イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    はじめてのお留守番ここはイグニハイド寮の寮長部屋。
    最近この部屋の主はとある生物にゾッコンなのだ。

    今日も部屋の主は、他人には絶対みせないであろうでれ顔と甘い呼びかけをする。
    「あーずたん」
    そう呼ばれた生物は元気よく返事をした。
    「ぴぃ!」
    あずたんと呼ばれた生物。それは蛸の人魚で、おそらく稚魚と推定される。サイズは部屋の持ち主の両手ですっぽりとおさめられてしまう。本来の蛸の習性なのか狭いところが好きらしく、両手で蓋をするように包んでやると上機嫌な鳴き声で楽しそうにする姿が見れる。
    部屋の主は「はあ〜〜〜〜尊すぎる、このぷにぷに感もたまらないですわあ…」と幸せを噛みしめている。

    「……はっ!あまりの愛らしさに忘れそうになってしまったでござる…、あずたん、今日はね…拙者、どーーーーーしても生身で出席せねばいけない案件が入ってしまいましてな…」
    「ぴぃ…?」
    「いつもみたいにひっそりと一緒に連れて行くこともできないんですわ…」
    「……ぴぃ」
    「拙者もめちゃくちゃ寂しい…でも君を連れ行くとちょーーーっとまずいんだよね…だからね、拙者の代わり……これを用意したんだよ」

    部屋の主は、あずたんを包んでいた両手を開き、片方の手からとあるものを召喚してみせた。

    「ぴぃ?……!ぴぃーー!」
    あずたん大興奮のそれは、大好きな飼い主と似た面影を感じるぬいぐるみだった。

    飼い主の特徴的な炎のような青い髪型、少し気だるそうな目元、そしてよく着ているダボっとしたお気に入りパーカーを身につけている。
    余程気に入ったのか、その小さいぷにぷにした両腕でぬいぐるみに、思いっきり抱きついた。

    「ひょおあ…そんなに気に入ってくれたの?…オルトに言われて、自分モチーフとか誰得だよ…って作ってみたんだけど…まあ、拙者の魔力こめてつくったから落ち着くのかな…?…え、やはり天使か?うううっ」

    「ぴぃ〜〜♪」
    両手だけでなく、自慢のぷにぷにのタコ足でぬいぐるみに抱きつくあずたん。その姿を見て一安心した飼い主はこう告げた。
    「きょうはコイツと一緒にお留守番できるかな?」
    「ぴ!!」
    元気の良い鳴き声と蛸足挙手(?)を無事にもらったことで、今日の夕方には帰ってくるからねと告げ、部屋のセキュリティをガチガチにかけた上で部屋の持ち主はようやく外出して行った。
    あずたん、はじめてのお留守番が始まった。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――
    部屋の持ち主もいない事なので、あずたんの言葉が皆様にもわかるように翻訳してお送りしよう。

    部屋に取り残されたあずたんは、目の前のイデアのぬいぐるみ(以下、イデぬい)の髪の毛に興味深々だ。
    本人のそれと同じような青い炎を模ったそれを不思議そうに眺めている。
    「イデアさんみたいにメラメラしていないんですね」
    そういうと蛸足で器用に後ろ髪部分を弄り始めた。

    「メラメラはしてないけど、ふわふわしてるんですね、気持ちいいです!」
    その触り心地が気に入ったようで、イデぬいの後ろ側に回り込んだあずたんは、頬をすりよせてイデぬいをギュ~~~っと抱きしめた。
    「……ぎゃ!」
    「えっ!?」
    (今、この部屋には誰もいないはずなのに、誰かの声が聞こえた!?)
    部屋の主がセキュリティをガチガチにかけたこの部屋に、誰かがいる!とあずたんは警戒心を強めた。
    「いであさんはぼくが守ります!」さらに蛸足に力を入れて、両腕で後ろからイデぬいを抱きしめる。
    「ゔっ!まって!!タイムタイム!!やわらかボディの拙者でもこれはくるしいでござる~~!!」
    「!?い、いまの声は?え?あなたですか!?」
    驚きの表情を浮かべたまま目の前のイデぬいを見つめるあずたん。

    「そうだよ!!お願い!あしの力をぬいて…!」
    「あ!ご、ごめんなさい…!」

    すぐに力を抜いて距離をとると、目の前のお座り姿勢でいたイデぬいが、フルフルと震えているではないか。
    「拙者のふわふわ綿ボディをもってしても変形するかと思った…ふう…あっ、ちょっとまってね」
    「……は、はい」
    まさかイデぬいが話すなんて思っていなかったあずたんは、呆然としている。

    「うっ~~~~~…どっこい……せい!!」
    「!!」
    さらに驚くことに、おっさんくさい掛け声とともに、お座り姿勢だったはずのイデぬいが、なんと直立したではないか!

    「このボディあたまでっかちだからバランスむずかしいなあ…」
    そういいながら、イデぬいが後ろにいるあずたんの方を振り向く。
    「あなたうごけるんですか!?」
    「ふひひ、実はぼくが動けるのはつくった本人もしらないよ。ぼくもじぶんの意識があるなって気がついたの、きみにギュ~~って抱きしめられたときだから」
    「そうですか…きつく抱きしめてごめんなさい…」
    「き、気にしないでくだされ、拙者の中身、フワフワの綿しかないから…!」
    「ふふふっ、たしかにあなたの抱き心地はとても気持ちがよかったです。でもなんで急に動けるようになったのですか?」

    「たぶん、拙者をつくった時に、わずかに本体の魔力が込められていたんだろうけど、きみがぼくのことを思いっきりだきしめたことで、魔力が反響したのかな…なんとなくそんな感じがする…」
    「なるほど…これは愛が生んだミラクルというわけですね!」
    「えっ!?あ、愛!?」
    嬉し気にそう言うあずたんに思わずイデぬいの髪の毛が逆立った。
    「そうです!ぼくはいであさんがだいすきですので!」
    「ひょ、ひょえええ!!あずーる氏だいたんすぎるでござるううう」
    あまりのストレートな好意の言葉に照れたイデぬいの髪が、
    ふわふわの布地でできていたはずなのに、まるで本体と同じように毛先だけメラメラしているではないか。
    「え!?い、いであさん燃えてます!燃えちゃってますよ!?」
    「あずーる氏からの萌え供給がすごくて……情緒のキャパ超えっちゃった…」
    「ええ!?そ、そのだいじょうぶですか!?全身燃えちゃったら、いであさん真っ黒になっちゃう!」
    「あーー!おちついて!!全身にはうつらないから!!水魔法の構えを解いて!?」

    小さくてもあずたんはあのオクタヴィネル寮長アズール・アーシェングロットの分身のような存在。
    特に水魔法は本人と同様にかなりの魔力攻撃を得意とする。そんな水魔法を発動した暁には、イグニハイド寮の機器類は悲鳴を上げてショートしてしまうだろう。
    「ひい……寿命が縮むかと思った…」
    「いであさんの髪の毛は本当に大丈夫なんですか?」
    「うん、本体と同じように燃え移ったりはしないよ、それにほら、毛先だけですし」
    不思議そうな表情を浮かべながら、タコ足でイデぬいの髪に触れるあずたんに、
    そ、そんな近くてまじまじと見られるの恥ずかしい…ともじもじするイデぬい。

    「やっぱりとてもふわふわですね、最高です!いであさんがお話しできるなら、この留守番も有意義な時間になります!ぼくたちもゲームをしませんか?」
    「…いいですぞ!でも拙者のこのボディー…五本指じゃないから細かい作業は不向きかも…」
    「それじゃあこのやわらかビッグサイコロ(イデアさんお手製)使って、ゲームしましょう!」
    「あ、これなら両手でつかめるかも」
    「ふふっ!そうでしょう!ハンデにならないようにぼくもタコ足ではなく、両手で投げますので」
    「もしかしてタコ足だと…!」
    「かなりの高確率で希望のマス目が出せます!ぼくにぬかりはありません!」
    「ドヤァいただきましたー!」

    その後、ふたりは部屋の主が恋人である後輩を連れて帰ってくるまでの間、
    ポケット版マジカルライフゲームを夢中で遊びつくした。




    イデぬいが動いている様子を見て固まった部屋の主と、
    「え!?あなたまた新しい技術を生み出したんですか!?なんで話してくれないんですか!」と興奮気味な恋人の後輩が、イデぬいとあずたんのドタバタ劇に巻き込まれるのはまた別のお話!
    tako8megane Link Message Mute
    2022/01/14 23:09:37

    はじめてのお留守番

    #イデアズ #ミニ蛸ちゃん
    2021webオンリーで展示したお話の再録。

    more...
    作者が共有を許可していません Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    NG
    URLの共有
    NG
    模写・トレース
    NG
    • ⑫ご挨拶しましょ(その2)ようやくご実家に到着した二人。
      ※捏造💀母が沢山しゃべります。
      #イデアズ #後天性女体化
      2021/07/27pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑪チェックしましょこのあと、💀はくたくたになった
      #イデアズ #後天性女体化
      2021/05/21pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑦待ち合わせしましょようやく待ち合わせまで(まだ集合してない)
      #イデアズ #後天性女体化
      2020/10/19pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑤見繕いましょ某漫画のあのシーンを入れてみたかった…
      👑さんのハイセンスなボキャブラリーに中の人が追いつけなくてなんだかセリフ回しがダサくなってしまった…。

      楽しそうにしてる👑さんと締め上げられる🐙

      #イデアズ #後天性女体化
      2020/08/27pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ③妄想しましょ💀「コーディネートはこうでねーと!」
      👑「締め上げるわよ」
      💀「ぴえん」

      #イデアズ #後天性女体化
      2020/8/21pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ①おめかししましょおめかししましょ
      イデアさんの実家で開かれるパーティーにパートナーとして出席してほしいと言われたアズール氏が「僕にお任せください!!」とめっちゃ張り切るお話。

      ※後天性にょた話になります。

      #イデアズ #後天性女体化
      2020/08/20pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑩答え合わせしましょ #イデアズ #後天性女体化
      2021/01/06pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑨ご挨拶しましょ※嘆きの島の捏造設定とモブじいさんが出てきます。
      思ってたよりながくなったので、次回、親御さんへのご挨拶編
      #イデアズ #後天性女体化
      2020/11/21pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑥着飾りましょファッション用語って呪文みたいですね
      #イデアズ #後天性女体化
      2020/09/23pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑧出発しましょようやく出発します…!
      相変わらず短い…
      #イデアズ #後天性女体化
      2020/11/20pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ④変身しましょようやくにょたるアズ。
      とても短いです…。

      ポム寮内とか妄想してます。

      #イデアズ #後天性にょた
      2020/08/26pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ⑬ご挨拶しましょ(その3)間が空きすぎてすみません…ひいん…
      5月イベに間に合えば後編として出したい…ひいん…

      相変わらず捏造キャラが出てきます…ひいん…

      #イデアズ #後天性女体化
      2022/04/04pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • ②錬成しましょ双子と一緒に性転換薬をつくる🐙氏。
      3人がわちゃわちゃしてるのかわいいですよね

      #イデアズ #後天性女体化
      2020/08/21pixiv掲載
      #おめかししましょ
      tako8megane
    • 2恩返しショタ🐙 #イデアズ
      「あのとき助けていただいた蛸です!!」っていいながら、研究者💀のところに、(無理くり)恩返しにくる幼い🐙のお話がみたい

      💀せっ、拙者には!!ろりしょたはノータッチの掟がありましてな!???ちょっと待って!?力つっっっよ!?あーーー!!だめでござry(ショタ🐙にズキュウウウウウンされる💋)

      ボワァン!!

      💀……え???
      🐙これでしたら掟にも問題ないでしょう?(魔力を奪った事で元の大きさに戻った🐙)

      💀………はわ………(破茶滅茶ドストライクなんだが…??)
      🐙やはりあなたの魔力と僕の魔力は相性がいいようですね!!助けていただいたあの時、僕はあなたに運命を感じましたよ!!

      💀……え、なにつまり君の本来の姿ってこと?
      🐙ええ、あの小さい方の姿が仮なんですよ

      💀………合法ショタだと……?(顔を両手で覆い天を仰ぐ)
      🐙あと僕は人魚なので💀さんよりもうーんと歳上ですよ
      💀はわ……君どんだけ属性盛り盛りなの??
      🐙??
      tako8megane
    • 夏のSSRこの間の水着デートするイデアズ♀が見たいなっていう妄想の冒頭だけ。
      #イデアズ #女体化
      tako8megane
    • ミニ🐙ちゃんオバブロの後遺症により、ミニオバブロ🐙ちゃんが分離してしまったというハプニングでわちゃわちゃしてしまう💀+🔥くん、双子の話がみたい
      #ミニ蛸ちゃん
      tako8megane
    • 熱さについて検証する🐙 #イデアズtako8megane
    • シュラ家メイドさん妄想▼フォロワー様の素敵なシュラ家メイドさん妄想に、モブメイドさん達が💀🐙をくっつけようとする話が読みたいなと妄想が溢れた為、つらつらツイートしたやつメモ。tako8megane
    • ボドゲ部馴れ初め💀🐙がみたい※アズ誕パソスぺを吸う以前にキメていた妄想
      五章でこやつらの煽りスキルたまんねえなあ!!!はあ!!!!すき!!!!煽り愛して!!!ってテンションがおさまらない。
      ツイッターにつらつら投げたやつまとめただけ
      tako8megane
    • コインチョコと🐙tako8megane
    • 💀🐙の現場に居合わせてしまったモブoct寮生 #イデアズtako8megane
    • 洞窟で出会ったきみ:前ショタ時代に実は出会っていたイデアズが見たいな
      #イデアズ
      tako8megane
    • 3いでにゃんと飼い主あず #イデアズ

      猫と青年

      ここはとある不思議な生物を取り扱うショップ。魔法を使えるこのショップの陽気な店主は世界中を旅行しながら、世界でひっそりと暮らす不思議な生物と契約を交わしてこのショップを営んでいる。
      この店に来る客はマニアな層もいれば、子どももやって来る。ただし、ショップの扉を開ける事ができればの話だ。取り扱っているものが魔法界にとっても貴重な生物だったりするので、店主のお眼鏡にかなった者だけがお客として入れるようになっている仕様だ。(店主曰く、詳しいことは企業秘密さ!らしい)

      このショップにいる生物、例えばドラゴンの系統に近い、小さな雷を発生させるトカゲだったり、鋭い嗅覚と強靭な脚力を備えた白銀の毛並みの狼だったり、賢い知恵を持つ紅色のコブラだったり___種類は多岐に渡る。

      ただこのショップで店主の次に、古株となりつつある生物がいる。
      それはとても人に懐きにくく、不思議で特徴的な毛並みを持つ猫である。世にも珍しい青い毛並み……その毛はまるで炎のように燃えているのだ。この炎は猫本人が心を許した者以外がその毛並みに触れるとヤケドを負わせてしまう性質を持っていた。

      この猫は嘆きの島で野良猫として生をうけ、子猫時代には、同じように青い毛並みを持つ人間の男の子に世話をされていた。しかし、その家族から不気味な生物に近づいてはいけないと男の子が咎められてしまい、行くあてなく彷徨っていたところ、店主に拾われたのだ。

      猫はそう言った己の性質と過去の一件で、人と距離を置くような性格になってしまった。当の本人は「別にひとりでも充分ですし」といった態度で、今まで、お店に来た客たちが、他の生物たちを連れていく後ろ姿をずっと見送ってきた。

      とある雨の日、約一ヶ月ぶりにショップの扉が開いた。店内に足を踏み入れた客は、透き通った少し癖毛気味の銀髪と、空のような青色の瞳を持つ、紳士風の青年だった。
      青年は物珍しそうに辺りを見回した。店の奥から出てきた店主が話し掛ける。

      「やあ、ようこそ。ここは気まぐれな扉が選んだお客様だけが入ることができる、ちょっと不思議な生き物を取り扱ったショップだよ!」

      青年は感じの良い笑みを浮かべながら店内を見回しつつ、声を出した。
      「これはこれは、随分と複雑な魔法が張り巡らされた場所にたどり着いたかと思えば…、ふふふっ、僕、ちょうど一緒に暮らす使い魔を探していたんですよ」
      「ハハッ!君からは随分と優れた、膨大な魔力を感じるよ♪そうだねぇ……そんな君にピッタリの子がいるんだ、見てみるかい?」

      陽気な店主は、なんだかんだあの古株の猫の事を気にかけていたので、今回はいいチャンスかもしれないと、内心とてもワクワクしていたのである。
      tako8megane
    CONNECT この作品とコネクトしている作品