5月17日【5月17日】
学校が武装組織に狙われているらしい。
自分がいる南側の校舎が攻撃されるようだ。校舎内にいる生徒や先生に伝えても、冗談だと思われて流されてしまう。
誰にも信じてもらえない。声をかけるのをやめて走り始めた。時間が無い。先生の怒る声が遠くで聞こえた。
建物の4階であるというのに、階段がどこにも見つからない。もし見つかったとしても、1階まで降りる頃には攻撃が始まっているだろう。
せめて反対側の校舎に移れば、どうにかなるだろうか。そう考えたものの、渡り廊下はバリケードで閉鎖されている。動かそうとしてもビクともしない。こうなれば、最終手段だ。
窓に足をかけて、思い切り飛び出した。
背後で爆音がした。思わず耳を塞いで、目を瞑った。窓ガラスの破片のようなものが散っているのが見えた。
目を開けると、壊れた校舎と曇り空が見えた。中庭に植えられた木がクッションになって助かったようだ。
誰かの泣き声が聞こえる。ダメだったのか。
何かがせり上げる。
やりきれない。