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    Log15-2物静かな月夜のことだ。
    仕事の帰り途、ぽつりと佇む木の元に人影があった。そばに近付いたところで相手は俺に気が付いたらしく、こちらを振り返った。

    人影、その女性は俺に向かってこう言った。「この木が咲かせている花、とてもきれいでしょう?」。見上げれば、確かに薄桃色の花を満開に咲かせていた。彼女の姿を認めた折には目に入らなかったが、これがどうしてとても美しい。
    俺はそうだなと答えた。彼女は唇の端を吊り上げ、嫣然と微笑んだ。「貴方を木の下に埋めてしまえたら、もっときれいに咲き誇るでしょうねえ」。

    魔が根本に埋まれば美しくなる花など、初耳だ。俺はしばし考えた。地中のような光の届かない暗所では空気を要しない。このからだ、呼吸は闇が在れば足りる。明日は非番。一日くらい埋まっていても問題ないだろうと。

    だが次に、こうも考えた。水桶で眠っていただけで俺の友人は気を揉む。彼らを心配させるのは本意ではない。
    気が付けば何故だか彼女は、低く、底を這うような声音で笑い出していた。しかし自分には仕事の報告も残っている。俺は構わず伝えた。「更に美しく咲く花を見たいのはやまやまだが、心配させるに忍びない者がいる。埋まらないでおく」と。

    途端、彼女はわらうのを止めた。

    どうしたのかと一度瞬きをしたが、彼女は「おかしい」と独り言まがいに零した。それからくるりと向きを変え、踵を返すようにどこかへ消えていってしまった。

    そういえばどんな容姿をしていたか、詳しく覚えていない。年齢はどのくらいだったか。髪色は。目の色は。あるいは、初めから容姿という容姿など無かったのかもしれない。随分と向こう側の見える、影だった。



    セ「あの、ユクシル」
    ユ「足音もしなかったな。しかし〈静寂〉の眷属なるものだったかというと、そんな気配は全く」
    セ「ユクシル」
    ユ「彼女は何者だったのだろうか」
    セ「あーあー知らないわかんない何も聞かなかった!!」





    ウェズの武器:銃周辺のメモ

    銃に関わってくるのは衝撃。衝撃とはつまり動エネルギー≒《陽》。
    四季原子でもなく、どちらも〈殷賑〉のものなのだから、当然にして《昼》と《陽》は結びつきやすい。

    “必ず元素と結びつく原子ではないとはいえ、大抵は火(を構成する《火》)と結びつく。灯りの役割を果たさない火は通常無いものと考えて支障ない。”
    ⇒ 通常は、火を生じさせる→その《火》で《昼》を集める→《陽》を集める→爆発

    弾は星魔石製で、本体雷管ともにあらかじめある程度の《火》が込められている。多少温かい程度であり、火も光も生み出さない。


    高熱とは大量の《熱》。その《熱》の分だけ《火》も集まる。
    しかし融解の星術は、高温の熱を扱えど及ぶ範囲は狭い。術範囲が狭いので火もかなり小さい。熱線~小さいバーナー(直線に留まらないが)を想像すると良い。よって銃が炎に包まれることはない。むしろ術は、密度を高め範囲を最小限にできる。

    戦闘時は星魔石製の撃鉄に、術で、高密度高温の熱つまり《火》を溜める。引き金をひくと雷管に触れ、弾に込められていた《火》と連結、そこに瞬間的に《昼》→《陽》が引き寄せられ、いわゆる爆発。発射。

    術で直接弾に働きかけるのではなく引き金というか撃鉄を採用したのは、確実かつ瞬間的に雷管部分に溜めてある《火》と連結を起こし、そこに爆発を生じさせるため。
    引き金は撃鉄のような(衝撃を与える目的ではなく、元素を雷管的部分に伝える)ものを作動するため必要なので、動作は同じ。デザインはフリントロック式風、でもレボルバー有り。シングルよりはダブルアクション。


    弾には爆発に要する以上の《火》が残るようになっているので、その分銃弾の威力は上がっている。

    銃そのものは、ウェズ以外にも使えることは使える。ただ造れるのは今のところ彼だけであり、そうである以上持ってるのも彼のみ。
    また銃本体は、こちらのものと比較すると精密射撃に適してない。本来は対人間用じゃなくて対喰鬼用であり、威力重視のため。
    異常な器用さを以て、上手く撃ってるだけである。





    (柑橘)

    「……」
    「おい」
    「……」
    「無視はやめろ」
    「……」

    「もしかして、てめえのこと怒らせたか? そうなら言ってくれ」
    (なんでそうなるかな、お人好しだからだよね知ってる!)
    「正直思いあたる節がねえ」
    (首振ってでも否定すべき? でも、したら訝しがられるよなー……)
    「わかった。自分で考えろってか」
    「あーもう違うってば、そんな申しわけなさそうにしなくていいから!」

    「そうか、だった……ら……?」
    「あ」

    「どういうことだ」
    「なにが」
    「だんまりかと思えば今度はやけに殊勝なこと言い出して。まあ、とにかく話せるんなら話してくれ」
    「嫌だ」

    「だからその理由を」
    「嫌だって言ってるでしょ」
    「セスタ」
    「しつこい! いま口開いたらデレしかないから、いたたまれ無さで死ぬんだよ!! あっでも話しかけるのはやめてほしくない」

    「はあ?」
    「…………うわあああああウェールズファルツのばーかばーか!」
    「っ、おい待て逃げんな!」


    #本音しか言えなくなる薬を飲んでしまったうちの子の様子





    ウェズのあだ名:でこぽん

    (セスタ、ウェズは14歳あたり)


    「姐さんこんにちはー! ゆっくんは?」
    「遣いで少し出払っている。時間的にもう戻ってくる頃だろう」
    「じゃあ、ここで待たせてもらうね」


    「ああ、そういえば先日南方に出向いてきたんだが、土産があるんだ」
    「お土産?」
    「これだ」

    「何これ。オレンジ、にしてはヘタのところが盛り上がってるよね」
    「オレンジはオレンジでも変種だそうだ。その凸部分を見た目の特徴としているから、通称“デコポン”」
    「デコポン……?」
    「凹凸の『デコ』と、旧語で柑橘を意味した『ポン』の組み合わせ、と言ったところだろう」

    「なるほどね。そっかそっかあ、デコポン」
    「音が気に入ったか」
    「うん。なんか、響きがやけにしっくりくる」

    「ふふ、早速お気に召したようで何よりだが、真価は味にある。食べてみろ。皮は手で剥けるぞ」
    「……剣で剥いていい?」
    「そういえば不器用だったな、おまえは」
    「いちいち言わないでよー」
    「悪い。剥いてやるから剣は抜かないでおけ」



    「だいだいいろ……」

    「なんか言ったか?」
    「作業まだー?」
    「あと少しで終わる」

    「……ウェズ」
    「用も無いのに呼ぶな」
    「ウェール」
    「気が散る」
    「ウェールズファr」
    「やめろ」
    「でこぽん」
    「だからなん……、なんだそれ」

    「オレンジの変種がデコポンっていうんだけど、前にジブンが見たやつは鮮やかなオレンジ色しててさ」
    「それで?」
    「それで、ウェズの髪色がそれっぽいから、今日からオマエのあだ名はでこぽん。響きが間抜けだしぴったりだろー?」

    「間抜けだと思うやつを付けるなよ」
    「さっき反応したじゃん、でこぽん」
    「ただの反射だっての」
    「でこぽーん」
    「聞け!」
    makiwaka90 Link Message Mute
    2019/01/13 19:23:21

    Log15-2

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