創作SNS GALLERIA[ギャレリア] 創作SNS GALLERIA[ギャレリア]
【お知らせ】メンテナンスは終了しました。ご協力ありがとうございました。

イラストを魅せる。護る。
究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する
豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 作品を最優先にした最小限の広告
  • ライセンス表示
  • 著作日時内容証明
  • 右クリック保存禁止機能
  • 共有コントロール
  • 検索避け
  • 新着避け
  • ミュートタグ
  • ミュートユーザ
  • フォロワー限定公開
  • 相互フォロー限定公開
  • ワンクション公開
  • パスワード付き公開
  • 複数枚まとめ投稿
  • 投稿予約
  • カテゴリ分け
  • 表示順序コントロール
  • 公開後修正/追加機能
  • 24時間自動削除
  • Twitter同時/予約/定期投稿
  • チェストパスコンビニ帰り、「ヤーコ、バスケやろうぜ!」、と不意に呼び止められた。

    ふり向くと、公園隅の空きスペースに、クラスメイトの片山くんが、ボールを小脇に抱え立っていた。

    そして、あたしが「バスケやる」とも言ってないのに、シュっとパスが飛んできた。

    実はあたし、目の前にいる片山くんに片想い中。

    そんなことを悟られないように、できるだけ平然と「ケガ治ったの?」と聞きながら、あたしはパスを彼へ返す。

    片山くんは、半年前の冬の大会で、アキレス腱を切ってしまっていたのだ。

    すると片山くんは「おう、この通り」と明るくこたえ、そのままドリブルをはじめると、古ぼけたバスケットゴールへ華麗にシュートを決めて見せた。


    シュっと、また、あたしの胸元へ正確にパスされる。

    「コロナのせいで夏の大会、中止になっちゃったね」と、間が空くのが怖くて、聞いてはいけないことを、つい聞いてしまった。

    でも片山くん本人は、「大会がなくなったって、バスケ自体がなくなるわけじゃないし。オレには、バスケしかないし。バスケやりたきゃ、いつだって、こうしてお前とできるわけだし」と、いたって前向きだ。

    「ヤーコは、何か好きなことねぇの?」と、これまた不意な質問が、ボールとともに飛んで来る。

    あたしは不格好なドリブルでボールをつき、顔が赤くなるのをごまかした。

    「あたしの好きなことはアニメくらいしかないけど……、“好きなひとは、片山くんあなた”です」と素直に言えたら、どんなにいいだろう。

    もちろん、そんな大それた発言はできず、あたしはドリブルからそのままシュートを狙う。

    シュートしたボールは、ゴールとはあさってのほうへ飛んで行った。

    「ヘタっぴ!」と、片山くんが笑う。

    つられて、あたしも笑う。

    あーもう、ヤバい……。

    ますますあたしは、片山くんのことが、好きになってしまうじゃないか。

    〈解説〉
    自分で書いていて、顔から火が出そうです。
    でも、こういう甘酸っぱくもどかしいシチュエーション、いいと思いません?

    あたし自身も、体を動かすのが大好きです。
    学生時代はバスケットやバドミントン、バレーボール、テニスなどの部活動にて、汗を流していました。
    なので、不可抗力により大会が中止となるのは、残念でなりません。
    新種ウイルスの、終息を願うばかりです。

    イラストは、片山くんに苦戦しました。
    デジタルで描くと、下描き通りに描けない。
    仕方なく、夕飯の後、開きなおって下描きを無視して描き直したら、なんとなく納得できる絵になりました。
    背景の輪郭線も消したら、雰囲気が良くなりました。
    偶然でした(;^∀^)。

    #少年
    #少女
    #恋
    #片想い
    #バスケット
    #パス
    #部活
    #大会
    #笑顔
    松橋まいのまいの
  • 待つ少女夜型人間は、髪の毛が伸びるのが早い、という話を聞いたことがある。

    その伸びた襟足から、お風呂上がりで湯冷めしてしまった。

    幸い、インフルエンザではなかったけど、38度台の熱が下がらず、体がダルい。


    夜ふかしは、中学受験の受験勉強のため。

    中学受験は、「高校へ、エスカレーター式に上がれる」とお母さんが決めた。

    自分の意思とは関係なく、あたしはお母さんに従う。

    言う通りにしていれば、お母さんは機嫌がいい。


    受験当日、受けた試験問題は、拍子抜けするほど簡単だった。

    これなら、塾に通ったり、睡眠時間を削ってまで勉強する必要もなかったのに、と思った。

    そして合格通知は、翌日ネットで確認できた。


    合格は、素直に嬉しかった。

    だけど、学区内の中学校へ進学する小学校時代の友達と別れるのは、やっぱりさびしい。

    中学からは、女子トイレでクラスメイトの陰口をたたくSちゃんと、話をあわせなければならない苦痛がなくなるのは何よりだけど、親友のトモミちゃんと会えなくなるのは、悲し過ぎる。


    お母さんが会計を済ませるのを、待つ。

    診察時間は5分くらいだったのに、待ち時間がやたらと長い。


    会計を済ませ、薬局で薬を受け取り、その足でスーパーへ買い物へ立ち寄った。

    スーパーの催事コーナーでは、バレンタイン企画のチョコレートが、うず高く陳列されていた。

    そこで、思い出す。

    やはり学区内の中学へ通うことになるトオルくんとは、学校が別々になってしまうことを。

    だから、今回が“ラストチャンス”だ。

    この機会を逃したら、もうトオルくんへあたしの想いを伝えるすべが、絶たれてしまう。


    ああ神さま、あたしに少しばかりの勇気を下さい。

    そんなことを、頭のなかで繰り返し考えていたら、自分で顔が赤くなるのがわかった。

    案の定、買い物帰りのお母さんは、あたしの顔を見るなり、「まだ、熱下がってないみたいね」と、心配していた。


    〈解説〉
    “進路”というのは、なかなかに悩ましいものです。

    明確な目標や夢があるでもなし、ましてや、本人はまだ十代前半。

    結局、親の言う通りに従うケースも多いかと思います。

    だいだい親は、我が子の友人関係や恋愛事情には疎い。

    それで子どもが、どれほど悲しい思いをしていることか……。


    バレンタインは、年に1度の『ドキドキイベント』です。

    今話に登場する女の子も、このラストチャンスを逃したら、後がありません。

    うまく行くといいな、と願わずにはいられないのですが、さてはて。


    イラストは、ブログ用に描いたえんぴつ画です。

    掲載前に、デジタルで少し修正を施しました。

    慣れたえんぴつで描いた方が、自分の持ち味が色濃く出せるような気がします。

    描いた場面は、病院の待合室にて、会計をする母親を待つシーン。

    本文にも書いてある通り、病院は待ち時間が長く、診察はあっという間(;^∀^)

    #少女
    #インフルエンザ
    #中学
    #受験
    #進路
    #お母さん
    #友だち
    #バレンタイン
    #恋
    松橋まいのまいの