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    策士なサンタ

     私はあちこちで光がきらめいている人混みの中を、目印となる大きなツリーの前に立っていた。もうすっかり暮れきった寒空の下のイルミネーションは、なんとも眩しくて一生懸命だ。
     ここはいわゆるクリスマスマーケットというイベントが開催されている広場で、実は生まれてこの方、このイベントに足を運んだのはこれが初めてだった。なんとなくクリスマスマーケットの話になって、「実は未だに行ったことないんだ」と告白したら、「じゃあ今年は行こうよ!」と目を輝かせて言われた。……その言われた相手が、私が今まさに待っている相手で――、
    「アニ―っ! お待たせ!」
    人混みをかき分けて、その大きな笑顔が私のほうへ駆け寄ってくる。なんていいタイミングだ。私は寒くて組んでいた腕を解いて、その笑顔を迎える準備をした。
     鼻頭を真っ赤にして、私が去年くれてやったマフラーを大事そうに巻いて、そしてそれにちっとも似合わないビジネスコートを着ている。
    「ううん。あんたはお疲れだね、アルミン」
    私が待っていたアルミンが目の前で止まると、彼は私を見て嬉しそうに笑う。もうほんと、この滲み出る情にいつも簡単に絆されてしまう。
    「はは、本当だよ。まさかクリスマスイブにまで仕事が入るなんて。ツイてない。本当、一日放ったらかしでごめんね」
    「別に。気にしてないよ」
    私とアルミンは恋人で、それが理由での『クリスマスイブに』『放ったらかしでごめん』なのだろう。なんと言っても、今日は一年に一度の聖夜なのだから。……とは言ったものの、仕事が入ってしまったのは本人のせいではないわけで。
     アルミンは広場の中を見回してから、また私のほうへ笑顔を向けた。
    「アニは? 今日一日楽しんだ?」
    「え、あ、うん。……まあね」
    問われたことで今日の光景が脳裏に蘇った。――実は、ヒッチもマルロが仕事が入ったとかで、急に誘われて二人でだらだらと一日を食いつぶしたのだ。ヒッチには映画に行こうとか、テーマパークに行こうとか誘われたけど、なんとなく面倒くさくて決めきれない内に家で映画を見ることになった。結果、一本は確かに映画を見たけども、そのほかの時間は私がホールケーキを焼いている隣で、ヒッチがほとんど一人であーだこーだと日ごろの鬱憤や愉快痛快の話をしていた。
     私の反応に満足したのか、アルミンが改めて顔を上げて人が集まっているほうへ視線を向けた。
    「じゃあ、さっそく行こうか」
    「うん」
    「すごい人だね」
    別に文句を言いたいわけではないのだろう。未だにアルミンは少し嬉しそうで、私にまたやさしい眼差しを向けてくれる。
    「……はぐれちゃうといやだから……」
    アルミンのその控えめな言葉と一緒に、そっと私の手が握られる。私も照れ隠しに、ん、と呟いて、その手を握り返した。……外で手を繋ぐなんてはしゃぎすぎているだろうなと思いながら、どこを見てもだいたいみんなそうなので今日だけ特別ということにした。
    「さすがにたくさんお店が並んでるね! 一つ一つ見て行こうか」
    「うん」
    マーケットの前に差しかかると、アルミンが感嘆の声をあげたようにずらりと店舗が並んでいる。先ほどはツリーのほうから遠目に眺めていただけだが、いざそこまで行って体感するとなると、決して少なくはない出店の数に圧倒される気持ちはわかる。
     今年はいつもと違うことをしようよ、そう言い出したのはアルミンだった。私に言わせれば毎年なんやかんやと凝ったことをするので、毎年いつもと違うことしてる気がしているけれど……まあいいやと思うことにした。とりあえずアルミンの好きにさせる。
     その〝違ったこと〟の一環として、今日はクリスマスマーケットを二人で見て回ったあと、私の家で自分たちでケーキにデコレーションしようという話になっている。私がヒッチの話を片手間にケーキを焼いていたのはそういうわけだ。このクリスマスマーケットは今日の予定の一部にしかすぎず、そのあとも一緒にいられると思えるのは、とても心が凪ぐような気持ちにさせた。明日までずっとアルミンと一緒にいられるのだ。
     私たちはお店の前に通りかかる度に、二・三会話をした。『この人形すごいね、どうやって作ってるんだろう』とか、『クリスマスリースってこんなに種類があるんだ』とか、そんな他愛もない会話ばかりだ。それまでの流れと同じように通りかかったお店の前で、私は一つの商品に目が留まった。思わずそれを持ち上げてまじまじと見てしまう。
    「……それ、気に入った?」
    「あ、うん。……まあ、かわいいかなって」
    「そっか」
    私が手にしていたのは、テディベアの形をした雪だるまが装飾されたスノードームだった。振ると雪の粒や結晶が舞い上がるオーソドックスなものではあったが、その中で楽しそうに雪を眺めるテディベアの形の雪だるまが可愛かったのだ。
     私はそれを何度か振ってその様子を眺めた。喧騒も忘れるくらいにこのテディベアに釘づけになる。
    「アニ、今年のアニへのクリスマスプレゼント、ここで選んじゃおうと思って。ほしいのなんでも教えてよ」
    アルミンの声が耳に届く。ふ、と我に返り顔を上げると、
    「あ、ねえ、ほら、このお揃いのネックレスなんてどうかな? 雪の結晶とスノーマン」
    お店の端に飾られていた一つのネックレスを拾い上げて私の目の前にちらつかせる。
     そのネックレスはレジンで作ったような大きな雪の結晶と、その隣に特徴的な顔立ちのスノーマンが吊るされていた。私はスノードームを一旦そこに置いて、そのネックレスを受け取った。そうしてその特徴的な顔立ちのスノーマンをよくよく眺めてみて、私はその顔立ちに確信を得てしまった。思わず笑いが込み上げてしまう。
    「あはは、このスノーマン、ちょっとあんたに似てない?」
    そう言って今度は私がアルミンの眼前にそのスノーマンを掲げて見せる。するとアルミンはそれを楽しそうに指先で突いて、「はは、じゃあこれで決定だね!」と笑った。
     しかし今度はその目の端でまた別のものを捉えたのか、
    「わあ、でも、こっちのブレスレットもかわいい。やっぱり一通り見てから決めたほうがいいかなあ」
    私の手に握られていたネックレスを一旦元の場所に戻した。私も「そうだね」と短く肯定したこともあって、私たちのウィンドウショッピングは続行となった。
     またいくつかお店を跨ぐと、今度は飲食品店が並ぶコーナーに突入した。
    「ねえ見てアニ、このクッキー美味しそう。わあ、このプルッツェルもいいな、わ、ここどれも美味しそうだ」
    隣でアルミンが楽しそうにはしゃいでいる。だってそれもそうだ、ここは焼き菓子のお店で、私だって先ほどのスノードーム以上に釘づけになっていたのだから。シンプルな型抜きクッキーから、メレンゲクッキー、アイシングクッキーやジャムサンドクッキー、さらにはフロランタンまで。マカロン、ショートブレッド、ビスコッティ。どれもこれも美味しそうで目移りが止まらない。
    「アニも好きそう……って、アニ?」
    私が忙しなくこのお店の中を見回していたことに気づいたアルミンに声をかけられ、私は「あ、ごめん」と零しながら、またしても慌てて視線をアルミンに戻した。
     ついまた甘いものに見入ってしまったが、アルミンはちゃんとそれを見逃さず、また嬉しそうに声を上げた。
    「あはは、何か夕飯になるものを食べたらまたここに来ようよ」
    「……うん」
    少しだけ甘いものに釘づけになっていたことを知られて恥ずかしくなってしまい、私は羞恥から頬が火を噴くように熱くなってしまった。慌てて顔を背けたのはそれを誤魔化すためだ。――恥ずかしい。すぐ甘いものに気を取られてしまう自分が幼稚に思えて、できることなら隠したいのに、この男は誤魔化せないのがにくい。
     とりあえず私たちは一通り、ここに並んでいる出店を回り終えた。未だに私たちは手を繋いだままで、飲食エリアを迂回しながら、アルミンがそれまでと同じように機嫌よさそうに笑う。
    「さすがに見ごたえがあったね~! アニは座るところ探してきてよ。僕は何か温かいもの買ってくるから」
    そろそろ時間的にもお腹が空きまくっている時間で、これから夕食にするつもりなのだろう。すぐに合点がいったので、私もすかさず「うん、わかった。座るところ探しとく」と声をかけた。手を放すと少し寒さが指の間をすり抜けて行ったけど、すぐにポケットにしまってその寂しさを誤魔化した。
     アルミンが「よろしくね」と残して、再び出店の前の人混みの中へとその身を投じた。
     私はアルミンと約束した通り、どこか座れるところがないかと探して、この飲食エリアを徘徊した。さすがクリスマスイブのクリスマスマーケット。大変繁盛しているようで、飲食エリアで空きを見つけるのはそうそう一筋縄ではいかない。これから空くぞという雰囲気の席も、だいたいもうその後ろで待機している人がいる。私は途方もない気持ちになりながら、結局端から端まで歩き回ってしまった。
     けれど、そんなときだ。最初に待ち合わせをしたツリーの前、そこに二人のカップルが席を立つ準備をし始めていたことに気づく。そしてその周りでそれに気づいている人はまだいない。私は今だ、とその場所に駆け寄って、立ち去っていったカップルの席に急いで自分が着席した。アルミンの席には自分の荷物を置く。
     ひとまず座れる場所を確保できたことに安堵して、私はすかさずアルミンにメッセージを入れた。『ツリーの前にある席が取れたからそこにいる』と簡潔に書いて送る。あとはアルミンが戻ってくるのを待つだけだ。
     頭上を見上げると珍しく星空が覗く空がそこにあって、派手なイルミネーションには少し及び腰ながら、いい夜を演出してくれていた。どこを見ても楽しそうな笑顔があって、毎年クリスマスはアルミンと引きこもっていたから、やはり彼の思惑通りいつもと違ったクリスマスになっていると思う。……アルミンはどちらかと言えばインドアで、私もアウトドアながら人混みは避けたい性分だから、こうやって人の波に身を投じて楽しむこと自体が珍しいことではある。
     私は普段はテレビの中でしか見ない光景に、これも悪くないかも、と流されながらしばらくアルミンの帰りを待った。寒いしごみごみしているけど、ここにしか高揚が確実に存在している。
     戻ってきたアルミンはお盆を持っていて、そこには二人分のホットワイン、ヴルスト、そして肉団子のクリーム煮を乗せていた。クリスマスの夕飯としてはいつもより質素な感じはするが、クリスマスマーケットでの外食なのでこんなものだろう。私たちは二人でこの新鮮な空気に包まれながら、楽しく食事をした。どれもこれも目が飛び出るほど美味しい、というわけではなかったが、それなりに美味しかったし満足だ。ホットワインも身体が温まってとてもよかった。
    「あ、アニ、これ。メリークリスマス」
    だいたいの夕飯を平らげると、アルミンがそのコートについている大きなポケットから紙の包みを一つ取り出した。おそらく先ほどこの夕飯を調達したときに合わせて買ってきたのだろう。私は首を傾げながらも、その見覚えのある大きさでだいたいの予想はできていた。
     紙の包みを開くと……案の定だ。
    「……さっきのスノードーム……と、あんたみたいなスノーマンのネックレス」
    それぞれを手に持ち、私は自分の背後にあるイルミネーションでそれを照らした。やはりそのスノーマンは何回見てもアルミンに少し似ている。
    「えへへ、いつも手の込んだこといろいろしてるからさ、今年はあえてシンプルにと思って。よかったら受け取ってよ」
    「うん、かわいい。ありがとう」
    私はアルミンからの贈り物になんだか嬉しくなって、その場でそのネックレスを装着した。肌に当たる金属がひんやりと冷たかったが、すぐに慣れるだろう。アルミンもお揃いのものを買っていたらしく、私がそれを着けるのを見て本人もそれを装着した。――お揃い、というのは少し気恥ずかしくて、私は自分の上着の中に早々にそのネックレスをしまい込む。アルミンもコートの中に収めたそれをぽんぽんと触れて、何ともだらしのない顔で私を見ていた。
     そこから気を逸らすため、私はテーブルの上に残っているスノードームを手に取る。振ってみるとテディベアが舞い散る雪にはしゃいで笑っている。……ああ、やっぱりかわいい。
     私はそれを眺めながら、何か温かいものが深くに沁み込むような感覚を得ていた。アルミンの言ったように、去年は宝探しみたいなプレゼント方法だったし、一昨年は三ツ星レストランからの特別演奏会なんてわけのわからないプレゼントだったし……それに比べれはよほどひっそりしていたけれど、これはこれでいいなと思えてしまう。……これはやはり、アルミンがいればそれでいいってことなのだろう。
     私は本当は家にアルミン用のクリスマスプレゼントを買っていたのだが、唐突に私もこのマーケットで何か買ってやりたくなった。私だけがこんな特別な想いをするのはもったいない。私はすく、と立ち上がり、
    「じゃあ、今度は私が買ってくるよ」
    「デザート?」
    「うん」
    アルミンをその場に残して、自分の席を離れた。
    「さっきのクッキーのお店行くの?」
    「……うん」
    このスノードームのお店の次にアルミンがはしゃいでいたのも、あの焼き菓子のお店だった。確か視界の端にお菓子の詰め合わせみたいなパックもあったことを思い出した私は、それをアルミンのプレゼントにするのはどうかと思ったのだ。
     私が立ち上がったのを見て、アルミンはすかさず立ち上がろうとした。
    「それなら僕が行くよ」
    私にレディーファーストというか、面倒をさせたくなくての提案なのはわかっているので、私はアルミンの気を落ち着ける言い訳を考えた。
    「いやいい。自分で選びたいから」
    こう言えば、アルミンは納得して待っていてくれるだろう。――というか、本来なら一日仕事があって疲れているのはアルミンのほうなので、そんなに気にしないでほしいというのが本音なのだが。
    「……そっか。それもそうだね。気をつけてね」
    「はいよ」
    私はその場にアルミンを残して、食べ終わったお盆を持ってまずはゴミの回収所に向かう。それから先ほどの焼き菓子の店を目指して人混みをかき分けた。
     その焼き菓子の店に到着すると、先ほどはなくなっていた試食用の瓶がいくつか補充されていた。そこから一かけらのクッキーを取り出し、私は迷わずそれを試食した。……バタークッキーだ。濃厚なバニラとバターの香り、紅茶を一緒に飲みたくなるような甘さのそれは本当に美味しくて、私はあっという間に虜になった。
     先ほど見つけたように、奥にちゃんと詰め合わせのパックを見つける。このお店で売られている焼き菓子が一通りその詰め合わせの中に揃っている。よし、アルミンへの〝クリスマスプレゼント〟はあれにしようとすぐに決まった。
     ただ一応、本日のデザートを買うことを名目としてここへ来たため、私はほかに何かデザートになるものはないかと検討する。そういえば先ほど、アルミンは『プルッツェルが美味しそう』と言っていなかったか。詰め合わせの中にプルッツェルは含まれていないことに気づいて、私はいくつかフレーバーのあるそれを頼むことにした。最も一般的なソルトプルッツェルと、ハーブ香るバジルのプルッツェル、そして蜂蜜を生地に練り込んでいるらしいハニープルッツェルを選んだ。
     店員にそれらのプルッツェルと詰め合わせを注文して、しばらく梱包してもらう時間を待った。プルッツェルはともかく、詰め合わせのほうは贈り物として、少し飾った紙袋に入れてもらった。
     それらを手にした私はるんるん、と弾むような足取りでアルミンの元へ戻る。
     これでアルミンにもクリスマスマーケットの思い出を贈ることができた。何か残るもののほうがよかっただろうかとここで思ったが、まあ残るものなら家に買ってあるので、別にいいかと思うことにした。
     それに、ここでプレゼントを買っておけば、アルミンは私が家に別のプレゼントを用意していることなんて微塵も気づかないだろう。より大きなサプライズになるのでは、と名案でも思いついたような気になって、私は腹の底が少しくすぐったくなった。
    「――はい」
    席に戻ると、私は座るよりも先にアルミンに持っていたプルッツェルを差し出した。
     アルミンは私が持っていたプルッツェルにももちろん目をやったが、目ざとい彼はすぐにもう一つ、大きな紙袋を握っていたことにも気づいた。
    「わあ、そっちの大荷物は?」
    聞かれてしまったので隠すことは諦めて、私はテーブルの上にプルッツェルを置き、そのままその紙袋を持ち上げて見せた。
    「こっちは、私からあんたへクリスマスプレゼント」
    「わあ、本当に? 嬉しいな」
    「私も今年はシンプルでいいかなと思って」
    アルミンはその紙袋を受け取り、早速とその中を覗き込んでいる。「おお、焼き菓子いっぱいだ!」と子どものようにはしゃいでいて、嬉しそうにしてくれたことに少しだけ安堵する。
     これでアルミンは私が家に別のプレゼントを用意しているなんて思わないだろう。それを渡したときの驚きの表情を想像して、ちょっと楽しみになってしまった。……早く帰ってネタばらしをしたいが、今は悟られぬように我慢だ我慢。
    「ありがとう。これならアニと分けっこするのを口実に、会う時間を稼げそうだ」
    しれっとそんなことを言ってのけるアルミンに不意を突かれて、突然カッと顔が熱くなってしまった。深読みしなくても『アニといたい』という意味の言葉を言ってくれるから、ついそれを素直に受け取ってしまう。いつもそうだ……嬉しいけど、やはり少し照れくさくなってしまう。
    「……好きにしなよ。一応、あんたに買ったものだから」
    「うんうん。ありがとう」
    アルミンはその持っていた紙袋を自身の鞄の横に置き、それから腕時計を覗き込んだ。そういえば夕飯を食べている間も何度か時計を見ていたなと思い出して、私はそれを不思議に思った。
    「……どうかした?」
    「あ、いや。なんでもないよ」
    そう言いながらも、目の前に置かれたプルッツェルに手を伸ばした。三種類を一個ずつしか買ってこなかったので、その意味はわかっていたのだろう。ハート型のプルッツェルをそれぞれ半分に割って、私に片方を差し出してくる。
    「ただ、もうそろそろ帰る時間かなって思って」
    「ああ、そうだね。今年は家でケーキのデコするんだもんね」
    「うん! 楽しみ!」
    言葉に違わぬ弾んだ表情で笑ったアルミンは、そのままプルッツェルを頬張り始めた。私たちは「おお、美味しい!」と互いに見合わせて、そのプルッツェルをすべて二人で分け合った。アルミンはソルトプルッツェルがお気に入りのようだったが、私はハニーフレーバーもけっこう好きだった。

     クリスマスマーケットをあとにして、二人で帰路についた。はぐれたくないから、と口実に繋いだ手は、人混みを抜けた今でも繋いだままだった。……少し照れてしまって、どくどくと鼓動がうるさかったけど……不思議と心地よかった。
     私の家に着くと、まずは部屋の中の暖房を点けて、コートを脱いで、と身支度をした。私はそのまま冷蔵庫に入れてあったホールケーキのスポンジと、泡立てておいた生クリームをダイニングのテーブルに持ち出す。それからデコレーション用にと買っておいたチョコチップや苺、サンタの形をした飾り物など、それもケーキのそばに並べた。
     アルミンはエプロンをつけながら、リビングの中を何やら観察していた。何か気になることでもあるのだろうかと引っかかったが、それを尋ねるまでには至らず「準備できたよ」と声をかけた。彼はそれを聞くなり大きな笑顔で振り返って、「わあ! ありがとう!」とテーブルの側に駆け寄った。
    「さっそくデコっちゃおうよ! やっぱりまずはクリームを塗るのがいいかな」
    クリスマスマーケットのイルミネーションに負けないくらいのきらきらとした瞳で見上げられ、私は思わずまたどきり、と心臓を高鳴らせてしまった。そんな楽しそうにされたら気持ちが溢れてしまうじゃないか。
    「うん、そうだね」
    私はなるべく平静さを保って応えたのだが、アルミンはお構いなしで、そのまま楽しそうな眼差しを続けていた。
     私が脇においておいたヘラを手に持ち、
    「よし、じゃあ、両サイドからやってっちゃおうよ!」
    生クリームを作っておいたボウルを側に引き寄せた。かと思うと、あ、と何かを思い出したらしく声を漏らした。
    「待って、この状態のケーキも写真撮っとこ!」
    そして忙しなく携帯端末を取り出した。すかさずカメラ機能を起動して、そのままあれよあれよという間に、裸のままのスポンジケーキをその画面に収めた。
     携帯端末をまたポケットにしまう際、ちらりと時計を確認したのが目に留まる。……まただ、またアルミンが時間を気にしている素振りに気を引かれ、首を傾げそうになった。ただ、深追いをする前にアルミンに「よし! やっちゃおう!」と声をかけられたので、とりあえず流してしまうことにする。
     そうして私たちは二人で談笑しながら、べったりと生クリームをスポンジの周りに塗りたくり始めた。上手く乗せたい量をヘラに乗せられなくて悔しいのか楽しいのか、アルミンは終始はしゃいでいた。
     ――ピンポーン、とそこで、玄関のチャイムがなった。
     はっ、とアルミンが息を吸い込む。
     スポンジはあと少しで生クリームに覆われるというのに、いったい誰だと私は玄関のほうへ繋がる廊下へ目をやった。
    「もう、タイミング悪いね」
    「ああ、僕が出てくるよ。アニは続けてて」
    「うん、悪いね」
    「いいよ、気にしないで」
    私が同意する前からもうほとんど歩き出していたアルミンを、廊下のほうへ見送る。「はーい」と玄関へ向けて放った声が聞こえたところで、私は目の前にあるケーキに向き直った。
     そういえば、今さらだがこうすればよかったのでは、と思いつき、生クリームのボウルを持ってスポンジの上に生クリームをぼとぼとと落とした。そう、始めからこれで引き伸ばしていけばもっと簡単だったろうなとおかしく思った。アルミンが楽しそうに生クリームをヘラで拾い上げていくものだから、思い至らなかったのだろう。
     とりあえず私はそのままケーキの周りにクリームを塗り進めた。だいたいスポンジがクリームに包まれると、今度は塗りむらが気になり、でこぼこしたところを平らに均していく。生クリームの甘い匂いに誘われて、指先についたそれを舐めてしまった。ひんやりとほのかに甘い味が口の中に広がり、一気に私の中の期待値が膨れ上がった。
     ――あれ、そういえばアルミン、何やってるんでろう。
     だいたいケーキを均してしまった私は、ふと玄関のほうへ消えたまま戻ってこないアルミンに意識が向いた。何か厄介なことにでも巻き込まれていないだろうかと唐突に不安になり、持ってたヘラを脇に置いたちょうどそのときだ――、
    「ほうほうほう~! メリークリスマスー!」
    ――廊下のほうから、アルミンの声が聞こえた。わざと野太く発生しているヘンテコな声だ。
     なんだなんだと顔を廊下のほうへ向けると、廊下から繋がる扉の前にひょっこりと真っ赤な服を纏ったアルミンが現れた。ご丁寧にふさふさな髭まで準備して華奢なサンタに扮するアルミンの姿に、思わずぐふ、と失笑してしまった。
    「じゃーん! サンタだよ! いい子にしてたかなあ!」
    「ちょっ、何それっ、はは、」
    何がそんなにツボに入ってしまったのか自分でもよくわからないが、世に見る小太りのサンタとは程遠い、ほっそりとした身体に似合わないボリューミーな髭が面白かったのだと思う。私はアルミンサンタの目の前で腹を抱えるほど笑ってしまった。
     けれどアルミンはそんな反応はむしろ満足だったのか、「さらに、じゃーん!」と言いながら、脇に隠していたらしい大きな白い袋を見せた。その中には何か大きくてでこぼこしたものが入っているのがわかる膨らみ方だ。アルミンがその袋を抱えると、それはアルミンの胸の辺りまで届くほどの大きさだった。
    「サンタさんからのプレゼントでーす!」
    それを見て私はなんとか笑いを治めて、ゆっくりと私のほうに歩み寄ってそれを差し出してくるサンタに、今度こそしっかりと首を傾げた。
    「……え、プレゼント?」
    「うん。受け取って」
    その大きさがわかっていたので、私は差し出された白い袋を受け取り、スペースのあるリビングの真ん中までそれを運んだ。それからいったい何が入っているのだろうと、結ばれていた青いリボンを外し、恐る恐る白い袋の口を開いてみる。
     まったく、今年は手の込んだことをしないと豪語していたくせに、ばっちりやってんじゃんと呆れてしまった。
     まずその口から覗いたのは、ふわふわな材質の突起だった。……いやいや、これはもうわかる、これは巨大テディベアの頭部だった。
     きっとさっきの来客は宅配便だったのだろう。おそらくアルミンが私に怪しまれないために時間指定で送っておいたやつだ。ああもう、この策士め。
     その袋を完全に取り払うと、案の定ショーウィンドウでしか見たことがないような巨大なテディベアだ。
     つぶらな瞳、ブルーのリボンを首に巻いて、ほっぺが星型になっている……何ともまあ、私好みのかわいいテディだ。
     けれどこのテディベアをかわいいと思ってしまったことを認めたくなくて、思わず「でかすぎ……」と憎まれ口を叩いてしまった。
    「えへ、今流行りの猫の肌触りを再現した素材を使ってるんだって! ソファの代わりにも使えるかなって。……邪魔かな?」
    私の憎まれ口なんて気にする様子もなく、アルミンは私に尋ねた。
     こんな大きなテディベアどこの置けというのかと思えば、ソファの代わりにと。確かに私はソファを新調しようとは思っていたけど、いやはや、まさかこんなかわいいソファを贈られるとは。
     私はしばしこのテディベアのつぶらな瞳と見つめあってしまった。
     いや、かわいい。かわいいけど、何より私がむず痒くなってしまったのは、アルミンが私のためにこれを選んでくれている光景を思い浮かべてしまったからだ。……込み上げた気持ちは、もちろん嬉しさで。
    「……かわいくなかったら、突き返してたところだよ」
    私は思わず溢れた嬉しさも愛おしさも抱き締めるように、テディベアに歓迎のハグをした。ふかふかの素材が売り文句だったのだろう。頬に当たる毛先は本当に柔らかく、そしてほんのりとした温かみも含んでいた。……うれしい。
    「はは、気に入ってもらえて嬉しいよ。さすがに触り心地も気持ちいいね」
    どうやらアルミンもテディベアの背中側を撫でているようだった。
     そこでふと、先ほどクリスマスマーケットで買ってくれたプレゼントのことを思い出した。これがあったなら、あの場所で買ってくれなくてもよかったのに、と思い返す。
    「……でもあんた、今年は手の込んだことをしないって、ネックレスとスノードーム……」
    「いや、ネックレスやスノードームも贈りたかったのは本心だけど、ああしてたほうが君の警戒心を解けるかなって」
    あはは、と笑い声を付け加えるアルミンを見て、私は私の中で腑に落ちたことがあった。
    「……はあ、もう、あんたは」
     まったくもう、アルミン・アルレルトという男は。
     私はテディベアをリビングの真ん中に置いて、そのリビングに備えつけのクローゼットまで歩み寄った。私もアルミンとまったく同じことを考えていたことを思い出したのだ。
     そのクローゼットから梱包された小さな包みを持ち出す。今度はアルミンが首を傾げる番で、立派な髭を揺らしながら、不思議そうに私の手元を見ていた。
    「……メリークリスマス」
    それを差し出すと、アルミンは目をまんまると見開いて、私の真意を確かめるように瞳を覗き込む。
    「……え、アニも、もしかして……?」
    「わ、私も……実はこっちが本命」
    きらきらした瞳があんまりにも眩しいので、私は思わず目を逸らしてしまった。
     アルミンは着けていた髭を引っ張って首にかけると、驚いた表情のまま私の手からそれを受け取る。
    「え、なになに、僕たちもしかして、同じこと考えてたの? あはは、なんかおかしいね」
    そしてその梱包を少しの間眺めていた。
    「いいから。早く開けな」
    促すとようやくそれの包装紙を丁寧に外し始める。
    「うん。開けるよ。ありがとう、何だろう。この大きさだから……何かゲームのソフトかな」
    「考察はいいから」
    「はは、当てちゃった?」
    そこから出てきたのは、アルミンの考察通り、彼が今夢中になっているゲームのソフトだった。ただ、一応ただのソフトではない。社会人よろしく欲しいソフトなんていち早く自分で買ってしまうのだから、どこにでも手に入るような、そんなものではプレゼントする意味はない。
    「……おお! これ、しかも旧作じゃんか! どこで手に入れたの? 僕も結構探したのに!」
    そう、それは現在大人気のゲームでアルミンもどハマりしている『海底神殿』というゲームのソフトだった。唯一違っているのは、最近アルミンが遊んでいたのはリメイク版で、もう随分前に探しているとぼやいていた旧作がこれだった。
    「いや、その、たまたま仕事で出張したときに見つけて」
    先ほどまでよりもさらに目を輝かせるものだから、私まで嬉しくなってしまう。
     アルミンには『出張先で』なんて言ったけども、本当はヒッチの友人にゲーム会社勤めのコレクターがいて、その人から情報を流してもらっていたのだった。しかもこのソフト、遠方で見つけたために電話で無理を言って取り寄せたものだった。
    「すごい! 嬉しい! ありがとう!」
    アルミンはその喜びを身体いっぱいで表現して、私にぎゅっと抱きついた。……私と大違いだ。
    「ううん。喜んでもらえてよかった」
    私は気づかれないようにそっと抱き返そうとしたのだけど、すぐにアルミンが身体を放したので手が止まる。
    「……でも一番は、」
    「ん?」
    じっとアルミンが私の眼差しを捉えた。優しげに目を細めて、そうしていつもの柔らかい笑みを浮かべる。
    「やっぱり、こうしてアニと過ごせることかな。なんだか僕たち同じようなことしていたし、それもなんか面白くて……愛おしくてさ」
    そこまで言うと、アルミンは再び私のことをきゅ、と抱きしめてくれた。背中が軋まんばかりに強く抱きしめて、
    「アニ、本当に、ほんとうに、大好きだよ」
    今度こそ私もアルミンを抱き返した。……『大好きだよ』と添えてくれた言葉が、どれほど私の心に沁み込んでくることか。
    「……あ、うん。……その、メリークリスマス……」
    でも臆病者で恥ずかしがり屋の私は同じように『大好き』と言えなくて、誤魔化すようにメリークリスマスと言ってしまった。あ、と思ったときには既に遅く、アルミンはふ、と息を吸い込んでいた。
    「もう、君ったら、まったく……はは、ありがとう」
    どうやらアルミンには、ちゃんと私の意図は伝わっていたようだった。


    おしまい

    あとがき

    いかがでしたでしょうか〜!
    そして花見さんハッピーバースデー!!
    長らくお待たせしてしまいすみません( ;∀;)
    リクエストのクリスマスアルアニちゃん、いかがでしたでしょうか♡

    前ジャンルのお陰でドイツ文化に明るくてめっちゃ助けられてます……笑
    クリスマスマーケットデートするアルアニちゃんがかけてとても楽しかったです(〃ω〃)

    私だけでなく読者さんにもお楽しみいただけていたら幸いですー!
    ご読了ありがとうございました^^
    飴広 Link Message Mute
    2023/07/14 23:34:17

    策士なサンタ

    【アルアニ】

    花見さんお誕生日おめでとうございます〜!!
    いつも仲良くしてくださっているせめてもの感謝の気持ちを込めて、小説を書かせていただきました(*'▽'*)
    リクエストは『クリスマスアルアニちゃん』です( ´ ▽ ` )

    ぜひお楽しみください〜!

    Pixivへの掲載:2022年12月24日 19:27

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    • マイ・オンリー・ユー【web再録】【ジャンミカ】【R15】

      2023.06.24に完売いたしました拙作の小説本「ふたりの歯車」より、
      書き下ろし部分のweb再録になります。
      お求めいただきました方々はありがとうございました!

      ※34巻未読の方はご注意ください
      飴広
    • こんなに近くにいた君は【ホロリゼ】

      酒の過ちでワンナイトしちゃう二人のお話です。

      こちらはムフフな部分をカットした全年齢向けバージョンです。
      あと、もう一話だけ続きます。

      最終話のふんばりヶ丘集合の晩ということで。
      リゼルグの倫理観ちょっとズレてるのでご注意。
      (セフレ発言とかある)
      (あと過去のこととして葉くんに片想いしていたことを連想させる内容あり)

      スーパースター未読なので何か矛盾あったらすみません。
      飴広
    • 何も知らないボクと君【ホロリゼホロ】

      ホロリゼの日おめでとうございます!!
      こちらはホロホロくんとリゼルグくんのお話です。(左右は決めておりませんので、お好きなほうでご覧くださいませ〜✨)

      お誘いいただいたアンソロさんに寄稿させていただくべく執筆いたしましたが、文字数やテーマがあんまりアンソロ向きではないと判断しましたので、ことらで掲載させていただきましたー!

      ホロリゼの日の賑やかしに少しでもなりますように(*'▽'*)
      飴広
    • ブライダルベール【葉←リゼ】

      初めてのマンキン小説です。
      お手柔らかに……。
      飴広
    • 3. 水面を追う③【アルアニ】

      こちらは連載していたアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 3. 水面を追う②【アルアニ】

      こちらはアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 最高な男【ルロヒチ】

      『現パロ付き合ってるルロヒチちゃん』です。
      仲良くしてくださる相互さんのお誕生日のお祝いで書かせていただきました♡

      よろしくお願いします!
      飴広
    • 3. 水面を追う①【アルアニ】 

      こちらはアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 星の瞬き【アルアニ】

      トロスト区奪還作戦直後のアルアニちゃんです。
      友だち以上恋人未満な自覚があるふたり。

      お楽しみいただけますと幸いです。
      飴広
    • すくい【兵伝】

      転生パロです。

      ■割と最初から最後まで、伝七が大好きな兵太夫と、兵太夫が大好きな伝七のお話です。笑。にょた転生パロの誘惑に打ち勝ち、ボーイズラブにしました。ふふ。
      ■【成長(高校二年)転生パロ】なので、二人とも性格も成長してます、たぶん。あと現代に順応してたり。
      ■【ねつ造、妄想、モブ(人間・場所)】等々がふんだんに盛り込まれていますのでご了承ください。そして過去話として【死ネタ】含みますのでご注意ください。
      ■あとにょた喜三太がチラリと出てきます。(本当にチラリです、喋りもしません/今後の予告?も含めて……笑)
      ■ページ最上部のタイトルのところにある名前は視点を表しています。

      Pixivへの掲載:2013年7月31日 11:59
      飴広
    • 恩返し【土井+きり】


      ★成長きり丸が、土井先生の幼少期に迷い込むお話です。成長パロ注意。
      ★土井先生ときり丸の過去とか色んなものを捏造しています!
      ★全編通してきり丸視点です。
      ★このお話は『腐』ではありません。あくまで『家族愛』として書いてます!笑
      ★あと、戦闘シーンというか、要は取っ組み合いの暴力シーンとも言えるものが含まれています。ご注意ください。
      ★モブ満載
      ★きりちゃんってこれくらい口調が荒かった気がしてるんですが、富松先輩みたいになっちゃたよ……何故……
      ★戦闘シーンを書くのが楽しすぎて長くなってしまいました……すみません……!

      Pixivへの掲載:2013年11月28日 22:12
      飴広
    • 落乱読切集【落乱/兵伝/土井+きり】飴広
    • 狐の合戦場【成長忍務パロ/一年は組】飴広
    • ぶつかる草原【成長忍務パロ/一年ろ組】飴広
    • 今彦一座【成長忍務パロ/一年い組】飴広
    • 一年生成長忍務パロ【落乱】

      2015年に発行した同人誌のweb再録のもくじです。
      飴広
    • 火垂るの吐息【露普】

      ろぷの日をお祝いして、今年はこちらを再録します♪

      こちらは2017年に発行されたヘタリア露普アンソロ「Smoke Shading The Light」に寄稿させていただきました小説の再録です。
      素敵なアンソロ企画をありがとうございました!

      お楽しみいただけますと幸いです(*´▽`*)

      Pixivへの掲載:2022年12月2日 21:08
      飴広
    • スイッチ【イヴァギル】

      ※学生パラレルです

      ろぷちゃんが少女漫画バリのキラキラした青春を送っている短編です。笑。
      お花畑極めてますので、苦手な方はご注意ください。

      Pixivへの掲載:2016年6月20日 22:01
      飴広
    • 退紅のなかの春【露普】

      ※発行本『白い末路と夢の家』 ※R-18 の単発番外編
      ※通販こちら→https://www.b2-online.jp/folio/15033100001/001/
       ※ R-18作品の表示設定しないと表示されません。
       ※通販休止中の場合は繋がりません。

      Pixivへの掲載:2019年1月22日 22:26
      飴広
    • 白銀のなかの春【蘇東】

      ※『赤い髑髏と夢の家』[https://galleria.emotionflow.com/134318/676206.html] ※R-18 の単発番外編(本編未読でもお読みいただけますが、すっきりしないエンドですのでご注意ください)

      Pixivへの掲載:2018年1月24日 23:06
      飴広
    • うれしいひと【露普】

      みなさんこんにちは。
      そして、ぷろいせんくんお誕生日おめでとうーー!!!!

      ……ということで、先日の俺誕で無料配布したものにはなりますが、
      この日のために書きました小説をアップいたします。
      二人とも末永くお幸せに♡

      Pixivへの掲載:2017年1月18日 00:01
      飴広
    • 物騒サンタ【露普】

      メリークリスマスみなさま。
      今年は本当に今日のためになにかしようとは思っていなかったのですが、
      某ワンドロさんがコルケセちゃんをぶち込んでくださったので、
      (ありがとうございます/五体投地)
      便乗しようと思って、結局考えてしまったお話です。

      だけど、12/24の22時に書き始めたのに完成したのが翌3時だったので、
      関係ないことにしてしまおう……という魂胆です、すみません。

      当然ながら腐向けですが、ぷろいせんくんほぼ登場しません。
      ブログにあげようと思って書いたので人名ですが、国設定です。

      それではよい露普のクリスマスを〜。
      私の代わりにろぷちゃんがリア充してくれるからハッピー!!笑

      Pixivへの掲載:2016年12月25日 11:10
      飴広
    • 赤い一人と一羽【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズの続編です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / プロイセン【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのプロイセン視点です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / ロシア【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのロシア視点です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / リトアニア【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのリトアニア視点です。
      飴広
    • 「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズ もくじ【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのもくじです。
      飴広
    • 最終話 ココロ・ツフェーダン【全年齢】【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の最終話【全年齢版】です。
      飴広
    • 第七話 オモイ・フィーラー【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第七話です。
      飴広
    • 第六話 テンカイ・サブズィエ【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第六話です。
      飴広
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