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    しおり
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    しおり
    でもちょっとだけ後悔はあったでしょうなぜこんなことに。

    男の大剣の一振りがマンモスを貫く。
    かつて大龍を屠り、その血をすすり続けてきた獲物は、いまや草原をかける畜生どもの体を引き裂いている。

    大きな体躯が草原に横倒しになる。

    一匹。

    大きく息を吸った。

    「あっ!」

    後ろで不意打ちを取られ、戸惑う声。

    男は微かなエーテルを集中させ放つ。

    ぐらり、

    また倒れこむ。
    金髪で翡翠の瞳を持った美丈夫。
    かつては、皇都イシュガルドで蒼天騎士総長まで上り詰めた、この男が、
    何故、草原に生きる畜生を狩り、住処を探し歩く異種族を守るという、理解の届かないことをしているのか。
    本人も全く理解はしていない。

    事の発端は数日前。
    魔科学研究所の最奥で自らを神とし、平穏を導く猊下を守り、エーテル界に散っていった。

    光の英雄、ハイデリンの使徒が、何度殺しても足りない、と目で伝える。
    不思議と恐怖はなく、ただお互い憐れだと、乾いた笑いが無機質な空間に響いただけだった。

    このまま、次の生を受けるまで、エーテル界でさまよい続けるのだろう。
    それもいい。
    次は何になれる?
    神の生き物としての出来損ないの魔物か、花か、虫か、

    それとも。 またあの皇都で、生まれ、生きれるのだろうか。
    星海を漂う意識はやがて薄れていく。

    眠い。
    男の意識を包むものは、それだけだった。

    黒く塗りつぶされた男の視界に、まず感覚として飛び込んだのは、濃い、草の匂い。
    第七霊災が起こる前のクルザス。
    幼いころよくかいだ、あの匂い。

    次に、肌に触れる風、風に擦れる草の音。
    ごろりと身動げば、背に当たるのは無表情な石畳、ではなく、柔らかい土の感触。

    目は、動くだろうが。
    降ろされたままのまぶたに、力を入れてみる。
    黒い視界が、ゆっくりと白に侵食されていく。
    眩しい…。
    いつぶりかの感覚に、ひゅっと息を飲めば、草を生み慈しみ、育てる風が、喉奥へと入り込む。 青い。

    ゆるりと起きてきた意識は、色を脳へ感知させていく。
    空の青、青を泳ぐ白は、雲。
    長らく雪に閉ざされた景色を見てきた男には、この景色は久方すぎだった。

    ひょこりと視界に入ってきたのは、黒いツノを生やした、男児か。
    龍のような黒い目、鱗、角。嗚呼、と口を開きパクつかせる。

    これは、見たことがある。

    以前、無残と称された同僚が龍の子だと笑いながら焼き殺した。
    あれは、そう。なんといったか。
    男の顔を覗き込んでいた男児は、何か驚いたように狼狽し、離れていく。
    体を起こそうにも、感覚が戻らない。力を込めていた体がピクリともしない。

    そう理解すると男は草原に転がった。
    しばらくして、また草を踏み分ける音が聞こえてきた。
    一つ、ではなく、二つ、三つ…。

    嗚呼、そうか、また殺しに来たのか。
    だらりと腕を投げ出す。
    こうして自己が死ぬのは、何度目か?

    「おーい」

    野太い声がした。青い空を遮るように、また何かが入ってくる。
    もう一人、反対側から入って来たのは、先ほどの男児か。

    「にいちゃん!やっぱ生きてるよ!」

    生きている?死んでしまったのだろう?
    あの場所で。
    ひとかけらの意識も残さず。
    声を出そうと、声帯を震わせる、が、喉奥へ風が入り、空気を震わせられない。

    そうもがいてるうちに、三つ目の足音。

    じぃ、と見下ろしてくるのは、女か。
    顔を覗き込んでいた二人が、女に話す。
    彼ら独自の言語は、全く理解ができない。

    話を聞く女の顔は、さして表情も変わることなく頷いているだけだった。

    無表情の女がこちらをちらりとみる。
    品定めをするように首を傾げ、じろりと見渡す。
    嗚呼、これは、

    昔、よくあった感触だ。
    イシュガルド教皇庁内で、色物として見られていた、あの視線。

    長々こちらを見ていた女は、ふいに背を向けた。

    「立てるか?」

    男が手を差し出す。
    長い間使ってない体のように、腕をあげるのも精一杯だった。
    男が、腕を掴んだ。
    袖の内側から見える黒い鱗が、過去の凄惨と重なり、目眩がする。龍の子。

    上半身だけ起こされ、改めてみる景色に、脳への情報が散乱する。
    青い空、泳ぐ雲、そよぐ草に、草を食む家畜。
    所々にあるテントは、なんなのだろう。
    男の背に遠く映る集落。

    青く、淡く光るあれは、エーテライトか。
    男にひかれるまま立ち上がる。

    風が、頬を撫でた。

    冷たく、身を切るような雪国とは、別のところに来たのは、もう知っている。

    ここは、なんだ。天国というやつか。
    子供じみた考えに、自分を嘲笑った。
    嘗て同じ高みを目指して競い合っていた同僚を裏切り、国を裏切り、人を裏切ったというのに、天国、とは。

    一歩、足を踏み出し、生まれて間もない草を踏む。
    青臭い匂いが、鼻をかすめた。
    男がどこかへと案内する。
    そう、行く先はどうやら、あのエーテライトのある集落のようだった。

    草を踏む重い音で、ふと自分の手を見た。

    手を見て、足元を見て。
    なんということだ!
    いま己の格好は最後に死んだ時の、あの、蒼天騎士団の甲冑ではないか!

    どうしたー、と間延びした男の声に、ゆるりと首を横に振った。
    背負った大剣が、小さな音を立てた。

    エーテライトのある集落へたどり着くと、賑やかな声が聞こえて来た。
    あれは、客引きの声か。

    安いよ!ヤギの乳はどうかね!
    うちの薬草は万能薬だよ!

    宝杖通りでも似たような文句を痛いほど聞いて来た。

    どんな邪竜をも切り裂く槍。邪竜の毒に聞く薬草。
    どんな邪竜をも切り裂く槍については、冷やかしがてら買ってポールクランに使わせたところ、それは龍の鱗を貫くことなく折れてしまった。

    嗚呼、あの時の狼狽ようは、ひどく可笑しかった。
    殺す気かよ、と詰め寄るポールクランに、それしきでうろたえてどうする。
    などといっていたが、内心はいたずらが成功した子供のようにおかしくて、笑い転げてしまいたかった。
    昔を思い出しているうちに、テントの中へと通される。

    玉座のように聳え立つ椅子。
    そこにまた異種族の男が座っていた。
    連れて来た男は、その男にまた独自の言語で話しかける。

    何も言わずにうなずき、たまに、話をじっと聞いていると思えば、こちらを品定めするように視線をよこす。
    話しかけている男の顔が険しくなった。
    なにやら話が難航しているらしかった。
    よくわからないまま辺りを見回すと、外で出会った女が、またこちらをじっと見ていた。

    どうにも居心地が悪い。

    今から裁判にかけられる異端者とはこのような気持ちか、と、ぼんやり思っていたら、外で叫び声がする。
    それに混じる怒号に、慌ただしい足音。
    この感覚を知っている。ほぼ本能だけでテントを飛び出した。

    集落内で、水牛のような、牛にしては大きすぎるものが、複数暴れている。
    集落を囲む柵が壊されているとこを見るに、何かの要因で興奮した群れがつっこみ暴れたか。
    集落内の男は、思い思いに武器を持つ。

    槍、弓、片手剣、斧。

    暴れる群れをなぎ払おうにも、規模が大きいのだろうか。

    減る気配もなく、排除行動を起こした人に対して、さらに興奮は高まって行くばかり。
    水牛が、一人の男を、ツノで突き上げた。
    男の体が宙を舞い、草原に叩きつけられる。

    うう、と男の呻き声が聞こえた。
    水牛は前足を男の体におろそうと、ゆったりあげる。

    このままだと、死ぬ。

    そう思った後は、もう体が動くままだった。
    手にエーテルを集中させる。
    黒い光が作り出され、それを、投げた。
    黒いエーテルに弾かれる前足。
    水牛はふらつき前足は男の頭上に降ろされた。

    ゆらりと、水牛の鋭い目がこちらを向く。

    逃げろ。ここに来て初めて言葉を発した。

    逃げろ。

    一匹が咆哮を上げ、後ろにいた群れも同じように咆哮をあげる。
    耳が痛い。
    獣のような低い咆哮を聞くのは久方ぶりだ。
    こちらに走ってくる群れを確認すると、両手剣を下ろし、
    ふ、と、ゆっくり目を閉じた。
    怯えたのではない。諦めたのではない。

    脳裏に思い浮かべるのは、暗黒の力。
    エーテルを集中させる。
    ゆるりと目を開く。
    群れが、黒いエーテルに飲み込まれた。
    足元をすくわれ失速する群れは、その要因となった男に怒りの全てを集中させた。
    剣を振り下ろし、水牛の頭を落とした。
    そのまま別の水牛のはらわたを裂く。

    一匹、二匹、三匹。

    積み上げられて行く水牛の死体。
    群れの背後で呆けている弓持ちに、怒号ににた言葉を飛ばす。
    水牛の注意は全てこちらだ。
    攻撃が避けられることもないし、背が1番攻撃が通りやすいのは知っているはずだ。

    今だ。

    水牛の頭をまた落とし、叫ぶ。

    水牛の首から飛び散る鮮血で、髪が顔が汚れる。
    しかし、そんなことなど、気にしてはいない。
    怒号に反応した弓持ちは、水牛に矢を放つ。
    注意がこちらに向いているのか、急所を狙いやすかったようだ。

    水牛の死体が増え、積み重なる。

    小1時間もすれば減って行く群れの数に生き残りは本能的に怯え、一匹、二匹と逃げ出していた。
    残ったのは、無残に切り裂かれた水牛の死体と、負傷した異種族の男。
    久々の切る感覚に、息を何度もつめ、興奮を抑える。
    そうでもないと、力に、また飲まれそうだからだ。

    ポンと肩を叩かれ、弾かれたように振り向く。

    強いんだな。

    にかっと人良く笑いかけるのは、ここへ連れて来た男だ。
    頰に手を当てられ、親指で血を拭われた。
    静けさを取り戻した集落に、物影に隠れていた商人、女、子供がそろりと出て来て、片付けを始めた。

    足元から視線を感じて、視線を下に向ける。
    異種族の子供が、目を見開いてこちらを見ていた。
    羨望の眼差し。

    「これ、全部にいちゃんがやったのか!」
    「………いや」

    首を振った。ただ注意を引き付けながら、叩き切っただけだ。

    「俺見てたんだよ」

    違う子供が言う。

    「こう、にいちゃんの足元からばーっと黒いのが出て、ケナガウシをのんだんだよ!」

    すげーという言葉が辺りを取り巻く。
    なぜだかむず痒い。
    この集落へ連れて来た男は、先ほどテントの中にいた男とまた話している。
    男と目線があい、ちょいちょいと手招きをされた。

    男はじろじろとまたこちらを品定めした後、一つ頷いた。
    良かったな。隣にいた男が笑う。

    説明によると、ここは複数の異種族、アウラ・ゼラが放牧しながら暮らすアジムステップ。
    エーテライトのあるここは、アウラ・ゼラが生きるための糧を得るための場所。再会の市。

    自分が倒れていた場所はその再会の市の外で、男は自分の責任の元でこの場所で保護したいと、市の責任者である男に話したという。
    じろりと見ていた女は、責任者の妻だという。
    さすがに身元のわからないものを置いとくのは、責任者としてもよろしくない。

    そういう結論がでかかった時、ケナガウシの襲撃があった。
    全てを見ていた責任者は、本能だけで駆け出す姿をみて、男の責任下なら、という許可が出たらしい。

    男はアウラ・ゼラのカー族というらしく、独自のコミュニティしか持たない他ゼラより、考えが柔らかく、そのおかげでアジムステップ外や、他部族からの独自の商品ルートを持っている、という。
    男は再会の市での喧嘩の仲裁や、野生動物からの奇襲からの護衛などを行なっているらしい。

    責任者に認められたなら、その仕事を手伝って欲しい、と。
    こうして縁を繋がれたなら、と、義心と呼ばれた側面が顔をだす。

    それで恩が返せるなら。

    その日から、度々再会の市では、空の青と雲の色と同じ色が、草原に翻ることになる。

    息とともに声をあげ、一振り、下ろす。
    最後の一匹が、倒れた。

    なんということだ!

    族長が感嘆のこえをあげる。

    「われらの出発にこのような強き旅のものと出会えるとは」
    「……」
    「まるでアジム神がわれらの出発を祝福しているようだ」

    一期一会の出会いで済ませるのは惜しい、もしよろしければ、という申し出に察しがつく。
    そう、再会の市の付近を見回ってる最中に、居住区を探すダタク族が襲われているのみて、助けた。

    ただそれだけだ。

    しかし、と、考える。保護され、縁を繋いでもらった以上、これを仇で返すわけにはいかない。

    しかし、彼らの安寧の地を無事に見つけて欲しいという思いもある。
    こういう時は。

    「少し待っていて欲しい」

    男は歩みを再会の市へと戻した。
    自分を拾ってくれた男に話をする。
    ダタク族が襲われて助けたのだが、彼らが自分の力を必要としている。

    しかし貴方には恩義がある。
    けれども、彼らが無事に安寧の地を見つけられるのか心配だ。

    男は何も言わず話を聞いていた。そして口を開く。

    好きにしたらいい。

    それは投げやりではなく、長い間アジムステップを見続けて来たからこそ、ちゃんとした結論が出るだろうという意図があった。
    広大な自然を育む、母、アジムステップ。
    穏やかな一面ばかりが目立つが、そこに住む者はその自然を日々奪い合っている。
    彼らが卑劣外道なわけではない。

    それが彼らの生き方。ポリシーなのだ。
    少し考えて、彼ら、ダタクについていくことを話した。
    自然を奪い合うこの土地では、いつ彼らは狩られてもおかしくない。
    それだけが心配だったのだ。

    そういうと、男は頭に手を乗せて、撫でた。

    蒼天騎士団入りしたあの日。

    ヴェルキーンにも同じことをされた、と。

    男は笑う。気をつけて。

    自分のやりたいことが終わったら、いつでも戻って来ていい。と。
    戻って来ていい。
    その言葉がひどく懐かしく、温かい響きを持っていた。

    返事を待っているダタク族のところに戻り、一緒に行くことを伝えると彼らは喜び、我々は馬で草原をかける、徒歩では辛いでしょうと、栗毛の馬を一匹、連れて来た。
    馬に乗る、というのは、幼少期にやった以来だと思う。
    馬は暴れることなく、手綱を引いた男に、大人しく従った。
    このまま、北へ、馬を走らせた。

    途中、野犬、ガーダンが襲ってきたが、畜生に遅れを取るほど、腕は劣ってはいない。
    的確に急所を突き、捌いて行く。
    ガーダンの死体から毛皮や、肉、牙、爪を狩る。
    これで旅の途中の衣服やら武器やら食料にするらしい。

    再会の市から北西あたりか。
    遠くに淡く光るエーテライトが見えた。

    日も暮れてきたということで彼らはテントを張り始めた。
    見ているだけはなんだか性に合わないので、手伝ってみることにした。
    放浪の民らしく、居留地のテント張りは早く終わるように簡素だったが、中は防護性に優れている。
    比較的安全は確かめた、とはいっても、ここは魔物や畜生が練り歩く草原。

    焚き火に火を焼べ、ダタク族の男とともに交代で夜の番をすることにした。
    火が収まりかければ、木の枝を放り込む。
    雪国でも同じことをやっていた記憶がある。
    西に沈む夕陽。空が赤く焼けていた。

    何物にも縛られず、誰かと旅をして、語り合う。

    そんな話を、まだ神殿騎士の見習いだった頃に、同僚と話していた気がする。
    イシュガルドの戦争が終わったら、二人で旅をしよう。

    甘い紅茶を挟んで、笑いながら話した夢物語は、子供の幻想の如く、簡単に消えてしまったが、まさかこんなところで、とは。
    ふと違和感を覚え、手を動かす。
    ゆらりと、手のひらから漏れたエーテルは、ただ人に宿るそのもの。

    つまり、アシエンから授かったあの不気味な力は、ない。
    ここにいるのは、テンパードとしての贄ではなく、ただ一人の人間。

    「……」

    焼ける空を風がかける。
    体を撫でる感覚に、母のような優しさを覚え、一人、声も出さずに泣いていた。

    ガーダンの襲撃も、草原に生きる魔物の襲撃もなく、夜が明ける。
    居留地周辺の警戒から戻って来ると、女子供が山羊の乳搾りをしていた。
    どうやら保存食となるチーズの元である乳が足りなくなってきたという。

    やりますか?視線に気づいた女に言われ、頷く。

    羊の足元にしゃがみこんだのをみて、あ、その籠手は外してくださいね。
    素手の方が山羊を傷つけないので、と、言われ、外す。

    最初はうまく出なかったり、強く引っ張りすぎたりして、羊を驚かしたりしてしまったが、やり方を教わるうちに、うまく、出せるようになった。

    うまく絞れたら、あそこの女性に渡してくださいね。と、居留地の入り口にいる女を指差した。
    羊の乳を容器にため、渡す。

    朝から始まった作業は、昼まで続いた。

    しばらくの貯蓄に困らないくらい溜まったのか、女はありがとう、助かったわ。と、純粋に笑った。

    「……」

    下心も、裏も、取引のない、純粋な感謝。
    どうして、忘れてしまっていたのか。
    いつから、人の言葉に裏を掻くようになったのか。

    これから肉の調達に行く、という青年の後をついていく。
    青年の後についていった先は、水牛、ケナガウシの群れが穏やかに草を食んでいた。

    青年は毒矢を放ち、一匹、一匹と仕留めていく。
    もっぱら自分の役目は、ダタク族が獲物や敵を仕留めやすいように足元をもたつかせたり、注意を引きつけることだった。

    イシュガルドでドラゴン討伐をしていた時と変わらない。
    最後の一匹を仕留めると、青年は懐から短剣を出しケナガウシの体を裂きはじめた。

    石を研磨して作ったという短剣は切れ味が良く、効率よく狩った獣の部位を分けられる。
    毛皮、牙、骨、肉と、ありとあらゆる部位に分けられたケナガウシを見て青年は満足そうに頷いた。

    「ありがとう!」

    にかりとわらうと、今日は肉食べ放題だ!と、嬉しそうに戦利品を抱えて居留地へ戻っていった。

    その夜、居留地がガーダンに再び襲撃を受けたので、族長判断でもっと北上することにした。

    暗く、視界不良なため、ガーダンの牙を利き腕にたてられたのはひどい痛手だ。
    生憎、ケアルなんてものは取得はしていないので、布の切れ端を強く巻き、止血の手当てだけをして馬を走らせる。

    彼らの旅の終焉を見たいといったのは自分だ。
    だから、途中でやめるわけにはいかない。
    噛まれた腕をかばうように、手綱を操る。

    北へ、北へ、馬が走る。

    急に先頭を走っていた族長の馬が嗎をあげ、足を止める。

    闇夜に浮かぶ、鉄の光。
    周りを取り囲む空気で、わかった。

    賊の奇襲。馬を降り武器を構えると、その予感は当たっていた。

    ゆらりと現れる人影。
    目を見れば、友好的ではないことぐらいはわかる。

    「金目のもの、全部置いてきなぁ!」

    奪い合い、生きる。
    彼らの生きる誇りが、ぶつかり合った。

    分かち合う。彼らにはそんな生易しいものは存在しない。
    奪い合って、食い合う。
    それが太古より染み付いた、彼らの生き方。
    痛む腕を庇いながらの戦闘は、やはり動きが鈍くなる。

    これが反対の腕だったら。
    ぎり、と、歯をくいしばる。

    襲いかかる刃を防ぐのに精一杯で、攻めに転じられない。
    敵視を集め、攻撃に集中させる。

    いつものやり方が、できない。
    刃を弾き、反動で後ろへ足がもつれる。
    それを待っていたように賊が、剣を振り上げる。

    あ、と、誰かの声が聞こえた。
    防ごうと、振り向き、両手剣を振り上げる。

    刃の位置的に切り裂かれて、一命をとりとめても、重傷か。

    しかし、と、なけなしの希望を持ち、力をいれた瞬間、目の前の族が吹き飛んだ。

    何かが飛んできた。

    何か、いや、と、放物線を描いたものをゆっくり頭で思い描く。
    盾。
    シールドロブ。
    飛んできた方向を見る。

    栗毛の馬に乗った、人。
    ツノが無い。ということは、草原に生きる民ではない。

    「くっ」

    賊が小さく声をあげた。

    「構わねえ!ころせ!」

    わっと集団で襲いかかる。
    人影は、乗っていた馬から降り、構えを取る。
    あたりに光の柱が立ち上った。

    光の柱に貫かれ、バタバタと倒れる人の中央に立つ人は、ちらりと男の方、厳密には賊がまだいる方へ目線を向けた。
    雲の隙間から、月が見える。
    わずかな月明かりが、盾の縁をなぞり、紋様を浮かび上がらせる。
    暗闇に混じる鈍色に、くっきりと浮かぶ赤い一角獣。

    クルザスに住まう伝承の生き物を信念として掲げるものは一つしか知らない。
    暗闇に、アイスブルーの髪が踊る。

    ことりと、胸の内が、開く音。
    次に来た波は、どうして。

    身につけているものは、草原の民と同じ、獣の皮を下地としたコート。

    ためらいなく斬りつける様は、普段の人好きする顔とは程遠い。
    賊の一人が、一人でも敵の数を減らそうと、腕を負傷した男に襲い掛かる。

    それを見た人は、前に立ち塞がる賊を蹴り飛ばすと男の前に出て、振り下ろされる刃を弾いた。
    視界に広がる、アイスブルー。

    賊が後ろに倒れこむ。

    「大丈夫ですか」

    振り向いた顔に、ずきりと頭が痛んだ。

    何故殺した。
    お前が憎い。
    眠らせてやるものか。
    永遠に苦しめ。
    楽にはさせない。
    それが我が願い。

    責め苦が、脳を駆け巡る。
    この声は。

    「いや、」

    絞るように声を出した。

    「気にすることではない」

    利き腕の痛みに耐え、剣を振るおうとした腕を掴まれた。
    小さく呪文を詠唱すると、小さな紋様が、包帯の様に輪になり、腕に吸い込まれた。
    初期回復魔法、ケアル。

    「傷は塞がる様ですが、痛みまではとれません」

    そのまま無理をすれば痛みだけが残ります。
    助けに来た男は背を向けると、賊の目を引き付け、また暗闇に踊る。

    賊の集団が離れたとこで女が駆け寄って来た。

    「ガーダンの牙はかなり奥まで食い込みますので」

    籠手を外すと軟膏を塗り、包帯を巻く。
    どうやら痛み止めらしい。

    傷の処理を終えた頃には賊の数は減っていて、生き残りが逃げ出して行くところだった。

    「いやぁ、」

    族長が安心した様に息を吐く。
    一度ならず、二度までも。
    この様な幸運はないと。

    おかげで我々の大事な旅の仲間を失ってしまうとこでした。

    仲間。その響きが懐かしく、少しくすぐったい。

    「なるほど、あなたたちは、安寧の地を探している、と」
    「そうです」
    「もしよろしければ、その旅、私も同行してよろしいでしょうか」

    男の申し出に、族長は嬉しそうに、是非、と頷いた。
    仲間が増えるのは賑やかでいいこと、らしい。

    てっきり、お互いがお互い。
    長い間、星の大海を漂流していたため、姿形、声、そして名前を忘れていると、勝手に思い込んでいた。

    「負傷した利き腕では手綱を繰ることさえ困難でしょう。さあ、後ろへ」

    手を差し伸べられる。

    「ゼフィラン総長」

    はっきりと名前を呼ばれた。

    「今ばかりは恩にきろう。オルシュファン卿」

    親の馬の背に乗っていた子供が馬からおり、ゼフィランの乗っていた馬にまたがり走らせる。
    走る馬の背にまたがり、空を見る。
    群青の空が白み始めていた。

    賊との戦闘は一晩にも及んでいた。

    北上する途中でマンモスの群れに襲われていた狩人を助けた。
    途中で合流したオルシュファンは、まるで負傷した己の腕の様に気が利き、よく動く。

    故に、早めに芽を摘んだのは正しかったのか。

    一歩引き、エーテルを放つ。
    よろめく巨大な体躯を銀剣が切り裂いた。

    助けられた狩人は何度も頭を下げ礼を言い、手ぶらで行かせるわけには行かないと、狩っていたマンモスの部位を切り分けて与えた。

    これでまたしばらく、食料や武器には困らないだろう。
    狩人と別れ、また居留地として簡素なテントを張る。

    東の空が朝焼けで燃えていた。

    「卿は、手馴れたものだな」

    手伝いながら別方向を見ると既に一つテントを張り終えていた様だ。

    「彼らと似た種族と共に旅をしていたので」

    オルシュファンは居留地の真ん中に枝を積み上げる。
    今晩のあかりだ。

    「腕は」

    そう問いかける顔に、「薬が効いた様だ。」と、腕を動かしてみせる。

    最初の頃よりは痛みがだいぶ引いた。
    これならあの大剣を振り回しても問題はないだろう。

    それは良かった、と、最後である木の枝を積み上げると隣に腰を下ろす。
    一晩の戦闘の疲れが出てきたのか、こてりとして頭を肩に預ける。

    「どうしました」
    「うるさい」

    つい平素の荒い口調が漏れた。
    それに驚くことなく、寄りかかる頭を撫でた。

    「一晩の戦闘は体に響きやすい」
    「……」

    夜を徹しての強行軍は何より疲れが溜まりやすいのは、よく知っていたことだ。

    「総長」

    呼ばれた名称を噛みしめる。
    その言葉の向こうに、別の人が見えた。
    黒髪の同僚。

    「その呼び方はしなくていい」
    「…」
    「呼び捨てで、」

    かまわない。と、続く言葉に、柔らかく笑った。

    「なれば私も」

    卿をつけるのはやめていただきたい。

    ここは、イシュガルドではない。
    遠く離れた別の国。
    ならば我々は、そこに生きるただ人だと。
    語りかけられた。

    青い空に、メェと羊が鳴いた。

    そうだな。
    つぶやいた言葉は草原の海に溶けて消える。
    そう、ここは。

    ぐえ、と、龍に似た声が空に響く。

    空に、大きなワシが一羽、駆け抜けていく。
    その日は魔物の襲撃もなく平凡に1日はすぎて行った。

    ケナガウシの狩りも慣れたもので。

    邪竜と異端者の血を啜りつづけていた大剣にとっては再び陽の目を浴びる時がまさか、畜生の血を吸うことになるとは。
    いささか不名誉なのかもしれない。

    そう勝手に推測し、笑う。
    まさかな。陽の高いうちに始まった狩りは、すでに空を焼いていた。

    空を焼く、黄昏の天の城。
    清廉に彩られた城は、清廉なる、敬虔なる祈りだけを求め、与えられてきた。
    全ては、………の、為。

    であって。

    どろりと、脳の一部が溶けて、黒ずむ。
    黄昏に焼かれた草原に、大剣が沈み込む。
    風に煽られる草は、燃え盛る紅蓮。

    清廉な祈りを与えるべき場所に置いて、全ての殺戮、虐殺は高貴なる神罰である。
    故に、躊躇うな。
    神の愛をもらえぬものに、ただ導きを与えるものとなれ。
    愛なきものに導きを。放たれた刃のエーテルは、人の肢体を貫いた。

    覚えがあるような、ないような。

    なぜだか居留地に戻る気がしなく同行していた男に先に戻るように伝えると、ふらりと反対方向へ脚をすすめる。

    「……」

    ピタリ、水場で足が止まる。
    堀か… 崖をくるりと囲むような水路。
    上を見上げれば遥か頭上にエーテライトがみえた。

    頭上から、ふる、一筋の刃。
    受け止めようと手を伸ばした瞬間。

    不意に肩を後ろからつかまれ、自己防衛から思いっきり、堀へ投げ飛ばしてしまった。
    堀へ飛び込むアイスブルーを見て、叫ぶ。

    「オルシュファン?!」

    落ちた水場に腕を突っ込み、引き上げ…。

    ばしゃり、反対側から予想外の力に引っ張られて、落ちる。

    なんだと見やれば、いたずらに成功した子供のように、落ちた人が笑っていた。

    「貴様…」

    ジト目で呆れるように視線をよこせば、イイ!と、一言言われ、抱きしめられた。

    なにを、と身動けは、ポンと頭をなでられる。

    冷えるから出るぞ。
    そういえば、相手はあっさり体を離す。
    水場から上がり、装備を脱ぐ。
    金属製の甲冑と雖も、濡れままは装備を劣化させる。
    中のインナーは、濡れてはいないようだった。

    相手の方をちらりと見れば獣皮の服は、やはり濡れていたようだ。
    脱ぎ、傍にあった石に干すように広げる。
    胸元、心臓に深く貫かれた傷痕。

    己が、神の愛と、導きと、称し、騙し、なにをしてきたのか。
    罪なきものを、あれは邪道だと信じ込み、騙し、同じように人さえも屠ってきた。

    草原に座り込んだまま、じぃ、とそちらを見ていると、どうしました、と、視線に気づき、振り向く。
    なんでも、と、己を騙すように、目線をそらせば、近づいてきて、向かい合うように膝を立て、座る。

    そらしていた目線を戻すと、その傷跡をはっきりと見ることができた。

    騙し、正義だといい、重ねてきた罪を数えるように、触る。
    黄昏に燃えていた空は、いつの間にか暗くなり、ちらちらと小さな星屑が輝いていた。
    指を這わし、なぞる。

    謝罪の類はもっぱら下手である。
    故に、言葉が、思いつかない。

    はたりと、アイスブルーの髪から雫が落ちた。

    指先から覚える水の感触が、どろりと、生暖かい体液に思えた。

    血。
    流れ落ちる血にも見える滴る清水に、唇を這わせた。

    そのまま、つぅ、と、跡をなぞるように。
    獣が、傷を舐める如く行われたそれは、許してほしい、と。
    許しを得るための懺悔。

    曾て、神に懺悔を行う信徒は、先ず神の御足に唇をよせ、許しを請うた、という。

    ふっ、と、吐かれる息に、熱を感じる。
    ちらり、と、傷跡に舌を這わせながら、目線を上によこせば、顎を掴まれ、そのまま食われた。

    許しを請う唇、舌、息。それが、信徒に許しを与える意味ならば。
    甘んじてそれを受け入れよう。舌ごと、食われ、翻弄される。

    一縷の言葉も逃さぬように、全てを飲み込む。

    はっ、と、短く息が漏れた。

    何かをいうまえに、再び唇を塞がれる。
    そのままゆったりと押し倒され。

    背に感じる草の感触。
    むせかえるほどの青臭さが、鼻をかすめる。

    見下ろす瞳に、ぞわりと背中をなぞられる気配。

    にこりと、笑いかける肩越しに、ちらりちらりと星が輝く。

    本能から、足を思いっきりければ、馬乗りになっていた体が草原に沈み込んだ。

    「ふざけてるのか…」

    声は平静を保つども、内心は震えていた。
    あれ以上は。

    ふと、濡れた装備のことを思い出し、岩場に立てかけてある鎧に手を触れた。
    乾いている。

    何事もなかったように男も獣側のコートに指を滑らした。

    その行為が何かを慈しむようで、官能的だと、何を思っていたのか。

    獣皮のコートは既に乾いていたようだ。
    何事もなかったように着込む姿に逆に滑稽だと己をあざ笑う。

    そろそろ戻らねば、と、踵を返せば、夜風に煽られ、夜空と同じ青が翻った。

    遠く、空の下に響く音は、曲は。

    教皇庁で奏でられる幻想的なものではなく、市井に生きる人の、娯楽の歌。

    揺れる草に、足音二つ。

    族長と付き添いの若い青年がこちらにゆったり歩み寄る。
    どうやら戻ってこないのを心配して、様子を見に来たらしい。

    無傷な二人を見て、族長はほっと息をはいた。

    問題ない。すぐ戻る。

    それだけを言うとゆるりと歩みだした。

    揺さぶられた心は、もうそこにはなかった。

    さて、平穏な居留地にもどり、また夜番が始まるのだろう。
    その予測は大きく外れ、居留地は血に濡れていた。

    ダタクの人は無事だが、血にまみれた羊に、それをむさぼる赤い影。
    草原に生きる魔物が羊を食い荒らしていることは容易に予想がついた。

    大剣を構え、エーテルを放つ。

    獲物のにおいにおびき寄せられた魔物、いささか数が多い。

    「オルシュファン。」

    静かに隣にいる男の名前を呼ぶと、はい、と穏やかな声が返ってきた。

    左を。

    それだけ言うと、一つ頷き、構えをとった。

    ここは二人で、魔物の敵視を取った方が被害は少ない。
    これが一人だったら、と、思い、ぞっとする。

    一人の負傷者もなく、家畜をむさぼっていた魔物を退けると、両手剣を降ろした。

    ぽんと、肩をたたかれる。
    にこり、笑いかけられるその顔に、思わず顔をそらした。

    静かだった心、波が立つ。

    再び居留地を探し始めたダタク族を守りながら、彼らが居留地を築く。
    背後の洞窟からのそりとでできた象。

    アウラを敵とするマタンガ族の長。

    ひときわ大きな族長をオルシュファンに任せ、自分は彼らに付き従うマタンガ族の敵視を集める。

    マタンガの族長が倒れると、彼らに付き従うものは、蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった。

    無限に湧き出るような敵を一斉にまとめ、注目を向けさせるのは疲れる。
    大きな族長が草原に倒れこむのを確認すると、疲労が出てきたように、ばたりと倒れこむ。

    「………!」

    遠くで声が聞こえる。
    意識が、戻らない。

    ずるずると意識が闇に落ちる。

    なぜだ。
    なぜだ。
    なぜうばいつくした。

    きさまは、うばった。

    わたしの、いとしきをひとを。

    たましいのあんねいなぞやらぬ、
    へいおんなぞ、やらぬ。

    それが、ほしのしとのねがいだからだ。

    首元に、手が絡みつく。
    力をこめて、締め上げられ。

    にくい。
    にくい。
    にくい。

    身体に絡みつく、黒いエーテルは。
    むけられた分だけの怨念か。

    このまま、どうなってしまうのだろうか。
    嗚呼、また死んでもかまわない。

    それくらいのことを己はしてきたのだ。
    ただ一つの正義だと信じてきて。

    絡みつくエーテル。
    締め上げられる首。

    おちるか。
    そう諦めたとき、暗闇から手が伸びた。

    その手は、首に絡みつく手に触れると、光の粒子になって消えた。

    なぜだ。
    その声は忌々しく、震えていた。

    なぜうけいれない。
    わたしのいとしきひと。

    ともとよんだ、わたしのいとしきひと。

    それを闇へ引こうというならば。
    あなたは私の友ではない。

    はっきりとした声で引き上げる腕の主が返すと、絡みつく腕は闇へ引いていった。

    ひどい。
    わたしはこんなにもあなたをおもうのに。
    あなたは。

    伸びた手は、ぐったりと力の抜けた体を、光へ引き上げた。

    力なく、本能的に目を開けると、アイスブルーの目が視界に入った。

    ぼんやりと明かりのともった室内、

    「ここは、」

    だらりと垂れさがった腕にふれ、オルシュファンが答える、

    「休憩所です。」

    再会の市の。

    そうだ。彼らはどうしたのだろうか。
    居留地を探す、彼らの旅は。

    表情に気づいたのが、にこやかに言葉を返す。

    彼らは無事居留地を見つけたようです、と。

    族長はひどく感謝してましたよ。
    その言葉を聞くと、大きく息を吐いた。

    おわったのか、彼らの旅は。

    さて、彼らの旅も終わったことで、自分はどうするべきか。
    ぼんやりと天井を見ていたら、いいですか?と、声がかかる。

    ぐったりと首だけをそちらへ向ける。

    「私と旅をしませんか。」
    「……。」


    その顔はひどく真剣で。
    からかって冗談を言ってるようには思えない。

    「あなたを一人にはしておけないのです。」

    怨念に絡まれ。
    自責に絡まれ。

    あなたは、儚い。

    指が頬を撫でた。

    力なき腕を持ち上げ、頬を撫でている手に触れた。

    「たすけて、」

    細い声が、空気を揺らす。

    光の使徒が、許しを。
    平穏を。安寧を与えないというなら。

    自責があなたを落としていくならば。

    「すくいを、」

    流れ落ちる涙に、そっと口づけた。

    「二人で旅をしましょう。」

    もう一度はっきり伝えると、その人は、ゆるりとした動きで首を縦に振った。

    もう一度後悔するための生ではない。
    今度は、救われるための。
    panic_pink Link Message Mute
    2022/06/17 17:44:11

    でもちょっとだけ後悔はあったでしょう

    pixivログ流し
    FF14より
    オルシュファン×ゼフィラン

    #FF14
    #オルシュファン
    #ゼフィラン
    #二次創作

    more...
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