八の結婚の噂がずっと頭の中に渦巻いている。

     結婚するということは、家族になるということは側にいる人を選ぶということだ。俺がいくら銀八は一人が似合うと思っても、銀八には関係ない。合わなくても、銀八がそれを欲するなら、選びたいなら結婚して欲しい。それだけは正直な気持ちだった。

     歩道を歩く家族連れが目に入る。まるで一幅の絵のように。夫婦の間には小さな女の子、そして父親が肩車している男の子。家族でノンビリと散歩をしているようだ。銀八はあの家族を見ただろうか。それともなんてことのない日常の風景と捉えたのだろうか。あっという間に車はその家族と並び追い越して過ぎて行く。
    「結婚、するよな? 銀八」
     銀八の腿に手を伸ばし、さする。シートベルトが邪魔で腕は限界だが、目いっぱい伸ばして指先を銀八の足の間に這わせる。
    「結婚するとどうなるか、どう変わるか。どんなツラになるのか見てみたい」
     何も可笑しくないのに笑みがこぼれた。これは自嘲の笑みだ。
    「……俺が結婚したらどうなるか見たいの?」
     銀八の横顔を見ながら頷く。銀八はチラリと俺の方を見た。少し、剣のある銀八の目と一瞬だけ目線が合った。しかし運転中の銀八の視線はすぐに前方へと移る。
    「家族、欲しくねェの? ずっと一人でいるつもりか? てめェは寂しがり屋っぽいからなぁ、一人は似合わねェよ」
     考えていたことと逆のことが口をつく。銀八は誰のものにもならない男だと思っていたクセに、口から出るのはそれと全く違う言葉。これも自分では自覚していない本心なのだろうか。
     
     例え身体を繋げる関係にあっても、この男のことを理解出来たとは思わない。銀八が言っていることが全て本心かどうかもさっぱり判断がつかないし、銀八が何を考えて俺を抱くのかも分からない。大体最中のことなんかほとんど覚えていない。それは恥ずかしくて口にしたくもないし反芻したくもないけれど、銀八とセックスしてる間は何か考える余裕などないからだった。銀八に抱かれていると自分が自分じゃないような状態になる。コントロールが全くきかないという自覚だけがある。あの感覚を表現するなら首を締められて息が出来ないようなものだ。呼吸したくてパクパクと只管喘いでいる。しかし、はたから見たら俺と銀八のセックスなんてありがちなプレイに終始するAVに見えるだろう。俺はただただ喘ぎ声を出しているだけだし、銀八は腰を振り続けるだけの何のストーリーもないAV。

    「似合わない? なにそれ、そんなこと考えてたの?」
     銀八は口を尖らせるような仕草をして黙り込む。実際にはそれはほんの短い時間だったが、俺には長く感じられた。銀八が何を言うのか待っている俺には。
    「似合わなくたって、一人ぼっちになることはある」
     ポツリと銀八がそう言った。もっと教師らしい、前向きなことを言って欲しかったのかなんなのか、急に鼻の奥がツンとした。涙が出てきそうになる、あの感じ。溺れたこともないのに、溺れて苦しんでいるように息苦しいと思った。銀八とこうやってとりとめもない話をしているのは俺たちのセックスに似ている。何の意味もない会話を続けるだけでどこにも帰結せず、結論は出ない。セックスだったら少なくとも射精すればそれで身体は満足する。しかしそれは厳密に言えば結論ではない。俺が知らないだけで、男同士のセックスに更にその先があるのだろうか。それを俺は知らないだけだから、男同士の関係は不毛だと思ってしまうんだろうか。

    「確か、胸と尻がデカいのが好みだったよな? そういう本、国語科準備室に隠してたよな? それともやっぱり顔重視か?」
     銀八の表情が横顔だけでも分かるようにみるみる不機嫌になる。少しだけ車の速度が上がった気がした。
    「結婚するなら、俺との関係は止めたかったら止めてもいいし、続けてもいいと思ってるよ。お前と結婚相手次第だ、好きにしていい。どっちにしろ……俺には利点しかないからな」
    「へぇ~……」
     銀八は感情のこもっていない息を吐き出した。銀八も、ひょっとしたら呼吸が苦しいかもしれない。お互いに溺れている、と感じた。
    「どこが利点? 俺が結婚しちゃったらお前愛人になっちゃうんだよ。結婚できるわけでもないのに不毛な愛人関係が続くことに利点て……。お前にとって俺は金ヅルでもないじゃん。それに奥さんが訴えれば愛人からも慰謝料とれるんだし、不倫に利点なんてあるのかなぁ」
     俺が返事をしないので銀八は喋り続ける。
    「バレないようにビクビクするか、スパっと別れるか。奥さん公認ってのもあるけど、そんなの現実ではほぼないよね。まぁ、生徒に手ェ出してる俺が、言えることなんてなんもないわな。テメーのこと愛人だといえるかどうかわかんねェし」
     どんどん疲れたような声音になっていく。運転の疲労で、じゃない。明らかに俺の言葉に対しての不快感。銀八を怒らせるようなことを言っているという自覚はあった。銀八の疲労と怒りは全て自分のせいだ。……しかしそんなことよりも、銀八も同じようなことを考えていたんだと知って笑ってしまった。どこにも辿り着かない不毛な関係、そして愛人とは愛されている者だということ。だから自分達は違う。恋人ですらない。これは愛でも恋でもないと知っている。お互い愛ではない何か得体の知れないものに囚われながら身体を重ねている。

     そうだ、心臓だとさっきの曲を思い出した。俺たちは心臓に囚われている。それとも互いの命に?

    「俺そんなに面白いこと言ってる? どこがそんなにオカシイ?」
     銀八の手や腕に浮く骨や筋を舐めるように見てから銀八の視線を追った。運転中だから当然前を見ている。だが、銀八は視線の先、前方にある景色をただ見ているようには見えない。女性が運転中の異性に魅力を感じるという話を思い出した。もしそうなんだとしたら、それはハンドルを握られているということ、命を握られているからそう感じるのではないだろうか。
    「言ってない」
     首を振った。ズキンと左目が痛んだ。
    「俺にとっては、どっちでもいい。一人きりになったお前を見なくてすむなら……」
     
     もうずっと前から左目だけ視力が落ち続けていた。視力の低下とともにおかしなものが見え始めた。始めはぼんやりとしものが映るだけであったが、今はそのおかしなものの正体がハッキリ見えていた。この症状の原因は分からず、医者からは心因性のものではないかと言われている。このことは担任である銀八にも黙っているつもりだ。意地悪しようとか信用してないとかではない、心配かけたくないというのでもない。言ってもどうにもならない、だから言わない。そう決めたのだった。

     左目にはもう、ある一人の男だけが映るようになっていた。その男は銀八が若くなったような容貌だ。和服というか、幕末を舞台にした時代劇でよく見るような恰好をしていて刀を持っている。不穏な情景に見えるのはその男が血に塗れているからだ。そして涙を零すところが繰り返し繰り返し再生される。この男は銀八と関係ないのかもしれない。しかしあまりにも似すぎていて別人とは思えない。銀八が一人ぼっちで泣いている。それが俺にとって胸苦しい。俺の目の中だけに存在し、誰にも顧みられない憐れさ。
     高校を卒業したら眼帯でもして閉じ込めるつもりだった。どうせ他のものは見えないのだから、ここにいる銀八だけは俺のものにしよう。

     嫌な奴だ、と思う。結局自分は銀八を捕らえたいだけではないか。左目の中の銀八は明らかに悲愴だ。これを銀八にすら相談せず自分の中にだけ仕舞っておこうと愉悦に浸る自分が嫌で嫌で仕方ない。この罪悪感や嫌悪感と共に死ねば、誰にも触れられることなく銀八を地獄に道連れに出来るとも考えていることが。

    「高杉? なんか言え」
     低い銀八の声が鼓膜を心地よく揺らす。午後の授業で微睡んでいる時に聞きたい声質だ。そのまま夢の中に連れて行ってくれる声だが……。
    「ホテル行かねェの?」
     銀八の体力が持つならこのまま走り続けてもらっても良いのだが、今はどこかに辿り着きたい気分だった。
    「ホテル? もう行くのかよ、折角丸一日あるんだよ。珍しくずっと二人だけで色んな所見て歩けるって分かってる?」
     ああ、それでずっと走り回っていたわけかと今更覚る。今日はこうやって過ごそうと銀八は一人で勝手に決めたわけだ。こいつも大概独りよがりだ。俺たちは似た者同士かもしれない。

    「俺は丸一日二人きりでラブホで過ごしても全然良い。……ずっとセックスしてても良いってことだけど」
     フフフっと銀八が軽く吹き出した。
    「それってさ、俺死んじゃわない? 高杉君も頑張ってくれないと」
     さっきまでは低い声だったが、笑っているからか少し高くなった。こっちはなんとなく高揚する声音。俺は銀八を笑わせようとして言ったんじゃなく、ただ本心を言ってみただけだ。
    「あぁ、腰振りながら性行死でもしてくれ。……どういう風に保健医とヤるのか話ながらしてもいいかもな。興味あるんだ、本当に。生徒の好奇心満たしてやるのも教師の務めじゃないのか」
     銀八の方は見ずに、ただ目の前のどんどん迫ってきては過ぎていく景色を眺めた。銀八の苦笑いが微かに聞こえたが、返事はしてくれそうにない。随分酷いことを言っているから銀八を怒らせてしまっただろうが、これもまた本心だった。

     強がりでもなんでもなく、ただ興味があるだけなんだ。お前が俺以外の人間をどう愛するのか、愛されるのか。二人で過ごす時はどうするのか、どう愛撫するのか。大事だと、愛していると囁くのか、囁かれるのかをお前の口から聴きたい。俺はお前を一人にすることしか出来ないから。

     銀八を誘ったのは自分が高校に入ったばかりの頃だった。俺があまりにもサボり過ぎたため、銀八は仲間との溜まり場にまでやってきて、教室に顔を出すようにと言った。あまりにもしつこく来るので、冗談のつもりで誘ってみた。銀八も冗談で返してくると思った。あまりよく知っていたわけではないけれど、銀八は見た目からこういうのに慣れているのだと思っていた。しかし、予想とは違う戸惑った表情を見せながら、一度伸ばした手を引っ込めることはなかった。
     あの時掴まれた手首の感触に浸る。熱い、大きな手に引かれて、確かに自分は嬉しかった。冗談ではなく、本当は、本当に銀八に抱き締めて欲しかったのかもしれない。

     銀八はいつも、俺から誘わなければ何もしてこない。触れようともしない。そのかわり、俺が触れれば銀八はスイッチが入ったように変わった。教師ではなく、銀八自身でもない別の誰かへと豹変するようだった。肉体関係をズルズルと続ける本当の理由が分かった。この男は誰なんだろうという興味だ。坂田銀八と名乗っているこの男の正体が知りたいから。

     俺を抱く銀八は左目の中にいる男に雰囲気が似ている。白銀の刀のようにギラついて神聖で。これだけは誰にも触れられないし、譲らない。これから先銀八が愛するだろう者にも、銀八を愛する者達にも絶対に。

     気が付けば目の前には傾斜のある坂道。これはまるで空に上っていくようじゃないか。向こう側はどうなっているんだろうと気分が高揚した。向こう側という表現はおかしいけれども、そう見えるのだから仕方ない。丁度目の前に広がる重い色の雲間から天使の梯子も降りてきた。銀八がギアチェンジする音。天にも昇る気持ちでこの道を行こう。高い高い、一番高い所まで昇って、そしてそこから二人で飛び降りよう。


      南の風 やや強く 雲が多い一日 にわか雨 後 所により日が差す



    【薔薇修羅場】

     ホテルはどこもいっぱいだった。GWを完全に舐めていた。言い訳すると、ここ数年GWにすすんで外出することが無かったから知らなかったというか、ラブホまで昼間から満室だと想像してなかったというか。こんなに沢山俺みたいな人間がいることに少々驚いている。そういうわけで……ということでもないのだが、初めて自宅に高杉を連れ込んだ。これまで何人か受け持ちのクラスの生徒は来た事があるから、例え誰かに目撃されても怪しまれることはないと思う。

     しかし、重要文化財にでもなりそうな古いアパートに、セックスまでしてる相手を入れるのは気が引けた。なんせ昭和に建てられたもので本当に古く、一年前まではトイレは共同、風呂は近くの銭湯を利用するという形のアパートだった。ここで付き合っている相手とどうこうしようという気にはとてもなれなかった。少しはオシャレな家に住んでいるということを見せたいではないか。とはいえ居心地は悪くないのだ。近くには森林公園があり、ちょっと寂びれた町の景観も気に入っている。
     ババァ……銀魂高校の理事長である寺田綾乃がここの大家であり、自分以外の住人は男性二人。一人は確か大学院生で、時々友人らしき人間を連れてくることもあるが、静かなものでほとんど気配を感じさせない。もう一人は一階に住む杖をついた老人。昔は花火職人だったと聞いた。

    「床、かなり軋むんだな」
     高杉が口に出したアパートの感想はそんなもんだった。あまりにも想像を絶すると言葉にならないらしい。当然だが、今時アパートの入り口で靴を脱いでスリッパに履き替えるのは本気で驚いたようで、そこは無言で俺の指示に従っていた。スリッパは個人で用意しても据置のものを使用してもいいようになっている。アパートの名前が印字されている、公民館とかによくあるビニールのアレ。来客が少なすぎて新品のような綺麗さだし、高杉にはこれを使ってもらうことにした。いつものクールな様子とは違う、好奇心を帯びた眸でキョロキョロとアパート内部を見回す高杉は可愛いじゃないかと思った。それでもここには住みたいなんて考えもしないんだろうけど。

     俺の部屋は二階の東側の端の二〇一号室だ。これまた古いドアは開閉する時激しく軋んだ。また蝶番に油をささなければならないようだ。
    「靴、そこ置いて」
     自室の戸口のところに置いてある百均で買ったプラのシューズラックに靴を置かせる。スリッパは廊下用だから部屋の中では基本脱いで戸口に置いておく。玄関からすぐに見える居間と台所は合わせて八畳程。トイレは増設されて各部屋につけられた。ナチュラルカラーの部屋の中にポツンと真っ白な扉が浮いているが、それが新しいトイレだ。

    「ずっと座ってて疲れたよな、シャワー浴びてからメシ食う? あのね、実はシャワーは一階で……。でも新しいよ。それに共同じゃなくてちゃんと部屋ごとにあるんだよ。うちは二〇一号室だよ。鍵はアレね」
     ブレーカーの下にあるキーフックを指差す。真新しい鍵がキラリとぶら下がっている。えっという感じで高杉がキーフックと俺の顔を交互に見た。この子こんなに表情豊かだったかなと高杉の見開かれた目を見つめた。
    「一緒に入る? 一階に住んでる爺さんは耳がかなり遠いから平気なんじゃないかな」
    「いや、てめェは何言ってやがんだ? 一緒に入れるわけねェだろうが。廊下で他の住人と会うこともあるんだろ? 今の時代あっという間に噂が広がるぞ」
    「あぁ、でも住人ったって二人くらいしかいないし、どっちも部屋からそんなに出てこないから」
    「……そう言われてもな……」

     日が傾いてきて薄暗い部屋の明かりをつける。まだ壊れていないからと変えなかった蛍光灯ではあるが、紐を引っ張ってから点くまで時間がかかる。蛍光灯の下の、ちょっと青白い顔色の高杉の表情は、学校で見る顔ともホテルで見る顔とも違った。自分の手の中にある命、そういう意識になったからだろうか。ドライブの最中、何度車で河に突っ込んでやろうと思ったことか。車中で高杉は俺が腹立つことばかり言っていたが、冷静になるとやはりこうして目の前で生きて喋っている高杉を見ている方が楽しい。


     高杉には結婚の話を断ったことは言っていない。この話を持ってきた理事長には自分には今生徒達がいるからと、悪ガキどもの面倒を見るので精一杯だと言うと、渋々ではあるが納得したようだった。理事長はお節介な所があって、保健の月詠先生の、俺に対するちょっとした好意を見て見ぬふり出来なかったんだろうと思う。自分が傷付くことをあまり恐れないタイプだから、他人もそうなのだと思い込んでしまうのは困ったものだが、それはそれでよく知るあの寺田綾乃、お登勢らしくて嫌いではない。ただ、俺たちの話を一部だけ聞いた誰かが勘違いして噂を広めてしまったのは問題だ。連休明けには月詠先生になにか埋め合わせをしなければ。銀魂高校一のダメ教師と噂を立てられるハメになるなんて、彼女の華麗な経歴の汚点だったろうから。

     こういう話は苦手で対処に困る。年齢的に結婚を進められることは多いし、教師という職業は安定していると勘違いされている気がする。積極的に関係を持つことをすすめられたり、迫られたりするのは苦手だった。頭が冷静になりすぎてしまう。それなのに、必死な様子で俺を誘ってきた高杉には正直ぐらりときた。あのいつも反抗的な態度だった高杉が、目を充血させながら興味があるならヤろうかと誘ってきたのだ。その時だけは気持ちが激しく動いた。それでもあの時はまだ理性が残っていたし、未成年に、生徒に手を出さないという意志を貫くことも出来たと思う。何故この時に限っていつものように冷静に、気持ちが冷めなかったのか。

     冷静だからこそ、自分には分かった。高杉が誘ってきたからではなく、誘われなくてもいつかこうなるということを予感した。高杉の誘いはちょっとしたきっかけに過ぎない。

     今はこれでも高杉のことを考えて我慢している方だ。高杉が良いと言わなければ強引なことはしないと決めていたのだが。

     いつもは高杉から触れてくるのを待っていたけれど、今日は違う。初めて一日中二人で過ごすのだし、自分の部屋にまで連れてきたのだから、少しくらいは俺から触れてもいいのではないかと、許されるのではないかと思った。もの珍しそうに部屋の中を見回す高杉を後ろから抱き締める。高杉が腕の中で驚いて飛び上がるので、可笑しくなって吹き出すと同時に、こんなに緊張してと少し可哀想になった。声を抑えながら高杉は
    「声、かけろよ……!」
     と言った。壁が薄そうに見えるから気を遣ったようだ。小声だから抗議の声に迫力はない。
    「ごめんごめん」
     謝りながらも高杉の服の中に手を入れる。掌で素肌を撫でまわしながら、鼻を押し付け頭の匂いを嗅いだ。シャンプーの残り香と酸っぱいような、汗の匂い。若い匂いだと変態臭いことを考えた。十代と二十代後半はこんなにも違うものなのかと改めて驚いた。もう自分からする匂いはオッサンのそれだからだ。
     チノパンの中にも片手を入れ、強引に下着の中に突っ込む。さすがに高杉は動きを止めようと俺の手に手を重ねてきた。いつもはされるがままで、逆らおうとか止めようとはしなかったのに。
    「冗談だろ……」
     高杉は聞こえるか聞こえないかくらいの小声でそう呟いた。俺の手に添えられた高杉の手の僅かな抵抗に、なんだか久し振りに処女のような初々しい反応を見た気がする。すぐ風呂に入れない場、日常生活をする場でヤるのを嫌がるのは分かる。ラブホテルはその点とても良かった。その為だけの場所だからだ。そういう場所でしかしたことがない高杉が緊張しても仕方ないかもしれない。身体は硬くてチンコは萎えている。手で包み込んで先やらカリやら裏を指先で刺激してもピクリとするだけでなかなか勃たない。
    「元気ないな」
    「わ……悪ィ……」
     別に勃たないことを咎めたわけでもないのに、謝られてしまった。こっちの方が悪い事をしているんだから、高杉が謝る必要なんてないのに。こっちなんか悪いという気持ちよりも幸福感のようなものが勝っている。自分が普段生活している場所に高杉がいる。腕の中に高杉がいる。

     高杉が腕の中でモゾモゾと控えめに動いた。
    「でも、後ろは……使えるから」
    「バーカ」
     確かにそれも込みの関係ではあるけれども。そういうことを高杉の口から言われてしまうと、今日はゴムなしでやってみようかな、なんて意地の悪いことを考えてしまう。高杉はいつもより頭がハッキリしているようだから嫌がりそうだ。いつも酒も薬もやってないのにシチュエーションに酔うのか、ラブホの時の高杉は淫らだ。今は場に酔っておらず、正気のように見える。正気の状態だからこそ、俺が穴目当てみたいなことを言うのだろう。それが憎たらしい。昼間の煽りの件もあるし、これ以上馬鹿なことを言うなら少しお仕置きしなければならない。

    「保健の先生の話、聞きたい?」
     高杉の身体が少し反応した。こいつ結構変態かもしれないと思った。それともやっぱり女性の身体の方に興味があるのだろうか。それならそれで良いけれど、ちょっとだけ面白くない。

    「話が聞きたいなら、俺の言うこときいてくれる?」
     高杉の頭に唇があたる。唇で高杉の頷きを感じる。結婚の話は断っている上、噂の女とは交際すらしていないから本当は話すことなんて何一つない。高杉の好奇心を利用して自分の性欲を満たそうとしていることに罪悪感がないわけではない。……だが、それはそれだ。高杉に手を出した時と同じ。我慢出来ることを態と我慢しない。本当の悪人、外道だ。

    「俺の舐めてくれる? 出したのも飲んで欲しい」
     高杉はゆっくりと振り向いて、俺の顔を見上げた。角度で目が合うことはないから表情が見えない。高杉は静かに、また頷いた。
     たまらずこちらに体を向かせる。完全に向き合った高杉の眸には羞恥と戸惑いと、それから……。


     今日は車の中で話していた通り、自分から腰を動かして頑張ってくれた高杉。疲労からか、布団の中で深く眠っている。考えてみたらウトウトする高杉だったら何度も見たのに、こんなに熟睡しているところは見た事が無い。ホテルでご休憩ばかりだったからゆっくりと朝を迎えたことは無かった。高杉は起きている時は鋭い目で人相が悪く見えるが、寝顔は穏やかで可愛いものだった。二年も経ってからはじめてそれを知った。

     高杉は俺の結婚の噂には特に興味がなさそうだと思っていた。しかし、噂が流れてから明らかに高杉は沈んだ様子になった。月詠先生のファンであるという可能性も未だ捨てきれていないけれど、それはまずないだろう。高杉は自分で自分の必死さに気が付いていない。こんな外道を自惚れさせてしまうくらいの直向きさで、高杉はこちらを見上げていた。眸の中には羞恥と戸惑いと、それから恋慕のような色。この外道に寄越すにはあまりにも静かで、綺麗で悲しい色目。



    [おわり]
     
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    2023/07/09 21:55:33

    心臓の囚人

    「奇焔 陰翳クロニクル <忘却の河を渡るプラトーン>」という本の小説です。3Z八高本です。

    同じテーマに沿って作品を描くというコンセプトで出していた本で、今回は八高で「銀八に結婚の噂がたつ」というものと、「古い歌・歌謡曲」が課題です。というわけであてうまみたいな描写もあるので苦手な方はご注意を…。

    ##八高(銀高) #銀高

    more...
    陰翳クロニクル(再録)
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    • 今はもう誰も(10/19追記) #銀高

      坂田銀時×蛟(高杉晋助)です。流血、グロに近い表現あり。
      調教中
    • 光源 ##現パロ銀高  #銀高

      医者パロ銀高。小児科医坂田銀時×脳神経外科医高杉晋助。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【医者パロ】から。
      調教中
    • 幻肢 #あぶかむ

      阿伏兎×神威
      調教中
    • 座る男 #銀高

      虚との死闘後の、if話です。
      瀕死の大怪我を負って左腕が欠けた高杉を、徐々に復興を進める江戸の外れの片田舎に閉じ込める銀時の話。虚との戦いから何年かたってます。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題「座椅子」から。
      調教中
    • 誑惑七度 #銀高 
      ##九尾×高杉

       原作ベースですが、特殊な創作設定・創作キャラあり。グッズの妖怪シーリズの九尾(銀時)が出てきます。

      ※男の妊娠ネタ・性描写があります。
      調教中
    • 唇譜 ##白晋(銀高)  #銀高

      逆魂設定(銀時と高杉の立場が逆転する設定)で白夜叉(坂田銀時)×万事屋晋ちゃん(高杉晋助)。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【白夜叉×万事屋晋ちゃん】から。
      調教中
    • 外科室の鈴 ##夜叉督(銀高)  #銀高

       特殊設定で、同じように傷を負うという話です。逆魂という銀時と高杉の立場が逆転する話に更に創作設定を加えています。
      調教中
    • 骨泣き夜 ##夜叉督(銀高)  #銀高

      攘夷時代の坂田銀時×高杉晋助。
      落語の「骨釣り(のざらし)」を参考にしています。
      調教中
    • 桜襲 ##九蛟(銀高)  #銀高

      ※性描写あり

      グッズの妖怪シリーズから。九尾狐(坂田銀時)×蛟(高杉晋助)。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)さん」のお題【「触って」】から。
      調教中
    • 爪紅 #銀高

      虚との死闘後の、if話です。
      瀕死の大怪我を負って左腕が欠けた高杉を、徐々に復興を進める江戸の外れの片田舎に閉じ込める銀時の話。
      調教中
    • ほとり ##九蛟(銀高)  #銀高

      グッズの妖怪シリーズの九尾狐(坂田銀時)×蛟(高杉晋助)。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【祈り】から。
      調教中
    • 瓶詰のざわめき ##八高(銀高)  #銀高

      3Z坂田銀八(国語教師)×高杉晋助(生徒)。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【初めての夜】から。

      性描写あり。
      調教中
    • 眩暈屋 ##白高(銀高)  #銀高

      逆魂設定に近いけれど少し違う、白夜叉×高杉。テロリストカップルです。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【めまい】から。
      調教中
    • 迎え火 #銀高

      虚との死闘後の、if話です。
      瀕死の大怪我を負って左腕が欠けた高杉を、徐々に復興を進める江戸の外れの片田舎に閉じ込める銀時の話。虚との戦いから何年かたってます。

      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題「迎え火」から。
      調教中
    • 黄泉津比良坂 ##夜叉督(銀高)  #銀高

       松陽を斬ったあとの白夜叉と高杉の話。性描写少々あり。
      調教中
    • 水琴窟 #銀高

      虚との死闘後の、if話です。
      瀕死の大怪我を負って左腕が欠けた高杉を、徐々に復興を進める江戸の外れの片田舎に閉じ込める銀時の話。

      性描写あり。
      調教中
    • ヒトリジメ ##夜叉督(銀高)  #銀高

      攘夷時代の銀高。
      ツイッターの「週刊銀高(@gntk1w)」さんのお題【素面】より。
      調教中
    • 十九時の音楽浴 ##同級生銀高  #銀高

       中学生設定のgntmの銀時×高杉。
      調教中
    • 西瓜 #銀高

      虚との死闘後の、if話です。
      瀕死の大怪我を負って左腕が欠けた高杉を、徐々に復興を進める江戸の外れの片田舎に閉じ込める銀時の話。
      調教中
    • 雨宿り #あぶかむ

      阿伏兎×神威
      調教中
    • 春と群青 #銀高 ##現パロ銀高

       銀高という現象は息遣いや温もりを想像させ、幸福と有痛性をも同時に引き起こすものです。この話しはそのような思いを銀高に抱く者の心象スケッチです。

       この物語は独自のアルタナ観によって書かれている転生銀高現パロです。アルタナの影響で銀魂世界の人物達は色々な時代に転生しているという設定になっています。今回の話の年代は一九九〇年代で、作品内に出てくる固有名詞などはほぼ創作です。

      ※こちらは同人誌化しています。加筆は少しだけです。
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