まず文法的におかしな文ができあがるだろうこと言うまでもないことだな? ではそれが正しい日本語で書かれていたとしたら……? まあ、こんな感じだろ
―――『この物語はフィクションであり実在の人物・団体等とは関係ありません』
これなら問題ないだろう? しかし、これを小説ではなく新聞記事や論文などの学術的な文書に当てはめた場合……どうなると思う? 例えばある研究発表において、その要旨となる部分を学会誌に掲載する際、誤字脱字があったとする 普通であればそのまま掲載されるだろうが、もしそれが日本語として正しくない内容だった場合、これは大きな問題になるかもしれない 何故ならば学術誌というのは、正確であることが大前提だからだ研究者たちが日頃からどれだけ努力をしているのかを知っている者は多い だからこそ、彼らは自分の研究成果に対して誇りを持っているのだ その誇りを自らの手で汚すことなりかねない問題を、無視するわけにはいかないという事である さて、ここで質問だが、仮に君がある大学の研究発表の場に立ち会っていたとする そこで突然、とある学生が発表した内容が日本語としておかしくないか?と言われれば君は一体どんな反応をするかな? ちなみに今俺がいる場所は大学の研究室でもなければ発表会場でもない 俺はただの公園にいるベンチに座っているおっさんだ ただ少し変わった点を挙げるとすれば…… 俺は先ほどからずっと同じ姿勢のまま動かないという点だけだな そう、俺はベンチに座っているんだが何故かピクリとも動かず固まったままなんだ 別に寝てる訳じゃないぞ? 座ったままの姿勢で固まるって結構キツくね? そんなことを考えながら俺は目の前を通り過ぎていく人々を眺めていた 皆一様にスマホを見ながら歩いている たまに人を避けようとしてよろけたりしてる人もいるけど、今の所ぶつかった人は誰もいないようだ つまり、それだけ周りが見えていないということなんだろうな かく言う俺も人のことを言える立場ではないんだけどな だってほら、こうしてボーっとしている間にも時間は刻一刻とその流れを止めることなく進んでいるんだよ もうすぐバイトの時間なのに遅刻確定じゃないか!……いやまぁ、既に無断欠勤しちゃってるから、これ以上サボっても変わらないんだけどな…… そんな時、ポケットに入れているスマホが小さく振動した メールが届いたみたいだ 誰からだと思って画面を見てみると…… うわっ、母ちゃんからの着信件数ヤバいな 全部まとめて掛け直してくるつもりなのか?……仕方がない、ここは覚悟を決めるしかないか プッ、ツー、ツー、ツー、ガチャ
『もしもし拓海!?あんたどこにいんのよ!』開口一番怒鳴ってきたよこのババアは…… 相変わらず声のでかい人だな まあ、元気なのはいいこどだけどさ
『いや~ちょっ、待ってくれよ母ちゃん!実は今日ちょっ、えーっ、あっ、そうだ!ちょっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ