私は自分探し中である。名前は作成中
なので仮置きだけれど「アナーキー」であるらしいのでそれでいいと思うことにする(いいのか?)
「私が何者かは知らない、ただ自分が自分ではないという事だけを知ってしまった」そんな事を考えて生きている
「自分のことなんて誰も気にしちゃいない、どうせお前もいつかは消える」そんな風に思って生きていた
「私のことを憶えていてくれる人は居るのだろうか」
そんな疑問を持ちながら生きて死んだ 死後の世界はあるようだ、だからきっとどこかにはあるはずなんだ 何処でもない場所にいる「それ」
誰にも見つけられない場所に行きたいのだと泣き喚いていた あの日、貴方は言った、「いつかきっと見つかるさ!」と…… *
――だから、私は、もう探す事を止めようと決めたんです その日から私は、誰の手を引く事もせず一人ぼっちで生きて行きます 私はもう二度と『家族』なんて求めません 私達は何処に行ってしまったんでしょうね ねえ、私は今、とても幸せです……けれど時々思う事があるんです
「もし最初から誰も居なかったらどうなってたんでしょうか……」
ねえ、私は本当に選ばれたのか?――そうだよ、だって 僕は誰に何度同じ事を聞いただろうか?――そうだね……もう
「お前は何だ、何なんだ!」
其れを聞いてやろう さあ答えよ、お前の正体を教えろ――お前の事を、教えろ ねえ、もしも僕が選んだのだとして、それは何故?
――そんな事は知らん、だが、選んで貰った理由は知ってる筈さ……何だい、それを聞きたいんだけどなぁ…………それはね、『自分が何であるかを知っていたら』という前提が必要なんだよ……だってそうだろ?もし知らなかった場合――自分は誰だと問おうとしても、其処で記憶や人格が断絶している可能性が大きいからねぇ……ああいや、安心してくれ、別に死んだわけじゃないよ、ちゃんとした身体があるし、意識もある、ただ『自分に関する全ての事柄を失念してしまった状態』『自分に関わろうとしてもそれを知る事ができない状態にある』と解釈すればいい……ふむ、そういう意味じゃお前さんも同じようなものかな?まぁどうでもいい、とにかくそう言う訳だ、今の状態で話を進める事にするぞぉ?……んっ?ああすまん、話が脱線する癖があってな……ともかくだな、自分の事を理解できずに苦しんでいる人間が居るとするじゃないか、すると当然その人間にとって周囲の人間は全員『自分を理解できる存在』としか思えない状態になるんだよ……何故だと思うね?えー、わからないのか?……ううん、何でって聞かれても困ってしまうねぇ……例えばな、自分には名前がないと思っている人間がいるとしよう……ところが周りの人間の誰も彼もが自分の事を知っているような素振りをするのだ……その時人は一体どういう反応を示すと思うね……そうだよ、困惑してしまうのさ!名前がなくて当然なのに周りはそれをわかってくれないし、自分を理解してくれる人なんていないはずなのに周りはそれを理解する、そうなれば混乱するのは当然だよね!……おぅおぅ怖い顔をしないの、何も意地悪をしてやってるんじゃなく、そういう状態の人に説明する時はこれが一番手っとり早いやり方だからそうしているだけなんだぜ?それにお前さんみたいな年頃のお嬢ちゃんは特にこういう話は好きだろう?えっ違うのかい……ちぇ、つまらんのう、もう少し驚いてくれれば面白いものが見れたのじゃが……まあいいわいそんなことはどうでもいいんじゃ、問題はこの状況だよ、わかるかな? ん~、まだ駄目かぁ……仕方ない、少しヒントをやろうかね……名前はあるのにある人の眼中にはそれが認識できていないとしたらどうなるか考えてご覧よ……ふむいい顔つきになってきたじゃないか……