2月20日【2月20日】
布団にくるまって眠ろうとしていた。
突然、後ろから誰かに強く抱きしめられた。知っている人物なのだが、何か、そこに混ざり込んでいる感情が嫌で嫌で堪らなかった。はっきりと言葉にはできない不快な感情を、直接浴びせられたような感覚だった。
相手をしてはいけないと理解して、布団に潜り込んで蹲った。外から吐息が聞こえる。上手く息ができない。苦しくなって呻いていると、布団の外の気配が消えた。
それでも動悸は収まらない。胸を抑えて落ち着こうとした瞬間、誰かが布団越しにトントンと背中を擦ってくれた。
「大丈夫、俺が居る」
それだけが聞こえた。身体が次第に軽くなって、息ができるようになった。布団の外にいる誰かは、ずっとそばに居てくれるようだった。
心地よさに身を任せて、ようやく眠りについた。