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    彼に酒を飲ませてはいけない*ネタバレ捏造祭り


    *ED後頑張って全員目を覚ましたよ設定
    *頑張る過程で全員成人してます
    *酔っ払い日向くん春のデレ大放出祭り
    「おーい九頭龍、飲んでるかあ?」
    普段なら絶対にないテンションでやたら上機嫌に笑いながら隣に腰を下ろした日向を九頭龍は半眼で見やる。
    「飲んでねえよ、俺がアルコール駄目なの忘れたのかよ。……お前はひでえ酔い方してんな」
    初めて見たぞそんな顔、とノンアルコールカクテルを舐めながら告げると日向はきょとんと首を傾げてまたけらけらと笑う。
    「そんな酔ってねぇよ」
    「嘘こけよ」
    酔っ払いの常套句を吐く日向に、九頭龍は浅い溜め息を吐き飲み会の場『だった』室内を見回す。
    カプセルの中で永遠に眠り続ける事を運命付けられていた自分達が、果てしなく低い可能性だったとしても運命に抗いたいともがき掴んだほんの一握りの未来。希望の手を借りつつ長い期間と労力と努力を注ぎ込み、惜しみなくつぎ込まれたそれはいつしか奇跡を起こした。いくつか問題を抱えながらも全員が目を覚まし、その問題も全員で協力しながら解消に取り組んでいる。
    夢のような現実だった。本当はこれはまだ夢の中で、目を覚ませば絶望的な現実を突きつけられるのではないかと不安になるくらいには。
    そういう時は決まって全員で集まり、適当な理由をつけて宴会を開いた。
    そうやってこれが現実だと実感して安心する為に。
    その宴会もいまや数人が残っているだけで他の面子は既に自室に戻って就寝している。
    現在残っているのはアルコールが飲めない為完全に素面の状態の九頭龍、喋るとの食べるのが先立ってあまり酒が入っていない左右田、酒が入ると黙り込んで一人でひたすら飲み続ける傾向のある田中、そして完全にできあがっている日向の四名である。
    女性陣は酔いつぶれてしまう前に早々に引き上げ、十神は澪田に半ば無理矢理飲まされ転覆した為、動ける男性陣で何とか自室に放り込んだ。弐大は食事も飲酒もそこそこに『早寝早起きは快便の秘訣』とのたまいながらさっさと就寝し、花村はほろ酔いで警戒心の薄らいでいる女性陣の部屋に忍び込もうとしていたところを辺古山に沈められている。狛枝は青い顔で「風に当たってくる」と言い残したきり戻ってきていない。
    と言うわけで男性陣の中でも比較的無害な酔い方をする、あるいは酒を呑まない面子が残っているわけだが、いつもは飲む量をセーブして周囲の気配りに徹する日向が異様な酔い方をしていた。そもそも酒に弱いわけでもない筈だが、一体どれだけ飲めばここまで酩酊するのか。
    「どんだけ飲んだ?もうこれ以上は飲むなよ」
    「んー……?そういやけっこうのんだ気がするな…」
    いつものはきはきとした受け答えではない、ゆっくりとした口調は呂律も怪しい。どこか無防備にも感じる表情に、九頭龍は我知らず眉間に皺を寄せた。
    「お前ももう寝ろよ。片付けは明日にでもやりゃあいいだろ」
    今更総出で散らかした室内を片付ける気にもならない。明日小泉辺りに文句は言われるだろうが仕方ない。
    グラスの底に残っていた酔えないカクテルを煽り、自分も就寝する為に席を立とうとする。が、その寸前に日向の両腕が九頭龍を押さえ込むように動いた。
    「おいっ」
    力加減を知らない酔っ払いは九頭龍にしな垂れかかり、しがみ付かれた九頭龍は体格差故にはね除ける事もできず半ば強制的に元の場所に引き戻される。
    怒気を孕んだ口調で名前を呼ぶが、日向は何がおかしいのかくすくすと笑うだけで離れようとしない。
    「九頭龍、くずりゅー」
    「んだよ、酔っ払い」
    「九頭龍はちっせぇなあ」
    びしり、と空気が凍った。近くに居た左右田が引きつった表情で九頭龍と、今ピンポイントに爆弾を投下した日向を凝視している。凍った空気など意に介さず(そもそも空気を読める程正気を保っていたならば先程の爆弾発言もなかっただろう)日向は言葉をぽつぽつと続ける。
    「小さいし、細いし、かわいいなー。あはは、同い年には、見えないよなー」
    思ったことをそのまま口に出しているのだろう。一言喋るたびに無関係の筈の左右田の顔が青くなる。
    そのうち耐え切れなくなったのか、「お、俺、水持ってくるわ」と言って逃げた。懸命な判断だろう。
    「……でもさあ」
    翌日素面に戻ったこいつをどう料理してやろうかと完全に極道者の顔で黙考していた九頭龍の思考を日向の甘ったるい声が引き戻す。
    「体がちいさくても、俺達の中でいちばん責任感があって、いちばん真っ直ぐで、それで、いちばん背中がでっかいやつなんだ」
    素面ならばまず聞けない完全に無防備な声、表情。だからこそ、それが本心だと疑う余地もなかった。
    「自分の弱さをゆるせないやつだよなー。過去の自分とちゃんと向き合える、真っ直ぐで強いこころのもちぬしなんだ。皆を目覚めさせるのに必死になってる俺や他のやつを、頑張りすぎないようにいさめてくれたこととか、言葉は荒いけど、みんなのことちゃんとおもいやってることも、ちゃんと知ってる。しってるんだからなー」
    訥々と語られる声音に、嘘だと、からかうための冗談だと思う逃げ場すら与えてもらえない。
    「お前は文句なしにかっこいいよ。九頭龍」
    故に九頭龍の羞恥心は限界点を突破した。
    「お……まえ、なに言って」
    あまりの衝撃に二の句が継げない。耳まで赤くなっているのが鏡を見なくても分かった。
    「かっこいいなーかっこいい。九頭龍いい男だなあ」
    唐突に始まった褒め殺し攻撃に耳を塞ぎたかったが日向が密着している為腕も満足に動かせない。故に至近距離で攻撃を受けるしかなかった。なんて拷問だ。
    「おいっ、この……酔っ払い!寝言言ってねぇで、さっさと離れろ!」
    語気を荒げて暴れると、するりと縄がほどけるように日向の腕が緩み九頭龍は身を捩って拘束から逃れた。肩で息をしながら、この期に及んでまだへらへらと笑っている顔に拳の一つでも極めてやりたい心境だったが、そうなる前に日向は次の標的を定めたようで、すいと九頭龍から視線を逸らした。左右田が危険を察知して逃げ出した今この部屋に残っている人物は九頭龍と日向の他には一人しかいない。
    「たーなかー!」
    部屋の隅で黙々と手酌を続けている田中である。
    「さっきからメチャクチャ飲んでんな!俺も交ぜろ!」
    日向にのし掛かられた田中はぼんやりとした表情で自分に仕掛けてきた人物に視線を投げる。こちらもこちらでかなり酔いが回っているようだ。それが幸なのか不幸なのかは分からないが。
    「特異点…貴様か。覇王たる俺様の孤高なる宴の邪魔をするとは」
    「はは、何言ってるかぜんぜん分からん」
    田中が硬直する。その様子にすら気付かず日向は好き勝手に思ったことを並べ立てていく。
    「左右田が言ってたけど、田中は中二病ってやつなんだよなー。むずかしいことばっか言ってるから、お前がなんて言ってんのかさいしょは分かんなかった」
    「俗世の言語は我が崇高なる詔を授けるには不完全だ。雑種である貴様らにも理解が及ぶよう俺様が自ら翻訳をしてやっているのだ」
    「そっかぁ。俺達のためかあ。田中はやっぱり優しいなぁ」
    全く邪気のない表情。嘘でも皮肉でもない。田中は酔いの回った頭で、今目の前でにこにこと上機嫌に笑っている人物は一体誰だろうと首を捻った。自分がよく知る人物に酷似しているが、彼がこんな風に年相応に笑うのを見たのはもう何年も前だった気がする。詳しい事は、酒で濁った脳裏に沈んで消えた。
    「最近は、お前の言ってることがわかるようになってきたんだ。最初にくらべたら、だけど。お前の言葉がわかるのはすごくうれしい。その分お前にちかづけた気がして」
    田中は黙したまま吐露される日向の本心を聞いている。
    「変な言動に振り回されてたからわかりにくかったけど、動物に好かれてるお前がいやなやつなわけないもんな。…ちょっと泣きそうになるくらい、やさしくて強いなあ、田中は」
    そう言って日向は眉尻を僅かに下げて笑う。言葉通り泣いてしまいそうな笑顔だったが、待てど彼の熱に浮かされた双眸から滴が落ちることはなかった。日向の言葉に対するリアクションは特にせず、田中は手元の空になったグラスを眺めている。すぐ側にはまだ中身が入った酒瓶がいくつか残っているが、それに手を伸ばそうとはしなかった。
    「……貴様は、」
    代わりに、微笑みを浮かべながら恐らくずっと内心で思っていたであろう田中への心証をぽつぽつと語る日向へ包帯が爪先まで巻き付けられた左手を伸ばす。警戒する野生の動物へ差し伸べるそれのように、ゆっくりと。
    「やさしい、は貴様にこそ相応しい言葉だろう、我が特異点よ」
    誰よりも強く、誰よりも優しく、何者であろうと例外なくその腕の内に受け入れる事ができる稀有な人間。日向の本領はそれらをまるで呼吸する事と同じようにほぼ無意識に出来てしまう所にあるだろう。最早人間離れとも言うべき強靭で柔軟な精神には大樹に似た人を安心させる包容力のようなものがある。寄り掛かっても、すがっても良いのだと。全てを赦されるような。
    田中の指先が輪郭を確かめるように日向の頬を撫でた。日向は嫌がるでもなくされるがままに触れさせている。
    「貴様がそうだから俺は、更に欲深くなってしまうのだ」
    いつもの不遜な態度はなりを潜め、触れた指先から日向の素直さが伝播したかのように限りなく素に近い田中の内面がじわりと滲み出す。
    色のない唇が更に何かを紡ごうと数度戦慄くが、それが音になる前に第三者の声が日向の意識を奪った。
    「く、九頭龍?どうした、酒でも飲まされたか?…って日向お前、今度は田中にくっついてんのかよ」
    二人して振り返ると、両手にミネラルウォーターのボトルをぶら下げた左右田が部屋の入り口で立ち尽くしていた。日向に絡まれていた筈の九頭龍は机に突っ伏して微動だにせず、その原因を作ったであろう日向は何故か今度は田中と密着しており、恋人同士のような近さで会話している。惨状を覚悟して一旦避難した部屋に戻ってきた左右田だが、想像していたものとは違った状況に戸惑う。
    左右田が日向の名前を呼んだ事により日向の標的は完全に田中から左右田へと移行し、彼は田中の指先から呆気なく逃れて左右田へ駆け寄った。
    「左右田左右田!何処行ってたんだよー、俺を置いて行くなよなあ!」
    「うわあ抱き着いてくんなお前酒くさっ!酔いすぎだろ!」
    自分に抱き付き一人で笑い続ける日向に左右田は内心でああまたか、と溜め息を吐く。以前二人で夜通し飲み明かした時と同じ気配を日向から感じた。こうなってしまっては明日今の記憶が残っているかどうかも怪しい。前回はひたすら笑い倒した後に糸が切れたように寝落ちしたが、今回もそんな末路を辿るのだろうと容易に想像がついた。
    「(あれ、でも前はこんなにスキンシップ過剰って事はなかったような気が…)」
    以前はどうだっただろうか、と左右田が記憶を引き出そうとする前に耳元に口を持ってきた日向がぐだぐだに酔っ払った様子とは裏腹に真面目な声音で囁きかけてくる。
    「やっぱり左右田と居んのが一番楽しい。俺今までとくべつ仲がいい友だちとか居たことなかったから分からないけど、たぶん親友ってお前みたいなやつのこと言うんだろうな。お前とはこれから先もずっといっしょに居たい」
    「ンな……ッ!?」
    思わず漏れた声が裏返ってしまった。日向を見るといつもの精悍な表情と態度は何処へ行ってしまったのか、ふにゃふにゃと兄に甘える弟のような仕種で笑っており、無条件に甘やかしたくなってしまう。
    九頭龍と田中の様子がおかしい原因はこれか。
    普段とのギャップがすごいだけに、破壊力が半端じゃない。勝手に顔が赤くなるのはどうしようもなく、そもそもなんで赤面しなければならないのだと理不尽な怒りを日向に対して抱きながら傍若無人の限りを尽くすすべての元凶を取り押さえにかかる。
    「なー左右田は?俺のことどう思ってる?」
    「うるせえ俺の彼女かお前は!さっさと寝ろ!」
    「えぇー」
    何故かごねてその場に留まろうとする日向と格闘する。如何せん上背が相手の方が上の為全く力を入れていない体を一人で運ぶのは難しい。もういっそのこと、ここに置き去りにしてやろうかと考えている所で背後で扉の開く音がした。
    「……左右田クン、いくら日向クンが泥酔してるからって襲うのは止めた方が…」
    「なんでそうなるンだよっ!襲ってねえよ!」
    ぐるりと首を勢いよく巡らせると案の定狛枝が扉へ寄り掛かるようにして格闘する左右田と日向を眺めていた。人形のように整った顔は部屋を出た時より多少人間味のある色を取り戻していたが、それでもまだ血色が良いとは言い難い。
    「見てねーでお前も手伝え」
    「えぇー……」
    「えーじゃねえ!ホラこっち持て!」
    押し付けるように狛枝に日向の右腕を抱えさせ、自分は左腕を肩に回して再起不能の九頭龍と田中を置いて部屋を出た。
    先程まで好き勝手に騒いでいた日向は抗うことが出来ないと悟ったのか今は黙り混み、両脇の二人にされるがままに引き摺られている。三人の中で一番上背がある為、ずるずると爪先が擦れる音だけが廊下に響く。
    「でも、珍しいね、日向クンがこんなに酔っぱらうなんて。初めて見たかも」
    「ああ、珍しいかもな。いっつもあんま飲まねえで人の世話ばっかしてっし。たまに飲んでも一人で笑うだけ笑って寝落ちしちまうしよ」
    「今日は違ったんだね。……何かあったのかな?」
    「何もない日なんかねえよ。特にコイツは」
    一瞬だけ左右田からふざけた雰囲気が消える。日向を支えるために掴んでいた右手にぐっと力が込められたのが、狛枝の視点から見えた。それについては何も触れず、狛枝はそうだね、と言葉少なに同意するのみに止めた。
    なんとか日向の自室まで辿り着き、軟体動物のように歩くことは愚か自力で立つことも出来ない体たらくの日向を簡素なベッドへ放り込む。すぐさま健やかな寝息をたて始めた日向を見下ろし、左右田が溜め息を吐いた。
    「どぉせ、明日には俺らに言ったことぜーんぶ綺麗さっぱり忘れてんだろうな。なんか癪だわ」
    「何か言われたの?」
    「教えん」
    苦虫と砂糖を同時に噛み潰したような表情で左右田は踵を返し部屋を後にする。それに続こうとした狛枝の服の袖を、誰かが引いた。無論、この部屋でそんな事が出来る人物は一人しか居ない。
    「……何かな、日向クン」
    「……?こま、えだか?」
    「そうだよ」
    眠いのか何度も目をしばたかせ、やっと自分が掴んでいる対象が狛枝と認識したようだった。しかし袖を放すどころか何故か嬉しそうに頬を緩ませる。先程から緩みっぱなしだった表情筋はそもそも仕事をすることを放棄しているようだ。
    「(そういう顔してると、ちゃんと同い年に見えるのにね)」
    感想を口には出さず、咎められないのを良いことにまじまじと日向の顔を観察する。一見風邪を引いた人間の症状のようにも見えるが病人から酒の臭いはしない。
    「こまえだー」
    「ちゃんと布団掛けてね。夜は冷えるから、ホントに風邪ひいちゃうよ」
    「こまえだー」
    「左右田クンがミネラルウォーター持ってきてくれてるから、ここに置いておくね」
    「こまえだー」
    「……何かな、日向クン」
    際限なく自分の名前を呼び続ける日向に根負けし、呼び掛けに応じる。出来ることなら酔っ払いの相手はしたくない。左右田や他の面子の様子から見ても、嫌な予感しかしなかった。
    「(この不運がどんな……)」
    そこまで思い至り狛枝は緩く頭を振ってその思考を捨てた。不運な状況に陥った時に、その先に訪れる幸運を期待してしまうのはもはや条件反射とも言える程自分の思考回路に染み着いていた。
    周囲の仲間達の手を借りて仲間の誰よりも長い時間をかけて絶望から立ち直り、小さな島の中で仲間と過ごす空間から小さな充足感を得られるようになってからまだそれ程時は経っていない。慣れない幸福に身を浸した狛枝は、やっと超高校級の絶望であった自分と決別し、それと同時にこの悪癖とも言うべき『幸福論』とも別れを告げようと決意した。
    一番最初に自分のこの決意を伝える相手に選んだのは日向だった。彼は最初こそ驚いたものの、まるで自分のことのように喜んだ。
    「お前ならできるよ。俺も、手伝えることがあるなら協力するからさ」
    日向という得難い友の存在は、狛枝の決意を追い風のように緩やかに後押ししてくれた。
    それから狛枝は更にゆっくりと変わり続けている。酷く穏やかで心地のよい変化だった。
    「やっとよんだなあ」
    甘ったるい声が狛枝の意識を引き戻す。熱に浮かされ濡れた双眸が狛枝を見上げていた。
    「おまえがさ、名前よぶ声が好きなんだ」
    「……名前……?」
    「そう。なんか、宝物触るときみたいに、呼んでくれるから」
    心地好くて、すきなんだ。
    言いたいことだけ言い残し、日向は満足げな顔で眠りの淵へ沈んで行った。ゆっくりと規則的に繰り返される寝息が、彼が深い眠りに落ちたのだと教えてくれる。狛枝はいつの間にか止めてしまっていた呼吸を細く長く吐き出した。
    「ほんとに……キミはさぁ」
    それ以上の言葉は続かず、狛枝は思い出したように赤くなる顔を右手で覆う。普段の彼を知る者が今の狛枝の表情を見ていたならば、きっと良く似た別人だと思ったことだろう。いつもの薄い笑みを貼り付けたような表情は完全に剥がれ落ち、不意を突かれ照れと驚きの狭間のような表情をしている。その事を指摘する人間がこの場に居なかったのは、そう、言うなれば幸運なことだろう。
    かなり前から、日向に対して友愛以上の感情を抱いていた。その感情の正体に気付いたのはごく最近のことだが、日向に思いを告げる気は毛頭なかった。
    言えばきっと困らせてしまう。今の円滑な関係ではいられなくなってしまう。気持ちを知ってほしいという欲求がないではないが、それで日向を困惑させてしまうのは本意ではない。
    ぎこちなくなってしまうくらいならば、この恋情は一時の気の迷いとして心の片隅へ片付けてしまう方が幾分マシに感じた。
    上手く隠していたつもりだった。元来嘘を吐くのは得意であったし、当事者である日向含め、周囲の仲間達に勘づかれた気配もない。だからよりにも寄って当人にその機微を悟られてしまうなんて思いもしなかったのだ。
    まさか、彼の名を呼ぶたびに隠していた筈の思いが滲んでしまっていたなんて。
    彼自身に気付いている自覚があるかどうかは微妙だろう。自分と違って嘘や隠し事が苦手な彼の性分からして、狛枝の気持ちに気付いていたら何かしら変化を見て取ることが出来た筈だ。
    今回酩酊して本音を全て口にしてしまう状態にあって自分でも自覚のなかった感覚を口にしたのだろう。
    「……明日からどんな顔して会ったらいいんだろ」
    やはり適わない。彼に好意を抱いた時点で勝敗は決していたのだろう。
    左右田の言う通り、明日彼が起きた時にこの事を綺麗さっぱり忘れてくれることを祈る
    他ない。
    狛枝は暫く日向の無防備な寝顔を長めていたが、やがていつもの読めない表情に戻ると音もなく部屋を後にした。

    我らの親愛なる友人よ。
    お前は一体何度我らの心臓を撃ち抜けば気が済むのか。
    何故かその日はいつにも増して酒を飲んだ。浴びるようにと言っても過言ではないかもしれない。元々の体質か、『カムクライズル』の数ある才能の一つ(酒豪を才能と分類するならの話だが)なのかは分からないが日向は酒に強かったし自覚もあった。
    しかしそれでも思い切りハメを外すような飲酒は今回が初めてで、そして二度としてはならないと自室のベッドで布団に埋もれながら日向は固く固く決意した。
    「なんで全部覚えてるんだよ……」
    幸い二日酔いは余り酷くはない。少し頭痛がする程度でいつも通り動くことに支障はないだろう。だが二日酔いが軽微であっても日向はベッド上のテリトリーから出ることが出来ずにいた。
    原因は彼の脳内に鮮明に甦る昨夜の記憶である。あれ程酩酊していたにも関わらず、自分が何をして何を言ったか全て克明に思い返すことができた。素面なら口が裂けても言えないようなことをべらべらと喋り倒した昨日の自分を殴り倒したい。更に出来ることなら忘れたかった。すべて。
    「こういうのは寝たら忘れんのが定石だろぉぉ……!」
    枕に顔を埋めて絶叫し、昨夜の記憶を脳内から抹消しようと唸る。脳は忘れようと意識すればする程、持ち主の意思とは逆に作用するのだが。
    「……あいつらにどんな顔して会えってんだよ……」
    九頭龍に、田中に、左右田に、狛枝に。
    何事もなかったようにして接するにはお互いに少々衝撃的過ぎる出来事だっただろう。現に全ての元凶である日向が負ったダメージは大きすぎて暫く立ち直れそうにない体たらくである。
    自分が駄目過ぎて泣いてしまいそうだ。
    日向が出ようか出まいか、仮に出たとして昨日の事を何と弁明しようかと延々悩み続けていると、外へと繋がる扉が痺れを切らしたようにコンコンと音を立てた。それに続くように扉を隔てた外側から声が飛び込んでくる。
    「日向!まだ寝てんのか?もう皆起きてんぞ!」
    「そ、左右田……」
    声の主は昨日大暴走する自分をこのベッドへ叩き込んだ親友だった。勿論左右田に「彼女かお前は!」と言わしめた彼に対するこっ恥ずかしい告白は脳内で絶賛リピート中である。
    どうしよう、待ってくれ、まだ、まだ心の準備が。
    パニックに陥る日向から返事がないことを怪訝に思ったのか、外からドアノブが回される気配がする。
    「わ、ちょっ、待っ……!」
    日向の今更な制止の言葉も虚しく、左右田が開いた扉の隙間から顔を覗かせた。
    「ひーなた?寝てんのか?」
    咄嗟に口元まで布団を引き上げて左右田から背を向ける。反射的にやってしまってからその行動になんの意味もない事に気付いた。それが更にパニックを増長させる。頭で支離滅裂な言い訳を巡らせながら聴覚だけで左右田が室内へ入ってきてこちらへと歩み寄ってくる音を聞いていた。
    「大丈夫か?」
    「だ、大丈夫だ」
    「昨日すーげぇ飲んでたもんなぁ。二日酔いひでぇんなら、今日は一日休んでろよ。皆には俺から言っとく」
    「……あ、あぁ、ありがとう……」
    いつもの口調、いつもの態度。特に怒っていたり面白がっていたりする気配は感じられない。
    「(もしかして、覚えてないと思われてる?)」
    左右田は余り酔っていないようだったし、彼が記憶を飛ばしていることはないだろう。ならば思い当たる可能性としては、左右田は日向が昨夜のことを覚えていないと思っている、くらいしか考えられない。
    そう思い至ると、パニックが少し和らいだ。早鐘を打つ心臓を落ち着けるために一呼吸置き、寝返りを打ってこちらを覗き込むように身を屈めている左右田に向き直る。
    「悪い、左右田。迷惑かけて」
    今日の日向が休むことによって生じる作業の負担に対する謝罪とも、昨夜の暴挙に対する懺悔とも取れる発言だったが、やはり左右田は迷わず前者であると解釈したようだった。何の疑いもなく日向に笑いかける。
    「お前は休まなすぎなんだよ!たまにはサボったって誰も文句言わねえって」
    その言葉に、日向は二つの意味で安堵した。大きく溜め息を吐くのは胸中のみに留め、やっとぎこちないながらも笑みを口元に浮かべる。
    「そうか?だといいんだけど」
    左右田は日向の表情を微かに首を右へ傾げながら眺め、何かに納得したような素振りを見せた。何に対しての挙動なのか、日向には測りかねたがわざわざ藪を突ついて蛇を出す必要もない、と気付かない振りを決め込む。
    「たまにはハメ外すのも悪くねぇと思うぞ。また二人で飲もうぜ」
    全く邪気のない顔で言われ、日向は返答に窮した。既に黒歴史と化した昨晩のような過ちをまた犯すのは出来れば避けたいところである。今回のことで酒はもう暫く見たくないものになってしまった。
    「あー……うん、今度は飲む量もうちょっと自制するよ」
    言葉を濁しつつ目を逸らす。すると何故か左右田から不満そうな声が漏れた。
    「別に平気だろ?二人で飲むんだから気ぃ遣ったりする必要ないって」
    何故昨日の今日でそう暴飲を推してくるのだ。先日の傍若無人っぷりを忘れたわけではあるまいに。
    まさか本当に忘れたとでもいうのか。
    内心訝しみながらも暫く左右田と他愛のない会話をしていると、左右田が閉め忘れて半開きになっていた扉から九頭龍が顔を出した。
    日向が起きていることを確認すると、邪魔するぜ、と一言断り扉を自分と背後に居た田中が入れる程度に足で押し開けて室内に入ってくる。無作法を咎めようとしたが、九頭龍が手に持ったトレイの上に乗っている物を見て思い直した。
    「どうせ起きてらんねぇんだろ?朝飯持ってきた」
    「わ、悪い九頭龍」
    「ついでだからどってことねえよ」
    言葉遣いはぶっきらぼうだが表情は優しい。ベッド脇の小さなテーブルにサンドイッチやサラダ等酒でもたれた胃にも優しい朝食が乗ったトレイを置くと、当然のように自分も部屋の隅から椅子を引き寄せてきて左右田の隣に腰掛けた。まだ一日の作業の始まりまでは少し時間がある。作業の準備をしたり島を散歩をしたりと各々好きに過ごす時間だが、三人はここで過ごすつもりのようだ。
    九頭龍も普通に接してくれていることに、日向は心底安堵した。最悪手近な海に沈められてしまう可能性さえあったが、この様子だと酔っ払いの戯れ言だと水に流してくれたのだろう。懐の広い兄弟分に感謝する。
    運んでくれた九頭龍に礼を言い、花村が腕を振るったシンプルながら驚く程美味しい朝食を口に運ぶ。余り食欲はないと思っていたが、気付けばトレイの上は空になっていた。朝食を胃に収めひと心地ついた所で目の前にすっと牛乳が満たされたグラスが差し出される。九頭龍が僅かに眉をしかめグラスから視線を逸らしたのが視界の端に見えた。そのグラスを支える腕を辿っていくと、今まで奥にひっそりと控えていた田中と目が合う。
    「……早く受け取るがいい」
    いつまでも受け取らない日向に対し、いつもの低い声が急かした。
    「あ、すまん。ありがとう、田中」
    日向がグラスを受け取り口を付けるのを見届けて田中は壁際に寄り掛かる。どうやら九頭龍が運ぶことすら嫌がって田中に運ばせたようだ。
    田中は自分に負けず劣らず飲んでいたし、昨夜のやり取りを覚えていない可能性は十分ある。などと考えながらよく冷えた牛乳を飲み干した。
    「何の話してたんだ?」
    日向が空になったコップをサイドテーブルに置いたのを見て、九頭龍が話を再開する。
    「えーと、また二人で飲もうぜって話」
    「あぁ?左右田テメェ抜け駆けかよ!おい日向、コイツとより先に俺と飲め!」
    「え、えぇ?だって九頭龍お前酒飲めないだろ」
    「べっ、別に飲むのが酒じゃねえといけねえ決まりなんざねえだろ!」
    「そりゃそうだけど」
    「じゃ決まりだな」
    「待て待て待て、先に約束したのは俺だぞ!俺が先だ!」
    日向が答えるより先に左右田が九頭龍と日向の間に割って入った。僅かではあるが確かに左右田との方が先に話が来ていた(承諾はしていないが)ため、左右田の主張は筋が通っているが、何故二人とも全員で飲むという発想がないのか。左右田と九頭龍の口論を止めに入るべきか傍観に徹するべきか判断に迷い、この場でまだ中立の立場にいる田中に視線をやるが、我関せずとばかりに暗黒四天王に朝食を与えている。仲裁の期待は出来なさそうだ。
    「あれ、なんだか賑やかだね」
    仕方なく自分が仲裁に入ろうとした矢先、新たな闖入者の声に日向は頭を抱えたくなった。声の主が図ったようなタイミングで首を突っ込んできて録な事が起きないのはここ数年で嫌と言う程体感している。嫌々入り口に顔を向けると、案の定狛枝が扉に寄り掛かるようにしてひらひらと手を振っていた。
    「日向クン、二日酔い?たくさん飲んでたもんね」
    「面目ない……」
    「その様子じゃ、昨日の記憶もないのかな」
    「あ、あぁ……。悪い、明日には復帰するから」
    「たまにはいいんじゃない?皆もそう思ってるからお見舞いにきたんでしょ?」
    案外あっさりと頷かれ、昨夜の事をもっと突っ込まれると思っていた日向は拍子抜けしつつもほっとする。
    「飲み物とか、欲しいものあるなら取ってくるよ」
    やけに献身的な狛枝に警戒しそうになるが、考えを改める。狛枝も昔のままではない。彼を含め全員が良い方向へ変わっていっているのだ。自分のことを本心から心配してくれているかもしれないのに、その真心を疑うのは失礼だろう。
    「いや、左右田にもらった水があるから、平気だ」
    あるかも分からない腹の底を探るのは止めようと、日向は表情を緩め首を振った。ベッド脇の机には先程九頭龍達が持ってきたトレイの他に、ミネラルウォーターのボトルが置かれている。飲むタイミングがなかったためまだ封も開いていない。
    「……ふぅん?」
    狛枝のやけに愉快そうな相槌を聞いた瞬間、日向は自分が何か失言をしたことを悟った。どの言葉が該当するのかも分からず、今更発言を取り消すこともできないため、焦りの表情を押し隠すだけで精一杯だった。その僅かな動揺も、狛枝にはお見通しのようだが気付かない振りをする。
    「えっと、あ、そうだ、もう作業始まる時間なんじゃないか?遅刻するとまた小泉に怒られるぞ」
    咄嗟に時計を見て全員に告げる。事実そろそろ準備をしてそれぞれの持ち場に向かわなければいけない時間になっていた。左右田達は不満そうな声を上げたが、このまま押し切ってしまおうと更に言葉を続けようと口を開くが、それを遮るように狛枝が近付いてきた。
    「日向クン」
    「な、なんだよ」
    「昨日の記憶がないって、嘘だよね」
    確信を持った言葉尻に質問の響きはない。ただそこにある事実を確認しているだけのような口調に知らず眉間に皺が寄った。
    「なんで確定形なんだよ」
    「あはは、分からない?」
    酷く愉しそうで、でも歪んでいる表情。この顔を見るのは久し振りな気がする。かつて学級裁判で冷酷無比にクロを追い詰めた口調そのままに、今度は日向を追い詰める。
    「その水、なんで左右田クンが持ってきたって分かるの?」
    あっ、と誰のものともしれない声が漏らされた。先程まで良い意味で騒がしかった室内は今は日向にとって最悪の意味で静まり帰っている。
    確かに左右田が持ってきたのは間違いがない。左右田が『水持ってくるわ』と逃げたのはよく覚えている。だが昨日の記憶がない日向がそんな事情を知っている筈がないのだ。
    「その水がこの部屋に持ち込まれたのは昨日の夜だよ。どうして昨日の記憶のない日向クンが、その水を持ってきたのが左右田クンだって分かるのかな」
    「ぼんやり覚えてたんだよ。左右田が部屋に水持ってきてたの」
    「この部屋に持ち込んだのはボクだよ。左右田クンは日向クンを運ぶ時、ボトルは皆が飲んでた大部屋に置いていってる。キミはボクが『左右田クンが持ってきてくれた』と言ったから、部屋に置いていってくれたと勘違いしたんだ」
    「……」
    我ながら苦しい言い訳は呆気なく論破されてしまった。次の言い訳を探そうと頭をフル回転させるがから回るばかりで返事の一つも出てこない。
    ああ、終わった。
    「日向クン、二度も嘘を吐いたね。そんな嘘を吐く必要がある理由なんて一つしかない。キミが昨夜の事を全て覚えているからだよ」
    死刑宣告のような気分で狛枝の言葉を聞いていた。さすがにもう言い訳して巻き返せるような状況ではないと悟り、日向は己の掌で顔を覆い俯く。無言が、部屋にいる全員に狛枝の推理が真実だと明確に伝えていた。
    「……な、なぁ。ホントかよ日向?」
    沈黙を破ったのは左右田だった。恐る恐るといった体で日向に問い掛けてくる。
    「……あぁ」
    体勢はそのままに、日向は言葉少なに左右田の問い掛けを肯定した。
    「俺らに言ったことも全部覚えてんのか?」
    今度は九頭龍が何処か感情を抑えたような声で問われ、日向は自分の顔に熱が集まってくるのを感じる。それを隠すように立てた膝に顔を埋めた。
    「……覚えてる」
    それはもうはっきりと。明瞭に。一言一句の漏れもなく。
    半ば自棄になった気持ちで日向は洗いざらいを白状した。
    いつも以上の飲酒で自制が利かなくなったこと、普段思っていても絶対に言えないような言葉がするすると出てきてしまったこと、寝て起きても昨夜の記憶がはっきりと残っていたが、左右田が自分に記憶がないと思っていると気付いて覚えていない振りをしようと思ったこと。
    とにかく全てを額を膝に押し付けながら話した。こもった声は聞き取りにくかったかもしれないが、部屋は水を打ったように静まり返っていたため、聞き漏らす方が難しいだろう。全てを説明し終えて、真っ先に口を開いたのはやはりと言うか狛枝だった。
    「あぁ、良かった!覚えていてくれて嬉しいよ。記憶がなければ半減しちゃうからね」
    戸惑いの空気には場違いな歓喜の声に反応する気力もない。願わくば満身創痍(精神的な意味で)の自分を気遣って早々に退室してくれないかと淡い期待を寄せてみるが、絶望的な確率だろう。
    「半減って、何がだよ?」
    全員の疑問を代表する形で左右田がこの期に及んでまだ何かを企んでいる狛枝に問い掛ける。日向は耳を塞ごうかと思ったがそれより早く狛枝が口を開いた。
    「何って、お返しだよ。昨夜の」
    一瞬、狛枝の言う『お返し』の意味が分からず全員がぽかんと口を開けた。しかし次の瞬間、いち早く正しく意味を理解した日向が逃走体勢を取る。
    「───っ!!」
    その動きを予測していたかのように狛枝は慌てることもなくベッドから飛び出した日向が一直線に向かう扉の前に立ち塞がった。
    「……何処に行くのかな、日向クン?」
    「ど、退け!退いてくださいお願いします!」
    「退いたら逃げちゃうでしょ?」
    「当たり前だろ!勘弁してくれ!」
    生憎とこの部屋に出入り口は一つしかない。立ち塞がる狛枝を突破するしか手立てはなかった。正直なところ底意地の悪い爽やかな笑顔の狛枝を殴り飛ばしてでも脱出したかったが大元を正せば自分が蒔いた種がこの状況の原因である為、強行な手段に出られない。そんな日向の生真面目さが今回決定的な敗因を作ってしまった。
    「『お返し』なぁ……?」
    背後から聞こえた声はいつもの聞き慣れたそれより一段低いものだった。思わず背筋を緊張させ恐る恐る背後に視線を投げる。今の狛枝と同じ表情をした三人と目が合い、喉から乾いた音が漏れる。
    「俺も考えてたところだ。どう落とし前つけさせようかってよ」
    「目には目を、歯には歯を……我が結界を貫いた言霊には同じく言霊を」
    「簡単な話じゃねえか、なあ?」
    日向?
    前後を追っ手に挟まれ日向はじりじりと壁際まで後退りする。部屋の隅に追い立てられ、酔いが振り返してきたようにくらくらと目眩のする頭でこれから自分は何度悶絶死させられるのであろうと思った。

    (言ってやりたいことは山程あるのだ、一つずつじっくり語って聞かせてあげよう。)
    亮佑 Link Message Mute
    2022/08/14 16:55:22

    彼に酒を飲ませてはいけない

    pixivからの移設です。
    #ダンロン2

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