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    ドラクエ2~8まとめ【ドラクエ2】

    「背中」(3人組)

     いつだって、その背中の後ろを僕たちは歩いている。
     自分よりも年下なのにしっかりとしたその身体は実によく鍛えられていた。出会ったころのまだ幼い身体が次第に戦士のものに変わっていくのを、僕はずっと見ていた。
    「次の町まで、どれくらいだろう」
    「地図によると、まだ半日はかかるよ」
    「王女は大丈夫?」
    「平気よ。心配しないで」
    「あと一刻したら、休憩しよう」
     彼の判断は冷静で、冷徹で、そしてひどく優しく僕たちを扱う。壊れるもののように、僕たちを扱う。彼が前線に立って、僕たちを後ろにして、彼が一番傷ついているのに、彼はいつも振り返って「無事でよかった」と笑う。
     そして、僕たちは、彼の背中を見て、安心する。
     この背中がある限り、僕たちは負けないのではないか、と錯覚するほどに。そう、彼の後ろは僕たちが必ず守るのだから、無事に決まっているんだ。





    「やっと見つけた本当」(3人組)

     ロトの子孫なんて言い方は、きっと言い訳で、自分にはその価値がないと思っていた。
     ロトの子孫なんていってその血筋には威厳があるような言い方してるけど、自分にはそれだけの価値がなかった。
     ロトの子孫だからと栄えたこの国で、全てを奪われた自分はもうそんなもの名乗れないと思っていた。

     各自それぞれ、思い悩んで、それをいえずに、みんな血によって縛れて出会った仲間たちだったんだと思う。ローレはそしてザクリと音を立てながら後列の二人を庇うように白く覆われた大地を歩いている。
     しかし、長い旅も終わりに近づいて思うのは、そうか、僕らは真実が見えてなかったということ。
     自分の思い込みで、自らを傷つけていたのかという気づき。この剣を手に入れて、使いこなせるまでの苦労もあったけど、いまやロトの装備は自分のすべて。なによりも動きやすく、戦いやすく、自信が持てる。
     ツライことはたくさんあったけど、僕らは一緒に過ごしてきた。わかるんだ。もう旅が終わること。三人がそれぞれ、揃って、ようやっと「勇者」であったこと。僕らは弱いけれど、だから三人で一緒にいた。最後の戦いが終わればまた一人に還るけれど、きっと大丈夫なんだ。最後の敵は、きっと自分。
     アイツを生み出したのは世界。世界中の全ての人の憎しみと悲しみと怒りと、そして大嫌いな自分の集まり。世界をひっくり返そうとするのはいつだって自分たち。
     忘れない。僕たちは、魔王にも、勇者にも、いつだってなれること。

     ロトとは、血筋ではない。
     ロトとは、戦いによって、気づき、求めるもの。戦いの先の、真実へ。





    「ひきこもり日和」(3人組)

    「たまにはいいでしょ」
    「仕方ないしね」
    「いいね、こういうの」
     おのおの勝手気ままな格好をしてロトの子孫たちはゆったりと体を伸ばした。
    「外は雨」
    「呪いもなし」
    「金もなし」
    「「それは余計」」
     くすくすとこぼれる笑い声。王子たちと王女は居心地易くした洞窟内で響く声を楽しんで残り少ない食料をあぶっている。
    「あとは、アイツを倒すのみ」
     もうここまできたら引き下がれない。
    「終わったら、幸せになろう」
     合言葉は心に響いた。





    「僕らの朝は早い」(3人組)

     僕らの朝は早い。
     大体男二人と女の子一人という人数上、本来は二部屋に分けるべきところをいつも同じ部屋を取るところが間違っていると思うのだが、本人たっての願いというのもあってよほど財政事情が豊かな時か、部屋が狭いという事以外では滅多に二部屋取る事はない。そのため、僕らが起きる前に必ず起きて全ての身支度を終えなければならないというのは、確かだ。そんなわけで、きっと必要以上に早くに自分の支度が終わるとムーンは僕らを起こしにかかるのである。それも、時として強引に。
     最初は僕らが彼女の前で裸になろうものなら悲鳴を上げて顔を隠していたのに、今ではすっかり慣れてしまって、ちょっと彼女の女王としてのマナーが心配だ。ローレはそんなこと全く気にしてないみたいで、本当に平然として着替えをする。まあ、そりゃあ上ぐらいまでしか堂々と見せはしないけどさ。
     三人揃って部屋を出て、宿屋で朝食を取るのがいつものパターンだ。最初はそういうメニューにもなれなかったけど、ローレの意見でそういう庶民の暮らしを具体的に知っとくのは大切だというのは最近はよく理解しているつもりだ。僕は食べるのが遅いから、いつも最後にはローレとムーンの会話を聞いているだけになる。彼らはまたそういう時にはどうでもいい話しかしない。僕を混ぜない限りは旅のことを話そうとは思わないらしい。それはなんだか、ちょっと、というか、かなり嬉しいことで、僕は彼らのそういう会話を聞く事が好きだ。
     朝食を食べたあとは、一度部屋に引き上げることがほとんどだ。そこで、僕はマントを付け、皆帽子ををつけ、僕とローレはゴーグルをつけて、チェックアウトを済まして、前の晩に話し合った方向へと歩み始める。もちろん、場所や時期によっては一度街を通って買い物をしたりもう一度情報を聞きにいったりなども行うが、大体そういうのは着いた日にやってしまうか、着いた翌日に済ますので街を出る日というのは本当に出て行くだけだ。
     その時の空気の冷たさと清々しさが、非常に他人の街にいるんだということを自分たちに教えてくれている気がして僕としては好ましい。なにもかもが優しくない世界の代弁者のようだと思うのだ。
     そういう考えはどうなの? とよくムーンに言われるが、そう考えるのが僕なんだよ、と言ったら、彼女は納得したらしかったが、一言こういわれた。
    「そうね、そして私たちはそんなあなたをいつまでも案じるのかしらね」
     僕が思ったのは、彼女は優しすぎるんだ、ということだった。
     外に出たが最後、僕らを襲う魔物どもは容赦ない。というか正直うざい。大体が僕とローレの剣だけで倒せてしまうが、そうはいかないことも多々あるからそういう時は僕も呪文を使うし、そんな時のムーン程頼りになる人はいない。普段は、守ってもらうだけなんて嫌、とか言っているけど、そんな彼女に守られているからこそ、僕とローレは彼女を守りたいと思う。
     まあ、別に彼女が強いから守りたいとかではなくて、戦う力のある人間が、誰かを守りたいと思う気持ちも、力がなくても、戦いたい、守りたいという気持ちは人の感情としてみる以上なんの違いもない。
     しかし、僕らの戦う力は精霊に守られたものだから、今のこの暗闇のような世界のために戦いたい人全ての代理人として、僕らが旅立っていることの理由なのだ。
     合間合間、大体ムーンの体力に合わせて休憩を取る。そしてそれに合わせて時間を見計らって昼食を取る。
     大体の場合用意をするのは僕かムーンだ。それ以外のことには結構頼りになるローレは全く役に立たないことが二人旅の時によぉっく実感した。おかげで僕の料理の腕と舌は上達したけれど。
     ムーンが入ってよかったのはレパートリーが増えたことだ。彼女は元々第1王女ではないから、結構好きなことをやらせてもらえたという。元々料理が好きだったみたいで、別に苦ではないようである。まあ、僕も段々目覚めてしまったところもあるんだけど、二人一緒に作業するのも楽しいし、息抜きと実用を兼ねていて非常に効率がいいと思う。
     その間は珍しくローレが手持ち無沙汰になる時間で、本当にすることがないとボーッとしていることもあるけど、大体は荷物のチェックを再度行ってたり、剣を磨いたり鍛錬したりひどいと筋トレもしてたりする。とにかく何かをしないとダメな性格みたい。人と話してる時はたまに上の空のこともあるけれど行動には決して隙がないのが彼らしい。
     まあそんな感じで食事が出来れば、三人揃って「いただきます」。これは誰が言い始めたんだか、いつのまにやら儀式のようになっている。僕自身は昔からやっていた記憶が特にないのできっとローレの影響だろう。今では全員揃わないと食事が始まらない。もちろん夕食もだ。
     適当なところに簡易テントを張って、たき火を焚いて見張りを置く。いつもローレが一番手で明け方近くになって「交代だ」と言って僕とムーンを起こすから、いつだったか二人でローレを叱ったことがある。それだと彼の体が持たないと思案したが、本人は本当に僕らのことを考えてくれていて、僕は胸が痛んだ。
     彼は周りには敏感でも自分には鈍感だ。
     余り人のことを言えない自覚があるけど、彼の行動は至極自然に行われているところが恐ろしい。故意ではないのだ。まあ、やはりいつだったか無理が祟ったのと、打ち所悪く魔物にやられたのが重なって見張りをしていたはずの彼がグッスリ寝ているのを見た時には呆れるやらおかしいやら、とにかく普段は余りみられない間抜け顔だったのが印象的だったのだ。彼は少し大人びているところがあるから、その顔で丁度年相応だった。
     やはりローレの目は恐い。なにもかもを前から見つめようとする勇気のある目だと思う。その目が閉じられているだけで、彼はまるで別人のようだった。
     そのため、その後はきっちり時間がわかるように目安をもうけて、見張り当番をちゃんと統轄した。ムーン一人に見張りをやらすのはなんだかお互い恐いからで、ローレが先に見張りをやるのは、本人曰く完全な熟睡型らしく朝の光を浴びれば起きるというのを聞かされてまるで湯に浸ければ戻る乾燥野菜みたいだが、実際寝たアイツは僕らがちょっと大きな音を出しても起きなかった。
     ので、彼には結局朝まで眠ってもらうことにしたんだ。
     そんな強情一本気なローレが変わったと思ったのは、ロト装備、というか剣を手にした時からだ。
     彼はそこにつくまでの間、後から考えれば、確かに怯えていた。そこに着くまでの長い間、自分がロトの血ではないかもしれない、という彼の不安に僕とムーンは全く気が付いていなかった。
     彼のように、きちんと王子としての素質を備え、剣の腕も一流で相手の尊厳を傷つけることなく人を使うことが出来、先を見通す目を持つ彼の、どこがロトの血を疑うことに繋がるのか、最初全然気が付かなかった。
     彼の劣等感の原因というのが、自分たちが普通に使っていた魔法ということに僕は驚いた。
     何気なく使っていたコレが、この旅の間、彼を苦しめていたのかと思うと自分の愚かさに呆れてくる。彼の初めて目の前で流される涙と共に語られた言葉は、彼の苦しみを伝えるのにピッタリだった。
     いつも、年下なんて思えないほど大人びているのに、剣に認められたといって戸惑いを隠さず、素直に涙を流す姿を見て、僕はやっと彼が辛い思いをして長い間生きてきたということと、彼が本当に年相応の少年であるということに実感をもったのである。
     そして、そんな彼を見て、僕は自分の「王」の資質に疑問を抱き、僕の内に潜む苦しみを加速させた。
     僕は、彼のように、強くなれるだろうか。僕の血は、世界を救う力になれるだろうか。いつまでも迷いの抜けない心で、ロトの子孫を名乗ることに僕は疲れていた。
     剣が手に入って、ある時夕食として質素な食事をみんなで食べていた時、ローレが言った。

    「僕たち、きっとこれが終わったら、幸せになれるよ」

     そういう彼の目は全てを含んでいる。
     弱さも強さも、人としての光と魔物のような闇も。もちろん人の闇も。それはきっと同じ行程を歩んできた僕らにだってきっとあるもので、僕たちは三人で向かい合うことの本当の意味は、きっと鏡を写すように互いを見て、自分を見つめていることにすぎない。

    「だから、僕たち、がんばろう?」
    「しあわせになろう? 僕たち、きっとうまくいくから」
    「なにもかもが。だって、こんなに、僕たち、がんばったんだから」

     努力と実力、そして結果が全てイコールで繋がらないことを彼自身が身を持って知っているのに、このセリフを吐くことに、僕は強く動かされた。
     所詮人は希望に縋る生き物。
     そうだ、僕らが眠るのは、また明日目覚めることへの祈り。
     僕らが生きるのは、まだ「生きたい」という執着を捨ててないことへの現れ。
     だから、また同じ朝を迎える。世界のために。自分のために。

     ここは、もう、ロンダルキア。
     決戦は、目の前。幸せになるために、戦おう。相手が誰でも、どんなでも、そいつに言い訳があるのなら、僕らにだって言い訳がある。
     この旅は苦しみの行者。それを乗り越えて、全てを受け入れる。もう戦いを繰り返さないために、僕らで全てを終わりにしよう。
     そんな言い訳は、正直互いに聞き飽きてるよ。





    「空は快晴」(3人組)

     終わった。
     雪に体をうずめて、空を見上げている。空は晴れ渡っていた。
    「ねえ」
    「うん?」
     三人とも、寝転がって焦点の合わない目線で青空を見ている。
    「国に帰ったらさあ、お祝いかなあ」
    「そうだね」
    「ムーンはしばらくうちにおいでよ」
    「いいの?」
    「いいよ、いいよ。しばらくどこの国もいいことなんか無かったんだ。美人の亡国の女王なんて来たら盛り上がるぜ」
    「もう、いい加減なこといって」
    「やっと、自分の部屋に帰るのかあ」
    「長かったね」
    「長かったわね」
    「「「やっと、幸せになれる」」」
     そしてガバと三人一気に立ち上がって駆け出した。
     早く、早く! 帰りたい!!
     世界に伝えたい! 平和になったよ! 幸せになれるよ!! と。

    【ドラクエ3】

    「残像をせめて切り刻んで」(勇者、盗賊)

     こんなもの、と思っているけれど、結局それはありがたくいただいて使っている。
     父さんの兜。
     ずいぶんおかしな名前を使って偽名としたもんだあのクソ親父め。なにが英雄だ。このヤロー。一体誰のせいで僕は生まれながらに勇者にならざるをえなかったのか。ついでに「オルテガの息子」という「名誉」のおかげで僕の代名詞はソレである。やってらんねー。
    「なに、それ嫌なの?」
     仲間に言われて僕は自分がへこたれた顔をしていることはわかったけれど、盗賊の彼は作りのいい顔をにんまりしているので、余計に愛想よくすることを固く断ることにした。
    「嫌だよ」
    「ふうん。大変だよね。親が偉大ってのも」
    「そういうこと」
    「まだお若いのに」
    「おっさん臭いよ」
     名前のおかげで僕個人が失われそうなとき、仲間だけは僕のことを覚えていてくれるだろう。
     畜生。こんな兜、さっさともっといいもの見つけてお蔵入りにしてやるんだ!





    「肩越しの光」(勇者、盗賊)

     たった16歳の子どもの肩に乗せられているほどやわな未来。
     俺たちの将来は、思った以上に軽いらしい。それが子どもの肩に乗るくらいには。本当は大人が持つべきような試練を(本当は大人だって重いだろう)、この子は背負うために旅立ったのだ。
    「勇者くーん、疲れたー。休憩しよー」
    「さっき休んだばっかじゃないか。もう少し頑張れよ! 大人だろ!」
    「俺はガキんちょと違って華奢なんだよ。子どもみたいな無限のエネルギーは持ってないの」
     勇者は、肩にかけた剣を下ろして、そこらへんにある切り株にドカッと腰掛けた。
    「ほんとにもう! 少しだけだからね」
     まだ少年の彼は、疲れを知らないようにあせりをあせりとも思わずに、痛みを痛みとも気づかずに、前しか見えない馬車馬のようだ。
     大人である俺は、この子をどんな形でも大人から守ってやらなければ、ならない。
     それが勇者であろうとなんであろうと。俺に希望をもたらした勇者であるならば、なおさらだ。世界がこの子に守られるなら、世界はこの子を守らなければならないはずだ。





    「全てが終わった大地から」(勇者、盗賊、武闘家、商人)

     母さん、ごめんなさい。僕はずっと悪い子だった。

     薄暗い煙にまみれて暗闇に消えていくような敵の居城もどうやら終わりに近いだろう通路を歩きながら、『勇者』と呼ばれる少年は淡々と一人でしゃべりながらほぼ無意識に近い体の反応だけで魔物を切り捨てながら奥へと進んでいる。
    「僕はさ、この旅が終わったら、今度こそ、旅に出るんだ」
    「おめーずっと旅ばっかしてたのに、まあた、旅に出るの? 信じられねー。この俺サマでさえいい加減少しは体を休めてひとところに落ち着きたいというのに」
     長身の青年が答えると、同じように後衛にいた少女二人もうなずいた。
    「ほんと。私、とりあえずはお風呂に入りたい」
    「それは今の気分でしょ?」
     わいわいと話しているさまはまったくもってここが最後の黒幕の大舞台とは思っていないような話しぶりである。
    「違うよ。今までの旅なんて、旅じゃないね」
    「へえ、いうじゃねーの。じゃあ、お前のいう旅って、なによ」
    「こんな、『世界を救います』ーなんて、大儀名分のない、なんにも目的のない、旅をするんだ。景色を楽しんだり、厳しい世の中を見て誰かのせいにされたりするようなのを押しつけられるのはまっぴらだね。
     いっそ遊び人に転職してやる」
    「はは。元勇者、遊び人に、天職? なんて。笑っちゃうね。じゃあ、私魔法使い。ドレス着たい」
    「私は武闘家のままでいいかな。でもおしゃれはしたいよねー。貯金もたくさんあるし?」
    「あ、そうだよなー。なあ、あの金、最後どうすんの? 山分け?」
    「まったく、転職したくせにその癖抜けないねえ、元盗賊くん。山分け、山分け。今だってすっごいゴールドもってるしね。まだ大地のよろい売ってないの2・3個あるし」
    「さっさと売ればよかったのに」
    「だって、なんかもったいないじゃん。俺レアアイテムに弱いんだよー」
     気づけば、ズーンと目の前に大きな扉。わかる。わかるとも、ここまでくれば。
     この奥に、ゾーマがいる。最後の敵がいる。こいつを倒せば、旅が終わる。
    「じゃ、僕のこれからの長い人生の始まりのために、第一歩ー」
    「俺の一歩でもあるって」
    「私も。長い一歩だねえ」
    「はー、大変大変。でも、最初が肝心だよね」
     全員で扉に手をつけた。そこに突然、勇者がポツンとお礼を言う声が聞こえた気がして、盗賊(今は賢者なのに、いまだに全員彼を「盗賊」とそう呼ぶ)は隣のいまだ成長期の少年をみる。同じように、武闘家と元商人の現賢者の少女も勇者を見ていた。

    「ありがとう」

    「僕に、ついてきてくれて」
     はは、と生暖かい笑い声が勇者の頭を撫でた。そのあと実際に伸びてきたたくさんの手によって頭をかきまわされた。ひとしきり仲間たちの気が済むとぼさぼさになった真っ黒い髪を自分で撫で付けながら勇者は苦笑いを浮かべたのだ。



    「すみません。この人を知りませんか」
     盗賊は似顔絵を見せると、またいつもどうりの反応にいい加減うんざりしてきた。
     賢者は元の職業に戻って、また商人の軽い格好で商品の買い付けに目がない。彼女の商才があるから今自分たちの生活が楽だといっていい。
    「あいつ、絶対わかっててこちらを誘導するように移動しているはずなのよね」
    「そうだな。確実に移動の手がかりを残しているあたりが、特に、ムカつくけどな」
     武闘家は少し冷えてきた季節に肩を抱いて寒いと表現する。彼女の動作はいちいち芝居じみていて盗賊は見ていて飽きない。勇者と仲の良かった彼女はとくに怒り心頭で絶対出会い頭にぶん殴ると決めているらしい。素手でも殴られたら、打ち所が悪いと死ぬんじゃねえかと盗賊の心配は四人の旅が終わったあとでも尽きない。
     ゾーマを倒し、朝がまたやってくるようになって、自分たちは元の世界を捨てるはめになった。アレフガルドでの連日の騒ぎにまぎれて、そして、一人、消えたものがいる。

     勇者は、一人でいなくなった。

     残りの仲間たちは突然の出来事に怒りと悲しみと寂しさと、言い切れない全部の感情がごちゃまぜになって、どうすればいいのかと途方にくれて、商人に戻った元賢者が、その天から授けられた智慧を活かして言った「アイツ、金全部もっていきやがった!!」という言葉に感銘を受け(どんなときでもマイペースな彼女に盗賊はもう感動したとしか言いようのない感銘を受けたのだとあくまで言い張る)、名目上金品を山分けすべく、三人は勇者の跡を追い始めたのだ。
     理由なんかは後付で、ただ、口実がほしかった。
     理由がないと、彼を追うことはいけないことのように感じられたからだ。

     魔物のいない世界は平和で、まだ若干残っている魔物にしても、昼の世界では日々力は劣っていくらしく手ごたえがない、とまで感じるようになった。
     いくつかの街をめぐってわかったのは、勇者は姿を隠し、名を隠し、それでも目立つ奇怪な行動は変わらず行っているらしい。
     マイラでジパングの青年に声をかけたことは確認した。
     アレフガルドで大地のよろいを換金したのもわかっている。
     別の街では少女を助け、名を「ポカパマズ」と名乗っていた。
     今も探し人として作成した似顔絵をもってウロウロしてみても、一向に情報は集まらない。確実にこちらにむかったはずなのに、今回は珍しくも普通の人の振りでもしていたのかと疑問に思う。
    「あ、いた!!」
     後ろから商人に声をかけられ、盗賊と武闘家は振り返る。
     その顔の上気を見て、二人は何事かと駆け寄った。
    「それっぽいのが! 昨日街に入ったって!!」
    「「それっぽいの……」」
     天然の表現には、やっぱり感銘を受けるな、というつぶやきに、今度は武闘家も賛成してくれた。

    「遅かったね」
     ばたーん! という大きな扉の開き方にも文句をつけず、ほんの少し離れていただけなのに背が伸びた勇者は悠々とお茶など飲んでいる。窓辺に腰掛けて、部屋の中心にあるテーブルと椅子を三人に勧めた。
    「ったく、余裕じゃねーかこの野郎。どんだけ人が探したと思ってんだ」
    「そんな探してないでしょ。しっかり足跡残していったんだからさ」
    「それがやらしいのよ! アンタのやり方は!!」
     そこで、勇者は顔を上げた。

    「そう。まるで、父さんのようだ」

     商人が、無言で椅子に座る。いつだって堂々とした彼女は、勇者の話を聞こうと立ったままだった二人を促した。
    「そうね。まるで、貴方のお父さんのよう。
     ねえ、勇者。
     お父さんの真似は、楽しかった?」
     商人の言葉に、盗賊たちは勇者の顔を見つめる。
     そうだ。これは彼の父親だ。ずっと足跡があって、それを追いかけているだけだった勇者。それを悔やんでいた。それを腹立たしく思っていた。まるでやり直すかのように、今度は違う世界で同じことを繰り返している。自分が、父親になるように。
    「父さんの骨を拾ってきてね、あの職人に砕いてもらったんだ。
     もう、上の世界に還すことは、出来ないけれど、母さんに返してあげることは出来ないけれど、もう勇者の名を残すことがないよう、キチンと捨ててきたんだ。世界各地に、ばら撒いてきた。死んでもなお、名を残すことがないように」
    「それで、世界中を渡り歩いたのか」
    「耐えられなかった。
     あの人が、どんどん消えていくのが。
     でもね、嬉しくてしかたなかったんだ。
     僕を縛っていた、幻が、一緒に消えていくのが」
     勇者は、コトリと小瓶をテーブルにおく。
     三人は昔のようにテーブルに顔を突き合わせて、その小瓶を見つけた。白い灰が少量だけ。
    「僕は、オルテガなんて知らない。
     僕は、父親なんて知らない。
     僕は、英雄になんてなりたくないし、なれない。なるつもりもない。
     なのに、世界は僕を『オルテガの息子』というだけで、英雄かのように扱った。
     僕自身を見ているんじゃない! 僕の父親の影を僕に見ていたんだ!
     世界は僕なんて見ていなかった!!」
     ドオン!! とテーブルを強く叩き、小瓶が吹っ飛びそうになって、盗賊は反射的に瓶を掴んだ。
    「なのに、父さんは、僕を、見ていた。
     ただ、父さんだけが……僕を、見てくれていたんだ。僕のことを考えていた。
     僕は、父さんみたいになれないのに、父さんの跡を追って、父さんのように戦い、ただ、父さんの先を目指していただけなのに。僕は、父さんを、信じていなかったのに」

    「でも、貴方はお父さまの先を、越えたじゃない」

     商人は、自分をいつか追い越してしまったまだ少年顔の勇者を撫でてあげる。
     勇者は、小さく首を振る。
    「僕は、父さんに、なにをしてあげられたんだろう。
     名乗れなかった。そこにいたのに、僕は、名乗れなかった。あの人の後を追い続けてきたのに、僕は最後まで父さんの跡を追ってきたのに、教えてあげられなかった。
     あんな化け物を倒したことで、父さんを越えただなんて、僕は、嫌だよ」
    「なんだって、よくねー?」
     左手でバチンと少年の頬を叩いて、盗賊は笑っていた。
     ああ、かわいらしい。
     些細なことで悩んでいる少年が。汚い世界を見てきた自分を、輝けるような冒険の旅に連れ出してくれた少年が、今目の前でグズグズに悩んでいるのを見て、盗賊は微笑んでいる。
     真面目だと思う。全部が終わって、なにもかもが取り返しがきかなくなったのに、子どもはまだ悩んでいる。もっと悩んでいればいいと思っているけど、いいはしない。
     盗賊にとっての「勇者」はすでにこの目の前の子どもだけ。自分が信じた勇者はこの子だけ。自分が一緒に旅をしたのは、この子どもなのだ。
    「俺は、お前が生きてるだけで、あのオッサンを越えたんだと思ってた」
    「目だって見える。まだ戦える。世界を放浪するんでしょ? アンタにはまだ夢だってあるじゃない。かつての勇者は“死んだ”のよ」
    「ねえ、勇者。私たちの勇者は、貴方よ。
     ゾーマを倒した。十分だよ。
     世界が今知っている勇者は、あなた“ロト”なのよ」

     やっぱり、僕は悪い子だ。

     父さんが死んで、やっと僕は、「僕」であると認められる。

    「僕だけが、ロト……」
    「貴方から、始まるのよ。ロトの勇者」
     勇者は仲間たちを見る。もしかして、自分も仲間を見ていなかったのかもしれない。
     でも、僕は、彼らが大好きだ。だって、初めて自分で選んだ仲間だったんだから。
    「ねえ、私アンタに言いたいことあるのよ。最初はアンタに言われたんだけど、私からは言ったことなかったわ」
    「俺も。俺も。そういえばそうなんだよ」
    「うふふ。貴方はきっとなんていったか忘れてるわよ」
     首をかしげる勇者を置いて、三人は勢いよく立ち上がる。そして少年に手を伸ばした。
    「「「一緒に旅を、しませんか?」」」

     そして勇者は初めて人の手を取る。


    【ドラクエ4】

    「消失した昨日」(勇者)

     ここは、いつもシンシアと一緒にお昼を食べていた場所。
     ここは、お父さんと釣りをしていたポイント。
     ここは剣の師匠と稽古の待ち合わせをしてた場所。
     すべてが焼け野原。
     僕がなにもしらなかったからなのだろうか。
     僕が無力で勇者でなかったからなのだろうか。
     僕が強ければ、みんなを守れたのだろうか。
     何も出来なかった無力だけを持って、僕は、この廃墟から逃げ出した。





    「できれば知りたくなかったこと」(勇者、クリフト)

    「そんな理由があるからといって、人間たちを殺していい理由にはなりません」
    「でも、クリフト。迷いはないの?」
    「それは、確かに、わかるのですが」
     人間が、一体なにをしてきたのか、見届ける義務がある、という勇者のセリフに、それでもクリフトは食い下がる。
    「だって、一体いつまで我々は、戦いを繰り返すのですか!!」
     その叫びは、神の代弁なのだろうか。
    「だから、それは僕で止めるよ」
     その言葉は、神の意思なのだろうか。





    「世界の中心に会いに行きます」(勇者)

     いつか、いつか、いつかきっと。
     僕のしあわせはきっと世界に生まれてくる。
     そう信じることでがむしゃらに戦ってきた。そうでなければ、出来なかった。自分もいつか、世界に生まれた意味を持てると思いたかった。
     長い戦いが終わると、考えた。
     僕のしあわせは、ここではなかったのだ。
     忘れたことなんて、一度もなかったけど、思い出してきたんだよ。僕の、しあわせ。
     僕を閉じ込めていた村。存在しない幻。僕だけが見ていた、夢の国。
     だからこそ、僕も、消えなくてはならなかったんだね。一時のジョーカーとして、魔王と同じウラオモテのメダルのように、一緒に存在して、一緒に消えていくんだ。そのためだけに。
     だから、僕に関わるすべては、僕のことを忘れていく。僕なんて、いらなかった。勇者がいたから、魔王がいた。魔王がいたから、勇者がいた。すべては表裏。だから、一緒に滅亡していく。
     帰ろう。一緒に。今度は、全部、僕も一緒に、死んでいく。





    「祈り」(勇者、クリフト)

     神などいないし、救ってくれる勇者なんて存在しない。
     なぜなら、自分が「勇者」だからだ。
     勇者は、それなら、一体なにに救いを求めればいいのか。
     一体なぜ神は僕にだけこのような仕打ちを行うだけならまだしも、僕の故郷の人々を救ってはくれなかったのか。
     僕の旅の終わりに待つものはなんなのか。勇者はそして、どこへ行くのか。
     そんなことを考えていたこともあったけれど、気がつけば毎日に忙しく、仲間が増えてきたらなんだかんだで楽しくて笑うことも出来るようになった。それが本当に嬉しくて、自分だけがこんな風に笑っていることに、後ろめたい気持ちを抱えている。
     今日の火の始末をしていると、一人祈りをささげている若くて真面目な僧侶が目に入った。いつも思うけれど、彼は一体なにをそれほど祈ることがあるんだろうか。
     祈っても、自分たちのことは自分たちが解決する以外には道がないことを知っているはずなのに。
    「クリフトはさ、祈りって、なんだと思ってるの?」
    「祈り、ですか?」
     少し間を置いて振り返った彼は、その様子を見られていたことが気恥ずかしかったのか、少し照れくさそうにしていた。明かりは今は僕が持っているランプと、それから反射された自分たちの顔が少し明るいくらいだ。
    「祈りとは、希望です」
     思わず顔をしかめてしまった。
    「祈ることによって、救われるのではありません。
     祈ることによって、私たちは気づくのです」
    「なにに?」
    「祈りをささげる、『私』という存在を」
     クリフトがいつものように、笑顔を作った。
     僕はクリフトの笑顔が好きだ。裏のない、穏やかな、優しい笑顔。僕も、そんなふうに笑えればいいのに、と思うような。
    「祈る間、あなたは、勇者ではない。あなたが、あなたとして、存在します。
     それが、『祈り』という、行為です」
     ちょっとイタズラでもするように今度は笑いを変えてクリフトが僕に言った。
    「今度はご一緒にどうです?」
     祈りの先に、僕の姿が見えないのは怖いから、慌てて遠慮をしてしまった。
     「勇者」に縛られているのは、僕自身だったのかもしれない。





    「遠く霞んだ」(勇者、ライアン)

     これが勇者の使命ならば、僕は全てを受け入れるしかないのだと思っている。
    「勇者殿、一体、マスタードラゴンは、なんと?」
    「え? さっきのことですか?」
     ライアンと剣の稽古をしていたアルスは激しい呼吸を整えようと、一旦剣を下に下ろした。同じようにライアンも鞘に収める。おそらく今日稽古を始めてからもずっとそわそわしていたのは、それが聞きたかったからなのだろう。ライアンのその素直さには勇者も感服で、マーニャを直視できない様にみんな苦笑していた。
    「勇者の使命を託されました」
    「使命、ですか」
    「ええ」
     勇者とは、穢れなき存在。
     それを改めて問われていた。そして、それは否定することも出来ない。そうあらねばならないのだ。
     勇者として。憎んではならず。恐れてはならず。悲しんではならず。求めてはならず。
    「ライアンさん」
    「なんですかな、勇者殿」
    「僕は、闇を、もっては、いけないのでしょうか。僕の中の闇は、どうなってしまうのでしょう」
    「勇者殿」
    「僕は、悲しいです。僕は、辛いです。僕は、憎んでしまうのです。
     父も母も、大切な友人たちを奪った魔物たちを。
     勇者を求めるこの世界を。勇者に頼るこの世界を。
     僕を求め、そして、排除する世界を」
    「勇者どの」
    「僕は、それでも、赦します。
     それが勇者なのですから。でも、やはり、悲しいのです。人も、魔物も。
     人でもなく、魔物でもない僕は、光でも闇でもないのでしょう。
     僕は、僕に、なれるのでしょうか」
    「勇者殿は、お強い。それは、あなたが“赦す”ことが出来るからです」
     ライアンは大きな手のひらを緑髪に乗せた。もう背は追越されそうだ。
    「憎しみは、悲しみを生み、そして回りまわって、喜びになるでしょう。
     悲しみも憎しみも持っていない人間は勇者になどはなれまい。
     怒ることが出来ない人間に、なぜ赦しができるでしょう。
     あなたは、あなたの思うままにいなさい。
     私たちは、あなたの味方なのです。世界ではない。あなたの味方なのです。
     マーニャ殿は、いつも言っておられるではないか」
     アルスはなんのことかわからずに、首をかしげると、その上の手も一緒に曲がる。
    「あの子、と。
     あなたは、たった一人の子どもなのです。
     泣いておしまいなさい。我らは、たった一つの光、勇者の下に集う光なのですぞ。
     いいのです。迷いなさい。苦しんで、そして、共に、最後までお供いたしますぞ。
     赦しの道を」
     アルスは、ライアンをお父さんのようだと思った。
     頭を撫でられて、泣いていいといわれて、勇者にもなれなくて、それでも、大切にしてくれたあの両親を想う。本当の親子でもなかったのに、大切にしてくれた。そして村のみんな。
     ああ、僕は、まだ“人”でいいんだ。
     泣きたいと思ったのに、涙も出ないのは、これが初めてではなかった。





    「そのためなら僕は」(勇者、マーニャ)

     「ねえ、ずっと前から聞きたかったんだけどさ」
     マーニャが珍しくも真剣なまなざしで勇者の少年を見つめる。
     「なに? どうしたの?」
     それに応えるにはまだ幼いアルスはそれでもまっすぐに見返した。
     「なんで、アンタは戦ってるの?」
     復讐なのかと聞けば、復讐ではないといった。
     世界のためなのかといえば、世界のためではないといった。
     あのかわいそうなエルフの少女のためかといえば、そうでもないといった。
     ならばなぜ、血みどろになって、手を汚し、心を傷つけて、戻れない茨の道を進むのだろうか。
     「僕は、戦うことでしか、僕になれないから」
     「それが『勇者』ってこと?」
     「もう、僕みたいな人間は、いらないから」
     「それは全てを失う人間はいらないってこと?」
     「きっと、これが終わったら、僕はいらなくなるから、そうなればいいと思っているよ」
     『勇者』の役割を最も理解しているのは、勇者自身なのだと、マーニャは突きつけられた答えの返答に窮する。
     「世界のいけにえになるんだ。勇者とは、いつかいらなくなる存在だから」
     なんで、勇者は幸せにはなれないのだろうか。
     新たな疑問はつぶやかれることはなかった代わりに、マーニャはアルスを抱きしめた。出会った頃には同じくらいだったのに今ではすっかり自分より大きくなったアルスの頭を抱えて。

    【ドラクエ5】

    「今ならわかってあげられるのに」(主人公)

     父さんを見殺しにしたことを、ずっと悔やんでいた。
     僕のせいで父さんが殺されたことは、ずっと僕の胸のうちではやはり苦痛でしかなくて、強くなりたかったし、だからこそ、父さんの言葉を盲目的に信じて勇者なんて存在を追い求めていた。
     それがどうだ。まったく。
     勇者を見つけようと旅をして、結婚をして、子どもが出来て、勇者を見つけて。自分のしていることは、自分の父親と何が違うというのだろう。
    「お父さん。大丈夫?」
    「大丈夫、大丈夫。お父さん丈夫だから。ほら、回復魔法も使えるし」
    「でも、」
    「いいの。お父さんは“お父さん”だから」
     やっぱり、無条件で子どもを守ってしまうのである。





    「やるせないなぁ」(主人公)

     最悪だ。
     石化が取れて、可愛い子どもたちに救われて、腹心の家来に泣きつかれて、新しい家もとい城に帰ってきたのに、アランの心は弾まない。
     こんな結果って、ないだろう……?
     捜し求めてきた勇者の正体に、アランの心の動揺は抑えきれない。これでは昔も願った思いが一層強くなっただけだ。
    (僕が、勇者なら、よかったのに)
     思うだけなら自由だとヘンリーに言われて以来ずっとこの思いを捨てられずにいる。
    (僕が勇者なら、ビアンカを救えたろうか。父さんを殺さずに済んだだろうか。この子たちを危険な目にあわせずにいられただろうか。)
     今日は一緒に寝るんだといって枕持参の子どもたち二人を両腕に抱えて、アランはゆっくりと黒い瞳を閉じる。この子たちだけは、なんとしてでも守ってみせる。
     勇者だからなんだ。
     強い魔力があるからなんだ。子どもを危険な目に合わせるくらいなら、僕が絶対に守ってみせる。
     勇者を守るのは、父親だ。





    「失恋だって笑い飛ばして、どうせ泣いても明日は来るし」(主人公、ビアンカ)

     水の洞窟はいやに体が冷える。
     それは周りが水に囲まれているから、という理由だけではなくて、その後に控えている彼の一大イベントに対する思いからくるのかもしれないとビアンカはうっすらと感じていた。
     別に、ただ単に久しぶりに会っただけじゃない。とても大変な思いをしているから手伝ってあげたいと思っただけよ。私にはなんの思惑もないわ。
     そんなことを考えながらもくもくと自分よりも当然大きくなった彼の背中を追いかけている。
    「ビアンカ、ここ、段差だから気をつけて」
    「もう、大丈夫よ。さっき来た道を戻っているだけじゃない」
    「うん、でも、一応」
     彼が結婚するのは、相手を愛してるからではなくて、宝を手に入れるため。いつか出会う勇者のため。勇者に出会って、父や母や世界を救うため。だから、誰であっても彼の心のうちには入れない。
    「ビアンカ」
    「何?」
    「いや、なんだか、ずいぶん静かだから。どうしちゃったの?」
     恐る恐る聞いてくる様子が腹立たしくてみぞおちに軽く拳をぶつけてやった。形だけ痛がる振りをしてアランは微笑んだ。
    「痛いよ」
    「嘘おっしゃい」
    「本当だって」
    「ま、いーわ。帰ったらまたご馳走作ってあげる。婿養子になる前の祝いよ」
    「うん」
     そういうアランも疲れている。
     だから恋はシチ面倒くさい。ビアンカは絶対コイツのために泣いてやるものか、と考えを改めた。





    「おかしくて愛しくて」(主人公、ビアンカ)

    「は?」
    「いや、だから、は? じゃないよ、まったく」
     ここはルドマン邸。そこには二人の美女。
     特に目の前に立っているのは金髪の美しい溌剌した雰囲気の三つ編み美人。よく見知った顔。共に冒険に出た仲間。きっと、後悔する選択なのはわかっている。自分の目的は勇者を探すこと。そしてその勇者のための武具を集めること。ああ、これで確実に一つ取り損ねた。でも、やっぱり、嘘には出来ない。
    「だって、ちょ、アンタなに考えてるの? だって、本当は、」
    「僕は、ビアンカをきっと忘れられない」
     わお、素敵な口説き文句ね。ビアンカのじとりとした目線はそういっていた。
    「だから、君以外と一緒にいたら、失礼だろう?」
    「忘れられないといけないの?」
    「じゃあ、違う。忘れたくないし、覚えていたい」
     そこでやっと強気な女のほうから折れてきた。
    「ずるい。私は忘れてやろうと思っていたのに」
    「ビアンカのほうがずるい。僕は忘れられたくないのに」
     おかしな会話、とこちらは振られたはずなのに、悔し泣きなのかもらい泣きなのか、フローラが涙目で微笑んだ。





    「愛があれば大丈夫」(主人公、ビアンカ)

     本当に困難ばかりだ。
     やっと家族四人が揃うことが出来た。ビアンカが元に戻ったときに、子どもたち以上に泣きじゃくったのは父親である自分であった。そうか、父さんはこの瞬間を待ち望んでいたのか、と思うも、それも儚いユメ。残念なことに自分も同じような経験を通じて父と同じように愛する人を求め、子どものために戦っている。
    「まだ、起きてるの?」
     ビアンカが馬車から出て来た。子どもたちが寝入ったのだろう。
    「うん」
     そして彼女は彼の隣に座った。まるで一日とも経っていないようである。
    「これから、あの子たちが戦わなくてはいけないのね」
    「うん」
    「すごく、こわいね」
    「うん」
     それでも
    「でも、大丈夫」
    「ええ?」
    「最後に勝つのは、愛なんだ」
     自分たちのことを指していたはずなのに、その愛する人は大爆笑をして、その夜はなかなか眠れなかったという。


    【ドラクエ6】

    「夢からさめた朝」(主人公)

     全てが夢だったかのように。
     自分の体がまったく別物のようだった。感情の感じ方もどこか違う。これが自分の考えなのかと違和感を抱えている。意識はクリアでも、怯えは残っている。
     僕は『どっち』なんだろう。
     英雄だった「現実の」僕。英雄になった「夢の」僕。
     両方が合わさったとき、一体世界はどちらの「僕」を望むのだろう。
     これから僕は、「勇者」になる。
     必要とされているのは、どちらなのだろうか。
     新しい僕は、今日から、生まれた。





    「破れたこころのなおしかた」(主人公、テリー)

     テリーが話しかけてくるのも珍しいけど、それが疑問系なのも珍しかった。
    「それでさ、お前、記憶、なかったんだって?」
    「ミレーユから聞いたの? うん、ちょうどテリーに会うちょっと前くらいじゃないかな。戻った、というか、なんというか」
    「ふうん」
    「で、なによ」
    「いや、ううん」
     なにかを言いたいけれどもいいにくい。そんな感じなんだろう。
     それでも以前のように姉にしか懐かないような感じではなく、誰とでも一応はコミュニケーションは取れるようになってきた。ボッツはううん、と同じように返しながら、テリーの変化をうずうずしながら待っている。
    「記憶がない、というのは、どんなものなんだ」
     その顔が暗い。
    「まだ、後悔してるの? テリー?」
    「記憶がなければ、俺は、まだ救われたのか。いや、それも“逃げ”だな」
     そして自嘲気味に笑う様さえそれなりに見える辺りがハッサン辺りの恨みを買うところだろう。
    「あのね、テリー。記憶がない間は、僕は不安だったよ」
     そばまで言って話してやろうとして近寄ろうとしたら避けられた。このヤロ~。
    「だって、アイツの元にいた間もテリーなんだろ? それでもミレーユに会いたかったんだろ? 何を考えていたのか覚えているんだろ? それなら、それは、全てお前の一部じゃないか。
     忘れるなよ、テリー。忘れちゃいけないんだよ、テリー」
     やっと、ボッツの目を見て話を聞いたテリーは、いつものような無駄に大人びた感じではなくて、年相応に「うん」と言った。





    「どうしても」(テリー、ミレーユ)

     もう一度会いたかったんだ。
     そうこぼす銀髪の弟を、ミレーユは大切に大切に抱きしめた。
     あらあら大きくなったのね。立派な男の子になったのね。私のことを探してくれていたのね。
    「姉さん」
     そうして人に慣れない若者の手は美しい横顔の姉の顔から涙をふき取る。
    「よかった」
     たった、一言。
     生きててよかったとか、元気そうでよかったとか、楽しそうでとか、嬉しそうでとか、いろいろな言葉があるんだけど、全部ひっくるめてその一言だけ。
    「良かった」
     改めてもう一度口にして、テリーは姉に抱きついて涙をこぼした。



    【ドラクエ7】

    「これから僕等は分かれ道につくけれど」(主人公、キーファ)

     ここから先を行くか、行かないかで人生が変わる。
     キーファはうつむいていろいろ言っているが、アルスはほとんど聞こえていなかった。
    「僕は、キーファをずるいと思う」
     唐突に言われた言葉に、あからさまに傷ついた表情のキーファを見て、アルスの苛立ちは募った。
    「僕にないものを全て持っているキーファが、僕はうらやましかった!
     キーファは僕のことをうらやましいなんていうけど! 僕はキーファになりたかった!!」
     そう怒鳴ると、キーファも意思を固めたようで、アルスと同じような表情で怒鳴り返した。
    「俺だって、お前みたいになりたかったさ!!
     自由で、強くて、どこにでも行ける、お前になりたかった!!」
     でも、なれないんだ。僕たちは、なんににも。
     その気持ちだけが最後に二人が共有する感情だったんだろう。
     互いに差し出した手を固く握る。アルスは久しぶりに泣いた気がする。
    「さよなら、キーファ。君は僕の理想だったよ。僕は君になりたかった」
    「じゃあな、アルス。俺はお前のように生きたかった。俺は、俺の道をいくよ」
     そして、キーファの言葉は、キーファが好きだったアルスの自由を縛り、キーファの手に入れた自由はアルスたちの思い出によって罪として一生をかけて忘れられないものとなる。





    「地図」(主人公)

     子どもの頃は、よく架空の地図なぞ描いては遊んでいたものだ。
     この島だけでは冒険は飽き足らなくて、世界中に、未見の地があるように信じていた。
     そんな幻想は本当になったけれども、もう、相棒はいない。
     部屋の整理をしていたら出てきたソレをクルクルと丸めて、もう一度部屋の隅においやった。捨てるには忍びなくて、でも出しておくには、幼すぎる。





    「虹色の雫」(主人公、マリベル)

    「知ってた? こんな秘密があったこと」
     アルスは村の入り江で取ってきた雫を七色に透かしながらマリベルに見せた。それは確かに美しく。まるでこの世のものではないように。そして、彼が過去から持ち帰ってきたこの伝説みたいな話の真相は、御伽噺がリアルだったということを証明したにすぎない。
     そして自分たちの住むこの島が、伝説に大いに関わっていることに。
    「知らないわよ。そんなこと」
     それをじっくりとみながら、マリベルはずっと雫に見とれている。
     彼女は知っていたのだ。この島がなんでもないことと、この幼馴染が勇者なんかでなく、伝説なんかでなく、しょせん彼女の幼馴染だという事実を。
     アルスはそれを確認して、再び過去へと戻っていった。





    「曖昧」(主人公マリベル)

     小さい頃のことを、異常によく覚えている性質だった。
     身体が弱くて、キーファと一緒に遊ぶようになるまで、あまり飛び回ることもせずに一人でもそもそと座り込んで空想に夢を見ているような、海と空ばかりを見ているような子どもだった。
     王子となった彼との友と夢のようなひと時の冒険は、僕を強くしてとても弱らせたけど、あの記憶は、どこまでも広い海の彼方においてきてしまったように、いつしか僕は夢を忘れている。
     初めて冒険に出たときのワクワクした想いに慣れてしまって、肩にかけた剣や盾の重さを苦にしなくなって、様々な呪文や不思議な出来事の始まりを、いつしか僕は、海の中に沈めてしまった。
     キーファが言ったこと。
     キーファと決めたこと。
     キーファの顔。
     キーファの声。
     そのどれもが僕にとってはまぶしかったのに、彼は僕を羨ましいといって、僕らは互いを知る前に結局は別れてしまったんだろう。
    「アルスー」
     外から呼ばれている。
     また航海が始まる。あの冒険が過去になろうとしていて、僕の身体は細くても剣や盾の重さによって鍛えられ、呪文は使わないけれど時々役に立つ。
     まだ、なにもかもを深海に落とさず、浅瀬に浮かべているように。
     自分の担当の網や荷物を持って、ほかのみんなと一緒に並ぶ。
     空が広がっていて、海がくっきりと青くて、塩の匂いがする僕の生まれた故郷。
    「なによ、嬉しそうな顔しちゃって」
     見送りに来たマリベルがすねている。
    「そう?」
    「そうよ。まったく、どっかのアホ王子みたい」

     僕が?
    「そうかな」
    「似たような顔しちゃって」

     曖昧すぎて、僕は、忘れていたみたいだ。



    【ドラクエ8】

    「君が居ない人生なんて」(主人公、姫)

     夕食の準備をして、煮込んでいる間のわずかな時間が僕に許された自由な時間。
     その間は必ず彼女と過ごせるようにしている。王様はみんなとおしゃべりするのが好きだから、大体この時間はいつもククールと言い合いをしていることが多くてそこにちょっかいをヤンガスがかけて、いさめるのがゼシカ。
     僕はブラシをもって、姫のところへいって、今日のことを逐一報告しながらこの人の美しい髪をとかす。
     別に一緒にいるんだから、報告なんてすることもないんだろうけど、なにも話さないよりも話ながらのほうがいいかと思ってとりあえず口を開いている感じだ。無言で、というのも違和感があると思って。
     今まで、僕があまりしゃべることはなかったから、この姿を見たときには仲間の誰もが驚いていたけれど、別に僕だって魔物でなくて人間なんだからしゃべることくらいできる。
     話すことの出来ない姫の傍で話し続けるのはどうなんだろう、とか、ごくまれに僕の昔のことを考えたりしたときにたまにいつものように無口なままで姫といたら、姫に心配された(それは顔に鼻を近づける仕草とか、こちらを見上げる目線とか、とにかく普段と違う行動で示した)。
     だから、僕のどんなにつまらない話題でも、くだらない話でも僕は話し続けるんだ。
     彼女の元気が少しでも出るのなら。
     この人が人としていられるのなら、僕ができることは全てやってやろうと決めたんだ。この人たちのために、僕は。
     この人たちなしに、今の僕は絶対にいないから。君を救うために。





    「嘘吐き」(クリア後・主人公出生イベント後)

     彼の表情はなにも変わらなかった。
    「大丈夫」
     仲間たちは大丈夫ではなかった。

     彼の祖父は、彼の顔を見て、こみ上げるものがある。
     ああ、可愛い孫よ。その心も、のろいによって、抑え付けられているのではないのか!
     だが、真実を伝えてしまった今、今までのように、気軽に彼によりそうことはもう出来ないと思った。
    「僕は、大丈夫」
     ただ、手の中にある指輪が、真実なら、それだけで、僕は。

     そう思ったのに、一筋、涙が落ちた。





    「聞こえないよ、まだなにも」(主人公、ヤンガス、ゼシカ、ククール)

     なにもいまさら自分の正体を明かされても困ったものだ。
    「ハーフ、ねえ」
     あからさまに信じてないククールの目線を受け流して、エイトはぼんやりと自分の耳や手を触りまくってみた。
    「安心しなさいよ、アンタの体は私たちと全く一緒だから。違ってたらなんか気づくわよ普通」
     こちらはエイトの挙動に呆れたゼシカ。
    「うん、でもなんか、ありそうじゃない、変化が。ねえ、ヤンガス」
    「アニキの正体がなんでも、オットコ前なのはかわんねえっスよ!!」
    「「あっそ」」
     それに返事をするのは自分じゃないのか? と思うも、ククールとゼシカの疲れきった様子にエイトは少し笑った。
    「まあ、いまいち、実感ないよな。見た目は人間まんまでさ。確かにお前は強いけど」
    「そうなのよね、そこが納得しきらないのよね。それに記憶も戻らないままだから余計に」
     そう、結局エイトの記憶は戻らないままだ。だからこそ本人も信じきれてない。
     同時に感じるのは、自らの人間性のあまりの冷たさであろう。
     せめて、その場所にいけば、なにか、思い出すだろう、普通は。デジャヴという言葉があるくらいなのに。
     なのに、なにも思い出さない。血の繋がった人を見てもまったくわからない。自分は、どれだけ薄情だというのだ。
    「僕は、なんで、なにも思い出さないんだろう」
    「気になってるのか?」
    「まあ、そりゃ気にするだろうけど」
    「いいじゃないでガスか」
    「だって、なんだか、すごい、薄情だ」
    「あっちが薄情なんだよ。むごいまねしたのはそっちが先だ。お前が気に病むことじゃねえだろ」
    「代わりにエイトは記憶力いいんだからいいでしょ。私たちのこと、絶対忘れないから、いいの」
    「そうでガス。アニキは、記憶がなくても、戻らなくても、薄情でも」
    「その代わり、私たちのこと忘れたらぶん殴る」
    「ゼシカ、怖いよ」
     自分が何者かわからない恐怖に振り回された日々も、仲間のおかげで少しは忘れられたし、そして今正体を知ってもその恐怖は消えない。けれど、仲間がいる、ことは変わらない。
     それでエイトは信じてみることにした。自分は、もしかして、彼女と結婚する可能性があることを。





    「嬉しい日には」(主人公、ヤンガス、ゼシカ、ククール)

     ただただ、騒ぐ日がたまにある。
     あまりにもツライ戦いの毎日で、たまに誰かがブチ切れるのだ。
    「やってられん!!」
     そういって、ククールが釜掃除を放棄したのを槍でつっついてやるとすぐに細い切っ先をこちらに向けた。
    「てめー、なにしてんだ」
    「ちゃんと最後まで掃除してよ。僕はまだ夕飯の準備中なんだから」
    「だからもう終わったっつーの」
    「いつもの3分の1しかかかってないよ」
    「おま、ずっと俺のこと見てたのかよ!!」
    「そりゃ、横にいるんだから」
     なんていいながら押しつ押されつと次第に本気になってきたところでゼシカが姫様のブラッシングを終えて戻ってきた。
    「アンタたち、なにしてるわけ?」

     そうして、僕らはかくかくしかじか、という話になって、そしてまた二人は明るい話題には弱いからすぐに盛り上がって、僕は置いていかれる。

    「どうしたのよ、エイト。つまらない?」
    「いいや、とても楽しいよ」
     そうして自分のグラスに入っているぶどう酒を飲み干す。これはどこぞの酒場でククールが持ってきたものだ。
    「そうだぜ、リーダー。なにしけた面してんだよ」
    「アニキはいつも男前でガス!!」
     ゼシカが僕の隣に座って3人に囲まれる形になった。ふと王と姫が気になって顔を外すとすぐにゼシカの声がする。
    「すでに馬車の中よ。あとは勝手にやってくれって」
    「そう。ならいいんだ」
    「なによ」
     毎日戦いの日々。
     昔から戦う訓練をしていた僕や実践を重ねているヤンガスやククールはともかくとして、ゼシカは普通の女の子だったんだし、余計にツライだろう。と思うものの、いつもたとえ空元気だとしても一番元気に振舞うのはゼシカだった。
     そんな彼女がこうして楽しそうなのは嬉しいし、ヤンガスもククールもバカをやっているのを見るのは好きだ。
     そう、僕は見ていたいんだ。

     姫様が幸せならば、それでいい。
     仲間が楽しいならば、それでいい。
     王が元の姿に戻って、あの美しい国が元通りになるのなら、それでよかった。

     僕の原動力はすべてそこにある。僕は騒ぐ必要はない。僕は戦うためにここにいるから、僕は戦いを拒む理由もないし、ツライと嘆く理由もない。
     僕自身の平安はそこにはないから。
    「みんな楽しそうだなあ、と思って」

    「じゃあ、もっとエイトもにこにこしなきゃ、ダメよ!」
     そしてグイと腕を引っ張られる。
    「そうそう。お前ももっと楽しいこと覚えなきゃいけない年頃だぜ?」
    「アンタがいうと卑猥だわ」
    「アニキももっとたくさん食べねえと! アニキが作ったんだからしっかり食ってくだせえ!」
     三人に突き出されるようにして、テーブルへいく。周りには仲間がいて、今は聖水の効果があるからモンスターの心配もなくて、

     今日は、ただ、楽しむ日になった。

    「じゃあ、僕も」
     ククールの前にグラスを出すと、彼が綺麗に笑って注いでくれた。
    「楽しいのを見て、嬉しいのなら、お前もここにいないとな!」




    「水たまりにうつる不機嫌顔」(主人公、ククール)

     ククールは目の前の少年を睨みつけていた。相手の少年はといえばいつものように困った笑い顔を浮かべて手にした芋の皮むきを続けている。急ごしらえのテントからはびちゃびちゃと激しい音を立てて水滴がしたたるので微妙な位置に立っているククールのマントは水を吸って重かった。
     エイトは頭の中では二つのことを同時に思考していた。今の自分たちの会話と、今の夕飯作りの段取りである。
    「なんでさー俺が今怒ってるのか、お前わかってんの?」
    (そら来た)
     エイトはもはや正確にククールの思考を辿れるだろう。
    「わかってるよ」
    「どうだか」
     ククールはエイトの剥いた芋を洗っていた手を休めず、さらに追及しようと語尾を強める。
     エイトはこれ以上は水掛け論であることに気付いている。自分と彼の間には溝がある。ククールはそれに気付いていながらに認めることを許さない。
     ククールのスれた感覚というのはエイトにとって気持ちがよい。
     自分に無いものに素直に憧れるのはエイトの長所だ。ヤンガスはおかしな所で純情であり、ゼシカは女性の強さと育った環境の幸福感が滲み出ており魅力的だった。ククールの潔癖さは生来のものが極端になったんだとエイトは理解している。
     言葉だけならわからないが、彼の魂は清い。本人の自分像の歪みは痛々しい。
     エイトの考え方をわかるが、魂が批判してしまうのだ。それは結局理解に繋がらないし、ククールは消化不良を起こすだろう。
    「ここまで尽くして、姫も喜んでない結婚に反対することのなにが悪いんだよ」
    「もう、何度も言ってるじゃないか。僕が今こうして一緒に旅してるのもたまたま僕だけ呪いが効かなかったからだ。それ以外に理由はないし、本来有り得ない。
     あの方たちのために全力を注ぐのは当然のことで、それ以上望むのは不相応なの」
    「だ、か、ら、そこのどこにお前の意志があんだっつってんだよ! お前はそれで、しあわせ、なのかよ!?」
     ククールが「しあわせ」の言葉に躊躇したのをエイトは見逃さない。エイトはいつもの笑みを浮かべる。心から。
    「幸せだよ。姫が幸せになれるのなら」
     エイトはククールよりもうまく「しあわせ」が言えて満足した。幸せを具体的に思い浮かべることが苦手な二人にとって言葉を発するのも頼りない。言葉を支える経験が足りてないから言葉が一人立ち出来なくてグラグラしている。
    「その幸せが保証されてなくてもか」
     腹に響く声だった。
    「たとえ相手が誰でも、保証なんてないと思うけど」
    「そんなの、逃げじゃねえか」
     わかっている。やっと返す言葉を失うエイトを意地の悪い笑い顔でみた。
    「自覚はあんだな」
    「向かい合えるほど、強くもないさ。みんなが買いかぶりすぎなんだ」
     最後の芋の皮を捨てるとククールに向けて投げつけた。
     今度はククールは本当の笑顔でいう。
    「やっと年相応の考え方になったじゃねえか」
     エイトはムッとしたが、さっきの不機嫌に戻られるよりよっぽどいいので生ゴミを抱えると立ち上がった。後ろからククールがついてくるのをみて、ククールこそもっと年相応になればいいのに、と毒を吐く。
     ただし、心の中でのみ。
    みどり(aomidori003) Link Message Mute
    2022/09/03 17:02:38

    ドラクエ2~8まとめ

    十数年前に書いたドラクエ2~8の短い小話のまとめです。
    2は5本。CPなし。3人組がわちゃわちゃしてるだけ。
    3は3本。CPなし。パーティは勇者・盗賊♂(賢者)・武闘家♀(遊び人→賢者)・商人♀(賢者)の4人。
    4は6本。CPなし。勇者、クリフと、ライアン、マーニャ。
    5は5本。主ビア。主人公単独とCP物。
    6は3本。とても短い。ミレーユとテリーが好きです。主人公の名前は「ボッツ」。
    7は4本。CPなし。ほぼキーファの影を引きずってる話。主人公は「アルス」。
    8は5本。若干主姫。パーティ4人がわちゃわちゃしているのが好きです。

    11を書きたくて、昔の整理しました。
    ドラクエ、一生好きですね。

    pixivからの移行です。

    #ドラゴンクエスト #DQ2 #DQ3 #DQ4 #DQ5 #DQ6 #DQ7 #DQ8 #主ビア

    more...
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    • ナルキッソスの終局初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。審神者視点の話です。

      山姥切国広、修行から帰る、の巻。
      審神者の過去あり。若干暗めです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 現パロ三池兄弟まとめ②ツイッターで上げてた三池兄弟の現パロ小話まとめ②
      (実は血が繋がってない)三池兄弟が、なんか手作りの店をやっている話。時々、幼馴染の友人として古備前がいます。
      日常ほのぼの小話多め。時々、ソハヤの鉛食ってるみたいな話があります。

      ①お揃い
      ②探し物はなんですか
      ③ひだまり
      ④独立宣言
      ⑤醤油と山椒は欠かせない
      ⑥黄色い果実
      ⑦優しさに包まれて
      ⑧君と今年

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #現パロ
      みどり(aomidori003)
    • その腕を伸ばせ霊力フェス2!用 無料配布です。
      ソハヤ中心のCPなし、男審神者ありのどたばたオールキャラ風味の事件物です。
      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎の本丸です。
      戦闘シーンはありませんが、若干痛い描写はあります。最終的にはハッピーエンドです。
      DL版と中身は変更ありません。

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #男審神者 #霊力フェス‼︎2 #霊力フェス2
      みどり(aomidori003)
    • 【サンプル】こりゅうと!2【長船DASH】2022年10月16日 閃華の刻38内プチオンリー「長船DASH」参加します。
      『あたらしい橋をわたる』みどり 西1ホール ク32b
      新刊『こりゅうと!2 ー沼地のある本丸ー』 58p/A5/600円

      新刊は以前出した『こりゅうと!』と同コンセプトの『こりゅうと!2』(まんま)です。
      前作読んでなくても問題ないです。前作『こりゅうと!』も再販します。
      よろしくお願いいたします!!

      ツイッターで書き下ろし以外はほぼ読めます。
      長船たちがわちゃわちゃ本丸での平和な暮らしをしている小話たちと(炭作ったり、衣替えしてたり、かき氷食べたりしています)、
      書き落としは謙信くんの修行に伴い自分の行く末に悩むとも悩んでないような感じだけど、やっぱり修行行く決心をする小竜さんの話。最後だけ初期刀がいますが、あとはほぼ景光兄弟中心の長船。いろんな刀の名前は名前だけ出てきます。
      表紙はいつものようにすあまさんがやってくれました。本当に忙しいところありがとうございます……。

      サンプルは各話冒頭。
      上記に書いたように書き下ろし以外はツイッターで大体読めます。(https://twitter.com/aomidori003/status/1576498463780372480?s=21&t=ersI-MzJs0nDH1LOXbLH_w)ツイッターであげたものに加筆修正をしています。
       愛の詰まったお弁当   ……長船全員。謙信のお弁当をみんなで作る話
       薄荷の香りを撒き散らし ……小豆、謙信と衣替えをする話。南泉と堀川派がいる。
       ブルーハワイの夢    ……小竜と大般若が謙信と小豆にかき氷を作ってもらう話。
       望んでもない      ……光忠兄弟+景光兄弟。髪の短い小竜さんの話。ちょっとだけ獅子王。
       砂糖まみれに固めて   ……長光兄弟+景光兄弟+五虎退、日向。みんなで花の砂糖漬けを作る話。
       全て洗ってお湯に流して ……景光兄弟+長義。炭を作って風呂に入る話。
       酔っ払いたちの純愛   ……長船全員+長義。タイトル通り飲み会の話。日本号いる。
       二人の景光       ……書き下ろし。小竜さんが修行に行くまで。

      #刀剣乱舞 #小竜景光 #謙信景光 #長船派 #景光兄弟 #長船DASH #サンプル
      みどり(aomidori003)
    • ただの少年ですゲームDP。男の子主人公がチャンピオンになった後、なかなか助手のヒカリちゃんと会えなくてずっと主人公を探していたヒカリちゃんの話。
      主人公の名前は「ニコ」くんです。
      恋愛未満なDP主人公ズが好きです。

      pixivからの移行です。

      #ポケモン #DP #ヒカリ #男主人公
      みどり(aomidori003)
    • 未来を見ないで(2021年5月29日追記)
      2021年5月30日の0530超エアブー 【凍結ぶどう】みどりの新刊です。
      A5/50P/600円/小説/全年齢
      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。男性審神者がいます。
      肥前忠広と出会った前田藤四郎と男審神者がとある事情から一緒に同行し、戦いを介して、
      肥前の本丸の陸奥守吉行、南海太郎朝尊との関係を探っていく物語。
      土佐組の関係性のあり方の一つとして、肥前を中心に描いています。
      こちらの話を加筆修正したものです。ラストは追加されています。

      全編シリアス。ブラック本丸、刀剣破壊表現、間接的ですが流血、暴行描写があります。
      なんでも平気な方向け。

      通販はこちら
      https://pictspace.net/items/detail/276503

      よろしくお願いいたします!

      ===========================

      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。個性の強くない男審神者います。
      単発で読めます。
      土佐組中心というか肥前くんメイン。審神者が事情ありそうな肥前くんと出会ってドタバタする話。

      ・流血、負傷、嘔吐シーンなどあります。
      ・ブラック本丸表現あり。刀が折れるシーンもあります。
      ・最後はハッピーエンドです。

      5月30日のインテックス大阪・超閃華の刻2021に加筆修正を加えて出す予定です。
      おそらく通販になる予定です。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #土佐組 #肥前忠広 #前田藤四郎 #男審神者 #陸奥守吉行 #南海太郎朝尊
      みどり(aomidori003)
    • 自覚のない可愛げ初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。初鍛刀・前田がめちゃくちゃにかわいいと思っている審神者と、自分の言動が短刀らしくなくかわいくないというのが自覚あって軽いコンプレックスな前田の話。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 誰が為のお茶初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者が出てきます。鶯丸が夜寝る前にお茶の準備をしている話。大包平が顕現したてで鶯丸が浮足立ってる。
      単品で読めますが、この話の続きみたいなものです。
      >「本心はぬくもりに隠して」(https://galleria.emotionflow.com/115535/635572.html

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • 理由はいらない単発。これだけで読めます。
      本丸内で寝無し草をしていた小竜さんと、小竜さんに世話を焼かれていたけど本当は一番小竜さんを受け止めていた謙信くんの話。
      それとなく長船派が大体出てきます。

      ついでに、この堀川くんは、この堀川くんと同一です。本丸もここ。
      『そして「兄弟」となる』(https://galleria.emotionflow.com/115535/626036.html

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #長船派 #景光兄弟 #小竜景光 #謙信景光
      みどり(aomidori003)
    • 闇こそ輝くと知っていた初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。山姥切国広視点の話です。
      山姥切国広、修行に行く、の巻。

      実際には私は即出しましたけど。
      でも、山姥切国広は「修行に行く」と言い出した時点で修行完結と思ってる派なのでそれだけで尊いです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎 #薬研藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 現パロ三池兄弟まとめ①2021年7月11日の『閃華の刻緊急SUMMER2021』に参加します。
      【凍結ぶどう】青海Bホール テ64ab
      『鈍色の日々』(にびいろのひび)
      70P/600円/小説/全年齢
      通販はこちらから。
      https://pictspace.net/items/detail/276506

      ======================================
      ツイッターで上げてた現パロ三池兄弟の小話をまとめました。
      とりあえず10本です。

      こちらの内容に加筆修正して書下ろしを追加したものを7/11閃華に出す予定です。
      ツイッターにはもう少し載っています。

      気がつけばすごいたくさん書いていた……。
      色々感想いただけて三池界隈の優しさに甘えています……。ありがとうございます。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #現パロ #物吉貞宗 #包丁藤四郎 #大包平 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • 家族になろうよ昔サイトに載せてたプラ澪+正宗くん関連小話まとめ。
      一応おそらく時系列順。

      妄想過多。過去捏造。
      子ども時代~修行時代~本編~プラ澪告白編から結婚まで。
      短い話の連なりです。なんとなく全編がゆったり繋がってます。

      なんとなく明姫のプラ澪もこの前提ですけど、子どもはいないので時系列は少し違います。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #神吹白金 #火神楽正宗 #湟神澪 #プラ澪
      みどり(aomidori003)
    • どうか全力で構わないからイナイレ二期の真帝国戦後の鬼道さんと円堂さんの話。
      ほんと、あそこの春奈ちゃんのこと考えると鬼道さん殴りたいけど、鬼道さんも誰か抱きしめてあげて、みたいな気持ちになる。円堂さんも豪炎寺抜けて傷心中だし。
      二期鬼道さんの良妻ぷりが、好きだけど、鬼道さんももっとワガママ言ってほしかったな、という話です。書いたのは結構前です。

      pixivからの移行です。
      #イナズマイレブン #イナイレ #円堂守 #鬼道有人 #音無春奈
      みどり(aomidori003)
    • まがい物の恋初期刀加州本丸の、ソハさに。
      神様ムーブなソハヤと、ソハヤに片思いをしていたけど鈍感な審神者の話。ハッピーエンドです。
      ちょっと女性の生理描写あります。

      ソハヤ視点の補足のような何か→「作り物の気持ち(https://galleria.emotionflow.com/115535/635625.html)」

      ソハさにがめちゃくちゃキている。これはこれで終わりなんですけど、続きというか、補完があるので、また適当にあげにきます……。とにかく一週間くらいで4万字以上ソハヤ書いてて、書かないと日常生活に支障が出るレベルでソハヤいいです……。ソハヤぁ……。神様ムーブしてくれえ……。
      あと、毎回毎回糖度が低い。どうしてなんだろう……。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱夢 #ソハさに #女審神者 #ソハヤノツルキ #加州清光
      みどり(aomidori003)
    • 変わらない寂しさ明姫の続きものその⑥。番外編。
      明姫です。が、ほぼ明神とエージ。
      初期三人組が大好きすぎて書いた。明姫が付き合い始めて寂しくなるエージと、でもそれに派生してそれぞれ寂しさを抱えてる明神と姫乃、みたいな感じですけど、エージと明神には永遠に兄弟みたいでいて欲しいです。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #明姫 #桶川姫乃 #眞白エージ
      みどり(aomidori003)
    • ライオン強くなりたいエージと、明神の話。
      昔出したコピー本です。

      #みえるひと #明神冬悟 #眞白エージ
      みどり(aomidori003)
    • 本心はぬくもりに隠して初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。初太刀・鶯丸からみた主の話。近侍で明石が賑やかしにいます。

      話の中で大包平が十数万貯めても来なかった、という話は、実話です。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #明石国行 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • あまやどり昔出したみえるひとの同人誌です。
      明神冬悟と正宗くんの話と、ひめのんとプラチナの話。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #神吹白金 #火神楽正宗
      みどり(aomidori003)
    • 君に花束をn番煎じのタイトル。光忠が顕現してからの福島の兄ムーブと己を大事にしすぎる言動に頭を悩ませているけど、福ちゃんは福ちゃんで弟との距離感に諦観感じていた話。最後はハッピーエンドです。
      加筆修正して、光忠兄弟ワンドロで書いた話たちとまとめて春コミに出す予定です。

      光忠、なんでも器用に出来る男が全く頭回らない癖強兄に振り回されてほしい。

      #刀剣乱舞 #光忠兄弟 #燭台切光忠 #福島光忠 #不動行光 #サンプル
      みどり(aomidori003)
    • こんな苦味も口に含めば初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。甘いものが好きなんだけど、ずっと隠し続けていた審神者と、それに気付いて色々と察した安定が審神者と甘いものを食べに連れ出す話with骨喰。
      脇差たちには元気いっぱいもりもり食べててほしいです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #大和守安定 #骨喰藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • ここから単発。これだけで読めます。
      ソハヤの顕現から、大典太の顕現して、三池兄弟が「兄弟」となるまで。
      兄弟のすれ違い話好きすぎて、堀川派と貞宗派と三池で書いてる……。
      同じようなものですが、兄弟好きなので許してください。

      ソハヤのポジに見せかけたネガがめちゃくちゃ好きです。あと、大きな刀が小さい刀とわちゃわちゃしてるの好きです。徳川組かわいい~~~、好き~~~という気持ちで書きました。

      ついでにこの物吉くんは、多分この物吉くんです。
      「うちのかわいい太鼓鐘(https://galleria.emotionflow.com/115535/635603.html)」


      以下、余談。
      刀ミュ、三池兄弟、本当にありがとうございました……。
      ソハヤツルキ、最高でした……。本当に、東京ドームシティに帰ってきてくれてありがとう……。推しが自ジャンルに来る経験初めてなので、挙動不審ですが、応援していきます……。
      本編より、推しの観察に費やす経験初めてしました。ソハヤしか観てない。健やかでいてくれてありがとう……。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #三池兄弟 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #物吉貞宗 #包丁藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 夕陽の向こうの顔明姫。GW前。雨降って地固まる系の話。
      いつもどおりの展開で、愚鈍な明神と、情緒不安定なひめのん。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫
      みどり(aomidori003)
    • 一瞬だけの信頼みえるひと小話。サイトにあげてたもの。2008年くらい。本編前の明神師弟の話。
      冬悟がひたすらにネガティヴボーイで、師匠もつられてネガティヴになってる。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #明神勇一郎 #黒白師弟 #明神師弟
      みどり(aomidori003)
    • 二人で見る月みえるひと、学パロ冬姫(明姫)です。
      以前書いていた『もっともっと』(https://galleria.emotionflow.com/115535/626025.html)の前日譚というか、くっつく時の話。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫
      みどり(aomidori003)
    • 花火の夜明姫。7月、夏休みの話。
      R15くらいかなぁと自分比で思っていたんですが、特に大したことはなにもしてなかったです。おかしいな……。書いてる間は死ぬほど恥ずかしかったんですが。二人で花火を見に行く話、ですが、花火は見れませんでした。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫
      みどり(aomidori003)
    • シンフォニアまとめ十数年前に書いたTOSの短い小話のまとめです。ほぼCP要素なし。時折ロイコレ風。
      ロイド、ゼロス、ジーニアス多めです。9本。
      本当に、名作で、ロイドくん、一生好きな主人公です。

      最近ひとさまのテイルズシリーズの実況を見てはちゃめちゃに好きだったことを思い出したので昔のを引っ張り出してきました。
      は~~~、ゲームやりたいな~~~~~~。

      pixivからの移行です。

      #テイルズオブシンフォニア #TOS #ロイド #ゼロス #コレット
      みどり(aomidori003)
    • 隣室の明石くんとソハヤくん(2022年3月17日追記)
      2022年3月21日の閃華春大祭 【凍結ぶどう】みどりの新刊です。
      【凍結ぶどう】東2ホール ケ43ab
      『隣室の明石くんとソハヤくん』
      100P/文庫/1,000円/小説/全年齢
      カバー、表紙はいつものようにすあまさん(https://www.pixiv.net/users/158568)が描いてくれました!!!推し二人描いてもらえてめちゃくちゃ嬉しい!!!!

      通販はこちらから。
      https://pictspace.net/items/detail/276508

      よろしくお願いいたします!

      ===========================

      単発。隣室になっている来派の部屋の明石と、三池の部屋のソハヤが大して仲良くならずに隣人として過ごしている短編集です。日常ほのぼの~シリアスまで。

      全話に明石とソハヤ。時々、愛染国俊、蛍丸、大典太光世、虎徹がちょっと、名前だけは他の男士も居ます。
      明確なセリフはありませんが、審神者います。
      CP要素はありません。

      なお、最後の「⑦隣に立つもの」ですが、戦闘描写あり、流血、重傷表現があります。

      pixivからの移行です。
      みどり(aomidori003)
    • 【ペーパー】コンクリの森【閃華春大祭2021】春コミおよび閃華春大祭 2021お疲れ様です。ありがとうございました。
      マジで前日に作ったペーパーです。少部数だったので、無配で終わりなんですがせっかくなのでこちらにも。
      明石と不動(極)が一緒に現代遠征に行く話です(単発)。
      表紙はすあまさん(https://www.pixiv.net/users/158568)が描いてくれました!

      前提は、初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      ほとんど姿のないセリフのみ男性審神者が出てきます。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #明石国行 #不動行光
      みどり(aomidori003)
    • そして「兄弟」となる初期刀・山姥切国広、初鍛刀・薬研藤四郎の本丸に権限した、十振目の堀川国広が、山姥切と山伏を心から「兄弟」と呼べるようになるまでの話。うちの本丸始動話でもあります。

      堀川派の「脳筋」と呼ばれているけれど、実際には三人とも内に籠るタイプなのがめちゃくちゃ好きです。他者に向かわず、自分自身ときちんと向き合うタイプの国広ズ、推せる。

      pixivからの移行です。
      #刀剣乱舞 #堀川派 #堀川国広 #山姥切国広 #山伏国広 #国広三兄弟
      みどり(aomidori003)
    • 三池兄弟まとめ①ツイッターで上げてた三池兄弟(本丸設定)をまとめました。
      ①絶対言わない。
       鬼丸とばかり飲んでる大典太に構ってほしいけど言えないソハヤの話。ちょっと獅子王と小烏丸。
      ②仲直りの夜食
       喧嘩してトンデモおにぎり作ったけど、後から悪かったなと反省してるソハヤの話。大典太目線。
      ③それならいい
       酒量を注意された大典太が、ごめんねと言えなくて詫び弁当を作る話。
      ④その声が呼ぶ限り
       兄弟を庇ってソハヤが幼児化する話。

      すこしだけ修正済。

      「沼地のある本丸」は初期刀と初鍛刀が同じなだけで審神者が出てこないものです。特に繋がりはそんなにないです。沼があります。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      #刀剣乱舞 #三池兄弟 #ソハヤノツルキ #大典太光世
      みどり(aomidori003)
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