ソナーズ掲載作品まとめ各話は以下の通り。
「」の所がタイトル名です。後半に関しては、注意書きを見てから読んでください。
・診断メーカー こんなお話はいかがですか様より「秘密の話」
・THE BACK HORNより「心臓が止まるまでは」イメージ曲 「敗者と戦う者」
・ポケモン映画25周年 リバイバル上映を観たときの話 「思い出と映画」
・幼い頃に言われた言葉が、未だに根付く「呪い詛い」
・大切なものを「壊され捨てられて」
・初歩的な簡単なミスに気付けなくて自己嫌悪していた「無題」
・この「執着」は、きっと死ぬまで治らない
秘密の話
「ねぇ、秘密の話なんだけど。実は、私は地球外生命体なんだよ」
「・・・・・・・・・・へぇ?」
「うっわぁ反応悪っ!!!! もうちょいノリ良くやってよ!!!!」
「いや、なんで、そんな事言い出すんだかと思って。遅蒔きながらの、中二病?」
「止めろ、断じて違う」
「じゃあ、なんでそんな事言い出したのさ。あんたらしくもない」
「んー・・・・・なんとなく?」
「なんとなくで、中二病発病か。おめでとう」
「発病もしとらんし、目出度くないわ」
「もーめんどくさいな。何がしたいのさ」
「少しは友達の悪ノリに付き合えー!!!!」
「これでも、十分付き合ってんでしょうが」
「やるんなら、もっと私を楽しませる悪ノリをやりなさいな。今のままじゃあ、まだまだ及第点には足りないわよぉ~?」
「むぅ!!!! ぜっっったい楽しませて、ノリノリにさせてやるんだらかー!!!!」
「まぁ、せいぜい頑張りなさいなー」
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「私をノリノリに楽しませるって言ってたのに、何やってんのさ」
私は一人お墓に立っていた。お線香とお花を添えて、墓前でぽっつりとぽっつりと近況を話した末に出た一言だった。 馬鹿話をしたり、ふざけあって、それでも楽しい日々を過ごしていたある日。私の友達は、この世を去った。
ずっと続くと思っていた日々が突然終わりを告げた。ずっとあの楽しい日々が続くと思った。なのに・・・・・。
「なんで、逝っちゃったのかな」
原因も理由も不明のまま、月日は流れた。私は、命日には必ず墓前に手を合わせていたが、それも今日で最後だ。
「仕事でね、引っ越しするの。もう、命日に来れる距離じゃなくてね。・・・・・だから、今日は最後のお別れだよ」
緩く線香の煙が流れながら、私はずっと告げなかった事を口にする。
「ねぇ、秘密だったけども。あんたと一緒に居た日々は楽しかったよ。あんたのノリも好きだった。いつもどんな事をするんだろうって楽しみにしてた・・・・・・素直に言うと、あんたが調子に乗るからって思って言わなかったけど・・・・・・今は、それを凄く後悔してる」
少しだけ視界が歪む。口元が引きつってしまいそうだけども、無理矢理に笑顔を作る。酷い不細工な顔だろうけど、あんたなら笑ってくれるかな?
「一緒に居てくれて、友達になってくれてありがとう」
“ふふ、知ってたよ。どういたしまして!”
そんな声が聞こえた気がした。気のせいかも知れないけども。
「あぁ、やっと言えた」
敗者と戦う者
言葉は滾る想いで、血であり、祝福と呪い、そして生きた証だ。
敗者であろうと、生きた証を残し、悔いがなければ、その者は勝者なのだろう。
そして、その想いは次に受け継がれる。
「言葉は生き抜くためのものであり、滾る想いは命だ。そして、血だそれが、生きるって事さ」
そういって、ジョッキを片手にアンタは笑っていた。なんてことの無いように笑っていたが、それがどれだけ大変な事か。顔に出てたのだろう、アンタは酔っぱらってきてるのか、普段より陽気になって笑い出していた。
「俺の場合は、言葉が生き抜くための術なんだよ。お前にはお前の生き抜くための術があるんだ。そして、最期の時に“生き抜いた”と想えれば、何も悔いなど無いだろう?」
「・・・・・・・」
「納得いかないって顔だな」
「そりゃーそうだよ。その生き抜く為の術で、アンタは窮地に陥ってるもんだ」
「はは、違いない!」
「何、呑気なことを・・・・・・・!!!!」
「だが、今更焦っても後悔してもしょうがないだろ?」
「それでも、呑気すぎる。そうでなくとも・・・・・・・私は納得行かない。何故、アンタにだけ責任を押しつける」
「まぁ、そんなもんだろ。俺は蜥蜴の尻尾切りみたいなもんだ」
その言葉を聞いた女は、酒が入ったグラスを叩き割る勢いでテーブルに置く。だが、その音は喧騒に紛れ、尚且つここでは酒に酔いしれてる者達が集っているので、そんな些細な音を気にする輩は居なかった。
そんな女の様子を見て、男は呆れたように肩をすくめる。
「おいおい、店のグラスを叩き割るつもりか? しかも、酒が残ってるのに勿体ない」
「どうして、そんな風に思える!!!! こんな結果になったのに!!!」
女は怒りを露わにして怒鳴ると、男は肩を竦めた。
「これが俺が突き進んだ結果だ。何の後悔も悔いもない。俺は声が枯れるまで叫び、傷を作り作られ、罵詈雑言を鍋に煮詰めて煮詰めまくってぶち込みぶち込まされながら戦ってきた」
茶化した陽気な酔っ払った雰囲気から、男は静かにジョッキに口を付ける。怒りを露わにしてた女は、男のその様子を見て全てを飲み込むように、ただ震えるしかなかった。当人がこうでは、騒ぎ立ててもって、何をしても何を言っても無駄であると 。
「お前さんなら、その負けん気で遅れを取ったり負けたりはせんだろう・・・・・・多分な」
「“勝てる”って、断言しないのか」
「出来るわけ無いだろう? 俺だって勝てる見込みが合って戦ってたんだ。それが、この様だ。何処でトチったのか、はたまた神様に嫌われたのや」
男はやれやれと頭を振ると、真っ直ぐに女の目を見て言う。迷いも後悔もない目で。魂に刻むように、語る。
「・・・・・・・だから、お前はお前のやり方で戦え。戦うなら、悔いのない戦いをして、自分が生きた証を示せ、声が枯れてしまっても、血を吐き滲もうとも、傷だらけになっても、自分が生きた、戦い抜いた証をたてろ」
「・・・・・・・」
「それが敗者から、これから戦う者への最初で最後の言葉だ。アドバイスなんかじゃない、戦う者への労いであり呪いであり祝福みたいなもんだ」
男はそれだけ告げると、立ち上がり伝票を持って行った。
「奢ってやるよ、元気でな」
「まっ」
「お前がこれから戦うのかは、お前次第だ。止めるなら、ここで話したことや俺とのことは忘れろ。そして、明日から何事もなく生きろ。戦うなら・・・・・・・覚悟は決めとけよ」
振り返らず男は、そのまま女から離れていった。女はその後ろ姿を見送って、残ったグラスの酒を見つめる
「言葉は生き抜くためのものであり、滾る想いは命だ。そして、血だ。それが、生きると言うこと」
男が言った言葉を反復して、意を決したのか残った酒を飲み干し、店を出た。
「ならば、私は言葉を刻む。生き抜くために。滾る想いは命であり、血であり、祝福であり呪いなんだから」
思い出と映画
(あーもう、懐かしさで心が死ぬ)
心の中で訳の分からない事を呟きながら、私は目の前の映画を懐かしさを噛み締めていた。
ゲームから始まり人気が高まり、アニメもその翌年辺りから始まったポケモン。 私はリアル世代(第一世代)で、金銀クリスタルまでプレイし、途中からゲームのポケモンからは離れ(コロシアムなど、別のポケモンゲームやアニメやコミカライズには触れていた)、色々すっ飛ばして約20年ぶりに第八世代にあたるソード・シールドをプレイする事となる。 劇場版も2006年に上映された「ポケモンレンジャー 蒼海の王子マナフィ」までは劇場に足を運んで観ていた。
(此方もそれからすっ飛ばして、去年公開されたココ鑑賞した) そして、劇場版ポケットモンスターが25周年を迎えた今年2022年、投票によって選ばれた三作品がリバイバル上映される事になった。特に、ラティオスとラティアス・ジラーチは先にも述べたとおり、幼少期に観ていた事もあり特典は貰えたらラッキーな感じで観に行きたいと思っていた。 そして、改めて思った。
(あぁ、ポケモンは自分の大切なものだったんなんだなぁー)
ビデオで発売されて、擦り切れるまで何度も何度も劇場版のポケモンは観ていたなと記憶している。
特に、第一作目「ミュウツーの逆襲」なんかは、号泣して観ていた。そして、周りの大人も泣いてみていたのも印象的だった。
あの頃は、ミュウツーがなんであの様な思ったのか、余り理解できなかったけども、今になれば分かる。まぁ、この辺はサブスクで初代も観れるので割愛。 最近観たら、アニメ版の追加エピソード付きで配信されていた。
(ポケモンは世代を越えて愛されるのは、こういう所なんだろうな・・・・・・ってか、水の都って映画5周年記念作品だったなぁ)
当時はミニストーリーと本編が多かったので、懐かしさとポケモン達の可愛さに悶絶。 そして、本編。
OPの「めざせ!ポケモンマスター」が映画バージョンのやつ流れてきて、懐かしさに目頭が熱くなった。
水の都はベネチアをイメージしてる事だったので、OPもアコーディン奏者のcobaさんの伴奏で始まるのが印象的だった。そして、劇中の音楽もアコーディンの演奏がメインとなって進む。当然だが、幼少期に観たのと変わらない。変わらないが、初めて観たときのワクワクドキドキはどんなに歳を重ねても変わらないのだと。
(次のジラーチも観たいし、ディアルガパルキアダークライも観てみたいな)
そう想いながら、私は映画館を後にした。
ここから、暗いし意味不明だしぶっちゃけ人によっては胸くそ悪いし責任転換してんじゃねぇよな話です。
少し読んで不愉快に思われましたら、ブラウザバック推参です。
ここの警告を無視し、読んだ後の苦情は受け付けませんので。
大丈夫ですね?
呪い詛い小さいときに言われた、呪いの言葉 それが、今の自分を作ってる 時々強くそれが顔を出して、虚無感に捕らわれて、強く強く深い闇と影を色濃くして拐かす
(あえて、カタカナぽっい表記してるのはわざとです。胸糞注意)
「そんなに、面倒くさいって言うなら」 小さい頃、「面倒くさい」が口癖だった。なんでも、「面倒くさい」「面倒くさい」と。その言葉に怒った母親に、言われた一言が、今の私を形成する形になったのかも知れない。
「そんなに、面倒くさいって言うなら、シネばいいじゃない!!!!」
はっきりと、そう言われた。あぁ、そうか。面倒くさいならシネばいいのか。シネば何もかもめんどくさくならなくていいのか。 今思うと、なんて言う話だ。まだ10歳にも満たない子供にそんな風に言うのもどうかと思うが、まずそう言う風に思った自分も自分だ。
それから、時が過ぎて二十歳を迎えた頃。頭の片隅に、ずっとずっとずっとこびり付いて離れない想いがある。
(早くシにたい)
長生きなんてしたくない。色々疲れた。疲れた、疲れた、疲れた、疲れた、疲れた、疲れた、疲れた、疲れた、疲れた・・・・・・心が疲弊しているのか、身体が疲弊しているのか。分からない。分からないけど、分からないけど、本当に疲れた。 何もかもがメンドクサくなった。シんだところで、楽になるわけでもないし、もしかしたら失敗する事もあるだろう。それでまた長く生きてしまう可能性だってある。それでも・・・・。
(あぁ、早くシにたい)
メンドクサいならシねと言われた、あの日から呪いのように染み付く言葉。
言った本人は忘れてるだろうが、受け取った呪われた本人は覚えてる。5ずっとずっとずっとずっとずっと長いことこびり付いて離れない忌まわしい呪い。詛い。見えない傷。塞がれない傷。
壊され捨てられて大切にしてたモノを、(ゴミ等でなく、周りにも迷惑掛けてない収集物を本人の許可なく)捨て壊された人と勝手な自己判断で捨てて壊した人の末路
カラカラ・・・・カラカラ・・・・・
四角く、少し底が深い箱。蓋付きの箱。鍵もかけられるお洒落な箱。そこに、今日も大切な“思い出”を詰め込む。1色とりどりの形も様々なモノを詰めこむ。
カラカラ・・・・・カラカラ・・・・・
「思い出が沢山」
時折覗いて、光に透かして見たり、暗闇の中で光を吸収したソレを見る。楽しい思い出、嬉しかった思い出、悲しかった思い出、怒った思い出・・・・・色々あるけども、大切な宝物。
「色々な事があったけども、大切な思い出。宝物。今日も増えた。また大切なモノが増えた」
特に、楽しかった思い出だから嬉しい。それは黄色に輝く黄色い雫型をしていた。ふえる喜びと楽しかった想いが詰まったモノを箱に大切にしまい蓋をして鍵をかける。なくさないように、大切に大切に。
「そんなモノ、ゴミだろ。いらないだろ。不要だ」
そう言われて、目の前で箱を落として潰された。足で何度も何度も何度も潰した。止めさせようと足にしがみついて、振り解かれた。何度も何度も何度も止めようとして、振り解かれ、殴られた。 原型も無くなるくらい、箱もモノも粉々にされた。鍵もひしゃげた、綺麗に装飾されていた箱は無残に壊されて、中のモノは綺麗に粉々になって・・・・・・。
「あ」
「あ・・・・・あ・・・・・」
「あ・・・・・・・・・・あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
-速報です。○○○市 一家殺害事件で、当初被害者とされていた妻が、夫を含む家族を殺害したとして本日 逮捕されました。警察の調べで、妻は「大切にしていたモノを、夫に壊され捨てられたから」と犯行に及んだと供述しており・・・・・・・・・・-
大切なモノをゴミとして、壊して捨てて、私は○○○○となった
無題
またやった。 しょうもないミス。普通に落ち着けば気付くミス。パニックになって見落としたミス・・・・・・・・・・また人に迷惑かけた。
「はぁ・・・・・・・・・・」
歩きながら、今日のミスを反復そして店長にヘルプ求める前に時間を戻せればと切に願う。(普通のOLさんとかだったら、ガチ目にクビにされても可笑しくないんじゃないかな・・・・・最近の事は)
私の職業は販売職。レジ締めとかで、たまに訳の分からない事が起こるとはある。だけど、それは本当に理由が見当たらない事なのかどうかはよくよく調べたら分かること・・・・・なのに。
(なんで、気付けなかったのかな。また店長に迷惑掛けた。明日も出勤なのに、通しなのに、また迷惑掛けた。あぁ、また迷惑掛けた迷惑掛けた迷惑掛けた迷惑掛けた迷惑・・・・・・・・・・)
トボトボと帰り道、私は一人自己嫌悪に陥る。自己嫌悪と言う名の呪い。自傷行為。
小学生の頃から、こんな風になった気がする。
“誰かの役に立てなければ、クラスに居る意味など無い”
そんな事無いのに、何故か小学生の時の私はそう考えていた。だから、誰かに役に立たないならばクラスに馴染めないし、居る意味も無いと思っていた。
そんな事は無いのだろうが、変わり者である私にとってはそう言うことだったのだろう。
(あ、やっばい)
今日は思考がネガティブにネガティブに、深い海に、深海に落とされるように、暗い闇の底に落とされる気分だ。ぶっちゃけ、女性特有の情緒不安定な所も含まれるにしても、元々マイナス思考な所をむりくりプラス思考にしてる私にとって、時々・・・・・・・・・・本当に時々、深い深い海に落とされるように馬鹿みたいに考えてしまう深読みしてしまう。中学入った当たりに、少しだけ意識改革したけども、根は変わらない。否定されて拒否されて生きてきたような性格的だ。褒められても素直に受け止められないくそな性格。だから、私は自分が嫌いであり死ねと思う。
自分自身が嫌いすぎて、呪いを掛けるようなもの。
(あぁ、今日はお酒飲まなきゃやってなられない)
コンビニ限定のチューハイやビールを飲むことを楽しみに、気持ちを切り替えようとしても・・・・・・・・・・私の頭の片隅にはどす黒い考えがこびり付いて離れない。
執着幼い頃にされた事は、ずっとずっと覚えている。 それが原因で、私は物の執着が強くなった。だが、その原因を作った張本人は忘れていて・・・・。
幼い頃、私は大切な玩具を二回捨てられた。 理由は単に言うことを聞かないとか、玩具を片付けないとか、そういう可愛い類の理由。それにぶち切れた母親が、ゴミ袋に玩具をまとめて捨てた。 大切にしていた玩具。目の前で捨てた。
夜ゴミ捨て場に探しに行ったら、引きずられて家に連れ戻された。それから、私は家族にすら自分の物を触らせたくないくらいに物に執着し始めたきっかけだった。
だから、勝手に触れるのも動かされるのも嫌だ。
「なんで触るの!!!!!! 信じらんない!!!!!! ふざけんな!!!!!!」
私の張り手を受けて、踏ん張りがきかず倒れ込む母。それにも構わず私は怒鳴る。言い合いになり、母が手を挙げ殴られた。それを受けて、私は反射的に殴り返してた。父は驚いて、私に怒鳴るが聞こえないし聞きたくない。勝手に触っておいて容認してなにを言う? 父が手を挙げてきたので、私も同じ様に返す。意識的にダメージが一番入るように返したけども、長年溜まっていた鬱憤を晴らす意味合いもあるし構わない。
呻き声を上げてうずくまる父を目の端にとらえて、急いで動かされた物を部屋に戻す。
私の物だけを全部、全部、全部!!!!!!
無事に戻して、一安心。また整理し直せばいい。
まだ呻いてる父に、まさか殴られると思ってなかった母は泣いていたが知らない。
「そういう風に育てたのは、あんたたちだよ」
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと思ってた事を、ぶちまける。
親不孝者と罵られても良い。
「物に執着するようになったのは、あんたたちがそういう風にしたから」
そして、私は・・・・・・。