なんでもない日々のお話1
「お前ら、絶っっっっっっ対に!!!!
風邪引くなよな!!!!」
いつものように突然やってきた神は
ソファーに深く腰を据え
開口一番にそう告げた。
「……いきなり現れて何を言っている?」
呆れた眼差しでそう返すユーリは
ティーカップに手を伸ばした。
「…今流行ってんだよ…風邪が。」
「ソレって人間の間で、デショ?」
苦々しく放つ神を横目に
スマイルはテーブルの上のクッキーを手にした。
「『まだ人間の間で』だ。
今後どうなるか分からん。
…ミミ、ニャミやポエットにも気をつけさせてるが…」
「ず、随分と警戒してるんスね?」
神に紅茶を差し出し
アッシュはやや驚いた様子でそう問いかけた。
「…言っておくがな…
お前らの為でもあるんだぜ?」
「「「……は???」」」
神の一言を耳にして
三人は怪訝そうに声を揃えた。
すると神は…
恐ろしく真面目な顔をして
まるで怪談でも語るかのように
静かに切り出す。
「…非人間族にまで広がったら…
お宅のお姫さんは確実に伝染るだろうなァ…。
ただでさえ日頃の無茶が祟ってんだ。
……相当重くなるぞ……。」
「「「…………。」」」
三人の背筋が凍ったのは言うまでもない。