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    3月4日【3月4日】

     小さな男の子と女の子が、ベビーカーのようなものを押している。

    「誰か、助けてください!」

     そう泣いていた。何事だろうか。友人が躊躇うことなく子どもたちへ近づいていった。慌ててあとを追う。

     ベビーカーを覗き見ると、赤ん坊がいた。泣いていない、というよりも泣くだけの体力がないように見える。まずいね、と友人が眉を顰める。

    「随分弱っている。お母さんかお父さんはいるかい?」

     子どもたちは首を振った。状況はかなり深刻なようだ。そうこうしていれば、数人の大人が集まってきた。私は友人の服の袖を掴んだまま、周りの話を黙って聞いていた。
     最初に声をかけた縁だということで、子供たちの家へ向かうことになった。大丈夫だと声をかければ、子どもたちは少し安心したような顔をした。

     子どもたちに案内されて、一軒の家に辿り着いた。家と言うより、廃墟のような出で立ちをしている。そういえば、この子達の服も当分取り替えてないかのようにボロボロである。家の中はゴミが散乱して、ホコリが積もっていた。

     呆気に取られたまま一旦外に出る。近所に住んでいるらしいおばさんと、友人が話している。

     曰く、あの子達の父親は既にこの世にいないのだという。母親も行方がしれないが、恐らく生活が立ち行かなくなって逃げ出したのだろうということだった。

     おばさんは父親の親戚らしい。ここまでの状況を友人が説明したところ、おばさんは二つ返事で子ども達を保護すると決めてくれた。子どもたちは馴染み深い彼女に抱き締められて嬉しそうにしていた。赤ん坊もきっと元気に育つことだろう。

     深く頭を下げるおばさんと子どもたちに手を振って、私達は家を後にした。
    縣 興夜 Link Message Mute
    2022/12/21 13:43:56

    3月4日

    3月4日の夢日記
    #創作 #夢日記

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