イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    ファンタビ140字SSまとめ(10話分)目次


    1.明日への命綱:
    クリーデンスと長官の話

    2.姉妹の心:
    ティナとクイニーのやり取り

    3.厄介者の恩返し:
    熱を出したニュートの頰に冷たい金属を押し付けるニフラー

    4.見守る賢者:
    飲食を忘れて仕事するニュートの口にパンを入れるドゥーガル

    5.銀の卵:
    パン屋を開くまでのジェイコブの話

    6.トランク片手に:
    トランクをマクーザに持っていくときのティナの話

    7.帰りの船の中で:
    イギリス行きの船に乗った後のニュートの話

    8.幻想的な動物たち:
    ジェイコブの夢の話

    9.黒い幻:
    クリーデンスを案じるニュートとティナ

    10.彼に会いに:
    パン屋に来たクイニーの話
    1.明日への命綱

    クリーデンスはグレイブスと食事することがあった。食事の際にはグレイブスに日々の悩みを打ち明けていた。辛い出来事を聞いて貰える事は若き彼の救いであり、明日への命綱であった。次第に彼の心には味方がいる幸せが生まれた。でもそれも過去の話。命綱は断たれ、彼の幸せは黒煙とともに消え去った。


    2.姉妹の心

    ‪自宅に届いた封筒に記された宛先を見てティナの口元が自然と緩む。
    「ご機嫌ね」
    ちょうどクイニーが帰宅し、ティナを見るなり明るい声で言った。
    「会いに行ったの?彼に」
    花が咲いたような笑顔を見せる妹にティナは問いかけた。
    「心を読まないで」
    姉妹は互いに笑いながら普段と逆のやり取りを交わした。


    3.厄介者の恩返し

    動物たちの世話をしていると、体がだるく感じた。風邪だろうか。体調不良だというのに、小屋や服のポケットにも人間の薬はなかった。彼は安静にしようとコートを敷いて横になる。目を閉じていると冷たい金属の感触が頰に伝わってきた。小さな手が彼を軽く叩く。彼は苦笑して小さな厄介者に礼を言った。


    4.見守る賢者

    ニュートは飲食も忘れて原稿を書いていた。あと少しで完成だ。そう思った矢先、視界が歪む。するとドゥーガルがそっと彼の口に小さくちぎったパンを入れた。大きな瞳が彼を見守る。母親役が反対になったような気分だ。彼はパンを噛んで冷めた紅茶を飲み干す。視界の歪みが治まると彼は再び筆を進めた。


    5.銀の卵

    自宅に戻り、ジェイコブは銀色の卵の殻と手紙を交互に見つめた。見覚えがあるような気がする。聞き慣れないはずの『オカミー』という言葉にも、ぶつかってきた人物のコートの色も。首の傷が疼く。怪しげだが、どうせ資金になるものもない。数日後、重いトランクを抱えて銀行へと向かう彼の姿があった。


    6.トランク片手に

    ティナはトランクを携えて職場に向かう。ノーマジを巻き込みたくなかったが仕方ない。彼には忘却術、そして魔法生物学者には相応の刑が施行される筈だ。彼女は自然と早歩きになる。魔法界の存続のためか、復帰のためか、または罪悪感を振り払うためか。彼女は落ち着かない気持ちのまま職場へと入った。


    7.帰りの船の中で

    ニュートは船に乗り込み、遠ざかるアメリカを眺めた。トランクの金具を確認しながら。
    「ここに光り物はないぞ」
    彼はトランクからの元脱走犯を咎める。船内に親切な闇祓いが同乗することは滅多にないだろう。彼の脳裏にティナの笑顔が浮かぶ。早く本を仕上げよう。帰国前だが、再会が待ち遠しく思えた。


    8.幻想的な動物たち

    近頃、似たような夢を見る。動物の世話をする夢だ。夢の中の動物はどれも幻想的な姿をしていた。夢の中で、ある男の動物の解説を聞き終えては目を覚ます。今日は鳥の顔、蛇の体を持つ伸縮自在な動物の話だった。目を覚ましたあとは動物の姿を書き留める。それがジェイコブの朝の日課になりつつあった。


    9..黒い幻

    「わざわざ見送ってくれるなんて」
    「ええ」
    港へニュートとティナが歩いていく。それ以降、二人の間に沈黙が続く。互いに話題が思いつかない。頭の中で二人は同じ姿を描き始める。息を潜めて震える青年の姿。二人の想像の中で青年は黒い靄とともに消えていく。二人はそれを口にすることなく港に着いた。


    10.彼に会いに

    新しく開店したパン屋の前。そこにピンク色で装いをまとめた一人の女性が右往左往していた。窓越しに様子を覗いては目を逸らす。店の中には店主と思しき男性が接客をしている。女性は久々に彼の姿を見て心臓が高鳴っていた。自然に話せるよう何度も深呼吸したのち、彼女はドアを開けてベルを鳴らした。
    mith0log Link Message Mute
    2018/10/20 16:19:49

    ファンタビ140字SSまとめ(10話分)

    『魔法使いの旅』時系列です ##二次創作 #ファンタスティック・ビースト #FantasticBeasts

    more...
    Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    NG
    URLの共有
    OK
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品