8月1日【8月1日】
夜空を眺めていた。今夜は流星群が一等よく見えるのだという。家の前の広場で、上着一枚を羽織って空を見上げていれば、一筋の光が落ちた。
その瞬間、目を開けていられないほどの光に包まれた。
次に目を開けた時には、空は美しい紫色に染まっていた。見慣れた住宅街は跡形もなく、辺りは草原へと変化している。アメジストを切り出して星を散りばめたような光景に息を飲んだ。
写真に残そうと携帯を取り出したが、本物の美しさには敵わない。少しでも長くこの世界を目に焼き付けておきたくて、携帯を置いて草原に寝転がった。
隣に落ちた一粒の光が温かく輝いていた。