レピドライトの贈り物「うわぁ……」
高級そうな箱の中から出てきたもの──ダークパープルの雫型チャームがあしらわれたスエードタイプのチョーカーに監督生は感嘆の声を上げる。
「い、良いんですか?こんな高そうなものを頂いて……」
「当たり前よ。それはアンタのために用意したものなんだから」
「ひえぇ……恐れ多すぎる……」
大袈裟な怯え方をする監督生にヴィルは肩を竦める。
「全く……」
箱の中からチョーカーを取り出し、ヴィルは監督生の後ろに立つ。
「えっあの、」
「チョーカー、着けてあげるから襟を崩しなさい」
「は、はい」
ネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを二つ外して露となった監督生の首にチョーカーが掛けられる。
「……無防備ね」
チョーカーの金具を留め、ワイシャツの襟を整えながらヴィルはぼそりと呟く。
「苦しくはない?」
「あっはい、大丈夫です」
「そう、だったら入浴時以外は着けて過ごしなさい」
「えっ!?」
「でなきゃ意味が無いのよ」
「い、意味?」
チョーカーのチャームを弄びながらヴィルは微笑を浮かべる。
「これはアンタがアタシのだって証。見せびらかしてもらわないと困るのよ」
「っ──そ、それってその……」
「ここまで言わないと察しがつかないなんて、アンタ相当鈍いわね」
赤く染まった監督生の頬を撫でながらヴィルは溜め息を吐いた。