1月15日【1月15日】
「お神輿、乗ってみたいって言ってたでしょ。だから作ってみたよ!」
長期休みが終わって久々に入った教室には、立派なお神輿があった。そんなこと、言っただろうか。
「先生に怒られない内にはやく遊ぼう」
呆然と立ち尽くしていると、あれよあれよという間に神輿に乗せられてしまった。真っ赤な柱にしがみついて落ちないように必死になった。
いつの間に準備していたのか、ラジカセからは絶えずお囃子が流れ続けている。
結局、下ろしてもらえたのは予鈴が鳴る寸前だった。お神輿は空き教室へと運ばれていった。
友人がラジカセを止めたその瞬間、担任が名簿を持って教室へと入ってきた。お囃子の音が聞こえていたらしい。
「誰だ、教室で祭りを開いてた奴は」
担任が冗談めかしてそう言えば、教室中が笑いに溢れた。まさか、本当に祭りが開かれてたとは思わないだろう。
友人がこちらを振り向いて、小さくピースサインを送ってきた。周りに合わせて笑いながら、焦る心を隠した。