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  • 桐人 Link
    2023/10/17 0:33:16

    彼女はこの地に佇んで(周縁の人々ウェブ再録)

    2021.11.7発行の合同誌『周縁の人々』より。
    ストーンワールドの歴史の中でもしかしたらあったかもしれない「誰か」の話、として書いたものです。

    こちらにて他参加者の作品全文公開しています。よろしければ合わせてごらんください。
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    彼女はこの地に佇んで(周縁の人々ウェブ再録)
     人は二つに分けられる。やわらかくて動く人とかたくて動かない人だ。


     村には動く人しか居ない。村の外に僕らのような動く人が居るのかどうか、それは知らない。少なくとも僕は見たことがない。ただ、村の外から来るのは罪人だけだと年寄りたちから聞いているので、もしかしたら昔ここから出て行った(あるいは出て行かされた)人が居て、その人の話が伝わっているのかもしれない。

     動かない人、僕らは石の人と呼んでいる人たちが居る。村から一歩足を踏み出せば、森の中だとかその辺のあちこちに苔とか蔦とかを絡み付かせて立っている……いや、寝てる人も居るか。とにかく僕らの村の人たちよりも多く、あちこちに彼ら彼女らは居るのだ。

     昔から僕はずっと不思議だった。この人たちは何なんだろうなって。小さい頃に聞いても大人は皆、石の人は石の人、そういうものだとしか言わなかった。どこから来たのか、何で此処にあるのか、誰が作ったのか、それは誰も教えてはくれなかった。ただ、傷をつけたり手荒な事をしてはいけない、そんなことをしたら石の人が可哀相だからね、と頭を撫でられながら教え込まれた記憶がある。あれは父だったか、それとも他の大人だっただろうか。

     この教えを、僕も皆も守っている。だって自分と似た形をしているものがボロボロに砕けていたら、何だかイヤな気分になるでしょう? この前、大地がむずがって大きく揺れた時なんか(あの時は潰れた家もあって本当に大変だった)腐りかけだった樹と一緒に壊れてしまった石の人があって、僕も一緒に見つけた妹も居心地がとっても悪かった。驚いた顔だけがゴロンと少し離れたところに転がっていたから、僕らは倒れた身体の首のところに置き、樹の皮を剥いで柔らかくしたやつで首の上に顔が来るように縛り付けた。

     作業中もずっと黙っていた妹は、帰り道にぼそっと

    「壊れちゃう事が怖くてあんな顔になったみたいに見えたね」

    と言って、村に戻るまでずっと僕の服の裾を掴んでいた。

     そう、何故だか石の人たちは誰も彼も一様に、程度の差はあるが驚いていたり怯えていたりするような表情なのだ。これもまた不思議なことだった。

     こんな顔より笑ってる顔がいいなあ、もしもアタシが石の人だったら。いつだったか、幼馴染はそう言った。怯えた顔で大きな口を開けている女の石の人の前で、にっこりとやわらかな笑みを浮かべて。それについては僕も同意する。怯えのような良くない表情より、笑顔のような良い表情の方が好きだ。でも、さも石の人より自分の方がずっと優れていると言いたげな自信に満ちた幼馴染みの目は、正直なところあんまり好きじゃないなとこっそり思っていた。


     僕らが寝たあとに石の人たちはこっそり動いているだとか、ホントは石の人は僕らと同じ動く人だったんだとか、悪いことすると僕らも石の人にされてしまうだとか、僕らは色んな事を大人に言われて育った。その中に本当のことがあるのか、ないのか、それは分からない。あれらが『石の形をした人』なのか『人の形をした石』なのか、誰も教えてくれない。百物語で聞いた桃太郎だって桃から生まれたんだから、石から人が生まれてもおかしくないんじゃないかなぁと僕なんかは思っているけれど。

     動くことのない石の人は、僕以外の村の皆からは見向きもされずに其処に立っている。今日も、きっと、明日も。


    「参ったなぁ、どうしよう……どうしたらいいと思う?」

     ある日、山の奥深くで僕は誰も聞いてないのに一人でそんなことを問いかけた。

     ついさっき、子連れの猪に出くわしてしまったのだ。慌てたのもあってつい普段よりも奥まで入り込んでしまったようだ、まったく見覚えがない。距離があったのと運が良かったのもあって逃げ切れたが、ここはどの辺りだろう。今は暖かい時期だから夜を過ごしても大丈夫だろうが、はてさて。

    「困っちゃうよねぇ……どっかに一晩寝やすいとことか無い?」

     近くに立っていた石の人に声をかける。勿論のこと返事なんかないんだけれど、まるで何かを指差すように手を上げた人だったから、何となくその指し示す先を目で追って……

    「あ」

    すごく、寝やすそうな樹があった。

    「ありがとう!」

     偶然でしかないのは理解している。それでも僕は何だかうれしくて、石の人の肩をぺしりと叩きながらお礼を言った。

     薄暗くなってきた中で樹によじ登る。太い幹の途中で分かれた股部分にいい感じに僕の身体がはまり込むから、これなら寝てる時に落ちることもないだろう。村の力自慢たちと違って、僕は大きな獣が出ても追い払えない。こんな風にひとりで寝ないといけない時、僕は地面より安全な気がするから樹の上で寝ることが多かった。それだけ身軽ならもう少し戦えてもいいはず、と大人たちに不思議がられるけれど、僕は怖い思いや痛い思いをしてまで勝ちたいと思えないんだから仕方がない。

     樹に寄りかかって、空を眺める。たき火とも違う赤黄色に変わっていた空は、もう別の青、昼間よりずっと濃い青色に移り変わっていく。

    (不思議だなぁ)

     こんな色の時は晴れる、もっと真っ赤になるときは雨が降る、そういう事なら僕ら大人から教わって知っているのに、何でこんな色になるのかは教わってない。知らない。聞いたことのある百物語でも語られていない。

     不思議だ。何で空は、こんなきれいなものを独り占めにせず、僕ら皆に見せてくれているんだろう。濃い青が黒く真っ暗になって星が光るまで、僕は答えの出ないそんな不思議をずっと考えていた。考えるのが面倒くさくなって眠ってしまうまで、ずっと。


     翌朝、一瞬僕は自分が何処に居るのか分からなかった。びくりと身体を強張らせてから気付く、そうだ昨日は樹の上で夜を過ごしたんじゃないか。はあ、とため息を吐いて、のろのろと樹の上から降りる。さっき立ち上る煙が見えた、あっちが村の方角のようだ。

     叱られるかな、それとも呆れられるかな、心配されていたなら素直に謝らなければ。そんな事を考えながら幹から降り……その途中で僕は驚きの余り、幹から手を離して落っこちてしまった。

    「いった……ッ」

     幸いにして地面はすぐそこだったし、柔らかな草の上だったから大きな怪我ではない。それに、今はそれどころじゃない。ガバッと勢いよく立ち上がり、僕は今まで居た幹に飛びついた。

    「……、うそだ、ろ」

     幹の中に石の人が居た。石の人を避けるように樹が生えたのだろう、まるで『彼女』を閉じ込めるみたいな格好だ。隙間から見えるのは顔だけで、隙間の奥まで日が射し込んで見えた『彼女』は……微笑んでいた。

     辺りに在る石の人が誰も彼も驚いていたり恐れている表情の中、そのひとだけは、何も怖れるものはないと言わんばかりの穏やかさで笑みを浮かべていた。


     この人をもっと傍で見たい。


     『彼女』を見つけたこの瞬間から、僕はその思いに囚われた。日差しの角度が変わると奥まで見えないのだ。村の誰にも似たところがない顔立ちの、美しい人。けれど、その微笑み方は先代巫女様にもどこか似ているようにも思えた。僕はあなたの近くへ行きたい。

     どうしたらいい、どうやったら『彼女』をこの樹の中から取り出せる? 幸い、他の樹よりは若いのだろう、石斧でも時間をかければ切り倒せそうな太さの幹だ。けれど、ただ切り倒して本当に大丈夫なのだろうか? 樹が倒れる時に巻き込んで、一緒に倒れてしまったら? その所為で砕けてしまったら?

     その日から僕は、毎日のように『彼女』のもとへ通った。少しずつ枝を払い、コツコツと『彼女』に負担がかからないよう慎重に幹を削って、樹を取り除く準備を進めた。

     皆は僕が毎日ふらふらと出かけるのを不審がったけれど、春に抜け落ちた鹿の角がまだどこかに残っていないか探しているのだと言えば半分の人は納得をしてくれた。僕はこの村では一番鹿の骨の釣り針づくりが上手いのだ。もう半分の人は僕が何かを隠している事は気付いていたようだったけれど、様子見のつもりなのか見逃してくれている。

     妹にだけはこっそりと本当のことを話した。妹は呆れた顔で、兄ちゃんらしいね、とだけ言ってそれ以上は何も追求をしなかった。

     村からは距離があって余り作業時間を割けなかったこと、流石に毎日は通えなかったこと、手ぶらで帰るのも申し訳なくて焚付用の枝や見かけた食べ物なども採集していあこと、たまには狩りもしていたこと。そういったことも影響して『彼女』の全貌を明らかにするまで、一ヶ月近くかかってしまった。

     樹から現れた『彼女』は、何かに腰掛けているような姿の石の人だった。その姿のまま、今は僕の足元でごろりと転がっている。誰かと話していたんだろうか、何かを伝えようとしているかのように両手を軽く前へ伸ばしている。

     誰かと。誰と? あなたたちは動かない。動けない。言葉を発することもない。それなのに、どうしてそんな姿をしているの? まるでそこに誰かが居るかのように、僕らが家族や友人と話している時と同じような姿で笑っているの?

     わからない。あなたのような姿の石の人を見たのは初めてだ。あなたは、あなたたちは、一体『何』なんだ?

    (あなたは、誰に笑いかけている?)

     誰も答えてくれないことは分かっている。あなたは決しては話さない。石の人は動かない。ただ、あなたに笑いかけられている『誰か』が、心の底から羨ましい。

     切り倒した木に『彼女』を腰掛けさせて、その日は帰った。


    「お前、毎日どこで何やってんだよ」

     僕の行動は流石に怪しすぎたのだろう、友人は疑うような目つきで僕のことを問い詰めた

    。彼女を樹の中から連れ出してからも、僕は相変わらず彼女のもとへ足を運んでいた。生真面目な性格の彼だ、何か良からぬことをしているんじゃないだろうか、と気になって仕方ないのかもしれない。でも夏が終わり秋になりかけている今、冬に向けての支度ならちゃんと手伝っている。村の近くじゃ余り採れない実(甘酸っぱくて美味しいやつ)が沢山成っている場所を見つけて村に持ち帰ったり、川魚を釣って帰ったり、村のために何もしていないというわけじゃない。少なくとも文句を言われる筋合いはない筈だ。

     どうしたもんかな、彼に本当のことを話したとして、放っておいてくれるだろうか。なんて答えようか迷っていたら、彼はにやっと笑ってちょっとからかうような声で言った。

    「さては、御前試合の特訓してるんだろう? ひとりで、こっそりと」

    「は?」

     何を言ってんだろ、こいつ。あんまりにも違いすぎることを言われたものだから呆気にとられた僕はうっかり

    「出る気ないけど」

     と、ギリギリまで他人に言わないつもりだったことを口走ってしまった。

    「はあ?」

     信じられないという顔で詰め寄る彼に、僕はちょっとうんざりしながら肩を竦めた。巫女様の夫を決めるための御前試合。本当はもう少し早い時期にやるそうなんだけれど、今回は宴会用のお酒が足りなくて出来上がりに合わせていたらこんな時期になったのだという。それもあと五日後の話だ。

    「出る奴多いし、勝ち目もないし」

     そう、僕らの代は男の人数がそこそこ多い。それに巫女様はキレイだし、御前試合で勝ち残って巫女様の夫になろうという奴は結構居るのだ。

     僕にだってそれなりに巫女様への憧れはあるけれど、そのために御前試合を何が何でも勝ち残ってやるんだっていう気概はないし、そもそも巫女様の夫になるということは村長になるということだ。僕に村長は向いてない。だから最初から参加するつもりはない。

     たったそれだけの事なのに、何故か彼はじっと俺を見てくる。深刻そうな目で彼は、ぼそりと呟くように

    「あいつと結婚するから出ないんじゃないのか? 本当は」

     そう訊ねてきた。

     あいつって誰だ、と考え込んだのを隠しているととったのか、焦らしているととったのか、更に彼は眉間に皺を寄せて俺を見る。

    「お前の言うあいつが誰のことなのかいまいち分からないけど、僕は誰とも結婚しないと思うよ」

     男より女の人数の方が少ないし、何より今の僕には『彼女』以上に村の誰かを好きだと思える自信がない。ふと、そこまで考えてから幼馴染の彼女のことを思い出した。石の人の表情についてばかり語る僕へ、それよりも自分を見ろとばかりに笑みを浮かべてみせた姿。

     ああ、なるほど。もしかして、あいつってあの子のことか。確かに僕と妹とあの子と一緒に居ることは多かったし、こいつも僕らが一緒にいるとよく話しかけに来ていたっけ。

    「お前の邪魔になるつもりはないよ、安心して」

     だからお前も僕を邪魔してくれるなよ。

     そんな気持ちをこめて笑って、戸惑った顔のままの彼をそこに残して僕は彼に背を向けた。


    「セキ、来たよ」

     倒れた樹に腰掛ける『彼女』に話しかけながら、僕もその隣に腰掛ける。

     石の人には『セキゾウ』という別の呼び方も伝わっていて、その中のセキというのが石を意味する言葉らしい。だから僕は彼女をセキと呼ぶことにした。

    「採集もしたいから早くここに来たかったのに足止めされちゃってさ」

     僕は喋る。セキは喋らない。

    「そうそう、この前ここへ来る途中にこんな大きくて長い蛇が居たんだって話をしたでしょう? さっきもまた見たんだよ! 聞いたらあの蛇は毒はないって言うんだけど、どうやったら上手く捕まえられるかなぁ」

     身振り手振りでそう語る。僕は動く。セキは動かない。

    「骨多いけど、冬場になったら食べるものも少ないし、捕まえて帰ったらきっと皆も喜んでくれると思うんだよね」

     僕は笑う。セキは、そっと、微笑んでいる。

     隣で座り、眺める。僕ではない誰かに笑いかけているセキを見る。

    「……君たちは不思議だ」

     地面に転がる石を拾い上げて掴む。反対側の手で、セキの指先を握る。

    「どう触れてみても、セキ、君は石なのに」

     何故、君たちはこんなにも人の姿をしているのだろう。他の石を見てみろ、今僕がこうして握りしめた小石や、辺りに転がる大きな石、壁のような岩、どれも違いはあるけれど石だ。君も石だ。それなのに、他の石と君たちは随分と違うようだ。

     鹿の骨なら削れるけれど、石をこんなふうに削れるだなんて僕は聞いたことがないし、できるとも思えない。それにもしやり方があるんなら、どうして村の大人たちがそれを知らないのかも不思議だ。

    「セキたちがあちことに居ること、僕ら当たり前だと思ってる。でも、その当たり前に居るセキたち石の人のことを、僕ら何も知らないんだ」

     ねえ、セキ。もしも君に意識があって、動けないだけだとしたら、僕はどんなことをしても君を助けたいと思うんだ。きっと君は、動けもしない状態の君に心酔する僕のことなんか気持ちが悪くて仕方がないと怯えるかもしれないけれど、それでも僕は君の目が動き僕を見る日が、その口が開いて声を発する日がいつか来てはくれないだろうかと願ってやまないのだ。


     明くる日のことだ。同じ様に山の奥深く、セキの居る場所よりも更に奥へ赴いたら、熱が出た時に使う蔦草が沢山生えているのを見つけた。クズという名前のそれは、乾燥させた根を煮て飲むと身体が楽になるのだ。それに、誰かがお酒を飲みすぎて辛かった時に花をお茶として飲んだら元気になったという話を聞いたことがある。御前試合がすべて終わってからの宴会できっと役立つだろう。

     それにこの蔦自体も丈夫だから色んなことに使える。ひとまず花だけ摘んで、掘り起こすのに何か道具を持って出直そう。冬は寒くて身体を壊す人は多い、セキのおかげで良い場所を見つけたと喜んで僕は村に戻り。

    「兄ちゃん」

     皆から、異様なものを見る目で出迎えられた。

    「どうした? あっ、なぁ見てくれよこれ、とっても大きいクズを見つけたんだ。前に誰だったか忘れたけど、お酒飲んだあとの朝の気持ち悪さが大丈夫になったって話をしてただろ? 今からこの花を乾かしておけば、御前試合のあとの宴会に丁度いいと思って摘んできたんだ」

    「ねえ、今そんなことはどうでもいいよ、ねえ、兄ちゃん」

    「あとで改めて根っこも掘りに行ってくる、熱が出た時に要るもんな。お前もしょっちゅう冬は熱を」

    「兄ちゃん!」

     妹は泣きそうな顔をしている。多分、僕がこんな目で見られているから心配をしてくれているんだろう。良いやつだなぁ、お前は。

     大丈夫だよと言いたくて、僕は自分より少しだけ低いところにある妹の頭を撫でた。もっと小さかった気がしたんだけれど、いつの間にこんなに大きくなったんだろうなぁ、お前。

    「僕が変な奴だって言われたとしてもさ、今までだってそうだったろ?」

    「そうだけど、でも」

    「今更だよう、それならさあ。それに僕が変な奴だとしてもさ、一度だって皆に僕と同じ様に考えてくれってお願いしたことないし、皆のために、村のためにできることはちゃんと一緒にやってきたじゃない。僕、何か悪いことした?」

    「してない! 兄ちゃんはすぐあれこれ不思議だ不思議だってよく分からないこと言うけど、悪いことはしてない!」

    「じゃあ、いいじゃない。別に」

     僕ら兄妹の会話を遠巻きに聞いていた人たちは、ちょっと気まずい顔だったり、何か納得したような顔だったり、それぞれに何かを考えたんだろう、いつの間にやら散らばって居なくなっていた。二人を除いて。

    「ねえ」

     幼馴染が、僕を変な顔で見ている。妹が初めて浜辺に打ち上げられていたクラゲを見つけたときの顔にちょっと似ている、まったく理解が出来ないものを見て混乱している時の顔。

    「石の人に毎日会いに行ってるって、本当? 隣に座って、話しかけてるって」

     幼馴染の一歩後ろに立っている友人は、罪悪感いっぱいの表情で斜め下の地面を見つめている。きっと昨日、僕の後ろをこっそり追いかけてセキと一緒に居るところを見て、彼女にでも話したんだろう。

     そっか、こいつもびっくりしただろうな。僕のやってることが皆から見ておかしい事はわかってるけど、それを話した途端こんなに皆に広がって、こんなに皆が僕を気持ち悪いという目で見るようになるとまでは思わなかっただろうし。

     またあいつ変わったことしてるよ、って笑い話のつもりだったんだよな。わかってるよ、お前が俺のことを嫌いで一人ぼっちにさせようとしたんじゃないってことくらいは。

    「そうだよ。それが、どうしたの?」

    「意味わかんない、私たちと似ていてもあんなのただの石じゃない!」

    「本当にそう思う?」

     僕はそうは思わない。セキたち石の人は、たとえ石だとしても『ただの石』ではない筈だ。僕らが何も知らないだけで。

    「思うわよ! あんな気持ち悪い顔してる石がなんだって言うのよ!」

    「気持ち悪くない」

     確かに恐れていたり驚いていたりする表情は、決して見ていて安らげるものではないけれど、でも、もしも彼ら彼女ら、あの石の人がそんな表情を浮かべるような何かに出くわしたのだとしたら? もしもそうなら、僕は気持ち悪いだなんてバカにすることなんか出来ない。

    「石の人たちは、気持ちが悪い『物』なんかじゃない」

     セキと出会って、動く人である僕らも動かない人である石の人も等しく『人』だと思うようになってしまった。だって、どう見たって彼女の向かい側には誰かが居たんだ。あの笑みを浮かべるような相手が。

     それなら、他の石の人たちだって同じ筈だ。誰かが居た、何かがあった、なんで今は動かないのかは分からないけれど、石の人はきっと僕らが知らないだけで、きっと動いていた時があったのだ。

     幼馴染はさっと顔色を変え、僕を睨みつけてから走り去った。彼女と僕らを交互に見て戸惑う友人に追いかけろと手を振ったら、どこかバツが悪い顔のまま彼女を追いかけて走り出した。

    「こんな兄ちゃんじゃあ、お前を嫁にしたいって奴も減っちゃうかな」

    「こんな兄ちゃんが居ても私は私だから良いって言ってくれるような男の人じゃなきゃ嫌だから別にいいよ」

     にまっと笑って妹は僕の服の裾を掴むと、

    「ねえ、それより私もその石の人を見てみたい。連れてってよ」

     と小さい頃そのままにねだった。


     行くならばクズを一緒に掘り出すのを手伝ってほしいと妹に告げ、二人でもう一度山へと分け入る。その途中でセキの居る場所に案内をした。

     妹もセキの表情を見て言葉をなくしたようだった。目を見開き、じっと見つめたあと、そろそろと溜め息を吐く。

    「キレイな人だね」

     村の誰にも似てない、と妹が言う。僕も頷く。

     僕らは皆、親戚なのだそうだ。僕らの村を作った創始者さまが居て、僕らは皆その子供なのだという。こういうのを、血が繋がっているというらしい。

     そう考えると、石の人は僕らと血は繋がってないんだろうなと言ったら、妹には石の人に血って流れてるの? と言われてしまった。確かに。

     セキの上や周りに散らばっていた落ち葉を払い落としてから、僕らはもっと奥へ行き、二人でクズの根っこと蔦をいっぱいに抱えて帰る。相変わらず村の人は僕ら兄妹を変な顔をして見ていたけれど、妹ももう気にならないようだった。

    「ねえ、あの人ずっとあそこのままなの?」

    「いや。クズが見つからなかったら本当は今日、別の場所へ連れて行こうと思っていたんだ」

    「どこに?」

    「もっとキレイなものが見える場所」

     セキが何かを考えているのか、何かが見えているのか、それは僕には分からない。でも、もし見えているのだとしたら樹々ばかりの山の中の風景よりも、もっと変わり続ける景色が見える場所のほうが良いんじゃないかなと思うから。

    「当てようか?」

    「うん?」

    「川でしょ」

    「お前は本当に僕をよく分かっているね」

     まったくその通りだから恐れ入る。僕らは水の民、海と共に生きている。だけど僕は本当は、海より川の方が好きだった。海は大きくて広くて、それでいて美しく輝いていて、僕にはちょっと気後れしてしまう存在だった。流れが穏やかな河原で静かにきらめく水面を眺めている方がずっと安心する。

     僕の好きなものだから、セキにも見せたいのだ。

     河原なら私も会いに行けるから、頑張って下まで連れてきてねと妹が笑った。


     僕らにとって、石の人に興味を持つのは普通のことだった。あの実は美味しいんだろうかとか、あの生き物は僕らの敵になるだろうかとか、そういうのと同じで、あの石の人というのは何なのだろうかって思うのは当たり前のことだった。

     何故、こんなにも皆は僕らが石の人に興味を持つことを不思議だと思うのだろう。あんなに不思議なものを、どうして気にせずにいられるのだろう。僕らからしたら、その方がよっぽど不思議だった。

     多分、本当はその方が都合が良かったんだろう。巫女様の話を聞いたあとの僕はそう思っている。興味を持たれない方が、石の人にとっては安全な面もあるから。

     でもね、巫女様。僕は思うよ。どんなにお話を制限して、最低限の興味だけでいられるようにしたって、僕みたいな何でも不思議がって興味を持つ奴は絶対に居るんだって。そういう愚か者は、いつでも絶対に現れるのだと、僕は思うのだ。


     御前試合を明日に控えて、村の若い奴らはソワソワしている。皆、良いところを村の皆に見せたいのだ。優勝しなくたって、上手くいけば格好いいと女の子たちに思ってもらえたら結婚できるかもしれないから。

     僕はそんな皆から一歩引いて、一番のお気に入りの場所へやってきた。座りやすい大きな石がある、河原の木陰だ。

     セキ、君も気に入ってくれたらいいな。ここからの景色を。

     川の流れも、樹の囁きも、移り変わる空の色も、全部ここにはある。ぼんやりとここに座っていると、本当に気持ちが良いのだ。

     そして、それを教えてくれたのは。

    「セキエイ」

    「こんにちは、巫女様」

     小さい頃の、彼女だった。

    「あなたが石の人に取り憑かれたと、あの子に泣きつかれました」

    「はあ、そりゃご迷惑をおかけしまして」

    「それで?」

     にっこりと笑った巫女様は、ゆっくり首をかしげ、

    「あなた、石の人に取り憑かれちゃったの? セキエイ」

     僕にそう、問いかけた。

    「……なんだかなぁ」

     取り憑かれたってなんだろう。

    「まあ、惚れ込んでいるのは間違いないんでしょうけれどね」

     なんでそんなに僕が石の人に興味を持つのを否定するんだろう。好きなものを否定されるのはちょっとつらい。

    「石の人とは結婚も出来ないわよ?」

    「そりゃそうでしょうね。別に構いませんけれど」

    「あら、そうなの?」

    「だって動けない彼女からしたら、嫌だとも言えないのに。勝手に俺が結婚します彼女はお嫁さんですって言うのは失礼でしょう?」

     僕はセキを美しいと思っているけれど、彼女が僕を好いてくれているかなんて分からない。結婚なんてとんでもない、そんなのセキが可哀相だ。

    「それなら……ねえ、セキエイ、それならあの子を受け入れてあげたら良かったのに。あの子は、昔からずっと」

    「昔からずっと、僕はあの子を見ていない」

     小さい頃は妹を、今は石の人であるセキを、僕は見ている。彼女のことは、ずっと近くに居た幼馴染だと思っているけれど、特別な気持ちを抱いたことは一度だってないのだ。きっと、彼女自身がそれを分かっていると思う。

     例えば僕が見ているのが巫女様であったなら、彼女は納得したのだろう。けれど僕にとって大事で見つめているものが家族である妹だったり、石の人であるセキなものだから諦めきれない。いずれ気が変わるだろうって期待をして。

    「巫女様、教えて下さい。石の人は『石』ですか? それとも『人』ですか?」

     貴女ならば知りませんか。まだ僕の聞いたことのない百物語はそれを伝えてはいませんか。セキは、石の人は、一体何なのですか。

     巫女様の長い金色の髪が風に揺れる。セキに出会わなければ、僕にとって一番美しい存在はこの人だった。

    「石の人が石ならば、ただの人に似た石に惚れ込んでしまうような、頭のおかしい男などやめておけとあの子に言ってやってください。石の人が人ならば、振り向きもしない女に擦り寄り続けるような愚かな男などやめておけとあの子に言ってやってください。彼女が貴女の友人であるというのなら、僕なんかより自分を考えてくれている他の男にしておけと、どうか言ってやってください」

     静かな顔で僕を見つめていた巫女様は、ややあって小さく溜め息を吐いた。

    「わかりました」

     どこか寂しそうに、彼女は頷く。

    「セキエイ。私の初めての語りを聞いた人。拙い言葉に耳をきちんと傾けてくれた人。私、あなたに試合に出て欲しかった」

     ひどい人ね、と彼女が笑う。静かに、悲しげに。

    「気付いちゃったわ、あなたって私の話す内容の方が大事で、私自身のことはそこまでちゃんと見てくれてなかったのね」

    「一番美しいひとだとは思っていたよ」

    「ええ、でもそれだけ。私がどういう人で何を考えているのかっていうのは、別に興味なかったでしょう?」

     本当にひどい人だと彼女は笑う。今度は泣きそうに、けれど吹っ切れたように明るい表情をしていた。

    「こんな男はやめておくべきだと思わない?」

    「ええ、まったくその通りだわ!」

     目に涙が浮かんでいる。それでも彼女は泣かなかった。

    「セキエイ。私が一番語らった人。そんなあなたにもまだ話していないことを教えましょう」

     そうして巫女様は、

    「あれらは皆、人です」

     断言をした。


     あるところに人が居た。ところが不思議な光にあたると、人はたちまちに石になってしまった。光にあたったものは皆、石となってしまったが、石にならなかった人もいたので、我々の村は存在する。人の姿をした石を傷つけるなかれ、それらは人である。人の姿をした石に傾倒するなかれ、あれらは石である。近づかず、遠ざけず、あるがまま石の人と敬意を払え。


     巫女様の語りをまとめれば、おおよそこのような内容となるだろう。人が石になるだなんて、そんなことがあるのか? 僕らが知らない妖術がずっと昔には存在したのだろうか。

    「セキエイ、もとは人だったかもしれない石が彼らです。どうか、無体なことはなさりませんように」

    「あるがまま、というのは……もう、破ってしまったなぁ」

    「そうですね。それにすっかり傾倒もしている」

     石の人は元々は人だった。そうか、やっぱり石の人は元々は動く人だったのか。だから皆、光に驚いたり怯えた顔をしていたのか。それならセキは、その不思議な光を見ていないままだったのだろうか? だから、あんなに美しく笑みを浮かべたままでいたのだろうか。そうであればいい、セキ、君がどうか恐ろしいと思わないままで石となっていますように。

    「教えてくれてありがとう。ハリ」

     友人としての感謝を込めて、ずっと前からもう呼ばなくなっていた名前で礼を告げる。少しだけ驚いた顔をした巫女様は

    「ええ、どういたしまして」

     と、僕が見た中で一番きれいな笑顔を返した。


     御前試合は、優勝するだろうと思われていた奴が順当に勝ち上がって優勝した。彼は気の良い奴だし、巫女様の兄とも仲がいい。きっと二人で巫女様を守って暮らしていくことだろう。

     驚いたことに、なんと友人は準優勝を成し遂げた。運も味方したのだろうが、皆にとっても意外だったらしく宴では主役である筈の優勝者よりも囲まれていた。そうして酒の勢いで約束通り結婚してほしいあの幼馴染へ言ったそうだ。どうやら上位に入ったら結婚してもいい、と試合前にされた告白に対し返事をしたらしい。浮かれ上がって真っ赤になってたよ、とその場面を見ていたという妹が言っていた。彼らにも、どうか幸せになってもらいたいと思う。

     僕はといえば、重たいセキをなんとか傷つけないよう慎重に背負って、僕のとっておきの場所へと移動をさせた。

     あるがままにしろという約束をまた破ってしまったのは心苦しいが、あの山に居るよりずっとセキにとって良いと思うのだ。

     どういう意味があるのだろう、あるがままにしておけというのは。それなら、僕らが昔やったような、頭をくっつけておくようなことも駄目だったのだろうか。人であると知った今、僕らの行動が悪かったとは思えないのだけれど。

    「僕は間違っていたのかな、セキ」

     あるいは間違い続けているのかな。どうなんだろう。

    「樹に挟まれていた君は苦しいんじゃないかって思ったのもあるけれど、僕は君が見たいから樹から取り出した。山の中ばかりはつまらないだろうと思ったのもあるけれど、僕が美しいと思う景色を見せたいし何よりもっと気軽に君に会いに行きたいから連れ出した」

     隣に腰掛けて、顔を覗き込む。

    「セキ、君はどう思う?」

     何も答えない君は、ただ穏やかに笑っている。


     日々がすぎるにつれて、僕の愚かさは村の中ではすっかりおなじみのものとなっていた。石狂いのセキエイとか呼ばれているらしい。その通りだから別に良い。そんな僕でも村の役には立っているから、追い出されずに済んでいる。変な奴だけど手先が器用だから道具を直したいときはアイツに言え、って。ありがたい話だ。

    「兄ちゃん、なんか嫌な風になってきたよ」

     その日も鏃を作っていたら、外から飛び込んできた妹が開口一番でそう言った。

    「嵐が来るかも」

    「そりゃ大変だ、村長は何か言ってた?」

    「わかんない、会ってないから」

    「聞きに行こう、もしかしたら洞窟に皆で行くかもしれない」

     食べ物や使えそうな道具などをざっとまとめて二人で家を飛び出せば、広場には僕らと同じことを考えた村人たちが徐々に集まってきていた。年寄りが昔の大きな嵐の時と似ていると話していて、僕らは皆集まって避難することになった。

     その日、僕ら若い世代は初めて知った。空と海が怒り荒れ狂うとこんなにも恐ろしいことになるのだと。恐ろしさに震えながら、洞窟の中で僕らは――

    「セキは?」

     待ってくれ、そうだ、セキは? あの河原で、セキは座っている。この荒れ狂う空の下にセキが居る。

    「兄ちゃんどこ行こうとしてんのッ」

    「セキ! セキが!」

    「今出ていったら危ないって!」

    「離してくれっ、セキ、セキが危ない!」

    「兄ちゃん!」

     必死に掴んできた妹を振り払って、僕は洞窟から外へ出た。途端に風で飛ばされそうになるけれど、必死に堪えて川を目指す。この雨だ、この風だ、あの河原にセキが野ざらしで居る!

    「セキ、セキ……!」

     雨が全身を打ち付けて溺れそうだ。息苦しい、つらい、前が見えない、そんなことを思っている場合じゃない。ふらつきながら、転びそうになりながら、走れないから一歩一歩なんとか堪えて、セキの居る場所へ。

    「そ、んな」

     あの美しい川は、濁流となって氾濫し、セキが居た筈の場所すら覆い隠していた。そんな、まさか、セキ。

    「あ、ああ……」

     嘘だ、そんな、セキ、君はどこだ、君が腰掛けていた岩は、君に木漏れ日を与えていた樹は、いやだ、セキ、セキ。

    「セキ!」

     居た筈の方へ駆け出そうとした瞬間、僕の足がずるりと滑り

    「ひっ」

     ばしゃん、と僕は荒れる川の中へと落ちていた。

     自分の望む動きが取れない、身体がぐるぐると回され動かされ、頭がどこを向いているのかももうよく分からない。セキ、君もこんな風に流されたんだろうか。

     あるがままにしておけ、ああ、本当にその通りだったかもしれない。僕が君を河原に連れ出さなければ、樹の中で守られていれば、君はこんな濁流に流されることもなかっただろうに。ああ、けれどもしこの嵐で君が樹と共に倒れて砕けたならば、きっと僕は連れ出せばよかったと後悔したことだろう。

     セキ、君が僕と出会わなければきっと、君はまだこの地に佇んでいた。

     山よ、空よ、川よ。彼女を石にしたという光の持ち主よ。どうか、どうかセキだけは無事にどこかへ流れ着かせてくれ。欠けることなく、いつか動く人に戻れるかもしれない時まで、あの微笑みが失われないように。どうか、どうか。

    (ごめん、セキ)

     見つけてしまって、ごめんなさい。それでも僕は、




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    • そして男は居なくなり、(復興後if)復興後も一緒に暮らしてたのに、ある日ふらっと行方を眩ませるあさぎりの話。大丈夫です、ハッピーエンドです。
      pixivより転載、初出2020.10.29

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • Home,sweet home(現パロ)『その夏に出会った年上の男は親しげに別れを告げて夏の終りに行方をくらませた。あとに死体をひとつのこして』

      という感じの夏と洋館とハーブガーデンを舞台とした現パロです。
      上の通りなので、人は死ぬしゲンは関わってるしモブがとても目立ちます。バッドエンドにはなりませんのでご安心ください。
      pixivより転載。初出2021.8.10

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • そして男は居なくなり、(番外編) # 千ゲン結婚week にかこつけて、本編のあとの後日談を書きました。

      #dcst腐向け #千ゲン

      pixivより転載。初出2021.5.30
      桐人
    • そして男は居なくなり、(書き下ろしweb再録)再録本『そして男は居なくなり、』の書き下ろし等を公開します。
      お手にとって下さった皆さま、ありがとうございました。
      pixivより転載。初出2022.2.28
      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • 彼を見ている彼を見ている男性モブ視点の千ゲン。時間軸は宝島への出航まで。あさゲに惚れてしまった青年が失恋するまでのお話です。 #dcst腐向け #千ゲン

      pixivより転載。初出2021.5.11
      桐人
    • Twitterまとめ1Twitterに載せた小話たちのまとめ。千空さんあさぎりさん多め。
      この頃はまだ左右が決まってなかったのでどっちつかず感があります。
      #dcst腐向け

      pixivより転載。初出2020.8.17
      桐人
    • ハロウィン衣装コラボパロ話ハロウィン衣装コラボにときめいた末のパロ話です。何か物語が始まりそうですが、何も始まりません。 #dcst桐人
    • dcst小話集pixivに個別で載せていた短編類をまとめて掲載します。

      ・健やかなれ、科学の子(石神親子推しぎりゲンが科学少年を尊く思う話)
      ・星空の彼方に歌姫は居ない(唯一残った旧世界でヒトが作りし美を敵を欺くための道具に堕とすことを罪と感じる倫理観を持って地獄に落ちると評したあさぎりとその罪を肯定したにきちゃんの話)
      ・利己主義者のささやかな献身(あさぎりと献身について話す羽京さんの話)

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • Twitterまとめ3Twitterで載せた小話たちのまとめです。
      千ゲがメインですが、羽+ゲとかひとつだけクロルリもあります。
      pixivより転載。初出2021.5.5

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • いつか居た子は司さんを子ども扱いするあさぎりさんの話と、司さんを子ども扱いするあさぎりさんを子ども扱いする羽京さんの話。
      やや小説2巻のネタが入ってます。

      Twitterにて載せた二編のまとめ。

      初出2020.8.10、pixivより転載

      #dcst腐向け
      桐人
    • アンモライトは光り輝くフォロワーが『アンモライトの異形頭に見えるようになってしまった千kさん』という私の性癖ドストライクなネタをくれたので書きました。

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • title ofTwitterの企画タグ # 絶対に被ってはいけないバソプ千ゲン小説 で書いたもの。
      pixiv初出2021.3.12

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • Twitterまとめ4Twitterにのせていた短文まとめ。カプは千ゲのみですが、羽京さんがよく出ます。
      ひとつ140字から、長くても2800字程度まで。
      # イラスト投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる というタグや、フォロワーさんの短歌やイラストに寄せたss、診断メーカーのお題で書いた作品が含まれています。

      pixivより転載。初出2021.11.10

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • dcst小話集2pixivに個別で載せていた話をまとめました。
      誕生日ネタと、 # 千ゲ歌会 で詠んだ短歌ネタと、初期ぎりネタです。
      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • Twitterまとめ5Twitterに載せていた小話たちのまとめです。
      千ゲが基本ですが、金狼さんがホラーな目に合う話や司+ゲやコハ+ゲや羽+ゲや羽京さん夢風味や冷凍つかさんを想う千(not恋愛)や、とにかくごった煮です。
      pixivより転載。初出2022.2.21

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • Twitterまとめ2TwitterであげていたSSのまとめです。千ゲ多め。司+ゲとか羽+ゲとかもあります。
      pixivより転載。初出2020.12.4

      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • ラーメン食おうぜ!(現パロ)現パロ的な謎時空にて、石神親子とあさぎりが仲良くラーメンを食べに行く話。やや千ゲ。
      pixivより転載。初出2020.11.6
      #dcst腐向け #千ゲン
      桐人
    • 雨音のスキャット石世界で千空さんが目覚めるまでの3700年間で居たかもしれない名前も残らなかった誰かの物語を語ろう、という企画に寄せた作品です。
      左足がまともに動かせない少年とまともに話せないけれど大きな声が出せる子どもの物語

      pixivより転載。初出2022.3.26

      #周縁の人々ウェブ企画 #dcst
      桐人
    • Twitterまとめ6Twitterに載せていた小話たちのまとめです。
      dcst、CPとしての千ゲあるいはReSoの千ゲが中心

      初出2022/2/22~2022/6/6
      桐人
    • dcstホラー 小話まとめ # dcstホラー というタグでTwitterに載せた小話まとめ。
      pixivより転載、初出2020.8.21

      #dcst腐向け
      桐人
    • あの公園には手品師が居たとあるフォロワーへ寄稿したものとなります。
      時間軸は石化前。高校受験を控えた夢主が、公園で出会った『先輩』に勝手に憧れて勝手に失恋するタイプのお話。
      pixivより転載。初出2020.9.1

      #dcst夢 #あさぎりゲン
      桐人
    • それらすべては人間でした5/4 エピソード追加しました

      周縁の人々の概念。
      石像が元人間とは知らない、いつか居たかもしれない村の人の、真実を知ったら後悔しかない行動のお話。
      前に考えた『それらすべては人間でした』という短歌の下の句になぞらえた短編。

      思いついたら増えるかもしれない。 #dcst #周縁の人々
      桐人
    • ワレラ鳥獣ニアラズ(蛇と蝙蝠/異形パロ千ゲ)これは御前試合で八百長を誘うコマでデフォルメに書かれた蛇の千空さんが好きすぎて見えたオタクの幻覚による異形パロです。
      2024年1月インテで薄い本になりますが、全文ここに載せてます。
      桐人
    • I'm here学生時代にやってたサイトが消せないまま残っていることを発見したのでこの際、その時の晒してていこうと思います。

      2006年単行本発売当時に書いた『モブとして登場後に存在するのに居なかった食満と竹谷が「ずっと前から出ています」で再登場するまでの話』
      自分に名前すらないことやサザエさん時空でずっと1年が繰り返されていることをメタ視点で知ってしまった二人がいる、そういうやつです。
      今ほどキャラが固まってなかった時代かつ当時自分がハマっていた別のものの影響も見えるのでいま見ると微妙なところが良くわかる。
      ご笑納ください。

      パスは『ずっと前から出ています』の収録巻数です。
      桐人
    • Bonus Track(Home,sweet home再録本書き下ろし)以前再録本として発行した『Home,sweet home』の書き下ろし分をweb公開します。お手にとってくださった皆さまありがとうございました。桐人
    • ひびをおもう千ゲとひびの話桐人
    • 地に足のつく気球に乗る千空さんとあさぎりさんの話。桐人
    • 自分の特徴あげてもらってそれ全部封印したSS書くタグのやつタイトル通りのものです。 #dcst

      ↓封じられたもの一覧↓
      ・ゲが干空ちゃんはつくづくツラがいいなあと心から思ってる
      ・かっこいいゲ
      ・丁寧な背景描写
      ・周縁のひと
      ・いなくなるゲ
      ・プライド高いゲ

      ひとつめはアウト判定がでた話、ふたつめは同じ話にいつもの手癖を足した話、みっつめはアプローチを変えてリベンジして書いた話です。
      桐人
    • Twitterまとめ7TwitterにのせたSSまとめ。
      ~2022/11/27
      #dcst
      桐人
    • 指が踊るマッスルパスができるあさぎりさんが見たい!から書き始めた話桐人
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