イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    許す 日のあたる丘にふたり、座っている。
     空気は剣呑だ。フォルテは腕組みをし、口をへの字に結んで、目の前のタンポポをにらみつけていた。
    「ごめんなさいフォルテさま」
     すぐ横から、シャムロックの声。こちらは眉がハの字だ。ちょっと伸びすぎてしまった前髪を斜めにかしげて、友の顔をのぞきこんでいる。
    「まだ、怒ってらっしゃいますか」
     しるか。
    「こっちを向いてください」
     鼻をひくりと動かし、フォルテはふん、という顔をした。
    「フォルテさま……」
     情けない声に、フォルテはむっつりと目をつむった。
     しつこい奴だな、ほっとけばいいだろ? 大体俺のこと「様」づけするなとあんなに言ってるのに、いつになったら分かるんだ。

     空では眩しい雲が、ゆるやかな流れにのって渡っている。
     太陽が隠されるたびに、日の匂いが少し和らいだ。
     ふたりのむきだしの腕に涼しい風が吹くようになった頃、空の色が変わりはじめて、いつの間にか夕暮れのだいだい色が、二粒の小さな背中のうえに広がっていた。
    「ざまあみろ」
     ぽつりと呟くと、え、と振り向く気配がした。
    「お前、一日無駄にしたな」
     そんなことないですよ。と、穏やかな友の声。
     見つめる空に、一番星がまたたきはじめた。どこからか、夜の調べが聞こえてくる。ぽっかり昇った月からだ。
    「フォルテさま」
    「なんだよ」
    「昼間のこと、許してくださいますか?」
     青い草むらに足を伸ばす。フォルテは腕組みを解くと、しばし目の前を見つめていたが、やがて友の顔を振りむいて笑った。
    「しゃあねえな。何で怒ってたのか、忘れてやるよ」
    yoshi1104 Link Message Mute
    2018/09/29 3:49:06

    許す

    (フォルテ+シャムロック)

    ##サモンナイト

    more...
    作者が共有を許可していません Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    NG
    URLの共有
    NG
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品