「……うぅ~っ!どうしてわたしだけこんなにダメなの!?」
それは彼女の能力不足ではなく、彼女を取り巻く環境が問題だったのだが、それを理解できるほど彼女は大人ではなかったし、また周囲もそんなことはわかっていなかったのだ……「いいよもう!みんな死んじゃえばいいんだ!」
それが、この世界の全てに対する怒りとなって噴出した時―――世界が滅ぶほどの奇跡が起きた………………
「ん?」
目が覚めるとそこは知らない天井だった……いや、よく見れば見覚えのある天井だ、ただし自分の部屋のものではないけど……ここはどこだろう?
(あれ?)
身体を動かそうとするとなぜか上手く動かない、まるで全身の筋肉が硬直しているみたいに……なんで?
「あぁあああああっ!!」
声を出そうとすると、喉の奥から絶叫に近い悲鳴が絞り出された……なんだこれ、いったいなんでこうなったの……?「えっと……」
周囲を確認してみる、まず目に入ったのは白衣を着た男性と女性が一人づつ、それと自分がいる部屋には他にも何人か人がいるようだ、でも誰も一言も喋らない、というかこちらを見ようとしない、視線を感じないのはありがたいことだけど、これはこれで不安になるような……
「あのぉ」
とりあえず一番近くにいた女性に声をかける、その女性は一瞬ビクッとしてこちらを見たが、すぐに目をそらしてしまった、なんかすごく怖そうな表情をしている……何か悪いことを言ってしまったのだろうか……「……」「……」
気まずい沈黙が流れる……どうしよう、こういう時になんて言えばいいのかわからない……そうだ、今度こそちゃんと声をかけよう、大丈夫今度はできるはず、うん「あ、あの」
今度はうまくいったみたい、その人は驚いたようにこっちを見て、それから少し困ったような顔になった……よかった、話しかけても怒られなかった……「あ、あの、ここって病院ですか?私、どうしてここにいるんですか?それにあなた達は誰なんですか?あと、私の体どうなってるんですか?教えてください、お願いします」
「……」
返事がない、ただの屍のようだ……じゃなくて!
「あの、聞こえてますよね?無視されてるのはわかるんですよ、でも今は緊急事態だと思うから許してあげます、だから答えてくれませんか?それとも日本語わかりにくいとかあります?英語の方がわかりやすいならそっちでもいいですよ」
「……はっ!?え、なに、今の?」
ようやく反応があったと思ったらそんなことを言い出した……
「何言ってるんですか、私を無視するからいけないんじゃないですか」
「あ、ごめんなさい、ちょっとボーッとしてたわ」「はぁ」
「えーっとね、ここは病院じゃないし、あなたの体は健康そのものよ」
「え、だって、体が動かないんですけど」
「それは心因性のものでしょうね」
「はい?」
「つまりストレスによるものだと思います」
「えぇ〜、でも私会社では結構バリバリ働いてましたよ?それに仕事も好きでしたし、不満もなかったと思うんですが」
「人間には限界というものがあります、あなたは頑張りすぎたのでしょう」
「そうでしょうかねぇ」
「まぁ、詳しいことは検査をしないとわからないですが