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- 頬にあたる風オレっち、ダイ吉、もんごろ、三人、友だちっち。
家のなかにこもってたら、運動不足になるっち。
お外を、みんなで走るっち。
ああ、頬にあたる初夏の風が、気持ちいいっち。
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#風松橋まいのまいの - 待つ少女夜型人間は、髪の毛が伸びるのが早い、という話を聞いたことがある。
その伸びた襟足から、お風呂上がりで湯冷めしてしまった。
幸い、インフルエンザではなかったけど、38度台の熱が下がらず、体がダルい。
夜ふかしは、中学受験の受験勉強のため。
中学受験は、「高校へ、エスカレーター式に上がれる」とお母さんが決めた。
自分の意思とは関係なく、あたしはお母さんに従う。
言う通りにしていれば、お母さんは機嫌がいい。
受験当日、受けた試験問題は、拍子抜けするほど簡単だった。
これなら、塾に通ったり、睡眠時間を削ってまで勉強する必要もなかったのに、と思った。
そして合格通知は、翌日ネットで確認できた。
合格は、素直に嬉しかった。
だけど、学区内の中学校へ進学する小学校時代の友達と別れるのは、やっぱりさびしい。
中学からは、女子トイレでクラスメイトの陰口をたたくSちゃんと、話をあわせなければならない苦痛がなくなるのは何よりだけど、親友のトモミちゃんと会えなくなるのは、悲し過ぎる。
お母さんが会計を済ませるのを、待つ。
診察時間は5分くらいだったのに、待ち時間がやたらと長い。
会計を済ませ、薬局で薬を受け取り、その足でスーパーへ買い物へ立ち寄った。
スーパーの催事コーナーでは、バレンタイン企画のチョコレートが、うず高く陳列されていた。
そこで、思い出す。
やはり学区内の中学へ通うことになるトオルくんとは、学校が別々になってしまうことを。
だから、今回が“ラストチャンス”だ。
この機会を逃したら、もうトオルくんへあたしの想いを伝えるすべが、絶たれてしまう。
ああ神さま、あたしに少しばかりの勇気を下さい。
そんなことを、頭のなかで繰り返し考えていたら、自分で顔が赤くなるのがわかった。
案の定、買い物帰りのお母さんは、あたしの顔を見るなり、「まだ、熱下がってないみたいね」と、心配していた。
〈解説〉
“進路”というのは、なかなかに悩ましいものです。
明確な目標や夢があるでもなし、ましてや、本人はまだ十代前半。
結局、親の言う通りに従うケースも多いかと思います。
だいだい親は、我が子の友人関係や恋愛事情には疎い。
それで子どもが、どれほど悲しい思いをしていることか……。
バレンタインは、年に1度の『ドキドキイベント』です。
今話に登場する女の子も、このラストチャンスを逃したら、後がありません。
うまく行くといいな、と願わずにはいられないのですが、さてはて。
イラストは、ブログ用に描いたえんぴつ画です。
掲載前に、デジタルで少し修正を施しました。
慣れたえんぴつで描いた方が、自分の持ち味が色濃く出せるような気がします。
描いた場面は、病院の待合室にて、会計をする母親を待つシーン。
本文にも書いてある通り、病院は待ち時間が長く、診察はあっという間(;^∀^)
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