世界を 造る ための 会議機械

「世界が滅ぶ？」

受話器越しの第一声を、少し裏返った声でオウム返しする。

「ああ、滅ぶ。これは確定事項だ」

…る…………ような……。この感じはなん……だっけ？何かが引っ掛……ているはずなんだ……けれど、何も思い出せない……いらつきながら更に紙片を掴む手が加速していく……ああそういえばあの時はこんな感覚があったかな？まるで夢でも見ているようにふわりとした意識のままページをめくって行くうちに……何とも言えない違和感が徐々に大きくなっていく……ん…………え…………まさか！？︎俺は勢いよく資料をテーブルに置き立ち上がる！ そうだ……確かこれは博士の提案を却下した時だったはずだ！俺は自分の端末から一つのデータを呼び出した……これは………… 間違い無い……こっちの方もそうだった筈だ！ファイルを開き読み込む時間がもどかしくなるほどの興奮を覚えつつデータを読む、読めば読む程確信が強くなっていき思わず笑ってしまう、それを見て驚いたO5の1人が声を掛けてきたおい大丈夫かO-5-9、いったいどんな提案をするのだね、期待しても良さそうだぞ、 ああ大丈夫だ問題は無い、それよりこれを見たまえO-F-4-1 ああいいだろう……どれ……ほほう……
そして俺は言った O-50オブジェクト番号0000000-00099999番（以下略）の所有権を放棄しろ、さもなくば世界を終わらせる 沈黙が部屋を支配した、誰も動かず喋ろうともしない……否、できないのだ……皆が困惑しているのが手に取るように分かる、その中で最初に口を開いたのは、意外なことにサイト-03の代表だった 彼はこの異常事態の中でも冷静であったようで、まずこう聞いてきた……本気かね？サーティーン君？O5評議会のメンバーでもあるまいし、一体何の権利があってこんなことを 権利？権利だって？何を言っているんだこいつは 私が聞いた話では、その権利を持つ人物はO50のオブジェクトを持っているらしいじゃないか、それが君のいう所有権なんじゃないのか？まさかO-5の人間ではない者が、あのOF-41を所有しているわけではなかろうね あれは元々財団が所有していて、O55の先代が買い取っていったものだ だから、私の知った事じゃあないんだよ、彼が何を思ってそう言ったかなんてこっちには分からない そうか、なら私には関係が無いようだ そういう訳でもない、君はO53だろ？なら尚更無関係ということはない筈だ ほう？どうしてまたそう思うのかな？理由を聞いてもいいかな？……いい加減、茶番劇をするのをやめて貰えないか、O53殿……貴方も知っている通りこれはO5会議だ ああ知ってるともだからこそだ、貴方がもし知らないようなら教えようとね、これは紛れもない事実なんだからな……なるほど確かに私はここ数代で唯一にして最大の不肖の孫だよ、だからどうだというんだい？ O54様！このような戯言を聞く必要はありません！！ はっはぁん？どうせあんたら全員、本当は何かしら情報を知っていながら隠してるに違いないと思っていたよ……それで？その根拠となる情報を聞かせてもらえないか？ その前に一つ確認させてくれO53、あなたは『尽日夜』のことをどこまで把握している そうだねぇ……君たちが話していることぐらいまでは大方わかっているんじゃないかな 結構、それを踏まえて答えて欲しいのだがねO5代表である私にO52やO54のように秘密事項を話してはいけないと言う規則はない筈だ……えぇそうですね O5とは世界の理そのもの、ならば秘匿するべきものは存在しないはずだ、たとえ相手が孫であってもだ……それにあなた方は