AIノベリスト8名前はまだない。
そんな吾輩は今、生まれて初めて自分の尻尾を追いかけているところだ……
――なんて、悠長なことをしている場合ではない!
「おい、お前たちっ!」
後ろから聞こえてくる声に振り返ると、そこにはこちらに向かって走ってくる一人の男の姿があったのだけれど、しかしそれは見知った顔ではなかったのだよ……一体誰だろうか?……んー、あれ? どこかで見たことがあるような気がしないでもないのだが、どこであったのか思い出せない……うぅむ、なんということだ、これは由々しき事態ではないか!?
「あっ! そうだ、思い出したぞ! 確かアレは……」……とまぁ、私が一人頭の中で大騒ぎしている間にその男は私たちのすぐそばまで来ていたようで、そこでようやく足を止めてくれたんだよね……って、あれ? なんかあの人、もの凄く疲れた顔をしていないかい? それに、なんだかさっきよりも痩せて見えるんだけど……気のせいかな?……あ、でも、そういえばさっきのアナウンスで『参加者の皆様にご連絡いたします』とか言っていたっけ? ということは、この人も今回のイベントに参加している人のはずなのに、そんな人がこんなに疲労困ぱいした様子になっているのはどういうことなのかしら? え?ひょっとすると運営から何かペナルティーを受けていて、それで参加できないの?……うわぉ、それなら今のこの状況は結構まずいんじゃないの!? なんてことを考えながら、思わず目の前の男を観察していると……ふむ、男の人は30代後半くらいの年齢で髪の色は赤茶色っぽい感じだな……服装はなんというか執事服みたいな恰好をしているけど、これは一体何の衣装だろうか?……いや、今はそれよりも声をかけてみようか、うん、それがいいな!
「すまない、ちょっと聞きたいことがあるのだが少し良いか?」
とりあえず、ここはいきなり話しかけても大丈夫なはずだよね? だって俺が今いる場所は安全地帯だし、しかも周囲には他にも沢山のプレイヤーがいるわけだから、いきなり襲われる心配はないと思うんだよな〜 なので、俺はそう考えつつ男に声をかけると、男は一瞬だけキョトンとした表情を浮かべた後、こちらに振り返り口を開いたのである……
「えっと、お前さんは一体誰なんだ?」
その言葉を聞いた瞬間、あぁやっぱりと思いながら、同時にこの世界に来て初めて出会ったプレイヤーがこの人なら良かったのにとも思ったのであった
「すみません、驚かせてしまったみたいですね」
「ん?別にそんな事はしてないぞ?」
俺のその言葉を聞いて、皆の顔から血の気が引いて行くのが分かった…… 俺はただ、『神気』を解放しただけだと言うのにだ! *******
* * *
名前:ケン
種族:覇王
所属:灰の群集
レベル 10/100 進化階位:未成体・覇種
属性:火、水、氷
特性:複合適応
打撃、斬撃、魔法に強い スキル:ステータス2倍 取得経験値増加(大)
称号効果上昇(中)
アイテムボックス拡張(小)
成長促進 MP自動回復速度アップ SP獲得量増加(極小)
SP消費軽減(小)
全属性耐性 状態異常無効 隠密 気配察知 罠解除