タイトルスロット集※pixivから再掲載※
Twitterで流れてきた「同人タイトルスロット1」様のお題を借りて話を書いてみました。二人の女の子達がダラダラ話してるだけの、ちょっとした日常を意識して。
名前は付けてませんが、特徴は以下の通り。
ギャルぽっい少女→言の葉~までの無茶ぶりとかする側。ギャルぽっい見た目に反して、ガッツリなオタク。
眼鏡少女→言の葉~まで無茶ぶりに答える側。文学少女ぽっい見た目に反して、ガッツリなオタク。
・深海魚 を求める エレベーター
・世界 を飲んだ フィクション
・言の葉 まで届く 木漏れ日の中
・午前零時 は裏切りの エレベーター
・そしていつか のくちづけ、 魅惑の 箱庭(書き下ろし作品)
「深海魚を見に行きたい」
「・・・・・・」
「唐突に何言い出すんだコイツみたいな顔やめろ」
「いや、まさにそれ」
「真面目に言ってんだけど」
「大真面目に返せばいい?」
「夢がない」
「そもそも、何故深海魚?」
「分かんない」
「・・・・・・」
「だから、何言ってんだコイツって顔やめーや」
「突拍子も無いこと言い出すのはいつもの事だけど、もう笑いを通り越して宇宙猫の心境になるわ」
「ぐぅ」
「ってかさ、そもそもなんでこのタイミング?」
「密室・・・・・・エレベーターの中で言う事じゃないって?」
「そ」
「なんかね、エレベーターってさ、底に行く感じがするんだ」
「底?」
「こう、深く深く深く落とされる感覚に陥る感じがね。それこそ深海に落とされる感じ」
「その理屈だと、上に昇ってる時は宇宙まで行く感じ?」
「上の時はそう思わない。下について行くときだけ。深く深く深く・・・・・・底に落とされる感じがする。ゆっくり、ゆっくりとね」
「ふーん」
「まぁ、分かんないか。この感覚」
「分からないね、アンタじゃないんだし。ただ」
「ただ?」
「今乗ってるエレベーターは、まさに深海に向かってる感じだよね」
「それな。・・・・・・このまま深海魚見に行けるかな」
「そもそも、ここ陸中。・・・・・・まぁ、会えるのかもね?」
そうして、エレベーターは目的地辿り着いた事を知らせるベルが―
・「深海魚 を求める エレベーター」
「本読んでんの?」
「うん。前に比べると頻度は落ちたけどね」
「これって、何年か前にドラマか映画になったやつだよね?」
「映画になったやつ。映画はタイミング悪くて観れなかったけど、作者が好きでね、読んでたんだ。で、最近他の作品が上映されるから、また読み出したんだ」
「へー。ねぇ、原作と映像化した作品ってどう違うの?」
「どう違うって・・・・・・それ聞いちゃう?」
「聞いちゃう聞いちゃう。だって、私、活字嫌いだし」
「読めよ・・・・・・とは無理に言えないな、これは。一応、私が読んだ感じだからね?」
「読んだ上での映像化した時の感想が聞きたいからおーるおっけぇー」
「何処まで原作寄りにしてるかにもあるから、絶対じゃないけども。まず、大きい違いがあるとするとー・・・・・・」
・
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・
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・
「って、感じだけど」
「へーそんなに違うんだ。で、たまに原作ファンがぶち切れ案件になると?」
「それは言い過ぎだけども、人によっては納得行かない結果になるよね。特に、漫画実写は賛否分かれるのは分かるでしょ?」
「あーめっちゃ分かる!!!! 私もめっちゃ好きな漫画実写って聞いて、それはそれで楽しみに観に行ったんだけども・・・・・・モヤッとした事合ったもん」
「役者さんが凄く良いのに、脚本が大切なところ省きすぎちゃってとかあるもんね」
「それなーあと、配役的に“その人も良いけど・・・・・・なんか違う! ちょっと違う!!”ってあるし」
「そういうところは戦争の火種になるから、下手に触れる気は無いけども・・・・・・そういう事だよ」
「フィクションなのに、火種が転がってるのも笑えるね」
「そういうもんだよ、世界をも飲み込む力があるんだよ。こーゆーの」
「なーんか哲学的な発言。ウケる」
「うっさい」
・世界 を飲んだ フィクション
「いい天気ー。眠くなる」
「あんたはいつも眠いって言ってる気がするけど」
「まぁねー常に眠い。万年寝不足」
「少しは改善しなよ」
「んー・・・・・・だってさ、ゲームやってると楽しくて」
「まぁ、気持ちは分かる。・・・・・・ってか、毎回付き合わされる私も私だけど」
「てへぺろ☆」
「かわいこぶるな、気色悪いわ」
「ひど。世界一可愛いのに!」
「自分で言うなし。それに、自称でしょうが」
「ますます酷い!!!!」
「事実を言ってるだけです。・・・・・・で、今日は早く寝るんでしょ?」
「・・・・・・その件に付きまして・・・・・・お願いがあります」
「えぇえー」
「ほんと、お願いしますぅうう!!!! マジでヘルプ!!!! 全く倒せなくて、大変なの!!!! オンラインでもマッチングもなかなかしないから、君だけが頼りなんですぅうう!!!! お願い、一生のお願い!!!!!」
「えぇえええぇぇー・・・・・・どうしようかな」
「今度、ジュース奢ります」
「それだけじゃ安すぎる。滅茶苦茶めんどくさいクエスト手伝わせるんだから、もうちょっとリアル報酬上げて貰わないと」
「ええええー・・・・・・んじゃあ、某ファースト店のセット奢ります」
「+アルファも」
「え゛」
「前から嘆いていてクリア出来てない所で、それだけの報酬じゃあねぇ・・・・・・協力しない」
「わあああああん、分かりました! 分かりました!! セットと+アルファ付けます!! お願いしますぅうう!!!!」
「交渉成立。・・・・・・で、何時から?」
「諸々済ませてだから、23時頃」
「寝不足させる気か」
「・・・・・・だめ?」
「・・・・・・はぁ、分かったよ。23時ね。いつものメッセージアプリで?」
「そっちの方が煩わしくないし」
「はいはい」
「明日休みだからオールしようよ!」
「私は眠たくなったら寝るからね」
「分かった、寝落ちする前には終わらせる!」
(きっと無理だろうなぁ・・・・・・絶対寝不足じゃんか)
・言の葉 まで届く 木漏れ日の中
「もー最高だった・・・・・・!!!! 何あれ!!!! もう、今日命日になってもいい!!!!」
「こっちは、君が滅茶苦茶テンション爆上がりだったの見て、楽しかったけどね。いつもクールビューティなのに」
「この日、この瞬間の為に、気持ちを温存してるの!!!!」
「さいですか」
「だって、だって、だって、だって、だって!!! ボーカルとドラムが色っぽいのは当然!!! ベースのヘドバンしてる時に見せる表情やらちらりズム!!! ギターの無邪気に縦横無尽に暴れる姿!!! それを拝めるだけで!!! 私の寿命は10年延びる!!!」
「・・・・・・さいですか・・・・・・」
「モッシュで眼鏡ぶっ壊されようが、足踏まれようが、背中ぶつけられようが・・・・・・私は、その日その日のライブに生きている・・・・・・!!!!」
「ほー・・・・・・へー・・・・・・」
「ちょっと」
「ん? 終わった?」
「・・・・・・ふざけんな、スマホ弄ってんな・・・・・・」
「いだだだだだだだ!!!! アイアンクロー止めてー!!!!」
「私の話を聞かないからだ」
「うぅうう・・・・・・ほっんと、いつものクールビューティーな君に戻ってぇええ・・・・・・」
「誰がクールビューティーだ。誰が」
「君だよ」
「私のことはどうでもいい。・・・・・・はぁ、本当に最高だった・・・・・・」
「ほっんと、好きだねー」
「新曲・アルバム、ましてやライブDVDorBlu-ray出る度に予習し、毎回ライブ前は復習をする。これはある意味当たり前だよね」
「まぁ、続編出る時とか好きなシリーズの完全新作とかで過去作とか派生作品とかやりたくなるね」
「それと同じ。ゲームの予習復習もだけど、好きな音楽に関しても同じ」
「まぁ、君の場合は熱量が半端ないよ・・・・・・私からすれば」
「まだまだファン歴が浅い、にわかだからね。私」
「え?」
「ん?」
「誰が? にわか?」
「私が。にわか」
「ちなみに、ファン歴は?」
「メジャーデビューする前後で知って、今年結成15年だから9~10年位?」
「・・・・・・それで、にわか?」
「にわかよ? まだまだ、ガチファンを名乗るには足りない」
「・・・・・・さいですか・・・・・・」
「あの人達のガチファンと名乗れるように、また明日から予習復習せねば!!!!」
(にわかの定義ってなんだっけか?)
そんな二人の会話を終わりを告げるように、エレベーターは目的地に到着したことを告げ、真夜中を告げるベルが鳴り響く。
・午前零時 は裏切りの エレベーター
「~♪」
「・・・・・・・・」
「~♪♪♪」
「・・・・・・・・」
「~♪ うへへへへ・・・・・・・・」
「こっわいわ!!」
「え? 何が?」
「無意識かよ! 怖いわ、余計!!!!」
「? あ、あぁ、ごめんごめん。推しが、今日もとてもとても麗しい上に格好良くて演奏も声も何もかも堪らなくてね。・・・・・・・・うへへへ」
「まぁ、推しに対してそうなるのは分かる。分かるけど、いきなり笑われると怖いわ」
「でも、推しを見ると?」
「堪えきれない溢れんばかりの想いが出てきて、どうしようも無くて、笑いがこぼれるな!!!!」
「そうなるでしょ!!!!」
「分かってたけど!!!! 分かってたけど!!!!」
「これもオタクの性だよねぇー。推しが幸せなら、オタクも幸せってね」
「私達はそのタイプだからねーそうじゃないタイプは色々きつっついとは思うけどね。君の推しバンド ボーカルさん結婚してたんでしょ? そん時どーだったの?」
「お祝いムード一色でボーカルさんが、天パーたったことに驚きのコメント殺到でした」
「・・・・・・・・え? なんて?」
「お祝いムード」
「その後。その後」
「天パーたったことに驚きのコメント殺到」
「・・・・・・・・そこなの・・・・・・・・?」
「うん、そこ。パーマ掛けてるとは思ってなかったけども、あんな癖の強い天パーだとは思わなかったわ。そっちの方が驚き多数よ。・・・・・・・・まぁ、お祝いしつつの茶化しだよね」
「えぇ・・・・・・・・ナニソレー」
「まぁ、私みたいにその人の幸せを願うファンが多かったって事よね。いやーほんと、その人の幸せはファンの幸せ」
「変に嫌がらせとかそういうのが無いならいいわなぁ」
「でしょ?」
「だね。所でさ・・・・・・・・」
・
・
・
・
「そんな話をしてたねー毎日」
「そうだね。毎日、たわいのない話やくだらない話やオタク話して」
「・・・・・・・・今だから言うけどさ・・・・・・・・」
「うん」
「ぶっちゃけ、卒業したらそれで終わりだと思ってた」
「ぶっは!!!! ひっどいなぁーそれ」
「いや、割とマジでさ。私と君じゃあそれまでかなとか」
「まぁー見た目のギャップが酷いしね、私ら」
「あとさ。私、割と人間関係切るときは切っちゃうからさ・・・・卒業したら、もう関わりなくなるかなとか思ってたんだ。どんなに仲が良くても、これで終わりだとか思って」
「・・・・・・・・。まぁ、君らしい」
「らしいって・・・・・・・・言い方変えれば、酷い考え方だよ。そんな風にしか考えてないから」
「そんな風にしか考えてない君が、こうやってアラサー過ぎても、時々遊びや飲みに誘ってくれるのは貴重なんじゃない?」
「・・・・・・・・まぁね・・・・・・・・」
「なら、この縁が続くことを祝福して、また遊んでバカ騒ぎしようじゃないか!!!!」
「・・・・・・・・そうだね。湿っぽいのは私達らしくないしね!!」
「そうそう!!!! って事で!!!!」
「これからの人生と」
「これからの縁に」
「「乾杯!!!!!!!!」」
・そしていつか のくちづけ、魅惑の 箱庭