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    パン屋の密やか楽しみ 3パン屋と気になる人と高校生とあるパン屋の密やかな楽しみは、続くパン屋と高校生達と七夕パン屋と常連さんと怖いものモブ女こと、パン屋店員の紹介をちょろっと。
    ・名前は志乃(しの) レイ
    ・実は、ナナミンより若干年下(早生まれの為)
    ・前職 物販販売に勤めていた。仕事内容は好きだったのに、人間関係等々で色々あり退職。ズタボロな時に、今のパン屋のパンを食べたのがきっかけで勤め始める。でも、本当はパンよりもご飯派。
    ・結構頼まれたりしてしまうと断れないし、何より欲望に忠実。
    (報奨金欲しさとかとか)
    ・自分の幸せは、推しが幸せな事
    ・ナナミンの事は好きだが、お近付きになってとかは微塵もない。こうやって、時々話や遠目で眺めてるので十分。


    パン屋と気になる人と高校生久し振りに虎杖君と来店して貰いました!
    虎杖君すっごく書きやすいよ・・・・すげぇよ、このコミュ力の塊君は(?)




    四月はイースター。イエス・キリストの復活した日―復活祭であり、春の訪れを祝う日。まぁ、此方もハロウィンと一緒で近年知られるようになったイベントの一つな訳で。
    「イースターだと、卵形にしたクリームパンにチョコ掛けて、可愛くデコレーションするのが定番ですよね」
    珈琲缶片手に、スマホで検索結果を見せながら、店長からアイデアを強請られて、そう答えるしかないかなと。
    「あと、ウサギも諸説ありますが、豊穣と繁栄の象徴なのもあるらしいので、ウサギ形のクリームパンですかね? あーあと、エッグタルトも良いですねー」
    「ふむふむ」
    「とりあえず、店長。私アイデア出したから、お役目御免で良いですか?」
    「うーん、そうだね。いやーほんと、助かるよ! 志乃さん!!」
    「いーえ、報酬変わりに(お店で出せない焦げ付きすぎた)クロワッサン貰えたからおーけーでーす」
    午後休の合間に、珈琲缶飲んでる時に店長からイースターに向けてのアイデアをくれと泣き付かれたときはどうしようかも思ったけど、なんとかなったかな
    「ってか、私よりも職人さん達や他の人が一番アイデア出せたんじゃないですか?」
    「いやー皆イースターをよく分かってなかったからね・・・・・・だったら、志乃さんに相談した方が早いかなと思ってね」
    「はぁ、そんなもんですかね」
    一口珈琲を飲み込んで、チラッと時計を見る。まだ15分くらい残ってるから・・・・・・。
    「じゃあ、店長。すみません、仮眠しますね・・・・・・眠いです・・・・・・」
    「ああ、ごめんね。志乃さん。お休み」
    休憩時間の合間に、仮眠取るのを知ってるので、店長そそくさとスタッフルームから退出。そのまま私は、鞄を枕に打ち付けるように頭を乗っけて夢の世界へ旅立ちます~。



    今年のイースターは四月四日なので、それに併せて新作を試行錯誤繰り返して作られたイースター限定のウサギパン(中身クリームパン)とイースタエッグ(の形をしたチョコパン)を並べてルンルン気分。こういう季節パンは見てると、気分も上がるし楽しいねー!!!
    ちなみに、イースタエッグぽっく作ったパンはチョコでデコレーションしてて、可愛くアレンジしてる。これもなんやかんやで、皆でアイデア出して決めたアレンジな訳で。沢山の人に食べて貰えたらいいな。
    「イースターパン如何ですか~」
    余りの可愛さに、高校生ずに写真送ったんだよね。意外と伏黒君が食いついてきて、「兎はありますか?」と聞いてきた時は、思わず「可愛いな!!!」と叫んでしまったよ。
    ほんと、高校生ず皆可愛すぎませんか? あんな可愛い後輩を持ってる七海さん羨ましいなー。

    ーカランカランー

    「いらっしゃいませ」
    「こんにちは」
    はい、きたぁあああああああああああああああああああああああ!!!! 七海さん!!!! 今日も!!!! また!!!! 素敵な!!!! お姿と!!!! お声を!!!! ありがとう!!!! ございます!!!! 活力が得られます!!!!!!!!
    「ちわっす、レイさん」
    「虎杖君もいらっしゃいませー七海さんと二人で来るなんて、久しぶりだね」
    内心爆上げテンションでモダモダしてると、虎杖君もご来店! 相変わらず笑顔が眩しいです。そして、わんこめ!
    「前に教えて貰ったパン、二人からもお願いされってから、どうせならナナミンもどうかなって思ってさ」
    「そうだったのね! 今回は、私も頑張って案を出したから、自信作なんだよね。虎杖君達や七海さんの口に合えば良いんだけども」
    「それならば、安心ですね。アナタが薦めてくれるパンはどれも美味しいですから」
    ふぉおおおおおおおおお・・・・・・!!!! そう言って貰えるありがたいし、嬉しい!!! 嬉しすぎて泣きそう!! 虎杖君も全力で頷いてくれて、私マジで泣きそうなんだけども?! ってか、嬉しすぎてガクブルしてるけど??!!
    「レイさん、先生と会った時並にガクブルしてるけど」
    「感動し過ぎだから、大丈夫」
    「それ、大丈夫言うの??」
    「大丈夫! 鉄板を足に落としてる訳じゃないし! それに伴う大惨事も無いし」
    「それ、ほんと、大丈夫なの???!!!」
    そんな会話をしていると、肩を少し震わせて笑ってる七海さん。はっ、店の中でした・・・・・・!!!!
    「し、失礼しました! あ、今日のオススメはシンプルベスト! 明太子を挟んで、海苔もまぶしたパンです。では、ごゆっくりどうぞ~」
    いつものようにオススメパンを伝えて、私はそそくさ退散。嬉しいこと言われたから、もう気分はルンルン! 幸せだ! 
    そんなこんなで、虎杖君は伏黒君と釘崎さんとの分も選び終えてお会計。
    「今日は沢山買ってくれてありがとう。二人にも宜しく伝えてね」
    「応! あとで、パンの感想も送るよ!」
    「楽しみに待ってるよ。ありがとう御座いました! またお越しを」
    「ナナミン、外で待ってるね」と言って、虎杖君はお店の外に出て行った。そのまま流れるように、七海さんのお会計に。
    「いらっしゃいませ。では、お会計失礼しますね」
    「お願いします」
    いつもの通り、商品と点数読み上げてお会計。
    「そうだ。もし虎杖君と食べる予定があるなら、前にお昼食べたところの公園オススメですよ。あそこ、毎年綺麗に桜が咲いてるんですよ」
    「そうなんですね。では、後程、そちらに行ってみますね」
    「是非是非。特に、今日はいい天気だから、気持ちいいと思いますよ」
    「あの公園、よく行くんですか?」
    「天気が良いのと、気分転換に時々。やっぱり、ずっと店内にこもってると、煮詰まりますし。動き回ってて、頭パンクしちゃうんですよね」
    「確かに、アナタはいつもクルクル動いているイメージがありますね」
    「あ・・・・・・あっはははははは」
    袋詰めを終えて、今日も至福の時間はお終いです。ぐすん。
    「お待たせしました、お品物になります。ありがとうございました! また、ご来店下さい」
    「ええ、また来ますね」
    ぎゃああああああああああああああああ、ほんのり笑顔! ほんのり笑顔!! 笑顔ー!!!! レア表情、また頂きました!!!! ありがとうございます!!!!!!!! 今日一日、更に頑張れます!!!!!!!! ひゃっはははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!
    七海さんが退店して、外で待ってた虎杖君と合流していった。時間が合えば、そのまま二人でお花見しながらのお昼食べてくれたら嬉しいな。
    「さて、私も気合い注入して貰えたし、気張りますか!」

    その日の夜、虎杖君・伏黒君・釘崎さんとのグループメッセージに、三人からパンの感想を貰えた。
    特に、伏黒君はウサギのパンがお気に召してくれたみたい。なんか、伏黒君がウサギのパンをしみじみ見てて、なんか嬉しそうにしてる、めっちゃほっこりする写真添付されて、「ほっっっっんと可愛いな!!!!」とスマホ片手に叫んでました。
    君ら仲が良いね、ほんと。




    とあるパン屋の密やかな楽しみは、続く今回は、一旦一区切りとしてシリーズ最終回としております。
    あれから仲良くなって、お昼をともにした日々と少し昔のことを思い出してムカムカしてたらナナミン達に心配される話です。






    ・虎杖悠二との場合



    「「頂きます!!!!」」
    二人で手を合わせて、元気良く感謝の言葉を述べて食べる。
    私も虎杖君も、お昼はパン。お互い思い思いのパンを齧っている。暖かい日差しの中で食べるご飯は美味しいです!
    「ん~美味しい」
    「マジで、うまっ。レイさんが勧めてくれたやつ、本当にうまい!!!」
    「虎杖君の口にあって良かったよー。この枝豆とチーズパン、今週のオススメに推してたから良かった」
    「枝豆とチーズの相性って、最高だよなー」
    「ねー最高だよね。枝豆の炊き込みご飯とかも良いよね」
    「分かる。めっちゃ、うまいよな」
    「ってか、炊き込みご飯って一番至高って思うんだけども」
    「あぁああ~めっちゃ、分かる! ほんと分かる!!! 炊き込みご飯は、何作ってもうまいよな! 俺、鶏ごぼうが好きだな」
    「お! 虎杖君と好みが一緒だー。鶏ごぼう良いよね。噛みしめる度に、ごぼうと鶏肉の美味しさが出てくるからたまんないよね。おむすびにすると、更に美味しいよね」
    「レイさんと話してると、俺分かるしか言えなくなるな。同意しか出来ねぇ」
    「うん、私もびっくりする位に、虎杖君と話してると、時々分かるしか言えなくなるよ」
    二人で、そんな事話しながらもぐもぐとパンを消化してる。なんだろう、虎杖君と話してると・・・・・・。
    「私、高校生に戻った気分になるよ」
    「何、それ」
    「いやーなんかねー。そう錯覚する事があるのよ」
    二人で笑いながら、楽しいお昼の時間が過ぎていく。





    ・伏黒恵との場合




    「頂きます!」
    「・・・・・・頂きます」
    控え目な挨拶と共に、感謝の言葉を紡ぐとお昼を頂きますー!!!!
    今日も程よい気候で、外で食べるにはうってつけな日だった。

    今日は伏黒君が一人で来店されて、そのまま一緒にお昼食べることにしました。
    「伏黒君、引き止めてごめんね。おなか好いたよね?」
    「いえ、平気です。それにしても、これうまいですね」
    「うん? ベーコンエピ、気に入ってくれた。フランスパンのサクサクとベーコンの塩っけが、また美味しいよね」
    もぐもぐとベーコンエピを一つずつもぎって食べてる姿は、なんかハムスターに見えてくる。
    「伏黒君、飲み物も飲みながら食べてね。喉詰まるから。・・・・・・あと、ハムスターみたい」
    「・・・・・・」
    頷いてくれたけど、最後の一言が聞こえてしまい、ちょっと睨めてしまった。ごめん、ほんとそう見えちゃったんだもん。
    「俺をなんだと思ってるんですか」
    「いや、なんか、ね?」
    ちょっと不貞腐れたまま、パンを齧る伏黒君。いつも虎杖君と釘崎さんと見せる表情とは、ちょっと違う感じな雰囲気だなーとか思う。なんか、警戒心バリバリな猫ちゃんが気を許してくれた感じだな
    「ねぇ、伏黒君って、普段は猫ぽっいって言われない?」
    「は?」
    めっちゃ不機嫌そうな顔されてしまったし、ちょっとドスが聞いた声出たよ。君、元ヤンキー君かい?
    「・・・・・・レイさん、俺を本当に何だと思ってるんですか?」
    「えー・・・・・・いや、なんかね? あ、私も猫ぽっいとは言われるから、そうだったら一緒だね」
    「・・・・・・そうですね・・・・・・」
    なんか諦めた感が出てるけど、もぞもぞもぐもぐとパンを齧り続ける伏黒君だった。
    これで、またハムスターみたいに食べるねってまた言ったら、怒るよな~と思いながら、わたしも珈琲缶飲みながら、次に食べるパンを何にするか悩みながら、のんびりとしたお昼時間を過ごした。





    ・釘崎野薔薇との場合



    「頂きますー!」
    「頂きます!!」
    二人で感謝の言葉を述べて、お昼時間! そして、プチ女子会! いえーい!!
    「んん! 美味しい!」
    「んー美味しいねぇ。私もクロックムッシュ好きなんだよねー。特に、トマトとチーズ挟んだ奴とツナマヨのは好き~」
    「確かに、一番美味しいやつですね! しかも、出来立てにありつけるなんて」
    「タイミング良く、来てくれたからね。本当はあんまりしちゃいけないことだから、内緒ね?」
    「はい、私達だけの秘密ですね」
    顔合わせて、ふふと笑い合って、またパンを齧る。たまたま焼きたてのタイミングで来てくれたから、(クロックムッシュ食べるつもりだったようだから、)こっそり釘崎さんのトレーに載っけたんだよね。しかし、はーこんな美人さんとパンを食べるなんてな~至福ですわ。そう思うと、めっちゃめちゃニコニコしてしまうなーふふ。
    「今日は丁度いい気候だから、外で食べるのにはもってこいだよねー。はー・・・・・・もう、帰りたい」
    「レイさん、また連勤なんですか?」
    「連勤だよーでも、今日で終わりだからね。明日と明後日が連休になってる」
    若干遠い目して、連休をどう過ごそうか考えてると、少し考える素振りを見せていた釘崎さんが閃いたと言う顔をしている。
    「だったら! 明日、私と一緒にショッピングしませんか!!」
    「ふぁ? え、釘崎さんと?」
    「はい! 駄目ですか?」
    「いやー駄目じゃないけど、私、基本的にブラウスとかそういうシンプルな服装だよ? 釘崎さんの好みに合わないんじゃない?」
    「だったら! 私が見立てますよ! 逆に、レイさんも私の分、見立てて下さい」
    「えぇえ・・・・・・釘崎さんセンス良いと思うから心配無いけど、私壊滅的だよ? 大丈夫? 釘崎さん、ダサくなるよ?」
    「その時は、ちゃんと断りますから。お願いします!!!」
    ううーん、こんな可愛い子にお願いされるとは・・・・・・でも、大丈夫かなー。釘崎さん、そういう所は遠慮なく言ってくれそうだから大丈夫かな・・・・うーん。
    「・・・・・・分かった。釘崎さんの熱意に負けたよ、明日一緒に行こう」
    「やった!!! あ、荷物持ちに虎杖呼んどきますね!」
    「え、虎杖君巻き込むの?」
    「当然です!」
    そんなこんなで可愛い高校生とショッピングのお約束しちゃった。
    そんな麗らかなお昼休みは、楽しく過ぎていった。







    ・五条悟との場合



    「頂きます~」
    「・・・・・・イタダキマス・・・・・・」
    暖かい日差しの元、私は何故か五条さんとご飯を食べることになってます。やべぇ、ちょっとバイブレーション(並の震えが)が止まらないよ?
    七海さん、虎杖君、伏黒君、釘崎さん、誰か助けてぇえええええ!!!!!
    とてもとても良いお天気だから、日向ぼっこしながら「今日はこの後、売れるかなー」なんて思いながら、パンをもしゃってたんですよ。私。
    今日は七海さんも来店されないし、高校生ずは予定があるようで来れないみたいだから、音楽聴きながら食べてたのに・・・・・・気付いたら、目の前にイケメンさんが。思わず叫んだよね、私。マジで、こんな声出せるのレベルで、叫んだわ。その後、めちゃめちゃ爆笑してる五条さんに対して、半泣きで「なんで居るんですか?! 悪質なドッキリですか!」と言った、私ワルクナイ・・・・・・。で、なんか知らぬ間に隣に座られて、食べてるんですけど・・・・・・え、タスケテ、ほんと。
    あーどうしよう、ガクブルと身体の震えが止まらないんだけど。珈琲のペットボトルの中身、微妙に服に掛かりそうなんだが・・・・・・。
    「まだ、僕に慣れないわけ?」
    「何百回死んで転生しても無理だと思います。ってか、さっきの悪質ドッキリの反応見て、何故慣れたと思えるんですか?」
    ギッと睨みつけるように言うと、半ば呆れたように肩をすくめて、塩パンドーナツをお召し上がりなられてます。
    「あ、塩パンに甘い生クリーム挟んだお味どうですか? 塩パンのバターと塩っ辛さと生クリームの甘さで、なんと言えない味わいが美味しいと思いませんか? 普通の塩パンも美味しいですが、こういうのも良いですよね!!!」
    「そういう話するときは平気だよね~」
    美味しいし、この甘しょっぱさもいいねと言いながら、あっという間に平らげられました。その後は出るわ出るわの菓子パンオンパレード。どんだけ、甘いの好きなのこの人。
    「まぁ、時々僕も時間が合えば、君と交流を深めたいんだけどな?」
    「出来れば、一人の時じゃない時が良いです。私の心臓と服が持ちません」
    「面白いよねー君」
    と爆笑しながらパンを齧るイケメンさんには、本当に慣れそうにありません。

    後日、高校生ず三人がこの話を聞いたのか、五条さんに対して更に更に私の接近させないようにセコムが活発になる結果となった。まぁ・・・・・・うん、今回は擁護出来ないですね、五条さん。 





    ・七海健人との場合




    「頂きます」
    「頂きまっす!!!」
    めっちゃ良いお声とお姿が隣にいるぅうううううう!!! やっっば!!! まっじで、夢? 夢?? 夢なのか??? 夢だったら醒めないで!!! めっちゃ幸せ!!!!!!!!!!
    五条さんとは別の意味でガクブルしながら、パンをそれぞれ齧る暖かい日差しの中。今日はこの後ご予定が無いとの事で、偶々お昼もご一緒出来るからと言うことで! 一緒に!! お昼ご飯!!! 食べることになりました!!!! うへへへへいいいい!!!!! 本音と理性が相変わらず大暴走してるけども、今日もパンをもしゃります。めっちゃだらしない顔しそうになるのを堪えながら、幸せな気分だから、余計にパンが美味しい!!!!
    「美味しいですね」
    「ですね! 今日のエビとタマゴを混ぜ込んだパンをオススメしていたので、お口に合って良かったです! 片手で軽く食べられるのが良いですよね」
    そんな事を話しながら、この後めちゃくちゃ売れそうだなーとうっきうきになりながら、次のパンを齧る。うーん!!!!
    「うん、今日もパンが美味しい!!!!」
    「本当に美味しそうに食べますね」
    「美味しいと、自然に笑顔になるんですよね! それか、こう“幸せ~”って気持ちに溢れるかえって、ご飯がますます美味しいからつい」
    「良いことです。少しでも幸せと感じられるのは、一番だと思いますよ」
    そう言うと、小さく笑う七海さんを至近距離で見て、(今日命日かな?)と思ってしまった。
    (マジで、イケメンの微笑みとか破壊力抜群だわ)
    長く横顔を見つめていたせいか、七海さんに不審がられてしまった。
    「何か?」
    「あ、いえ、なんでも無いですよ。それより、最近はお仕事は山場を迎えた感じですか?」
    「・・・・・・ええ、なんとか」
    「うん、山場迎えてない感じてすね」
    少しの間からの返答で、なんか色々察した。まぁ、どんな仕事してるかは分からないけど証券系かな? とは思うけど。
    「年中何かと忙しい仕事をしているもので・・・・・・・・」
    「あー・・・・・・それはキッツいですね。気が休まらないですね」 
    「だから、こうやってパンを食べられる時だけが、仕事を忘れられる時間ですね」
    「あぁー分かります! 食べ物食べて幸せと感じてるときが、ほっっっんとうに幸せですよね!! そんな七海さんのお手伝いが出来てるなら、オススメのパンもっと沢山出さないとですね」
    「楽しみにしてますよ」
    と、表情は変わらずのままだけども、本当に楽しみにしてると気持ちが伝わって、つい嬉しくて「はい! 楽しみにしててくださいね!」と少し大声気味に答えてしまった。うるさいですよと怒られてしまった。でも、そんな風に思って貰えるのは販売員としては嬉しい限りだなーふふふ。
    「残り時間も頑張れそうです!」
    「それは良かったです」
    ドキドキな、でも嬉しいお昼休みはあっという間に終わってしまったけども、めっちゃ仕事が滾って店長も大喜びな日となった。





    「頂きます」
    手のひら合わせて、静かにもそもそ食べ始める。耳からはある程度音を絞った音楽が流れだす。
    今日は久々に一人でお昼を食べている。最近は誰かしらとご飯を食べていたから、本当に久しぶりだ。
    (あー・・・・・・ほんと、なんかこういうの久しぶり)
    もしゃもしゃと食べるパンは、なんと味気ないこと。味がする事は分かるし、何の食材が挟まってるのか、調味料使われてるのかとか分かるし、何を食べてるのかを認識はちゃんとしてる。ただ、その“何か”を食べているだけ。
    (好きな物を食べてるはずなのに、ただただ何かの味がする固形物食べてる感じ。柔らかいとか、分かってても、ただそれだけ)
    ウォークマンから流す好きなアーティストの音楽が、私はここに居るのだと。現実に居るのだと実感する。
    「はぁー・・・・・・ばっかみたい・・・・・・」
    伸びをしながら、そのまま青空を見る。前職の時は、ただ動くためだけにご飯を食べて、色々モヤモヤするから忘れるために寝て、午後に備えて・・・・全くお昼なんて楽しいものじゃなかった。
    (仕事の事は大変だったけど、楽しかった。ただ、人間関係が最悪だったな・・・・・・“あのお客さんは私が接客してたのに横取りした”とかとかと色々。でも、一番キツかったのは、“あんたのそんな接客じゃあ誰も買わないわよ”って言われたり、やってる途中で口出されて、そのままお客様取られたりしたのはねぇ・・・・・・あの時、お客様がめっちゃ心配して下さって泣きそうになっちゃったなぁ)
    持ってたパンをぎゅうと握ってしまい潰れる感覚が伝わる。
    (あぁ、あそこを辞めて二年も経つのに、未だに私の心に掬うのか。嫌な事が)
    更にパンを握りつぶしてしまいになる所に、誰かが手を触れてきた。びっくりして、空から目線を戻すと・・・・七海さん? と五条さん?
    「え・・・・・・え? え?? な、七海さんと五条さん?! え、えええ?! こ、こんにちは???!!!」
    慌ててイヤホンを耳から外して、パニックになりながら挨拶をすると、七海さんがめっちゃ難しい顔してますけども? Wイケメンさんが近くに居るし、私は本当に死ぬのかな???
    とか思ってたら、遠くから誰かの・・・・・・あれ?
    「虎杖君に、伏黒君、釘崎さん、あれ? ? え、こんにちは??」
    めっちゃハテナマーク浮かべてたら、高校生ずが「レイさん大丈夫?」とか「何か変なことなかった?!」とかとか言われて何がなんだか。
    「え、えぇええと?? とりあえず、私は大丈夫だよ? あ、ちょっと考え事してパン握りつぶしちゃったけど・・・・・・あぁあああ、コッペパンが悲惨なことに!」
    今更ながら食べてたコッペパン(中身はツナマヨ)が、ひしゃげてる! ツナマヨが飛び出しちゃってる!!
    そう思ってると、七海さんに手を握られてた事に気付いて、びっしりと固まってしまった。ひぎゃあああああああああああ、イケメンさんにめっちゃ手をふれられてるぅうううう!!!!!!!
    「なななななな、七海さん?! あ、目の色綺麗ですね! じゃなくて、て、手が汚れますよ!!!! 手、とても逞しい手をされてますね!!!! つーか、めっちゃ距離近っ!!!!」
    色々キャパオーバー気味で、五条さんに対する反応と同じ風になってしまった。そういうと、なんか安心したって雰囲気出されて手が離されました。とりあえず、私・・・・・・。
    「生きてる?」
    「大丈夫ですよ、生きてますよ」
    と若干呆れ気味に、伏黒君が肯定してくれた。うん、今日ほど君のクールさに感謝しかないよ。
    「えっと、皆さん勢ぞろいですが、どうされました?」
    「僕と七海は、丁度一緒に居てね。ちょっと深刻そうな雰囲気出してた君を見つけて近寄ったわけ」
    「俺達も丁度三人でパン買ったから、レイさんの所に向かってた所だったんだ」
    「で、先生の姿も見えたから、急いで来たんですよ」
    「また五条先生が、レイさんに迷惑かけてるんじゃないかと思って」
    「あー・・・・・・そうだったのね。ありがとうね、三人とも」
    「だから、僕の扱いだけ酷くない?」
    「自業自得だと思いますが? 前の話を聞いた限りだと」
    呆れたように眼鏡の縁を上げる七海さん。相変わらず様になってます、素敵です・・・・・・じゃなくて! 慌てて、鞄からウエットティッシュを出して汚れてない手で七海さんの手を・・・・・・恐れ多くも! 拭かせて頂きます!! うぉおお、めっちゃ指長いし綺麗だ。わー私指短いから、めっちゃ羨ましい。
    「すみません、ツナマヨが凄く掛かってしまって!!!」
    「いえ、それは構いませんが・・・・いつものアナタらしくなくて心配しましたが、本当に大丈夫ですか?」
    「あー・・・・・・はい・・・・・・大丈夫です」
    少し間が出来たのは、さっきまでぐるぐる考えてしまった事を思い出してしまったから。
    「一人でご飯食べるのが久しぶり過ぎて、ぼーとしてたから、前職で勤めてた時のことを思い出しちゃったんですよね。色々考えてイラッとしましたけども・・・・・・」
    まだ何か言い合ってる高校生ずと五条さん見て、七海さん見て笑う。
    「皆さんに会えたら、そんなの思い出しててもしょうがないと思えました」
    「そうですか」
    「はい。それに、過去を思い出してグチャグチャするよりも、今を見つめて、それでこうすれば良かったて思いながら進んでいく方が良いと思うんです。後悔も過ぎれば毒ですし」
    とかなんか言いながら、パン握りつぶしてる馬鹿が言う台詞かと心の中で思うけどね。
    「とりあえず、悲惨な姿なコッペパンを供養するためにも食べてしまうのですが、七海さんはお昼食べられましたか?」
    「あぁ、実はこれから食べようかと言う話をしていたので」
    「でしたら、私まだ時間あるので、一緒に食べませんか? 高校生ず達も食べようと持ってきてくれたみたいですし」
    「三人ともーご飯食べるんでしょ、早く食べようよ」と声をかけると三人ともめっっちゃ嬉しそうに笑ってこっちに来てくれた。いやー可愛いな、この子達!
    「七海さんも五条さんも一緒に食べるなら、お待ちしてますから買ってきて下さいな」
    「七海さんは大丈夫として、先生時間かかるからなる早でね」
    「あと、レイさんの半径十メートルは近付かないで下さい」
    「レイさんがゆっくり飯食えなくなるから、それは厳守だよ! 先生!」
    「だから、僕だけ扱い酷いよね?!」
    「はぁ。早く買いに行きますよ、五条さん。レイさんの貴重な時間を無駄にするわけには行きません」
    「七海、お前も酷い!」
    そんなやりとり見ながら、私はさっきまで考えてた嫌なことが吹き飛んだ。単純と言われればそうだけども、縁があって知り合った人達と共に笑えるなら、それでいいよね。
    (何より、美味しくご飯が食べられるのは一番だ)

    今日も私の密やかな楽しみは続くのだ。








    ・あとがき

    去年、「誕プレで夢小説書いて!」と言われて始まった当シリーズ。
    なんだかんやで、結構数を書く事になりましてびっくりしました。
    色々な方に読んで頂きありがとうございました、コメントやいいねも沢山頂けるとは夢にも思わずびっくりしたの懐かしいですw
    また気が向いたら、何かしら書くかも知れませんが、このシリーズに関しては一度筆を置かせて頂きます。
    また、このジャンルでお会いできればと思います。
    このシリーズをお読みいただいてありがとうございました!!!





    パン屋と高校生達と七夕今回は、七月誕生日だったリア友の為に書きました。七夕イベントで、お手伝いしてくれる高校生ずの話。
    ナナミン不在だけど! そして、遅くなってごめんね!!
    ※最初にリクエストしてきたリア友とは別の子です※







    「いらっしゃいませー! 本日限定で可愛らしい動物パンセット如何ですかー?」
    本日はお日柄も良く、天の川も綺麗に見える青空の下。暑いと思いながらも、笑顔全開で呼び込みです!
    「いらっしゃいませー」
    と、その横で元気良く声出ししてくれる虎杖君。最初はぎこちなかったけど、
    だいぶ良くなってきてるなー。
    (やっぱり、接客系向いてるんじなかいかなー)
    なんで、虎杖君がここに居るのかと言うと話は数日前に遡る。

    「七夕イベントですか。良いですね、子供達も喜びそうですし、こういうイベントのパンは喜ばれますもんね」
    「一つは、彦星と織り姫のクッキーに。で、他は動物を象ったパンをセットにしようかなと思うんだよね」
    「動物って言っても、何にする予定で? あんまり数増やすと、職人さんパンクしません?」
    「職人さん達の方は大丈夫! 七夕だから牛は絶対だよね。まぁ、動物セットみたいにする予定だから適当にかな。ただねぇ、一つ困りごとが・・・・・・」
    「売り子が足りないんですよね?」
    今日は相談事があるとの事で、バックヤードでお昼を食べていた私。一応、七夕と言うイベント控えてるから色々打ち合わせも兼ねていた訳なんだけども・・・・・・これは、めちゃくちゃ困った内容だな。
    「店内の方は、なんとか回るんだけどね・・・・・・。イベント販売って形だから、そっちの方固定で休憩とか回したいと思ってるんだが」
    店長も、うーんと頭を悩ませる。イベントはイベント、通常は通常で回すスタッフを分けておけばイレギュラーな事以外は何かと対応出来るし、休憩とか回しやすいからなーと思いながら、ペットボトルのブラック珈琲飲む。
    「最悪、私が一人でイベント側の方やりますよ? 休憩も最後の方で良いですし」
    「いや、そうは言ってもね・・・・・・殆ど一人で業務を任せる形になるから、それは出来ないよ」
    「袋詰めされてる物を、レジ袋に入れたりするだけですし、お会計もその場会計なら現金のみだから大丈夫ですよ。クレジットやQR決済あると、ちょっと手間が増えるだけの話ですし」
    「それでも、沢山の人が来たら捌ききれないだろ? 毎年賑わってるイベントなんだから」
    「そうなんですが、そうも言ってられ無いじゃないですか」
    「まぁ、どうしてもそうなっちゃうからね。・・・・・・そこでね、君に頼みたいことが」




    店長に相談を受けた翌日、私は高校生ずとお昼を食べていたので、店長に持ち掛けられた話をしていた。
    「・・・・・・と言う訳なんだけども、もし七月七日が予定が無ければ、君達の誰かでも良いから、一日だけのアルバイトして欲しいんだ。勿論、お給料出すし、交通費も出すんだけども・・・・・・どうかな?」
    三人とも、ちょっと渋い顔をしている。まぁ、そうだよねーこんな事頼むのってどうかと思うし、普通にね。
    「うん、やっぱり迷惑だよね。学校もバイト禁止にしてたりすらだろうし、いくら会計は私がするにしてもある意味接客しなきゃだからね。この話は忘れていいよ」
    「あーいや、迷惑じゃないし、レイさんのお手伝い出来るならやりたいんだけど」
    「私達、三人ともそういうのやったこと無いから大丈夫かなと色々」
    「決して、迷惑とか思ってませんから」
    「そう? ・・・・・・なら、ありがとね」
    まだ返事は貰わなくて良いとは言われてるし、ゆっくり考えて貰えたら良いかなとか思ってたら。
    「何々~? レイさんとこの手伝いさせるの~?」
    いきなり目の前にイケメンさんが現れて、この世のものとは思えない叫び声を再び上げることになりましたマル
    (この後、伏黒君と釘崎さんに怒られてました五条さん)

    一悶着ありつつも、七夕イベント 一日のみのアルバイトの件を、改めて五条さんに伝えて学校側としてはどうかという意見を聞くと、「その辺は大丈夫だよー。あとは、三人の予定次第だよ」とあっさりオーケー出してもらえた。
    「まぁ、最悪一週間前までに出来るか教えて貰えれば助かるから、それまで考えておいて。嫌だったら辞退してくれて大丈夫だからね? あ、やば、時間が!!!! それじゃあ、宜しくね!!」
    と伝えて、慌てて残りを食べてお店にダッシュで戻る事に。

    そんなこんななやりとりが合って、前々日に三人からオーケーとの連絡が入り、前日にちょっと研修をしようと言うことになり、いつもお昼食べる公園で打ち合わせ。本当はお店で出来たら良かったんだけども、流石に控え室で出来るものじゃないからね・・・・・・。
    「と言うわけで、三人とも来てくれるとの事だから、接客用語を言えるようになろうね」
    三人とも「?」を浮かべるので、軽く説明。
    「よくお店に行くと、言われる言葉あるよね?“いらっしゃいませ”って。それをね、言えるようになって欲しいの。勿論、それ以外にも」
    「言えるように?」
    「そ。接客販売やった事ないとね、どうやっても声なんて出せないの。別に大声出す訳じゃないけど、意識して出せるもんじゃないからね」
    「なるほど」
    「ひとまず、“いらっしゃいませ”と“ありがとうございました”を、本番で言えるようにね」
    「難しそう」
    「こういうのって意識すると難しいからね。だから、今日は練習。私の後に続いて言ってみてね・・・・・・“いらっしゃいませ”」

    ちょっとだけ練習して、本番当日。
    お店の準備とかは、私達本来のスタッフが済ませてからなので、その一時間後に高校生ずが来る予定だ。
    「えーと、レジも釣り銭もテーブル上のセッティングも完了! あとは、品物を置けばおーけーかな」
    「「「レイさん、おはようございます」」」
    「あ、おはようございます。今日一日宜しくね」
    高校生ず達が来たので、最初の役割分担ー。
    「まず、最初は虎杖君は私と一緒にレジ内ね。釘崎さんは誘導と伏黒君は列整理お願いします」
    釘崎さんに案内用のプラカードを渡しつつ、一通りの流れと諸注意伝える。
    「あとは、何かあれば私やお店の人をすぐ呼んでね。三人は交代しながら、レジ内と列整理と誘導して貰うからね。あ、そうそう! 暑いから適度に水分補給しに来ることは絶対で。それじゃあ、改めて宜しくお願いします」
    「「「宜しくお願いします!!!」」」

    イベント始まりまで、残り一時間。今日も頑張りましょうか。

     


    「七夕限定セットの方は、此方の列に並んで下さいー」
    「店の利用なら並ばすに、此方にどうぞ」
    「いらっしゃいませー!」
    三者三様、短い間の練習だったけどもいい感じに声出しも出来てるから嬉しいなと思いながら、私の目と口元と手元はめちゃくちゃ忙しかった。
    「七夕セット 四つですね、ありがとうございます。合計で・・・・・・」
    レジ打ちながら、合計金額読み上げて、お金預かってレジ打って、お釣りまたはレシートを渡したりしながら一言二言会話する。また続けてレジ打つの繰り返し。
    「ありがとうございました、またお越し下さいませ! お待たせしました、いらっしゃいませ」
    今日は袋詰めされてる商品ばっかりだからマスク無しで接客だから、口元は微笑みを絶やさないように気をつけてる。喋りすぎて、喉が乾燥してきた・・・・・・うう、まだお客様途切れないからきっついな。

    そんな事を考えながらも、時々常連さんも来てくれるので、これまた話しながらの対応せざる得ない所も。
    「志乃ちゃん、今日はこっちなの?」
    「そうなんですよ。イベント担当させて貰ってます! 今日は可愛らしい七夕に関連したパンとクッキーのセット販売なので、お孫さんにどうですか?」
    「あらまぁ、可愛らしい。じゃあ、一つ頂いていくよ。あ、中の商品とお会計大丈夫かしら?」
    「ありがとうございます! 大丈夫ですよ、このまま持っていてお会計して下さいね。あと、今日は食パンお買い得日ですから、良かったら見てみて下さいね」
    「そうさせて貰うよ。ありがとうね」
    常連さんのお婆様にオススメし終えて、やっと一息・・・・・・。
    「しゃ・・・・・・喋り疲れた」

    テーブル下に置いてあったスポドリを飲んで、少しだけ休憩。隣に立つ、伏黒君もお疲れ気味だ。
    「お疲れ様です、レイさん」
    「伏黒君もお疲れ様ー・・・・・・水分補給、大丈夫?」
    「さっき、少し取らせて貰いましたから・・・・・・でも、レイさん凄いですね」
    「え、何が?」
    「だって、お会計こなしながら、色々話してたから」
    「あーそうだねー。私ね、前職が、物販販売だったからねー。喋りながらレジ打たなきゃならないときも合ったから、慣れてる部分もあるんだ。それに、ここに来る人たち良い人達だから、ついつい喋っちゃうんだよね」
    苦笑しながら、立ち上がる。
    「私の接客は、まだまだ試行錯誤してる途中だから完璧じゃない。お客様に楽しくお買い物して貰うためには、まだまだだからね!」
    「そうなんですか・・・・・・やっぱり、レイさんは凄いですよ」
    「何処か凄いか分からないけど、ありがとう?」
    そんな話しながら、用意されてたセットの数が残り少なくなってきたので、虎杖君と釘崎さんに戻ってきて貰って四人で追い込みをかけることに。
    レジ周りがめっちゃ忙しい事になったけども、準備してたものが全部完売した!
    「はぁ・・・・・・完売したね」
    「お疲れ様、レイさん」
    「皆もお疲れ様。少しだけ休憩してて。私は撤収作業しても構わないか聞いてくるから。あと、お客様来たら、お店に案内して上げてね」
    それだけ伝えると、酸欠気味な頭で何をするかのタスクを組み立てて、フラフラ~としながら店内に戻る。

    撤収作業して構わないことと、撤収作業完了後は私も上がって良いとの事だったので四人で片付けして諸々終了!!!!
    ひとまず、いつもお昼を食べる公園に行き、頑張ってくれた高校生ずに私からもお礼をすることに。
    「三人ともお疲れさまでした、アイスと飲み物買ってきたよ~好きなのどーぞ」
    「わあ、レイさんあざまっす!!!!」
    「やった、アイス! レイさんありがとうございます!」
    「ありがとうございます」
    高校生ず達と楽しくアイス食べていたら、また五条さんが予告無く私の前に現れて、また三人から怒られると言う一悶着は合ったけども・・・・・・。
    「だからさーいい加減、僕に慣れて欲しいんだけど!!!!」
    「無理です! 無理です!! ほんと、無理です!!!」
    虎杖君に抱きつきながら、半泣きで叫ぶ私。そんな私を「よしよし」と頭を撫でてくれる虎杖君の優しさ、マジプライスレス。
    「ちょ、虎杖君! ずるい!」
    「いや、ずるくないだろ?!」
    「ずるいだろ」
    「なんで?!」
    大変だった七夕のイベントは、忙しくもあり騒がしくもあり楽しく終えられた。






    パン屋と常連さんと怖いもの某ウィルスの予防接種の一~二回目を受ける時期になった時に、「注射が刺されるまでの間が嫌だ」と話してた時に浮かんだ話です。
    マジで刺されるまでの間が嫌なんですね・・・・私。゚(゚´Д`゚)゚。
    それを代弁していただきました。
    そして、終わりのやっつけ感よ・・・・orz
    あと、ゲームの元ネタは「ソウルサクリファイス」&「ソウルサクリファイス デルタ」より









    秋を吹っ飛ばした冬な感じになって、秋の服装にすべきなのか冬の服装にすべきなのか迷う日々。今、私は嫌なぁ事が控えてて頭を抱えている。
    「はああああぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・ほっっんと嫌だなぁー・・・・・・・・」
    暖かい珈琲のボトル缶を冷ましながら、出先で買ったパンをもしゃり。秋はサツマイモやカボチャや栗、キノコの物が美味しい時期。特に、サツマイモとカボチャとキノコの類のパンは、大好きだから選ぶ頻度が増える。今はナン生地にしめじマイタケに、チーズ載っけたピザバンをもしゃもしゃと齧っていた。あ、今日はお休みだから、敵情視察も兼ねたパン屋巡りもしてる・・・・・・・・っても、まぁ、他にも本屋とゲーム屋とCDショップ行ったから、敵情視察って言うもんじゃないけどね。丁度いつもの公園の近くを通ったので、一休みも兼ねて買ったパンを食べてたわけで。うーん美味しい!!!!
    もぐもぐとパンを食べきり、珈琲で口を潤して、次は何を食べようかなと思いながら袋をがさがさしてると影が差して・・・・・・・・。
    「こんにちは、志乃さん」
    「? ふぁ! こ、こここここんにちはああああ???!!!」
    あれー? 白昼夢?? なーんでーこーこーに、七海さんいらっしゃるのかしら??? あ、今日も素敵ですね! スーツも髪型も何もかもびっしり決まってますね! そして! いつも通り!! 格好いいですね!!! お声も!!!! 素敵です!!!!! もー神様仏様ありがとう御座います!!!!(?) そして、挨拶返した私偉い!!!!(??)
    パンくずを軽くはたいてから、七海さんが座れるように少しベンチをずれる。すると、七海さん一言。「失礼」って隣座られたああああああ!!!! よくよく考えたら、自然な流れで隣あけたけど、ちょ、私・・・・・・・・この後生きてられる????
    「今日はお休みだと、店長さんから伺いましたが?」
    「へ? ああ、はい。休みです。めっちゃ休みです!! 色々買い物したり、敵情視察って名前のパン屋巡りもしてたんです」
    と言ってもパン屋だけじゃないんですけどねーと笑いながら、次に食べようと思ってたパンを七海さんに差し出す。
    「良かったら、お一つ如何ですか? これ、コンビニ内で焼いて作ってるやつなんですよ。さっき焼きたて合ったから」
    「ですが、貴女の分が」
    「ふっふふー。実は二つ買ってるのです! 焼きたてに釣られて、つい。少し冷めちゃってますが、美味しいのは保証いたしますので!! ・・・・・・・・あ、もしかして苦手なのとかアレルギーになるものありましたか?」
    「いえ、大丈夫ですよ。・・・・・・・・では、ありがたく頂きます」
    「はい、どうぞー。では、私も。いただきまーす」
    七海さんにお手拭きも渡して、包まれてるビニールから食パンを少し出して、思いっきり齧る。まずは、食パン本来の味を味わう。あー耳まで柔らかい食パンで、柔らかすぎ堅すぎない食パンの程よい食感! たまらん!! その後に続く仄かに香るバターとマヨネーズと切り刻んだベーコンの匂いが食欲をそそる。食パンの何も具材無いところをある程度食べたら、次は蒸し目玉焼き(塩胡椒の簡単味付け)とマヨネーズとベーコンのゾーンに。目玉焼きは、その日作られた加減で、ちょっと半熟だったりほぼ固めの黄身だったりするんだけど・・・・・・・・今日は固めの黄身! 固めの黄身が好きな私にはたまらん!! 丁度黄身とベーコンと白身、マヨネーズ、アクセントのパセリが良い塩梅の所を齧ったみたいで、パンの美味しさとか諸々が口に広がる。熱々じゃなく、ほんのり暖かい所がまたミソだと思うのよね。もう、本当に。
    「んんー美味しいー。幸せ」
    「本当に幸せそうだ」
    ・・・・・・・・普通に、隣に七海さんいらっしゃるの忘れてた・・・・・・・・。そ、それくらい、このパン美味しいんだもん!!!
    「で、出来立てだったから、余計に美味しいのもありますから! 七海さんも食べてみれば分かりますからね!!」
    恥ずかしい思いが勝って、アワアワ言うてたら笑われたよ・・・・・・・・うう。
    と、まぁモソモソ二人でパンを食べてたら、七海さんから言われた一言に頭抱えた。
    「そう言えば、何か悩まれた様子でしたが?」
    「むぐっ?!」
    ちょっとパン喉に詰まらせかけたけど、まぁうんとりあえず大丈夫。それよりも、私は七海さんがあの事を覚えてるのがなぁ・・・・・・・・あぁああああ(遠い目)
    「もしかして、また前のような」
    「違います! 違います!! 本当に、本当に、ほっっんとたいした事じゃないんです!!! ・・・・・・・・お恥ずかしい話なんですけどね」
    前に嫌なことを思い出してしまったが合ったからなぁーそういう意味で恥ずかしい!!! だから、ちゃんと話さざる得ないかー。
    「実は、今度の休みに予防接種を受けることになりまして。正直な話、注射怖いんですよ・・・・・・・・。刺されてしまったら、それはそれで良いんですけども、その直前までが怖くて。だから、嫌だなーと思ってまして」
    苦笑しながら、パンの入ってるビニールを少し弄る。

    そう、注射。アルコール消毒されてから、指す場所(多分血管とか探してなんだろうけど)の間が嫌なのだ。こう、いつ刺されるか分からない時間ってやつ。刺されたら刺されたで(ひぃいい)とか思うだけで良いんだけども、やっぱり刺される前後が嫌なのだ。あの、何とも言えない間・・・・・・・・!!!!
    「アレルギー体質でも無いので、受けるなら受けないと~とは思うんですが・・・・・・・・つい、踏ん切りが・・・・・・・・」
    「そうだったんですね」
    うぅうう怖い物は怖いと言うか、苦手な物は苦手だからしょうがないけど!! 恥ずかしいなぁ・・・・・・・・しかも、めっっっっっちゃ好みの人で、常連さんに・・・・・・・・。
    つーか、私、常連さん達とめっちゃ交流してんな・・・・・・・・え、これ、普通に良いのかしら? 一店員としてどーなの? 贔屓してる訳じゃないけど、それはいいのか?? と、脳内会議を開催してしまった。今更ながら、私距離感バグりすぎだよね。五条先生の事言えないよね???? そんな事をぐるぐる考えていた所。七海さんが食していたコンビニパンを食べ終えたようで、ビニールを片付けていた。
    「あ、ゴミ貰いますよ!」
    「いえ、此方で捨てておきますよ。・・・・・・・・確かに、怖い物は怖いですね」
    七海さんは軽く頷いて、顎に手を当てて考える。わーめっちゃ考え込む姿も様になるなぁ・・・・・・・・格好いいな、こんな至近距離で拝めるなんて・・・・・・・・!!!! もう、これだけで明日からも仕事頑張れちゃう! もう、また売上作り上げちゃうって感じだなー。今度、店長に、時給値上げ交渉しようかしら。
    「その予防接種は、何時なんです?」
    「え、ああ。えっと、今週の金曜日ですね」
    蛇な事を考えてたから、少し間抜けな返答してしまった。脳内でスケジュール照らし合わせると、確かそうだったよなあーと思い出すと、若干げんなりする・・・・・・・・。それを聞くと、七海さんは何を思ったのか、え。
    「ナニヲサレテルノデスカ、ナナミサン」
    片言になった私、悪くない!!!! だって! 七海さんが!! 何故か!!! 私の頭を!!!! 撫でてらっしゃるから!!!!! なんで!!!!! めっっちゃ嬉しいですけどね!!!!!!
    「こうすれば、恐怖が薄れるかと思いまして」
    めっっちゃ純度100%の好意ですね! ありがとうございます!!!
    めちゃくちゃ心臓バクバク言い過ぎて、某ゲームのように心臓生贄にしてエクスカリバー発動しちゃうよ!!! ちなみに、私の好きな禁術はサラマンダーとグレイプニルだけどね!!!(?)
    ゲームの禁術発動しそうな勢いだったけども、人に頭撫でられるのは嫌いじゃない。私自身撫でたり、撫でるの好きだからなぁー・・・・・・・・まさか、こんなイケメンさんにされるとは思わなかったけどね!!!
    その日の売上は最高潮だった事と、翌週に受けた注射は思ったより怖いと感じないまま終わったことは確かだった。
    気分屋。 Link Message Mute
    2022/08/25 12:42:55

    パン屋の密やか楽しみ 3

    ※pixivより再掲載※
    pixivで掲載していた作品です。
    当日リア友誕プレで書かせていただいたもので、楽しくなって何話か書いたシリーズ。
    初+未知数ジャンルだったので、「これ夢小説なん??? 未知数過ぎて分からん(白目)」になりながら書いてました。
    此方に再掲載に辺り、何話かまとめて掲載しました。
    少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
    肌に合わないや若干五条先生の扱いが雑なので、嫌だなと思われたら、そっとブラウザバックしてくださいね。

    ##pixiv掲載作品
    #夢小説
    #微夢小説
    #呪術廻戦
    #七海健斗
    #虎杖悠二
    #伏黒恵
    #釘崎野薔薇
    #五条悟

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