ガラスドロップ(現パロ)伯父さんの家から通うのが一番近いんだ、と頼み込んで居候させてもらってから丸3年が経ち、卒業論文のテーマどうするーなんて話が聞こえる季節になってきた。だが俺はのんきに過ごしていた。
「伯父さん、手伝ってくれるでしょ」
「寝言か」
た す け て !!!!!!
そんな訳で俺は今死にそうです。
早々にテーマを決め準備を進めていたバドラは余裕の進捗らしく、久しぶりに実家である伯父さんちに顔を見せて涼しい顔でジュースを飲んでいる。そこ綴り違うとか指摘してくんじゃねーよちくしょー!
じゃあ、俺も仕上げがあるから帰るけど、ちちうえの邪魔はするなよ、と言い置いてあいつは一人暮らしの部屋に帰ってしまった。あ、伯父さんにほっぺにちゅーしてもらってる!ずりーぞバドラ!!
「私のバドラは良く出来た子だ」
リビングのテーブルにかじりついている俺の向かいのソファに伯父さんが座る。長い脚を組んでコーヒーを飲む姿は優雅そのもの。てゆか、太もも、美味しそう。この3年、そもそも頓着しない伯父さんのおかげでラッキースケベ以上の展開は何度かあったから、スラックスの下の肌の想像はすぐできる。
「それに比べて」
「あっちィ!!!」
記憶を貪るのに夢中で止まっていた俺の手にコーヒーカップが置かれた。俺の手は皿じゃないよ伯父さん!
急いで引っ込めたが伯父さんもコーヒーをこぼすことはなくカップをまた口に運んでいる。
「お前ときたら」
「なんだよ!いい子ちゃんのバドラと比べないでくれよ!」
器用に片眉をあげ、ほお、聞いていたのか、という顔をする。
俺は心の燃費が悪くてですねえ、なんかご褒美ないと頑張れないんですーう。
「1枚ごとに」
伯父さんの大きな手が、シワのないモノのいいシャツのボタンを、ぷちり、と、は、は、外し…!?!え?!待っ、1枚書いたらボタンいっこ!?てことは6枚書くだけで!伯父さんが!脱g やる!やります!がんばります!
「5枚目出来たよ!」
「見違える早さだな」
言いながら、ぷちり。あと1つを残してボタンは全部外されて、伯父さんの美味そうでエロい上半身が晒されている。
「風邪を引いてしまうな」
思わず見とれて手が止まっていたところにこのセリフ!今すぐあっためてあげますからねー!
う そ だ ろ
6枚目を仕上げた俺が見たのは、では、後も進めるようにと言って風呂に行ってしまった伯父さんの後ろ姿だった。
詐欺じゃん!詐欺じゃん!
やらしてくれるって言っ……てねぇなオイ。
「お前が勝手に勘違いをした」
誤解を招く言動したの伯父さんじゃん!
「なんのことやら」
今日中に20枚。でなければお前の実家に連絡を入れる。
そ れ だ け は ご 勘 弁 を!!
結局、キスのひとつも貰えず泣きながら書いた論文は、なんとか仕上がった。飴と鞭、て言葉は適切じゃないよな。偽の飴だったし。
「早とちりは直した方が良い」
じゃあないよ伯父さん!
卒業してちゃんと就職したらヤらしてよねマジで!!!
「よかろう」
「ほーらねどうせ断っ……エ?」
もう少し、伯父さんちの居候は続きそうです。