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    夕陽の向こうの顔
     大学二年目の前期の時間割もほぼほぼ決まりかけた頃、ちょうどいい具合に大型連休がやってくる。新入生たちのざわめきもまだ落ち着かない学内も、連休明けにはどこか冷めたように静かになるのが例年のことだった。
    「ゴールデンウィークはどこか行くの?」
    「うちは特には」
    「ヒメノんところはいっつもそうだよね。彼氏とどっか行けばいいのに」
    「ううん、私も彼も人混みがあんまり好きじゃないし、いつ仕事が入るかわからないからね」
    「社会人の彼氏も大変だねえ」
     なんて会話をして、心のうちでため息をついた。
     社会人なんていう立派なものではなく、自由業で、お金がないだけだが、別に出かけたいと思っているわけでもないし、人混みが苦手なのも正しい。
     ただ、どこか、いつまでも普通の恋人同士のような気楽さが伴わないのは、単にこういう会話が苦手なだけだろうか。
     友人同士で旅行に行ってもいいのだが、心配性な明神やエージ、母がいるのであんまり気軽に遠方に長時間出かけるのも気が進まない。親友ならば事情も知っているので澪や案内屋の仲間たちと一緒に出掛けることが出来るだろうが、親友は今年の春先から免許を取りに忙しくしていて最近は一緒にいる時間が減っていた。正確には、春休みで終わるはずだったのが長引いている。
    「私も免許でも取ろうかなぁ」
    「卒業までには取っておきたいよね。時間がある学生の時に取っとけって、私もお父さんに言われたもん」
    「だよねー。はー、通うのと、合宿どっちがいいんだろうね」
     こんなくだらないことを言い合いながら帰宅する平和な毎日があるだけでも、私は幸せだ。
     それ以上なんて、望めない。
     それは、心から思っていることで、嘘でも偽りでもなかった、はずだった。

    「ねえ、すごい人いる」
     大学から隣の駅から少し歩いたところに新しい喫茶店が出来たから行こうといってテイクアウトのコーヒーをダラダラと飲みながら一駅先まで天気がいいから歩こうとなった時だった。
     すぐに思ったことは口に出てしまう友人は、さすがに相手には聞こえない距離でだが指をさしてヒメノたちにつぶやいた。
     もう一人と一緒にさっきの喫茶店にあったチラシを見ていたヒメノたちはその声に指の先に視線を送る。
     そこにいたのは、真っ白い髪の毛に、頭上に黒いサングラス、大柄とまではいかないがそこそこ立派な体格をした黒いコートの男が大きな声でしゃべっている姿だった。
    「誰もいないのに喋ってるよ、あの人」
    「え、うわ、ほんとだ」
     道路の脇の余った空間を公園のようにしている小さなスペースの中で、彼はベンチに座ってブランコの方向に向かって「いやいやそんなことないって」「オレならそうは言わないな」「あー、そういう考えもあるよね」など、一人で相槌を打っている。
     公園脇の歩道を避けるように反対側にこそこそと渡り、三人は身をすくめるようにして速足で歩いた。
    「まあ、春だしね」
     なにか良くないものを見たときの、悪いものにふたをするような仕草が、ヒメノの心に古い傷をほじくり返すようにして柔らかい部分を掬った。
     その男はよく見知った、いや、毎日一緒に寝食を共にしている、彼女の恋人なのだから。
     一言も発することが出来ず、目を向けることも出来ずに黙っているヒメノの手を友人が取った。
    「行こう、ヒメノ」

     明神は独りではなかった。ヒメノには見えている。そのブランコには年若いスーツ姿の男がいたことに。
     私は、どうして、彼に近づけないのだろう。
     その自問自答は、ずっとヒメノを傷つけている。

    ***

     あれはまだ付き合う前。大学に入学する直前だった。
     大学も無事に決まり、高校最後の春休みを堪能していたある日、夕食後自分の部屋に戻ってから肌寒さを感じ、暖かいものでも飲もうと思って台所に向かうと、ちょうど明神が緑茶を入れていたところだった。
    「それ、さっき夕食後に飲んだやつですか? 茶葉取り換えました?」
    「え? ダメなの?」
    「あー、もー、相変わらず無精して。何回目ですかそれ使うの。取り替えてあげるから新しいの淹れますね」
    「え、いいよ、オレこれで」
    「一人も二人も一緒です」
     そういって強引に急須を奪うと、狭い台所になにをすればいいかわからない男が突っ立っていることになった。
    「淹れたら持っていきますよ」
    「え、いいよ。待ってる」
    「はあ」
     少し前、ヒメノは明神に告白をしたばかりだったが、彼からの返事は「わからない」というものだった。
     とりあえずなにかしらの好意があることはわかっているが、どことなく緊張感が漂う関係になってしまった二人はただ黙ってお湯が再び沸かされるのを待つ。
    「あのさあ」
    「はい」
    「これから先、大学に入ったり、会社に入ったりした時にさ」
    「はあ」
    「外でオレが“仕事”をしているときに見かけても、近づいたり、話しかけたりしちゃ駄目だよ」
    「え、なんで」
     単純な疑問で、反射的に口から出ていた。それを見て明神はその場を取り繕うように、「明神」の顔をして笑った。
    「高校はここから近かったし、エッちゃんもいたし、お母さんもいて、ここが有名なお化け屋敷のボロアパートで、頭のおかしい管理人がいるって知られてた。
     でも、新しい学校ではそうじゃない。そりゃ電車に乗っても三十分以内に着くし、そう遠くないけど、もう高校の時みたいにすぐに駆けつけられるところじゃない。それに初めて出会う人たちばかりだし、これから先も色んな人と出会うだろう。優しい人もいれば、そうでない人もいる。悪意が服を着てるようなやつも、正直すぎてバカを見てるやつもね。
     ひめのんには、普通の、当たり前の生活を過ごしてほしい。
     だから、外で、仕事をしている時のオレには、話しかけたりしちゃ駄目だ。わかるだろ? 変わった人間と知り合いだってだけで、君に興味関心を持つどんな人間がいるかわからない。だから君の「普通」を守るために不要なタイミングでオレと関わらない。
     それは約束してほしい」
    「エッちゃんがいたらいいの?」
    「ううん、二人っきりならいいよ」
    「仕事してないところで会ったら?」
    「まあ、よくはないけど、それならいいかな」
     お湯が沸いて、新しい茶葉を入れてあった急須に注いで、蓋をした。
     明神は、首の後ろを掻いて、口にするかしまいかと迷ったけれども、という雰囲気で、そのくせずっと考えていたことを話すようにスラスラと話し出す。
    「本当は、外でこんな怪しい男と知人だなんて思われないほうがいいんだけど」
     相変わらず、そういう低い自己評価は肯定されることがない。社会的には事実だけれど。
    「じゃあ、私に変な虫がついてもいいんですか? 一緒に男の人がいるほうが悪い虫がついてこないって言ったのは明神さんでしょ」
    「いや、変な虫っていうか、まあ、ひめのんがそういうのでいいっていうなら……。君が幸せだっていうならそれはそれで仕方ないというか……」
     その返答にはさすがにフンと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
     乱暴に明神が用意していた二人分のマグカップに緑茶を注ぐ。
    「じゃあ、いいです!」
     私が好きだといったのはあなたなのに!
     なんてデリカシーのない男だ! と憤ったのに、その約束を、ヒメノは今でも頑なに守っている。

    ***

     ボンヤリとして帰宅の途につく。
     夕焼けが伸びて自分の影を踏みながら歩いた。
     明日から連休で、休みで、学校もないし、バイトも新しい人が入って別にたくさん入る必要もなく、特にしなくてはいけないこともない。うたかた荘のみんなといつも通りおしゃべりしてゆっくりして過ごす。それだけだ。
     それなのに、心は浮かない。

     自分のことが、キライになりそうだった。

     本当に彼のことが好きだったら、どう思われようと明神に近づいてそばにいるべきなのではないか。
     きっと、そうだ。
     明神は明らかに一線を引いている。それは自分が幼いから、頼りないからではないのか。彼と同い年なら、彼と同じ力があったら、よかったのだろうか。ただ守られるだけの今の形に満足なんてとても出来ない。
     ただ彼が生きていて、自分と同じ気持ちでいてくれるという事実だけで満足しきれない。そんな傲慢さを、彼が仕事をしているところを他人の目で見て知らされた気がした。
     明神にそんな画策など存在しないことなんて分かりきっているけれど、自分の無力さは、彼のことをもっと知りたい、彼ともっと親密になりたい、というヒメノの想いを遮ろうとしてくる。
     彼がヒメノに触れてくるのは手と頭と、頰だけ。夜中にこっそり一緒にコンビニに行く時に、時々ウッカリというように触れるだけのキスをする。
     それだけでは、ヒメノの欲望は、高まるばかりで逆効果なのに、彼は、完全にそこまでと決めているような感を漂わせてその先を止めてくる。
     自分だけが求めているようなもどかしさと虚しさが、結局外で声をかけることが出来ない自分の弱さを明神に突きつけられたようで、そう思うことで結局明神のせいにしていることが自己嫌悪をより強めた。

    「ひめのん」
     夕陽で逆光になっているけれど、明らかに微笑んでいるような声だった。
     そちらを振り向くともうすぐ近くに明神が来ていた。
     いつもなら、一緒に住んでいてもすれ違うことも多いので家の中でも会えただけで良かったと思うのに、今日は出来ればもう顔を合わせたくなかった。
    「今日通りすぎたろ」
     そして、そのことに触れてほしくなかった。やっぱり、彼は気付いていた。なんでもないことのように、そうして話題にしないでほしい。
    「うん」
    「えらい。よくやった。ちゃんと約束守ってるじゃないか」
     そういって、出会った頃と変わらず自分をほめる。子ども扱いしているように。
    「えらくない」
    「はははは、すっごい暗い顔」
    「誰のせいだと思ってるんですか」
    「知ってる。オレのせい」
     夜じゃないとこの人は決して手を握らない。
     その悪びれない態度にも、子どもと変わらない対応にもイライラした。
    「まだ暗くないし、明神さんがいるからいいですよね」
     そういって、その男の手を握ってうたかた荘とは反対側に歩き出した。
    「え、」
    「少しお散歩付き合って」
     戸惑っている手はなかなか握り返してくれなくて、またヒメノのイライラは高まった。
    「こんな暗い顔でお母さんに会えないので!」

     川っぺりを二人で歩く。いつの間にか手は離れて、前を歩いているのは明神になっている。
     散歩をするにはいい陽気で、少しだけ風が強い。ジョギングをしている人や犬の散歩の人は、それぞれ自分にしか関心がないような素振りで、ヒメノは少しだけ安心した。時々すれ違う人が、明神の白い頭を二度見していくくらいだった。
    「今日のお仕事は?」
    「上々だよ」
    「そう」
    「知ってるだろ? いつものことだから別にひめのんが気にすることなんてなんにもないんだよ」
    「全部聞こえてたくせに。私たち以外にもあそこを通る人たちがいたんでしょう? みんなああやって遠巻きにしていくの?」
    「慣れてるよ」
    「慣れちゃ駄目だよ、そんなの」
     もうこの理不尽な約束は、一方的に言われただけなのに、いつの間にかヒメノが守ることになっていて、そして、実際に「仕事」をしている彼となんの前触れもなく出会ったのは初めてだった。澪やプラチナ、雪乃がいれば仕事だろうがなんだろうが声もかけるし、なにか役に立てないか、と自らその場に行くのに、どうしても、ヒメノ一人に対しての明神の「やさしさ」という膜に覆われた理不尽を納得出来ない。
     周辺の人から向けられる嫌悪や疑惑や好奇心や疑心暗鬼な瞳にさらされることに対して「慣れた」と言ってしまうことにヒメノの胸は苦しくなった。その慣れは、彼女の知らないところで、常に引き起こされてきたからだ。そうだ、彼が、周囲の人々が、ヒメノをずっと、そんな視線から守ってくれていたからだ。
     その時ようやく明神がヒメノの顔を見た。
     正しくは、逆だ。ヒメノが男の顔を見なかったのだ。
     泣きそうな、いや、少し怒っているような、不愛想な表情。しかし、本当は、そういう複雑な時こそ、なにも考えていないのだということを、ヒメノは知っていた。それが、やっぱり、彼女の心の空洞に強い風を通した。
    「もう、手遅れだよ」
     それが、「慣れ」への答えなのだと気付いたときには、一瞬外されていたサングラスが、再び彼の目を覆った。そこにも意味なんてなくて、夕陽が眩しかっただけでしかない。本当に、そこになんの負担も負荷も、気負いもないことを証明していた。
     手遅れ、なんて言いながら、半笑いで片頬だけを引き上げる不器用な笑い方をした。
     それが「明神」の癖だ。
     二人でいる時は「冬悟」だって言ったのは男のほうなのに。
    「まだ歩くの? もう早く帰ろうよ。お母さん、心配するよ」
     横に並んで、ヒメノの顔を覗き込む。
     ヒメノはムキになってさらにズンズン歩いていく。彼は犬のように従順についてきた。

    「あのね、ひめのんが傷つく理由は一つもないんだ。
     オレの言い方が悪かったなら謝るよ」
     ええ、本当に。
     それは、拒否されているような断絶に他ならない。なのに、彼は無意識で、そんなこと、微塵もわかっていないのだ。
    「でも、私は」
    「君は、普通の女子高生から、普通の女子大生になった。その幸福はお願いだから手放さないでよ」
     それを言えば、ヒメノが黙ると知っている。それが卑怯だ。
    「でも、やっぱり嫌だ」
    「君までこんな業を背負う必要はない」
    「冬悟さんは、前に私に言ったよね。
     わがまま言っていいって、言った。
     冬悟さんは、わがままを言わないの?」
    「だから、コレがオレのわがままだよ」
     周囲が薄暗くなって、オレンジよりも、薄い紫から濃紺に空が占められる率が高くなってきた。
     街灯がジジッとなんらかの音を複数回立てて付く。小さな羽虫が飛んでいる。すれ違う人も、明神の髪の色など気にならないくらいの暗さで、二人だけしかこの道を歩いていないような、そんな空間に押し込められたようだった。
    「君がこっちに来たがるのを、必死に止めようとしてる。
     ひめのんの意思を無視して否定すらしている。大の大人がやるようなことじゃない。
     ひめのんの意見を聞くまでもない。これは、オレの人生最大のわがままだからだ」

    「やだ!」

    「でしょうね」
    「私は嫌」
    「うん。知ってる」
     顔が見えなくて、今度は明神から繋がれた手に少しだけキュッと力が入った。
    「やっぱりなにもかも知ってるもの。冬悟さんが苦しんでるのも、本当はさみしいのも、辛いと思ってるのも、普通になりたいのも、当たり前に生きたいと本当は思ってるのも、全部知ってるもの。
     やっぱり冬悟さんズルいよ。
     そんなのわがままじゃないでしょ?
     私のことを一生かけても守ってくれるって、言った。
     なのに、肝心な時にそばにいない時があるなんて、そんなのおかしいじゃない。
     逆も同じなのよ。私だって、あなたが大変な時にはそばにいたい」
    「いつでも駆けつけるよ。文字通りに」
    「来てもらうだけじゃなくて! 私も駆けつけたいの!
     本当のわがままっていうのは、私が「嫌」って言っても、そばにいてほしいとかっていうことじゃないの?
     大切な時にそばにいないのに恋人とか、好きだとか、彼氏とか彼女とか、なの? おかしいじゃない」
    「うん、ごめんね」
    「すぐそうやって謝る。
     そうじゃない。違う。私が言いたいのは、そうじゃない」

    「うん、そうだね」

     こんな時ばかり大人ぶっている彼が憎い。
     サングラスをかけていても、夜目が利くし、視力もいい明神には、きっと見えているのだろう。
     ヒメノが泣いていることなんてとっくに。

     もっと、手を伸ばしてほしい。
     そう思うことは、私だけのわがままなんだろうか。

    「じゃあ、全然私に手を出してこないのもソレなの?
     明神さんのわがままの一環?」
    「ん?」
     ギョッとした明神の生返事が、急に現実味を帯びて歩きながら振り返った。
    「え、急に、なんの話……?」
    「そういう話!!」
    「い、いや、それは、その、場所とか、時間とか、こう、しかるべき時が来れば……」
    「いつ!?」
    「ええ?」
    「ずっとそんなことばっかり言って!
     私、もう二十歳になったよ! 子どもには手を出せないなんて言ってたの、明神さんじゃない!」
    「ああ、うん、まあ、そうなんだけど……」
     片手で顔面を覆いながら明神がしどろもどろに言葉を紡ぐ。
     もうここまで来たらやけっぱちだ。
     繋がれていた手を無理矢理ほどいて、明神の前に立ちはだかる。
    「冬悟さんは、私がたとえば別れようって言ったらどうするの?」
    「え?」
    「別れたい! って言ったら、どうするの!」
    「え、ほかに好きな男が出来たとか?」
    「シチュエーションの問題じゃなくて!」
    「ああ、よかった。愛想尽かしたってたとえじゃなくて……」
    「そこじゃない!」
    「君が望むなら、そうする」
    「は?」
    「ひめのんが幸せになるために、それが最善だっていうなら、オレは君のことを信じてるし、それをいつでも受け入れるよ」
    「やだ、別れないから」
    「オレも嫌だよ」
    「だったら、そう言って引き留めてよ」
    「だって、「別れたい」って言われた時点でもう君の心は別れたいんだろ? それならもうオレにはどうすることも出来ないじゃないか」
    「もう、本っ当に、なんにもわかってない!」
     今度はヒメノが明神の手を再び引っ張って、うたかた荘への道を戻る。薄暗い街灯は、足元もおぼつかない。時折、速足で歩くヒメノの足元で砂利が滑る。
    「そばにいられないのも、引き留められないのも、全部あなたの都合じゃない!」

    「そうだよ」

    「そうじゃなくて、心が思うままに動いてよ!
     冬悟さんは、どうしたいの? それを教えて!」
     時々する本当に考えている時の仕草をした。ゆっくりと目を閉じて、開ける。その閉じている瞬間だけ考えているようだった。口元は穏やかで、ずっとずっと、今ヒメノとこんな禅問答みたいな会話をしていても、なにも変わっていなかった。
     いつもそうだ。ヒメノがなにを言っても怒ることがなくて、悲しむこともなくて、彼の悲しみや苦しみはいつだって彼だけのものだ。それは正しいことだけど、そうではない。
     その全てを分かち合う、分かり合う、そんな関係になりたいとヒメノは望んでいるのに、全部のれんに腕押しなのだ。それが悔しい。
    「昔言ったことが全部だ。
     君がオレを嫌うことはあるかもしれないけど、オレが君を嫌うことは絶対にない。
     君がいやだと言ったら、この関係は終わりだ。でも、そんなことがあっても、オレは君をこの命に代えても守る。
     君に、誓った通り、それがオレの、本心だ」

    「なんにもしてこないのは?」
    「なんにもしてないわけじゃないよ……。まあ、その、いやほんと時間や場所の都合もあるし。
     でも、君がオレから離れてしまう可能性が微塵でも残っているのなら、オレは先には進めない。
     もしかして、君の一番が変わるかもしれないから。
     君の一番が変わってしまうことが怖い。
     君に向けられる周囲の目線が変わってしまうことは絶対に避けたい。
     こんな思いをするのはオレだけでいい。苦痛をわざわざ君に味合わせたくない。
     でも、オレだって一人じゃない。もうそんなこともわかってるよ。
     案内屋の仲間だっているし、うたかた荘がある。誰にも見えないけれど、オレには見える大切な、守らなければならないものがある。
     その事実がオレを強くしているんだ。知ってるだろう?
     だから、君は、姫乃は、姫乃の気持ちを大事にしてほしい。
     全部、オレの都合だ。
     君を好きでいることを、許してほしいと心から願った気持ちに一寸たりとも嘘も偽りもない。
     駄目かな」

    「ダメに決まってるでしょ!」
    「ええ」
     ヒメノが泣くと、明神は戸惑う。
     だけど、今日は明神が完全に悪い。人通りの少ない川沿いで、男が女の子を泣かせている様子など、職質されても仕方がない。
     恋仲になってからの二人の共通認識で、ヒメノが泣けば、明神は自然とその手を頬に寄せるようになった。そんなに彼の前でなんて泣かないけれど、それでも恋は少女を不安定にさせた。明神はなんにも変わった様子がないのに、ヒメノは一人でも泣いてしまうようなことがある。それほどまでに思っているのに、この男は愚鈍が服を着て歩いている。
    「私が同じこと言ったらどう思うの!」
    「悲しい」
    「それ!」
    「うん、そうなんだけど……」
    「そうやって、いっつも自分のこと棚に上げて!
     本当にバカなんだから! そうじゃないでしょ。わかってよ!
     私のほうが、先に好きになったんだから! 自分ばっかり好きみたいに言わないでよ!
     私の気持ちを勝手に変えないで! 私の気持ちを勝手に想像して、勝手に別れるなんてこと言わないで!
     明神さんが嫌って言っても別れないのは、私のほうなんだから!」
    「でも……」
    「でもじゃないでしょ!」
    「はい……」
    「そうやって、自分ばっかり苦しむことばかり覚えて、そうじゃないでしょ!
     私にも分けてよ! 私の一番のわがままのためにあんなに苦しめたのに、私にはそれをさせてくれないの?
     私はそんなに頼りない? 私じゃ明神さんの苦しみとか辛さを理解したり一緒に持つことは出来ないの?
     最初っから、それが大変なことだってわかってたわよ! それでも一緒に居たいって思って、そう決めたのは私なのよ!
     私の初めては全部明神さんなんだから、最後までさっさと覚悟決めてくださいよ!」
    「え……」

     ああ、またやってしまった。
     彼に恋をするまで、今まで、こんなことなんてなかった。恋なんてしなきゃよかったって心底思うのはこれで何度目だろう。
     彼のことを考えるだけで苦しい。
     一緒にいても、離れていても彼のことばかり考えて、バカみたいに一途に思っている。
     いつかの遠い未来にも二人で一緒にいることしか見えていない。
     そうだ、いつか、明神は先に逝ってしまうかもしれないし、ヒメノよりも大切ななにかと出会ってしまうかもしれない。こんな風に「絶対」なんて言っていることを信じてしまっていいのだろうか。自分ばかりが甘えているようで、そこに甘んじている自分もキライだし、結局ヒメノの気持ちを「絶対」的に信じていない明神にも腹が立つ。
     けれど、それは全部愛情の裏返しで、絶対的な愛情を恒常的に捧げられたことがなかった彼がそれを信じるなんて出来るわけがないことも想像出来る。全部ヒメノが悪い。こうやって、子どもみたいに、すぐに気持ちをぶつけて、彼が困ることを知っているのに、もう何度目かわからない爆発を起こしている。
     そう、彼は悪くない。
     彼を好きになってしまった、自分が悪いのに。
     なんて、バカなことを、言ってしまったんだ。
     そう思って、また泣きそうになって泣くのを我慢して頭痛が始まる頃、身体が衝撃を感じたが、痛みはどこにもなくてただ身体が強く絞めつけられた。周囲が真っ黒に染まった。

    「覚悟するのは、ひめのんのほうでしょ」

     その声は、あまりにも近い耳元で聞こえた。
     身体は全部包み込まれるように全身で抱きしめられていて、ヒメノの首元にひしゃげるように顔を押し付けている明神の吐息すら聞こえる。
     もう外はほとんど夜に近い暗闇になったけど、街灯が逆にさっきより明るく感じるくらいなのに、照れ屋で恥ずかしがり屋でシャイな男が、こんな道の真っ只中で、少女を強く抱きしめていた。
    「え、明神さん……?」
    「冬悟」
    「あ、はい、冬悟さん……」
     言い直されると、逆に冷静になった頭は、急激に熱を感じる。
     かつて「もはやプロポーズ」とエッちゃんに笑われた公園での最初の返答の時に、抱きしめられた以来ではないだろうか。こんなに強く、いつもみたいに優しい暖かい包むようなものではなくて、「男の人」に抱きしめられたという状況への免疫のなさに、さっきまでの勢いを全部失ったヒメノは力を抜いて硬直した。
    「オレとずっと一緒にいたって、本当に、いいことなんて、なんにもないよ。
     つらいのも、悲しいのも、分けたって、いいことないんだ」
    「うん」
    「でも、君がつらいことがあったら全部代わってあげたいって思うから、君の気持ちもわかる。
     それは、オレが悪かった。ごめんなさい」
    「なら、よし」
    「でも、君だってなんにもわかってない。おじさんだって、色々、こう、気にしてるんだ。
     オレだって、もっと、その、君と一緒にいたいし、我慢だってしてる」
    「うん……うん?」
    「オレのための逃げ道だけど、それは、君のための逃げ道でもあったんだよ?」
    「嘘。私は逃げないよ。逃げるのは冬悟さんでしょ」
    「いや、そうかもしれないけど。
     でも、人の気持ちはわからない。
     君に裏切られるとかじゃなくて、なにが起こるかわからない。
     これ以上、姫乃が特別になることが怖い。今だって、いつどこでなにをしてしまうかわからないくらい一緒に居たら大切すぎて触れられないのに、これ以上特別なことが起きたら、どうなってしまうのかがわからない。
     もしそんなことの後に君を失ってしまったら、もう、今度こそ、立ち直れない。立ち直る自信がない。
     ひめのんは、自分ばっかりっていうけど、君こそわかってない。

     絶対に、オレのほうが君をもっともっと愛してる。
     オレの愛のほうが、絶対に重たい。

     なのに、君が急に、不意に、いっつも、そんなことばっかり言うから、もう、オレだってどうしたらいいのか、わかんないよ」
    「大人なのに?」
    「うるさいな。どうせ、オレは大人の図体した子どもだよ」
    「そこがかわいいのに」
     そして、ゆっくりと身体が離れた。
     ずーっと長い時間をかけて抱きしめられたように感じたけれど、三分にも満たなかったかもしれない。
     明神の耳が赤い。そして、呆けた顔でボンヤリと呟いた。
    「びっくりした」
    「え?」
    「身体が勝手に動いた。そんなつもりじゃなかったのに。外だし。あー、恥ずかしい。なにこれ、辛い」
     そういって、彼はサングラスを外した。顔面を両手で覆う。少し鼻水をすする音がして、目元を拭う。
    「嘘でしょ? どこにそんな泣くほどの言葉があったの?!」
    「全部だよ! もう、全部!! こんないい子がオレの彼女とか、夢というか、嘘みたいだよ!
     あんまりかわいいこと言わないでくれよ! 自制が効かなくなるじゃないか! これで同じ家に帰らなきゃいけないとか拷問か!」
    「もう効いてないじゃない」
    「仕方ないだろ! 君が、あんまり、うれしいこと言ってくれるから」
    「あのね、いっつもそうだけど、ねえ、私は怒ってたんだけど」
    「はい……それはわかってます」
    「でも、今日は許してあげる」
    「いいの?」
    「いいよ」
     私も、うれしかったし。
     そう言ったら、ヒメノの目元からもポロリと涙がこぼれた。



    「ねえ、ゴールデンウィーク、どこか行こうよ」
    「え、珍しい。人混みキライなのに」
    「今日すれ違ったところの先の喫茶店。美味しかったよ。コーヒーはよくわからないけど」
    「ええ、ひめのんの大学の近くじゃん。それはちょっと……」
    「じゃあ、とりあえず今日のことは澪さんにでも報告しようかなぁ……」
    「おっと、なにがご希望かな、お嬢さん」
    「今言ったじゃない」
     明神の小指を握っていたヒメノの手の平を、明神の手が包みなおした。
     もうすぐうたかた荘で、いつもその曲がり角で手の平は離されるのに。
    「あのさ」
    「うん」
    「確かに、覚悟が出来てないのは、オレのほうかもしれないけどさ」
    「え」
    「いつ、とか断言は出来ないけど、本人から許可が出たことだし、必ず全部奪いに行く」
    「え、は、はい!」
     二人でいる時は穏やかな表情が多いのに、一瞬垣間見えた戦っている時のようなギラリとした瞳に今まで彼がヒメノに見せたことのない熱があって、ああ、本当に、彼が言っていたことは、事実だったんだと痛感した。
     しかし、同時に、それは、確かになにも考えずに「先に進みたい」と思っていた自分には刺激が強かった。きっと首まで赤くなっているだろう。

     やっぱり、言わなければよかった!
     明神はうたかた荘まで手を繋いでご機嫌で帰宅したが、ヒメノのほうはしばらく顔を上げることも出来なかった。
    みどり(aomidori003) Link Message Mute
    2022/09/03 16:08:18

    夕陽の向こうの顔

    明姫。GW前。雨降って地固まる系の話。
    いつもどおりの展開で、愚鈍な明神と、情緒不安定なひめのん。

    pixivからの移行です。

    #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫

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    • ナルキッソスの終局初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。審神者視点の話です。

      山姥切国広、修行から帰る、の巻。
      審神者の過去あり。若干暗めです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 現パロ三池兄弟まとめ②ツイッターで上げてた三池兄弟の現パロ小話まとめ②
      (実は血が繋がってない)三池兄弟が、なんか手作りの店をやっている話。時々、幼馴染の友人として古備前がいます。
      日常ほのぼの小話多め。時々、ソハヤの鉛食ってるみたいな話があります。

      ①お揃い
      ②探し物はなんですか
      ③ひだまり
      ④独立宣言
      ⑤醤油と山椒は欠かせない
      ⑥黄色い果実
      ⑦優しさに包まれて
      ⑧君と今年

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #現パロ
      みどり(aomidori003)
    • その腕を伸ばせ霊力フェス2!用 無料配布です。
      ソハヤ中心のCPなし、男審神者ありのどたばたオールキャラ風味の事件物です。
      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎の本丸です。
      戦闘シーンはありませんが、若干痛い描写はあります。最終的にはハッピーエンドです。
      DL版と中身は変更ありません。

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #男審神者 #霊力フェス‼︎2 #霊力フェス2
      みどり(aomidori003)
    • 【サンプル】こりゅうと!2【長船DASH】2022年10月16日 閃華の刻38内プチオンリー「長船DASH」参加します。
      『あたらしい橋をわたる』みどり 西1ホール ク32b
      新刊『こりゅうと!2 ー沼地のある本丸ー』 58p/A5/600円

      新刊は以前出した『こりゅうと!』と同コンセプトの『こりゅうと!2』(まんま)です。
      前作読んでなくても問題ないです。前作『こりゅうと!』も再販します。
      よろしくお願いいたします!!

      ツイッターで書き下ろし以外はほぼ読めます。
      長船たちがわちゃわちゃ本丸での平和な暮らしをしている小話たちと(炭作ったり、衣替えしてたり、かき氷食べたりしています)、
      書き落としは謙信くんの修行に伴い自分の行く末に悩むとも悩んでないような感じだけど、やっぱり修行行く決心をする小竜さんの話。最後だけ初期刀がいますが、あとはほぼ景光兄弟中心の長船。いろんな刀の名前は名前だけ出てきます。
      表紙はいつものようにすあまさんがやってくれました。本当に忙しいところありがとうございます……。

      サンプルは各話冒頭。
      上記に書いたように書き下ろし以外はツイッターで大体読めます。(https://twitter.com/aomidori003/status/1576498463780372480?s=21&t=ersI-MzJs0nDH1LOXbLH_w)ツイッターであげたものに加筆修正をしています。
       愛の詰まったお弁当   ……長船全員。謙信のお弁当をみんなで作る話
       薄荷の香りを撒き散らし ……小豆、謙信と衣替えをする話。南泉と堀川派がいる。
       ブルーハワイの夢    ……小竜と大般若が謙信と小豆にかき氷を作ってもらう話。
       望んでもない      ……光忠兄弟+景光兄弟。髪の短い小竜さんの話。ちょっとだけ獅子王。
       砂糖まみれに固めて   ……長光兄弟+景光兄弟+五虎退、日向。みんなで花の砂糖漬けを作る話。
       全て洗ってお湯に流して ……景光兄弟+長義。炭を作って風呂に入る話。
       酔っ払いたちの純愛   ……長船全員+長義。タイトル通り飲み会の話。日本号いる。
       二人の景光       ……書き下ろし。小竜さんが修行に行くまで。

      #刀剣乱舞 #小竜景光 #謙信景光 #長船派 #景光兄弟 #長船DASH #サンプル
      みどり(aomidori003)
    • ただの少年ですゲームDP。男の子主人公がチャンピオンになった後、なかなか助手のヒカリちゃんと会えなくてずっと主人公を探していたヒカリちゃんの話。
      主人公の名前は「ニコ」くんです。
      恋愛未満なDP主人公ズが好きです。

      pixivからの移行です。

      #ポケモン #DP #ヒカリ #男主人公
      みどり(aomidori003)
    • 未来を見ないで(2021年5月29日追記)
      2021年5月30日の0530超エアブー 【凍結ぶどう】みどりの新刊です。
      A5/50P/600円/小説/全年齢
      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。男性審神者がいます。
      肥前忠広と出会った前田藤四郎と男審神者がとある事情から一緒に同行し、戦いを介して、
      肥前の本丸の陸奥守吉行、南海太郎朝尊との関係を探っていく物語。
      土佐組の関係性のあり方の一つとして、肥前を中心に描いています。
      こちらの話を加筆修正したものです。ラストは追加されています。

      全編シリアス。ブラック本丸、刀剣破壊表現、間接的ですが流血、暴行描写があります。
      なんでも平気な方向け。

      通販はこちら
      https://pictspace.net/items/detail/276503

      よろしくお願いいたします!

      ===========================

      初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。個性の強くない男審神者います。
      単発で読めます。
      土佐組中心というか肥前くんメイン。審神者が事情ありそうな肥前くんと出会ってドタバタする話。

      ・流血、負傷、嘔吐シーンなどあります。
      ・ブラック本丸表現あり。刀が折れるシーンもあります。
      ・最後はハッピーエンドです。

      5月30日のインテックス大阪・超閃華の刻2021に加筆修正を加えて出す予定です。
      おそらく通販になる予定です。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #土佐組 #肥前忠広 #前田藤四郎 #男審神者 #陸奥守吉行 #南海太郎朝尊
      みどり(aomidori003)
    • 自覚のない可愛げ初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。初鍛刀・前田がめちゃくちゃにかわいいと思っている審神者と、自分の言動が短刀らしくなくかわいくないというのが自覚あって軽いコンプレックスな前田の話。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 誰が為のお茶初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者が出てきます。鶯丸が夜寝る前にお茶の準備をしている話。大包平が顕現したてで鶯丸が浮足立ってる。
      単品で読めますが、この話の続きみたいなものです。
      >「本心はぬくもりに隠して」(https://galleria.emotionflow.com/115535/635572.html

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • 理由はいらない単発。これだけで読めます。
      本丸内で寝無し草をしていた小竜さんと、小竜さんに世話を焼かれていたけど本当は一番小竜さんを受け止めていた謙信くんの話。
      それとなく長船派が大体出てきます。

      ついでに、この堀川くんは、この堀川くんと同一です。本丸もここ。
      『そして「兄弟」となる』(https://galleria.emotionflow.com/115535/626036.html

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #長船派 #景光兄弟 #小竜景光 #謙信景光
      みどり(aomidori003)
    • 闇こそ輝くと知っていた初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。山姥切国広視点の話です。
      山姥切国広、修行に行く、の巻。

      実際には私は即出しましたけど。
      でも、山姥切国広は「修行に行く」と言い出した時点で修行完結と思ってる派なのでそれだけで尊いです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #山姥切国広 #前田藤四郎 #薬研藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 現パロ三池兄弟まとめ①2021年7月11日の『閃華の刻緊急SUMMER2021』に参加します。
      【凍結ぶどう】青海Bホール テ64ab
      『鈍色の日々』(にびいろのひび)
      70P/600円/小説/全年齢
      通販はこちらから。
      https://pictspace.net/items/detail/276506

      ======================================
      ツイッターで上げてた現パロ三池兄弟の小話をまとめました。
      とりあえず10本です。

      こちらの内容に加筆修正して書下ろしを追加したものを7/11閃華に出す予定です。
      ツイッターにはもう少し載っています。

      気がつけばすごいたくさん書いていた……。
      色々感想いただけて三池界隈の優しさに甘えています……。ありがとうございます。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #三池兄弟 #現パロ #物吉貞宗 #包丁藤四郎 #大包平 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • 家族になろうよ昔サイトに載せてたプラ澪+正宗くん関連小話まとめ。
      一応おそらく時系列順。

      妄想過多。過去捏造。
      子ども時代~修行時代~本編~プラ澪告白編から結婚まで。
      短い話の連なりです。なんとなく全編がゆったり繋がってます。

      なんとなく明姫のプラ澪もこの前提ですけど、子どもはいないので時系列は少し違います。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #神吹白金 #火神楽正宗 #湟神澪 #プラ澪
      みどり(aomidori003)
    • どうか全力で構わないからイナイレ二期の真帝国戦後の鬼道さんと円堂さんの話。
      ほんと、あそこの春奈ちゃんのこと考えると鬼道さん殴りたいけど、鬼道さんも誰か抱きしめてあげて、みたいな気持ちになる。円堂さんも豪炎寺抜けて傷心中だし。
      二期鬼道さんの良妻ぷりが、好きだけど、鬼道さんももっとワガママ言ってほしかったな、という話です。書いたのは結構前です。

      pixivからの移行です。
      #イナズマイレブン #イナイレ #円堂守 #鬼道有人 #音無春奈
      みどり(aomidori003)
    • まがい物の恋初期刀加州本丸の、ソハさに。
      神様ムーブなソハヤと、ソハヤに片思いをしていたけど鈍感な審神者の話。ハッピーエンドです。
      ちょっと女性の生理描写あります。

      ソハヤ視点の補足のような何か→「作り物の気持ち(https://galleria.emotionflow.com/115535/635625.html)」

      ソハさにがめちゃくちゃキている。これはこれで終わりなんですけど、続きというか、補完があるので、また適当にあげにきます……。とにかく一週間くらいで4万字以上ソハヤ書いてて、書かないと日常生活に支障が出るレベルでソハヤいいです……。ソハヤぁ……。神様ムーブしてくれえ……。
      あと、毎回毎回糖度が低い。どうしてなんだろう……。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱夢 #ソハさに #女審神者 #ソハヤノツルキ #加州清光
      みどり(aomidori003)
    • 変わらない寂しさ明姫の続きものその⑥。番外編。
      明姫です。が、ほぼ明神とエージ。
      初期三人組が大好きすぎて書いた。明姫が付き合い始めて寂しくなるエージと、でもそれに派生してそれぞれ寂しさを抱えてる明神と姫乃、みたいな感じですけど、エージと明神には永遠に兄弟みたいでいて欲しいです。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #明姫 #桶川姫乃 #眞白エージ
      みどり(aomidori003)
    • ライオン強くなりたいエージと、明神の話。
      昔出したコピー本です。

      #みえるひと #明神冬悟 #眞白エージ
      みどり(aomidori003)
    • 本心はぬくもりに隠して初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。初太刀・鶯丸からみた主の話。近侍で明石が賑やかしにいます。

      話の中で大包平が十数万貯めても来なかった、という話は、実話です。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #明石国行 #鶯丸
      みどり(aomidori003)
    • あまやどり昔出したみえるひとの同人誌です。
      明神冬悟と正宗くんの話と、ひめのんとプラチナの話。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #神吹白金 #火神楽正宗
      みどり(aomidori003)
    • 君に花束をn番煎じのタイトル。光忠が顕現してからの福島の兄ムーブと己を大事にしすぎる言動に頭を悩ませているけど、福ちゃんは福ちゃんで弟との距離感に諦観感じていた話。最後はハッピーエンドです。
      加筆修正して、光忠兄弟ワンドロで書いた話たちとまとめて春コミに出す予定です。

      光忠、なんでも器用に出来る男が全く頭回らない癖強兄に振り回されてほしい。

      #刀剣乱舞 #光忠兄弟 #燭台切光忠 #福島光忠 #不動行光 #サンプル
      みどり(aomidori003)
    • こんな苦味も口に含めば初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      男性審神者がメインです。甘いものが好きなんだけど、ずっと隠し続けていた審神者と、それに気付いて色々と察した安定が審神者と甘いものを食べに連れ出す話with骨喰。
      脇差たちには元気いっぱいもりもり食べててほしいです。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #男審神者 #大和守安定 #骨喰藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • ここから単発。これだけで読めます。
      ソハヤの顕現から、大典太の顕現して、三池兄弟が「兄弟」となるまで。
      兄弟のすれ違い話好きすぎて、堀川派と貞宗派と三池で書いてる……。
      同じようなものですが、兄弟好きなので許してください。

      ソハヤのポジに見せかけたネガがめちゃくちゃ好きです。あと、大きな刀が小さい刀とわちゃわちゃしてるの好きです。徳川組かわいい~~~、好き~~~という気持ちで書きました。

      ついでにこの物吉くんは、多分この物吉くんです。
      「うちのかわいい太鼓鐘(https://galleria.emotionflow.com/115535/635603.html)」


      以下、余談。
      刀ミュ、三池兄弟、本当にありがとうございました……。
      ソハヤツルキ、最高でした……。本当に、東京ドームシティに帰ってきてくれてありがとう……。推しが自ジャンルに来る経験初めてなので、挙動不審ですが、応援していきます……。
      本編より、推しの観察に費やす経験初めてしました。ソハヤしか観てない。健やかでいてくれてありがとう……。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #三池兄弟 #ソハヤノツルキ #大典太光世 #物吉貞宗 #包丁藤四郎
      みどり(aomidori003)
    • 一瞬だけの信頼みえるひと小話。サイトにあげてたもの。2008年くらい。本編前の明神師弟の話。
      冬悟がひたすらにネガティヴボーイで、師匠もつられてネガティヴになってる。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #明神勇一郎 #黒白師弟 #明神師弟
      みどり(aomidori003)
    • 二人で見る月みえるひと、学パロ冬姫(明姫)です。
      以前書いていた『もっともっと』(https://galleria.emotionflow.com/115535/626025.html)の前日譚というか、くっつく時の話。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫
      みどり(aomidori003)
    • 花火の夜明姫。7月、夏休みの話。
      R15くらいかなぁと自分比で思っていたんですが、特に大したことはなにもしてなかったです。おかしいな……。書いてる間は死ぬほど恥ずかしかったんですが。二人で花火を見に行く話、ですが、花火は見れませんでした。

      pixivからの移行です。

      #みえるひと #明神冬悟 #桶川姫乃 #明姫
      みどり(aomidori003)
    • シンフォニアまとめ十数年前に書いたTOSの短い小話のまとめです。ほぼCP要素なし。時折ロイコレ風。
      ロイド、ゼロス、ジーニアス多めです。9本。
      本当に、名作で、ロイドくん、一生好きな主人公です。

      最近ひとさまのテイルズシリーズの実況を見てはちゃめちゃに好きだったことを思い出したので昔のを引っ張り出してきました。
      は~~~、ゲームやりたいな~~~~~~。

      pixivからの移行です。

      #テイルズオブシンフォニア #TOS #ロイド #ゼロス #コレット
      みどり(aomidori003)
    • 隣室の明石くんとソハヤくん(2022年3月17日追記)
      2022年3月21日の閃華春大祭 【凍結ぶどう】みどりの新刊です。
      【凍結ぶどう】東2ホール ケ43ab
      『隣室の明石くんとソハヤくん』
      100P/文庫/1,000円/小説/全年齢
      カバー、表紙はいつものようにすあまさん(https://www.pixiv.net/users/158568)が描いてくれました!!!推し二人描いてもらえてめちゃくちゃ嬉しい!!!!

      通販はこちらから。
      https://pictspace.net/items/detail/276508

      よろしくお願いいたします!

      ===========================

      単発。隣室になっている来派の部屋の明石と、三池の部屋のソハヤが大して仲良くならずに隣人として過ごしている短編集です。日常ほのぼの~シリアスまで。

      全話に明石とソハヤ。時々、愛染国俊、蛍丸、大典太光世、虎徹がちょっと、名前だけは他の男士も居ます。
      明確なセリフはありませんが、審神者います。
      CP要素はありません。

      なお、最後の「⑦隣に立つもの」ですが、戦闘描写あり、流血、重傷表現があります。

      pixivからの移行です。
      みどり(aomidori003)
    • ドラクエ2~8まとめ十数年前に書いたドラクエ2~8の短い小話のまとめです。
      2は5本。CPなし。3人組がわちゃわちゃしてるだけ。
      3は3本。CPなし。パーティは勇者・盗賊♂(賢者)・武闘家♀(遊び人→賢者)・商人♀(賢者)の4人。
      4は6本。CPなし。勇者、クリフと、ライアン、マーニャ。
      5は5本。主ビア。主人公単独とCP物。
      6は3本。とても短い。ミレーユとテリーが好きです。主人公の名前は「ボッツ」。
      7は4本。CPなし。ほぼキーファの影を引きずってる話。主人公は「アルス」。
      8は5本。若干主姫。パーティ4人がわちゃわちゃしているのが好きです。

      11を書きたくて、昔の整理しました。
      ドラクエ、一生好きですね。

      pixivからの移行です。

      #ドラゴンクエスト #DQ2 #DQ3 #DQ4 #DQ5 #DQ6 #DQ7 #DQ8 #主ビア
      みどり(aomidori003)
    • 【ペーパー】コンクリの森【閃華春大祭2021】春コミおよび閃華春大祭 2021お疲れ様です。ありがとうございました。
      マジで前日に作ったペーパーです。少部数だったので、無配で終わりなんですがせっかくなのでこちらにも。
      明石と不動(極)が一緒に現代遠征に行く話です(単発)。
      表紙はすあまさん(https://www.pixiv.net/users/158568)が描いてくれました!

      前提は、初期刀・山姥切国広、初鍛刀・前田藤四郎のとある本丸の話。
      ほとんど姿のないセリフのみ男性審神者が出てきます。

      pixivからの移行です。

      #刀剣乱舞 #明石国行 #不動行光
      みどり(aomidori003)
    • そして「兄弟」となる初期刀・山姥切国広、初鍛刀・薬研藤四郎の本丸に権限した、十振目の堀川国広が、山姥切と山伏を心から「兄弟」と呼べるようになるまでの話。うちの本丸始動話でもあります。

      堀川派の「脳筋」と呼ばれているけれど、実際には三人とも内に籠るタイプなのがめちゃくちゃ好きです。他者に向かわず、自分自身ときちんと向き合うタイプの国広ズ、推せる。

      pixivからの移行です。
      #刀剣乱舞 #堀川派 #堀川国広 #山姥切国広 #山伏国広 #国広三兄弟
      みどり(aomidori003)
    • 三池兄弟まとめ①ツイッターで上げてた三池兄弟(本丸設定)をまとめました。
      ①絶対言わない。
       鬼丸とばかり飲んでる大典太に構ってほしいけど言えないソハヤの話。ちょっと獅子王と小烏丸。
      ②仲直りの夜食
       喧嘩してトンデモおにぎり作ったけど、後から悪かったなと反省してるソハヤの話。大典太目線。
      ③それならいい
       酒量を注意された大典太が、ごめんねと言えなくて詫び弁当を作る話。
      ④その声が呼ぶ限り
       兄弟を庇ってソハヤが幼児化する話。

      すこしだけ修正済。

      「沼地のある本丸」は初期刀と初鍛刀が同じなだけで審神者が出てこないものです。特に繋がりはそんなにないです。沼があります。

      別途、イベント情報などはツイッターのほうが多少お知らせしているかと思います。よければどうぞ。>https://twitter.com/aomidori003

      #刀剣乱舞 #三池兄弟 #ソハヤノツルキ #大典太光世
      みどり(aomidori003)
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