すし、!吾輩は寿司である。名前はまだない
……というわけで、俺は今、回転寿司屋の中で働いているのだ!
「おい、何ボーっとしてんだ!」
「あ、はいすいません」
店長に怒鳴られて我に返る俺氏、名を山谷 広志(やまたに こうし)と言う、どこにでもいる普通のフリーターなのだが、今はなぜか回転寿司屋の店員をしている、しかもただのアルバイトではなく正社員待遇で、だ、なぜこうなったかといえば、それはほんの一時間ほど前のことだ――
「なぁ、お前今日暇?実はバイト頼める奴がいなくてさ、もしよかったら手伝ってくれないか?」
SCP-1134-JP-1から逃げるようにして出ようとした時だった、背後から店長らしき男がそう声をかけてきたのは……俺は思わず振り返り、男の顔を見つめてしまった
「あれ?俺の顔に何かついてるのか?」
「あ、いえ、すみません」
「いいって、それよりどうなんだ、忙しいなら無理にとは言わないが」
正直なところ、金欠で困っていたところにバイトの話が来たんだ、断る理由なんてなかったし、何よりあのSCP-1134-JPの中に戻る気にもならなかったからな…… ----
■■博士 インタビューログ1134-jp-4 インタビュアー
「ではまず最初に、貴方の名前を教えてください」
「鈴木です」
「本名ですね?」
「えぇ」
「年齢は?」
「54歳になりました」
「ご結婚は?」
「してません」
「お仕事は何をされているんですか」
「うーん、一応、飲食店で働いてます」
「寿司屋の店員さんなんですか」
「そうです」
「なぜ寿司屋を選んだのか聞いてもよろしいでしょうか」
「特に理由は無いですけど」
「ちなみに、このアルバイトを始めたきっかけは」「はい、私の息子がここで働いているからです」
「そうですか、息子さんが……え?」
SCP-1134-JPへのインタビューはこのように開始されました5 【録音開始】
インタビュアー: こんにちは、SCP-1134-JP(以下1134-jp)
貴方はこの店の店長をしているようですね?
「ああ、そうだよ」
1134-jp: 私は今年で五十歳になるのですが、最近腰を痛めてしまいましてね、そこでこの仕事なら続けられると思い