3月26日【3月26日】
ゲームセンターでUFOキャッチャーをしていた
初めて見る種類の機械だった。何らかの漫画のグッズや本、アクセサリーまで、様々な景品が並んでいる。これが一回三百円という破格の値段で遊べるというのだから、早速お金を入れた。
明るい店内に対して、ここだけ暗いのが不思議だった。
せっかくなら、友人にプレゼントできそうなものを取ろう。あの人に似合うのを、どうせなら。そう思ってお金を入れようとした。
「何か買ったり祝ったり、無理にする必要はない」
しかし、友人にいわれた言葉を思い出して、やめるべきかと手を止める。いや、無理にじゃないならいいだろう。そんな屁理屈で硬貨を三枚、投入した。
二、三回挑戦して、お洒落な指輪を獲得することができた。あの人の指にも、きっと似合うだろう。浮き足立つ心に口角が上がる。
喜んで貰えるだろうか。
急ぎ足で家路についた。