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    多重人格生成吾輩は猫である。名前はまだない。
    そんな吾輩は今、非常に困っている。
    何故かと言うと、先程からずっと同じ場所をぐるぐる回っているからだ。
    右を見ても左を見ても同じ景色が続く。
    こんな所が本当にあるのか? いや、実際にあるのだけれども……。
    ここまで来るのにどれだけ苦労した事か……! あの時の記憶が蘇る……。
    **************
    「お前さん、どこに行くつもりだ?」
    そう声をかけられたのは森に入ってすぐの事だった。
    目の前には腰の曲がった小さなお婆ちゃんがいる。
    何だこの人。
    どう見ても人間じゃないんだけど……。
    まぁいいか。
    『迷子になったので道案内を頼みたい』
    「あー、なるほどねぇ。ならうちの孫が向かった方向と同じじゃよ」
    『本当ですか!?ありがとうございます!』
    良かった。これで帰れるぞ! そう思った時だった。
    「だが、タダってわけにはいかないね……」
    えっ、何か要求してくんの? 金とか持ってないしな……。
    「ほれ、これを持っていきなさい」
    そう言って差し出されたのは一輪の花だった。……ん? いやいや、ちょっと待て。
    『何故これを?』
    「それは薬草の一種でねぇ。それを煎じて飲めば痛み止めになるんじゃよ」……ふむ。確かに良い香りがするし、薬にもなるようだ。
    でもなんだろう。すごく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
    『ちなみにこれはいくらですか?』
    「お金はいらないさね。ただその花を取ってくるだけだからねぇ」……なんだと? つまり無償労働という訳か? しかし、これが薬草とは知らなかったとは言え、タダで貰うというのは流石に気が引ける。
    それにこれを持って帰ったらきっと喜ばれるに違いない。
    よし、ここはありがたく頂戴しようじゃないか!
    『分かりました。では有り難くいただきます』
    「はいよ。帰り道も分かるかい?」
    『大丈夫です。では行ってきます!』
    「気をつけるんだよぉ〜」……そして現在に戻る。

    ***
    正直かなりキツい。
    dzgtHO9zO1U6mPe Link Message Mute
    2022/01/10 7:21:21

    多重人格生成

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